2025年12月11日 (木曜日)

お気に入りの「拳銃の報酬」

MJQのアルバムの中では地味な存在のアルバムだが、これがなかなかの内容の佳作なのだ。基本、サウンド・トラックなので、昭和のジャズ者の方々から「コマーシャルだ」と敬遠されていたのかもしれない。だが、実際に聴いてみると、サウンド・トラックという雰囲気が全くしない。MJQのオリジナル・アルバムだ、と言われても、自然と納得してしまう、なかなかの内容。

Modern Jazz Quartet『Music from Odds Against Tomorrow』(写真左)。1959年10月9–10日の録音。邦題「拳銃の報酬」。ちなみにパーソネルは、Modern Jazz Quartet(MJQ)= Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。MJQが、ストーリーに沿って作曲した初めてのサウンド・トラック盤。

まず、冒頭一曲目の「Skating in Central Park」が絶品。もともと、曲自体が絶品。以前、ニューヨークのセントラルパークのスケート場に行ったことがあるが、その時の、目の前に広がる風景、雰囲気が、まさにこの曲の曲想、雰囲気にピッタリ。穏やかな冬の午後の陽射しの中、家族で、恋人同士で、スケートを楽しむ。そんな光景が浮かんでくるような、典雅で流麗で暖かい曲。
 

Modern-jazz-quartetmusic-from-odds-again

 
この曲をミルト・ジャクソンのヴァイブと、ジョン・ルイスのピアノが、典雅に流麗に暖かく弾き進めて行く。そして、パーシー・ヒースのベースが、この佳曲のベース・ラインをしっかり押さえ、落ち着かせ、コニー・ケイのドラムが、ヴァイブとピアノのインプロに、リズム&ビートのアクセントを小粋に付けていく。絶品の6分7秒である。

この冒頭の「Skating in Central Park」のMJQの演奏のトーンが、以降の5曲に反映されて、サウンド・トラック盤らしからぬ、アルバムとしての音の統一感があって良い感じ。この盤のMJQの演奏のトーンは「クラシックの室内楽的なジャズ・カルテットの演奏」。どこかクラシックの流麗さを宿しつつ、ビートはオフ、アドリブ・フレーズの展開は明らかにジャジー。この盤には「MJQらしい」演奏がてんこ盛りである。

録音については、ちょっと硬質でドンシャリ。オーディオ的にジャズを聴く方々にとっては「駄盤」かもしれないが、演奏内容は豊かで良好、録音状態もあまり気にならない。僕にとっては、この盤、冒頭の「Skating in Central Park」にとどめを刺す。この1曲だけでも僕は満足。2曲目以降もMJQらしさ満載なので、僕にとっては愛聴盤。
 
 

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2025年12月 9日 (火曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤 119

ふと、ジョージ・ケイブルスが聴きたくなった。ジョージ・ケイブルス(George Cables)。1944年11月生まれ。今年で81歳になるベテラン・ピアニスト。ブレイキーやロリンズ、デックスなどのサイドメンを務める。僕は、復帰後のアート・ペッパーとの共演で、彼の名とプレイを知った。

George Cables『Icons & Influences』(写真左)。2013年9月16日の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Dezron Douglas (b), Victor Lewis (ds)。深化する醸熟ブルージーなピアニスト、ジョージ・ケイブルス、79歳でのパフォーマンス。デズロン・ダグラスのベース、ビクター・ルイスのドラムをバックのリズム隊に擁した、ピアノ・トリオ編成。

彼のピアノは、しなやかな硬質さを持ったタッチ、適度に多弁なインプロビゼーション。聴いていて、実に端正であり、実に「雅」であり「粋」である。とにかく、聴いていて楽しい、「メインストリーム・ジャズ」をバッチリ感じさせてくれるピアノである。この盤でも、そんなケイブルスの個性的なピアノがてんこ盛り。

良く唄うピアノである。スタンダード曲はもとより、ミュージシャンズ・チューン、そして自作曲と、テーマの旋律が流麗な曲を選んでいるのか、ケイブルスの良く唄うピアノが、更に映えに映える。
 

George-cablesicons-influences

 
しなやかな硬質さを持ったタッチが軽快に、爽快感を撒き散らしながら、シーツ・オブ・サウンド風の速くてモーダルなアドリブを展開する。ほんの少しだけ、指がもつれるところはあるが、全く気にならない。

ブルージーな展開がとりわけ絶品。適度に多弁だが、端正で典雅で粋な弾きっぷりで、決して俗っぽくならず、上質の「聴かせる」ブルース志向のピアノ・インプロビゼーションに仕立て上げられていて見事。ケイブルス流のモーダルな展開が、これまた唄うが如くの雅さで、とてもお洒落でクール。当時、79歳とは思えない溌剌さと明快さ。

そして、ケイブルスの「ケイブルス流」のモーダルな展開は「古くない」。過去の”どこかで聴いた様な」モーダルなフレーズはどこにも聴かれない。ケイブルスの79歳になっても、さらに深化する、ケイブルスのモード解釈が実に頼もしく響く。この盤は、ハードバップの焼き直しでもなければ、20世紀のモード奏法へのオマージュでも無い。

この盤のトリオ演奏は、現代の「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」。現代の若手中堅の「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」なイマージネーションに比肩する、ケイブルス流のモード・パフォーマンス。そして、ブルージーで適度に多弁なところが、ケイブルス独特の響きを醸し出して、現代のジャズ・シーンにおいても、唯一無二の個性を保持していて立派。この盤も謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」の1枚とさせていただきたい。
 
 

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2025年11月25日 (火曜日)

キースの ”実験音楽サークル” です

キース・ジャレットを、単に「ジャズ・ピアニスト」とだけ捉えたら「怪我をする」。クラスック・ピアニストの顔もあるし、『Restoration Ruin』『Spirits』(ここをクリック)そして『No End』という「実験音楽サークル」(ジャズでもクラシックでもない)=「困ったちゃんなアルバム」に属する作品もある。

ジャズに限っても、ソロ・ピアノとグループ・サウンズ(ジャズロック、スタンダーズ・トリオ、アメリカン・カルテット、ヨーロピアン・カルテット)に限っても多岐に渡るパフォーマンスを繰り広げている。キースのリーダー作を手にする場合は、事前にそのアルバムの内容を把握しておくことをお勧めする。なんか良さそう、という直感だけで選ぶと、とんでもない内容(優れてはいるんだけど)のアルバムを手にしてしまう危険性がある(笑)。

Keith Jarrett『No End』(写真左)。1986年の録音。2013年11月、ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (multi-instrument)。キースがエレクトリック・ギターやベースやドラムスを一人で器用にこなし、オーヴァーダビングによって自力でつくり上げた「実験音楽サークル」(ジャズでもクラシックでもない)に属する1枚である。

キースのジャズ・ピアノのアルバムと思って聴いたら、椅子から滑り落ちる(笑)。一般のジャズ者の方々からすると、なんじゃこりゃ、な内容。すべてのトラックは即興演奏で、エレキギター、フェンダー・ベースギター、タブラ、ドラム、各種パーカッションを使用。また、一部のボーカル(トラック「V」と「XVI」では無言の歌唱)と、主な楽器であるピアノ(ただしトラック「X」のみ)も収録。オーヴァーダビングによる「ソロ/バンド」名義のアルバム。
 

Keith-jarrettno-end

 
自由度が高い、サーキュレーションなファンク的カリプソ的なグルーヴがメイン。このグルーブを醸し出すメイン楽器がエレキ。ピアノは殆ど無い。キースの「ヘタウマ」なエレギ&エレベが、ダルでローファイなグルーヴを醸し出して、単調の様で単調じゃないグルーヴは癖になる。

ロックやアフリカの民族音楽の音世界がメイン、ゴスペル的でアーシーなノリもあり、カリプソ風のイメージもあり、演奏のコンセプトは、ダルでローファイなリズム&ビートによって、統一されている。

この盤は、キースがかって、ジャズに限らず、ロック、ブルース、ファンク、ゴスペル、カリプソ、アフリカ民俗音楽などに愛着を持ち、精通していたことを示唆する。1960年代後半、ジャズロックの範疇で、この音楽ジャンルの多角的取り込みを見出すことが出来たが、1970年代に入って、徐々にその表出度合いは減っていき、1980年代以降では、ジャズの範疇の中では「ときおりちょっと顔を出す」程度なレベルに留まっていた。

本作は、前述の『Spirits』のレコーディングと前後して録音された作品で、そんな「控えていた様々な音楽ジャンルの取り込み」が、これら、1980年代の『Spirits』そして、この『No End』で一気に噴き出た感がある。ピアニスト、キース・ジャレットのイメージとは全くかけ離れたところにある音世界ではあるが、キースを理解する上では避けて通れないアルバムであることは事実。

とにかく、ジャズ者の皆さん、気をつけて鑑賞して下さい。ちなみに僕は意外にこの音世界、好きです。
 
 

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2025年11月21日 (金曜日)

ドイツ発, 現代の”ニュー・ジャズ”

ウォルフガング・ハフナーは、1965年、ドイツ生まれのドラマー。今年で60歳。メインは、純ジャズ、フュージョン・ジャズがメインだが、チャカ・カーンなどのサイドメンとして R&B、ロック、ポップスでも活躍する、マルチ・タレント的ドラマーである。

Wolfgang Haffner『Life Rhythm』(写真左)。2024年1月、ベルリンでの録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。現代のドイツ・ジャズを代表する、国際的にも活躍するベテラン・ドラマー、ウォルフガング・ハフナーの18枚目のリーダーである。

Wolfgang Haffner (ds), Simon Oslender (p, key), Sebastian Studnitzky (tp), Arto Mäkelä (g), Thomas Stiege r(b, sitar guitar on #07), に、ゲスト・ミュージシャンとして、Nils Landgren (tb on #01),Thomas Konstantinou (oud on #05), Shantel (additional production, electronics & mix on #05), Dominic Miller (ac-g on #06), Bruno Müller (rhythm-g on #06), Nicolas Fiszman (b on #06), Bill Evans (ss on #08)。

ドラムから音楽を創るハフナーが、リズム&ビート、そして、グルーヴをメインとした、ジャズ・パフォーマンスを成立させている。ハフナーの変幻自在、硬軟自在、緩急自在なドラミングが、バンド全体のグルーヴをリードし、コントロールする。そして、リズムとメロディーとが相互反応し、創造的で先進的なパフォーマンスを生み出している。
 

Wolfgang-haffnerlife-rhythm  

 

「ドラムセットが単なるリズム楽器以上のものになり得る」というハフナーの探求が、このアルバムの音に反映されている。パーカッションループやライブ・エフェクトを試し、ステージを録音スタジオに仕立て、ハフナーのドラムが演奏全体をリードし、メロディー楽器が、そのリズム&ビートに反応して、印象的なフレーズを紡ぎ出し、ハフナーのバンド独特のグルーヴを生み出す。

タイトル曲「Life Rhythm」を聴けば、それが良く判る。ハフナーの、シンバルではなくドラムがパルスを刻む。ドライブ感のあるグルーヴを創り出す。これが実にユニーク。そして、続く「Balance」では、ハフナーの情感がこもった穏やかなブラシワークで我々を魅了する。「Joy of Life」ではシンバルのグルーヴを叩き出し、「Eternity」ではエレクトロニクスを駆使した、現代のニュー・ジャズの最先端を行くパフォーマンスを聴かせてくれる。

バンドのメンバーはじめ、ゲスト・ミュージシャンに至るまで、ハフナーの創造するドラミングが演奏全体のトーンとグルーヴに導かれて、印象的なフレーズを紡ぎ出し、ドラムから創り出すパフォーマンスを成立させている。

これぞ、現代の「ニュー・ジャズ」。1970年代、当時の「ニュー・ジャズ」は、やはりドイツのECMが発信を担った。そして、このハフナーはドイツ・ジャズの代表格。ドイツ・ジャズは、やはり隅に置けない。
 
 

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2025年11月16日 (日曜日)

発展途上的”深化”を捉える好盤

GoGo Penguin(ゴーゴー・ペンギン)。 2009年、英国のマンチェスターで結成された新世代ピアノ・トリオ。「踊れるジャズ」をアコースティック楽器でプレイするバンド・スタイルは「アコースティック・エレクトロニカ・トリオ」と評価されている。「新しいジャズのアンサンブル」を標榜しつつ、アコースティック楽器でのエレクトロニック・ミュージックを再現する、という実に面白いアプローチを採用している。

そして、ゴーゴー・ペンギンは深化する。初期の頃のゴーゴー・ペンギンの音世界は着実に、ポジティヴな方向に変化している。そして、テクニック最優先の演奏構成から、バンド全体のグルーヴとビートを重視する演奏構成に変化し、その分、シンプル感がアルバム全体を覆う。クラシック的な印象的なピアノにアグレッシブなベースとドラム。

GoGo Penguin『Necessary Fictions』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、Chris Illingworth (p), Nick Blacka (b), Jon Scott (ds)。クラシック、プログレッシヴ・ロックをバックボーンに持ちつつ、最先端のエレクトロニック・ミュージック&ダンス・ミュージック志向を標榜する、マンチェスターのピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンの「融合」エレ・ジャズである。
 
Gogo-penguinnecessary-fictions  
 
重厚でヘヴィな音色のウッドベースの執拗な反復が生み出す独特のグルーヴが実に「妖しい」雰囲気。そこに、プリペアド・ピアノ(たぶん)が、同じく、ベースのただならぬグルーヴに乗って、反復を紡ぎ出す。そして、ベースのグルーヴに導かれるように、パルシヴな重低音ドラムのリズム&ビートが疾走する。しかし、この分厚いグルーヴのビート・サウンドが、トリオで創出されているとはちょっとした驚きだ。とにかく迫力満点。この「反復」のグルーヴは癖になる。

反復グルーヴは、1970年代の欧州プログレッシヴ・ロック、タンジェリン・ドリームやクラフト・ワークを想起する。そんな1970年代欧州のビート・プログレッシヴ・ロックを現代のグルーヴに置き換えて、ジャズの即興要素をベースにリコンパイルした様な、ゴーゴー・ペンギン、唯一無二の音世界。大胆なエフェクトの導入も耳に新しく響く。現代のエレクトリック・コンテンポラリー・ジャズの「独立峰」的音世界。

英国音楽の複数ジャンルの音世界の「融合」の取り扱いは伝統的。ジャズとプログレッシヴ・ロック、エレクトロニカ、現代音楽を効果的に「融合」した音世界。ボーダーレスな現代のエレクトリック・コンテンポラリー・ジャズ。コーゴー・ペンギンの発展途上的「深化」を捉えた好盤である。
 
 

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2025年11月12日 (水曜日)

T-SQUARE ”TURN THE PAGE!”

T-SQUAREは、1976年11月に結成。1978年アルバム『Lucky Summer Lady』を発表し本格的に活動を開始。以降、一昨年リリースの「VENTO DE FELICIDADE 〜しあわせの風〜」までで50枚のアルバムをリリース。和クロスオーバー&フュージョン・バンドの草分けであり、代表格の一つであり、レジェンドでもある。ファーストアルバムのリリース以降、47年間、バンド・サウンドを都度、深化させているのは「見事」と言うほか無い。

T-SQUARE『TURN THE PAGE!』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、伊東たけし (as, NuRAD), 亀山修哉 (g), 長谷川雄一 (p, key), 田中晋吾 (b), 坂東慧 (ds)。T-SQUAREの2年振り、51枚目のアルバム。 2025年6月4日にリリース。プロデューサーとして元キーボーディストの河野啓三が参加している。

タイトルの「TURN THE PAGE!」は「過去のことを整理して新たに始める」という意。この盤には、従来の「T-SQUARE」サウンドがてんこ盛り。冒頭の「君と歩こう」の出だしの数フレーズだけで、従来の「T-SQUARE」色の音と確信する。それほどまでに、個性的で、他が真似出来ない、真似しない、「T-SQUARE」固有の、唯一無二のサウンド。
 

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リズム&ビートのテンポも「T-SQUARE」らしい、ミッド・テンポが中心。音の傾向は、クロスオーバー&フュージョン。どちらかというと、ファンクネス皆無、ロック寄りのクロスオーバー&フュージョン。これも「T-SQUARE」らしい音傾向。特にキーボード・ワーク、そして、ベース&ドラムのリズム隊は「ロック志向のサウンド」がメイン。しかし、フロント楽器、サックス+ウィンド・シンセ、そして、エレギについては、クロスオーバー&フュージョン・ジャズ志向。これが、従来の「T-SQUARE」らしさ。

冒頭の「君と歩こう」は、新生T-SQUARE の、イントロで5人それぞれ登場という趣向の「名刺代わり」の1曲。2曲目の「Marmalade!」の爽快感はT-SQUAREならではのもの。3曲目の「琥珀色の時」は泣きのサックス大活躍のバラードだが、ファンクネスは皆無。5曲目の「Front Runner」は、明らかにロックからジャズへのアプローチ。ロック志向のクロスオーバー・サウンド。7曲目の「ULTRA」では、T-SQUARE のテクニックの高さを再認識等々、全曲、T-SQUAREらしさが満載。

メンバー編成については、本作から、ベースに田中晋吾、キーボードに長谷川雄一、ギターに亀山修哉が正式メンバーとして加入。バンド形態及び5人体制が復活。使用楽器については、伊藤たけしが、30年以上にわたってウィンド・シンセにEWIを使用していたが、このアルバムから、NuRAD(ニューラッド)を使用。バンドとしての「T-SQUARE」が、再び充実し始めている。目新しい何かがある訳では無いが、T-SQUARE の更なる深化がビンビンに感じられる秀作である。
 
 

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2025年11月 9日 (日曜日)

鈴木茂”White Heat”を久々に聴く

鈴木茂(すずき・しげる)。日本のギタリスト・レジェンドの1人。はっぴいえんど、ティン・パン・アレーなどのメンバーとしてギターを担当し、1975年には米国のミュージシャンを起用、ロスで録音した初ソロ盤『Band Wagon』dでソロ・デビュー。ソロ・デビュー当初から、ボーカル入り(これがあまり、でねえ・笑)のAOR志向の和フュージョンを追求していたが、1979年、このアルバムで、オール・インストルメンタルの「和フュージョン・ジャズ」なアルバムをリリースして、我々を驚かせた。

鈴木茂『White Heat』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、鈴木茂 (g), 村岡建, 砂原俊三, Jake H.Concepcion (sax), 数原晋 (tp), 新井英治(tb), 坂本龍一, 佐藤準, 矢野顕子 (key), 小原礼, 後藤次利 (b), Robert Brill, 高橋幸宏 (ds), 浜口茂外也 (perc, fl), ペッカー (perc), ラリー寿永 (perc), Salita Escobar (vo)、バックに、The Ohno Strings (strings) が入る。ビクター期における、唯一のインストルメンタルを中心とした作品になる。

当時、自身でも「ギターのインストゥメンタルやってると煮詰まってくる」と語っていたのだが、この盤はインストルメンタルを中心とした作品。明らかに、大流行していて、フュージョン・ジャズの「ギター・フュージョン」をやって、一発当てようと思ったのか、どうなのか。とにかく、収録曲の質も良く、和フュージョン独特のアレンジも良好。鈴木茂のギターも大活躍とあって、このインストルメンタルを中心とした作品、なかなかの「和フュージョン」の秀作に仕上がっている。
 

White-heat 

 
冒頭「Hot Blooded」のギターの前奏から、このインストは米国系では無いと感じる。ファンクネス皆無な乾いたオフビート、独特なエコーとサスティーンが効いたギターの音色。米国にはない、フュージョン・テイストのインストで、しかも録音が良い。これは「和フュージョン」それも、1970年代後半から1980年代初頭の音作りと当たりを付ける。エレギの音色が独特で個性全開。これは鈴木茂、と確信する。

全体の音作りは、当時のソフト&メロウなフュージョン・サウンド。耳当たり、聴き心地の良い、上質のイージーリスニング志向のソフト&メロウなフュージョン・サウンド。フレーズがどこか米国フュージョンのイメージを借りてきている雰囲気なので、今の耳にはちょっと古さを感じるのが残念。それでも、鈴木茂のエレギは鳴りに鳴っているから、これだけでも、この盤は「買い」だろう。

バックのミュージシャンも、曲者優秀どころがズラリ。特に個性の強い、高橋幸宏のドラム、坂本龍一のキーボード、小原礼、後藤次利のベースは印象的に響く。1曲1曲の収録時間が4分前後、フェードアウトの多用が玉に瑕だが、それ以外は、水準以上の演奏で、和フュージョンの秀作の1枚、として問題無い、聴き甲斐のある、和フュージョンな1枚である。
 
 

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2025年11月 4日 (火曜日)

野田ユカ『カリブの夢』を聴く

和フュージョンは、米国とは全く異なる、独特の深化を遂げていく。リズム&ビートは、ファンクネス希薄なロック寄りのオフビート。楽器はシンセサイザーを始めとする鍵盤楽器が活躍する。米国では、フュージョンはスムースへと進化するが、我が国では、フュージョンは、ばりばり硬派な正統派フュージョンを突き進むか、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップなフュージョンに枝分かれするか、のどちらかだった。

野田ユカ『カリブの夢』(写真左)。1989年の作品。ちなみにパーソネルは、野田ユカ (key), 塚山エリコ (produce, key), 土岐英史 (sax), 萩谷清 (g), 加瀬達 (b), 渡辺直樹 (b), 市原康 (ds), 岡本郭男 (ds), 鳴島英治 (perc), 木村 "キムチ" 誠 (perc)。副題が「ライト・フュージョン・ファンタジー」の、和フュージョン志向のインスト盤。

リーダーの野田ユカは、現在はピアニスト・鍵盤ハーモニカ奏者。しかし、彼女は、エレクトーンフェスティバル'81全日本大会入賞の実績を持つ。このアルバムは、野田ユカが、ヤマハ音楽振興会のエレクトーンプレイヤーだった89年に発表したソロアルバム。副題からも判る様に、あっけらかんと明るい、ファンタジーな、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップな和フュージョン。
 

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和フュージョンの深化の特徴として、鍵盤楽器の積極的活用がある。この盤でも、当然、主役はエレクトーンからシンセサイザーをはじめとする鍵盤楽器が大活躍。ギターとサックスは、その鍵盤楽器が活躍する中での「口直し」というか「耳直し」的な役割を果たしている。このイージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップなフュージョンのメインは「鍵盤楽器」。テクニックは極上、歌心もあって、演奏のレベルは高い。舐めてはいけない。

ベタな潮騒の音から始まる、ライトでポップなフュージョン・チューン、タイトル曲の「カリブの夢」。隠し味に、カリビアンなリズム&ビートが見え隠れするところが、良いアクセントになっている。キャッチーなエレクトーンの調べがキュートで印象的な「Manhattan Blue」。チャイニーズ&テクノポップなアレンジが和フュージョンらしい「Clip My Heart」。全体的にカリビアン、ラテン、テクノの音要素を融合しつつ、海辺のアーバンな雰囲気を醸し出したソフト&メロウな音作り。

とにかく、あっけらかんとして、翳りのない、海の香りがする、アーバンな、イージーリスニング&ヒーリング志向のライトでポップな和フュージョン。じっくりとスピーカーに対峙して聴き込む系の硬派なフュージョンでは無いが、ながら聴きとして、イージーリスニングとして、BGMとして、リラックスして聴くには最適な和フュージョン盤。硬派なフュージョン者の方々からすると「ありえない」盤かもしれないが、イージーリスニング&ヒーリング志向の和フュージョンとしては良い内容の盤だと思います。
 
 

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2025年10月31日 (金曜日)

BNのイージーリスニング盤です

硬派な老舗ジャズ・レーベルのブルーノート。4200番台も後半になると、大衆受けする「売れる」盤だけを狙った、イージーリスニング志向のジャズ盤を制作する様になる。とにかく「聴き心地」優先、ジャズのアーティスティックな面を封印し、ポップ度を高める為に、ジャジーなリズム&ビートを活用し、ストリングスをオーバーダビングする。ほとんど、イージーリスニングなアルバムも制作していた。

Stanley Turrentine『Always Something There』(写真左)。1968年10月の録音。ブルーノートの4298番。ちなみにパーソネルは以下の通り。フレンチ・ホルン入り小ビッグバンド編成。ここに、ストリングスをオーバーダビングしている。ただし、波ー祖ネルを見渡すと、ジェローム・リチャードソン、サド&ハンク・ジョーンズ、ケニー・バレル、ハービー・ハンコック、メル・ルイス、ミッキー・ローカーなど、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加している。

Stanley Turrentine (ts), Burt Collins (flh), Jimmy Cleveland (tb), Jerry Dodgion (as, fl, cl), Jerome Richardson (ts, fl cl), Thad Jones (tp, arr), Kenny Burrell (g), Barry Galbraith (g, tracks 2, 10), Hank Jones (p, tracks 2, 3, 5-8, 10), Herbie Hancock (p, tracks 1, 4, 9), Bob Cranshaw (b), Mel Lewis (ds, tracks 1, 2, 4, 9 & 10), Mickey Roker (ds, tracks 3, 5-8), Dick Berg, Jim Buffington, Brooks Tillotson (French horn)。
 

Stanley-turrentinealways-something-there

 
しかし、冒頭の「(There's) Always Something There to Remind Me」から、あ〜遂に、ブルーノート・レーベルも、ここまで俗っぽくなってしまったか、と苦笑いする。軽快なブラスのユニゾン&ハーモニー、小洒落たポップなビッグバンド・サウンド、途中、ストリングスがオーバーダビングされて、もう、これは、ジャズなリズム&ビートをベースにした「イージーリスニング音楽」。

演奏自体は、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加しているんで、カッチリとまとまっているし、楽器の響きも良い。でも、いかんせんアレンジがポップで俗っぽい。アレンジは誰か、と確認したら、サド・ジョーンズ。意外。サドもこんな俗っぽいポップでライトなビッグバンド・アレンジをするんだ、と変に感心する。

レノン&マッカートニーの「Hey Jude」「The Fool on the Hill」、ドアーズの「Light My Fire」など、ロックのヒット曲のカヴァーが入っていたり、フィフス・ディメンションの「Stoned Soul Picnic」が入っていたり、とにかく、一般大衆の訴求する、大衆受け狙いのイージーリスニング盤である。ただし、オーバーダビングされたストリングス以外のジャズマンの演奏はしっかりしているので、聴き心地は良い。ながら聴きのジャズ盤としては良い内容かもしれない。
 
 

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2025年10月28日 (火曜日)

ソウルフルなジャズ・オルガン

ライトでポップで小洒落たソウル・ジャズである。こってこてジャジーな雰囲気は無く、どちらかと言えば、イージーリスニング志向、クロスオーバー・ジャズ志向の聴き易く、判り易いソウル・ジャズである。こってこてファンキーに、バンバン前へ出るオルガンでは無く、アンサンブルの中で、ソウル・ジャズ志向のオルガンをさり気なく響かせる様な、グループ・サウンズ重視のオルガンである。

Reuben Wilson『On Broadway』(写真左)。1968年10月4日の録音。ブルーノートの4295番。ちなみにパーソネルは、Reuben Wilson (org), Trevor Lawrence (ts), Malcolm Riddick (g), Tommy Derrick (ds)。1960年代のブルーノートが送り出した最後のオルガン奏者、ファンキー&ソウル・ジャズ志向のオルガン奏者、ルーベン・ウィルソンのデビュー盤。

ダンサブルかつファンキー&ソウルフルなプレイが身上のオルガンである。ジャズ色濃厚のテンション高く切れ味の良い純ジャズ志向なオルガンとは正反対の、ライトでポップで適度に緩く明るいオルガン。深刻感は全く無い。あっけらかんとした、小洒落たフレーズが心地良く、聴き流して心地良い、この時代特有の、一般聴衆にもしっかり訴求する判り易いオルガンである。
 

Reuben-wilsonon-broadway

 
パーソネルを見渡しても、それまでのハードバップからジャズの多様化まで、いわゆる1950年代から1960年代前半までのハードバップ時代に活躍したメンバーの名前は無い。メンバーそれぞれ、ソウル・ジャズ志向、それもR&Bの音の色づけに長けたメンバーで構成されているみたいで、例えば、サックスのトレヴァー・ローレンスはマーヴィン・ゲイとの共演などで、ソウル・ミュージックの世界ではお馴染みのサックス奏者である。

タイトル曲「On Broadway」は、ドゥーワップ・グループ、ドリフターズの大ヒット曲で、後にジョージ・ベンソンがリバイバル・ヒットさせたソウルフルな名曲。この名曲を、ライトにポップに、聴き易く判り易いアレンジで、ソウルフルに演奏していく。さりげなくソウルフルに響く、ウィルソンの軽快なオルガンが良い感じで鳴っている。

ルーベン・ウィルソンは、ソウル・ジャズ志向が色濃いオルガン奏者。米国オクラホマ州で1935年4月に生まれる・2023年5月、ニューヨークで肺癌のため88歳で逝去している。リーダー作は生涯で20枚以上、活動時期は、1968年から2011年まで、43年と長かった。しかし、我が国ではマイナーな存在に甘んじている。しかし、この初リーダー作は、小粋で良く出来たソウルフルなオルガン・ジャズ盤。良いアルバムだと思います。
 
 

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