ジャズ喫茶で流したい・294
キース・ジャレットが、ジャズ・ベースの哲人「チャーリー・ヘイデン」を自宅に招いて行った心温まるデュオ・セッション集である。デュオでの共演はなんと31年ぶり。しかし、キースは「ソロの達人」、ヘイデンは「デュオの達人」。ソロの達人とでデュオの達人が組んでの、極上のメインストリーム・ジャズなデュオ演奏に展開されていく。
Keith Jarrett & Charlie Haden『Jasmine』(写真左)。2007年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (p), Charlie Haden (b)。1976年、チャーリー・ヘイデンの『Closeness』の冒頭「Ellen David」以来のヘイデンとキースのデュエット。キースの自宅スタジオでの気軽なセッションを収めたデュオ盤である。
キース自身「事前に準備を整えて録音したものではなく、本当にそのとき偶然に出来た音楽で、二人にしかできえなかったもの」と語るように、とても自然で淡々とした、色彩豊かなピアノとベースのデュオ演奏が展開されいます。いずれの曲にも「作為とプロデュース」が全く感じられなくて、キースとヘイデンが心のままに、デュオ演奏を繰り広げていったのがよく判る。
キースの他のソロ演奏のように、ダイナミックで幅広な展開で弾き回すのでは無く、ヘイデンのベースの音とフレーズを良く聴き、それに応じるような、ピアノとベースとが「会話」を重ねるような、シンプルでナチュアルなデュオ演奏が続く。収録曲のどれが突出するでもない、皆、同じ流れと雰囲気の中で、淡々と極上の内容を湛えたデュオ演奏を繰り広げていく。
キースのピアノを久し振りに聴いたのだが、これだけリラックスして、プライベートな雰囲気を湛えた、躍動感溢れるパフォーマンスはこの盤の他に無いだろう。また、ヘイデンのベースは、アコースティック・ベースの良いところを前面に出しつつ、キースのピアノに寄り添うようにベースラインを弾き進めていく。もはやこれは名人芸の上を行く極上のレジェンド・パフォーマンスである。それほどまでに、ヘイデンのベースは充実している。
キースは、ライナーノーツで「Call your wife or husband or lover in late at night and sit down listen.(夜遅く、妻、夫、そして恋人、そんな二人でゆっくり腰掛けて聴いてほしい)」と言う言葉で締めくくっている。プライベートな響きと雰囲気を宿した極上のピアノとベースのデュオ。名盤です。
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