良好な発掘盤 ”Flight to Norway”
哀愁のバップ・ピアニスト、デューク・ジョーダン。1970年代、彼の復活作が『Flight to Denmark』。SteepleChaseレコードのジョーダンのリーダー作には、このヒット・アルバムのタイトルにあやかった「Flight to 〜」で始まるタイトルのアルバムが2枚かある。その一枚がこれ。
Duke Jordan『Flight to Norway』(写真左)。1978年11月10日、ノルウェー、ホヴィコッデンのアートセンターにてのライヴ録音。2003年、SteepleChaseレコードからのリリース。
ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Wilbur Little (b), Dannie Richmond (ds) 。2003年に突如リリースされた、デューク・ジョーダン・トリオの「良質な内容の蔵出し発掘ライヴ盤」である。
録音年から、25年経ってのリリースである。恐らく、演奏の内容は良いのだが、何か録音に問題があったんだろうな、と当たりをつけて聴き始める。なるほど、ドラムの音量が大きすぎたり、ベースの音量が小さすぎたり、お蔵入りライヴ音源の「あるある」の状態なんだけど、デューク・ジョーダンのパフォーマンスは良好。
ジョーダンのピアノの個性である、フレーズ展開のセンスが抜群、メロディアスで、ハーモニーに富み、抑制と優雅さを兼ね備えたスウィング感が良好。基本はバップ・ピアノ。どの演奏も、疾走感溢れ、軽快にスイング、バップらしいメリハリの効いたもの。ピアノ・トリオ演奏のお手本の様なパフォーマンス。
演奏の内容については、やはり、スタンダード曲のアレンジと解釈が抜群に良い。5曲目の「I Should Care」。バップ・ピアノでありながら、どこか気品漂う、クールでジャジーな弾き回しが絶品。
ジョーダンのオリジナル曲も当然良い感じ。底抜けに明るく軽快な、冒頭の「Jealous Blues」。日本の新幹線にインスパイアされた、ジョーダンの4曲目「The Bullet」。10曲目「On Green Dolphin Street」は、僕の大好きなスタンダード曲なのだが、イントロの作りが実にお洒落。
ベースのリトルとドラムのリッチモンドは、反応の良い、玄人好みのリズム隊。ジョーダンのオンビートなフレーズに適応して、ジョーダンのピアノを支え、鼓舞する。録音バランスの問題はあるが、ジョーダン・トリオの良いところを捉えた、なかなかのピアノ・トリオ盤である。
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