CTIのジャジー&メロウ・ソウル
ジャズやポップスのエッセンスを巧みに取り入れた、ソフト&メロウな異色のソウル・アルバムとして、洗練されたサウンドが良好。後のフュージョン・ジャズのソフト&メロウなサウンドの走りで、さしずめ、R&B志向のフュージョン・ボーカルなアルバムとして、聴き心地良好なボーカル好盤である。
Richard Barbary『Soul Machine』(写真左)。1968年の作品。A&M 3000 seriesの3010番。米国のソウルシンガーであるリチャード・バーバリー(Richard Barbary)の唯一のソロ・アルバム。総帥プロデューサーであるクリード・テイラーがプロデュースを手掛け、A&M 3000 seriesの一枚としてリリース。
ちなみにパーソネルは、主要メンバー(リズム・セクション&鍵盤・ギター)として、Richard Barbary (vo), Eric Gale, Hugh McCracken, Sal DiTroia (g), Paul Griffin, George Butcher (p,org), Ernie Hayes (org), Chuck Rainey (b), Bernard Purdie, Gary Chester (ds),Herbie Lovelle, George Devens (ds,perc)。ここにホーン・セクションがバックに入っている。
リチャード・バーバリーのマイルドなボーカルが一番の「ウリ」。コクがありながらも耳当たりの良い、まったりとしたリチャード・バーバリーの歌声が心地良い。R&B志向のソウルフルな歌唱だが、ソフトでスッキリしている。ファンクネスべたべたのオフビートばりばりのソウル歌唱では無いところがこの盤の特徴。少し高めのまろやかなテナー・ボイスで、感情をじんわりと乗せて歌う「ソフトでエモーショナルな歌声」が映える。
アーティ・バトラーがアレンジを担当。バックの演奏は、バーナード・パーディのファンキーなドラム、チャック・レイニーの極上ベースライン、エリック・ゲイルの職人技ギターなど、1960年代後半のニューヨークで最も脂が乗っていたスタジオ・ミュージシャンによるもの。そのため、ソウルアルバムでありながら、非常に洗練された「ジャズ・グルーヴ」が根底に流れている。
収録曲は、カバー曲を中心に構成されており、名曲をバーバリー独特のスムースなソウル・スタイルで解釈している。本作は、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの礎を築いた名門CTIレコードが初期に制作した、数少ないヴォーカル/ソウル作品という歴史的にも極めて珍しい位置づけの1枚。クロスオーバー&フュージョン・ジャズ初期の隠れ好盤です。
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