第一期カシオペアの音の究極
前々作『SUN SUN』の、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向を踏襲しつつ、ボーカルを導入したり、バック・ボーカルを工夫して織り込んだり、よりポップな仕上がりになって、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟を見た、前作の『PLATINUM』。
CASIOPEA『EUPHONY』(写真)。 1988年1月7日~2月5日、東京の「Studio Jive」での録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。カシオペアの18枚目のアルバム。ゲスト無し、メンバー4人のみで制作されたシンプルな原点回帰的なアルバムである。櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds) が参加した最後のアルバムでもある。
自身の新レーベル、新レーベルAURAの設立後、第二弾のアルバム『EUPHONY』は、どんなサウンドに仕上がっているのか。新しい音の展開はあるのか。興味津々でこの『EUPHONY』を聴いた記憶がある。事前にライナーノーツを読んで、ゲスト無し、メンバー4人のみで制作されたことは、事前知識として頭に入っていた。
で、出てくる音は、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟形がベースなんだが、前作まで、その音の個性を捻り出していた「純和製のクロスオーバー&フュージョンの特徴である、乾いたファンク・ビート」が後退し、カシオペア初期のクロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビートに置き換わっている印象。
アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟形の、「乾いたファンク・ビート」を「クロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビート」に置き換えた、カシオペア独特のアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のギターバンド・サウンドに仕上がっている。
「クロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビート」に置き換えたところを、カシオペア・サウンドの「原点回帰」と捉えるか、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの「究極形」と捉えるか、でこの盤の評価は分かれるが、僕は後者である、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの「究極形」と捉えている。
このクロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビートがベースの、カシオペア独特のアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のギターバンド・サウンド。これが第一期カシオペアの最終到達点だと僕は感じている。和フュージョンからスタートしたカシオペア初期。ここでは、カシオペア初期のリズム&ビートを残しつつ、内容的にはグローバル・レベルのフュージョン・ジャズに進化した、第一期カシオペアの音の「究極形」である。
和フュージョンの傑作であり、グローバル・レベルのクロスオーバー&フュージョン・ジャズの傑作である。「EUPHONY」とは「快い音、美しい響き、好音調」を意味する言葉。この盤には、第一期カシオペアの「快い音、美しい響き、好音調」が詰まっている。名盤だと思う。
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