2024年10月19日 (土曜日)

僕なりの超名盤研究・34

今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや3年。やっと第1巻の終わりである。

ジャズを本格的に聴き始めたのが1978年の春。フュージョン・ジャズの名盤の何枚かと、純ジャズのアルバム、MJQ『Pylamid』、 Herbie Hancock『Maiden Voyage』を聴かせてもらって、フュージョン・ジャズのアルバムも良かったが、特に、純ジャズの2枚については、いたく感動したのを覚えている。

そして、友人の家からの帰り道、久保田高司「モダン・ジャズ・レコード・コレクション」を買い求めて、ジャズ盤コレクションの道に足を踏み入れた。ハービー・ハンコックについては、FMレコパルの記事でその名前は知っていたので、まずはハンコックのアルバムの収集を始めた。

そこで、まず最初に手にしたのが、Herbie Hancockの『V.S.O.P.』。アコ・ハンコックとエレ・ハンコックの2つの側面をLP1枚ずつにまとめた名盤なのだが、僕はこの「アコースティックな純ジャズ」の演奏が実に気に入った。

このアコ・ハンコックのユニットは「V.S.O.P.」=「Very Special Onetime Performance」と命名された。ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演の折、ハービー・ハンコックがマイルスの黄金クインテットを再現することで、マイルスのカムバックを促す予定が、直前で肝心のマイルスがドタキャン。仕方なく、フレディ・ハバードを迎えて結成したこのV.S.O.P.クインテット。本来一1回きりの結成のはずが、予想外の好評に継続して活動することになる。

V.S.O.P.『Tempest in the Colosseum』(写真)。邦題は『熱狂のコロシアム』。1977年7月23日、東京の田園コロシアムでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Herbie Hancock (p), Wayne Shorter (ts, ss), Freddie Hubbard (tp), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。伝説の「V.S.O.P.」ユニットである。
 
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V.S.O.P.名義のアルバムは、他に2枚、V.S.O.P.『The Quintet』(1977年7月録音)、V.S.O.P.『Live Under the Sky』(1979年7月26日、27日録音) があるが、この『Tempest in the Colosseum』の出来が一番良い。USAツアーの後の日本公演だけに、メンバーそれぞれの演奏もこなれて、十分なリハーサルを積んだ状態になっているようで、この日本公演のライヴ録音の内容は秀逸である。

ライヴアルバムとしての編集も良好で、この『Tempest in the Colosseum』が一番ライヴらしい、臨場感溢れる録音〜編集をしている。演奏自体も変に編集することなく、トニー・ウィリアムスの多彩なポリリズムが凄まじい長尺のドラムソロや、ロン・カーターのブヨンブヨンとしているが、高度なアプローチが素晴らしい長尺のベースソロも、しっかり余すことなく収録されているみたいで、ライヴそのものを追体験できる感じの内容が秀逸。

演奏自体も内容は非常に優れていて、この「V.S.O.P.」の演奏が、ノスタルジックな「昔の名前で出ています」風に、1960年代中盤〜後半の演奏をなぞった「懐メロ」な演奏になっていないところが良い。この演奏メンバー5人の強い矜持を感じる。当時として、モードの新しい響きがそこかしこに見え隠れし、この5人のメンバーは、マイルス後も鍛錬怠りなく、確実にモード・ジャズを深化させていたことを物語る。

収録されたどの曲も内容のある良い演奏だが、特にラストのハバード作「Red Clay」が格好良い。ジャズ・ロック風のテーマに対して、インプロビゼーション部になると、メンバー全員が「モード奏法」で襲いかかる。凄い迫力、凄いテンション、そして、印象あるフレーズの連発。

このライヴ盤は、1970年代後半の純ジャズが、どれだけ高度なレベルで維持されていたか、ということが如実に理解できる内容になっている。この「V.S.O.P.」ユニットが切っ掛けとなって、純ジャズが「復古」し始める。

この「V.S.O.P.」ユニットは、純ジャズ復古のムーブメントの「最初の第一歩」となった伝説にユニットである。このユニットの演奏には、現代につながる「新しい」モード・ジャズの要素が散りばめられている。名盤である。
 
 

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2024年2月14日 (水曜日)

ショーターの「白鳥の歌」『Live at the Detroit Jazz Festival』

2023年3月2日、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)は、89歳で逝去した。ジャズを聴き始めてから、リアルタイムでずっと聴き続けてきたジャズマンが逝去するのは単純に辛い。

ショーターのサックスのベースは「モード」。ショーターのモード奏法は、マイルスのモードの個性とコルトレーンのモードの個性を極端に拡張〜融合した、当時のモード奏法の究極形の様な吹き回し。

確実にステップアップしたモード解釈で、音の「スペースと間」を活かし、音の広がりを活かしたモーダルな展開は、明らかにショーターならではの音世界。確実にショーターは、ジャズ・サックスの偉大なスタイリストの一人だったし、後進に与える影響は大きかった。

Wayne Shorter, Terri Lyne Carrington, Esperanza Spalding, and Leo Genovese『Live at the Detroit Jazz Festival』(写真左)。2017年9月3日、デトロイト国際ジャズフェスティバルでのライヴ録音。2017年6月に逝去した、ピアニストで作曲家のジェリ・アレンの追悼のパフォーマンスでもあった。

ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (sax), Leo Genovese (p, key), Esperanza Spalding (b, vo), Terri Lyne Carrington (ds)。ショーターのサックスがフロント1管の「ワンホーン・カルテット」。

ショーターがテリ・リン・キャリントンやエスペランサ・スポルディング、レオ・ジェノヴェーゼと共演、という「一期一会」のライヴ音源。プロデュースは、テリ・リン・キャリントンが担当している。2022年9月にアルバムとしてリリース。今のところ、2023年に亡くなる前のショーターにとって最後のレコーディングでもあった。
 

Live-at-the-detroit-jazz-festival

 
しかし、このカルテットの編成は凄い。こういう組み合わせもあったのか、と唸った。ショーターのモーダルなサックスは、その個性と特徴をよく理解していないと共演できない類のものだと思うのだが、この「一期一会」のカルテットは、まるでパーマネント・カルテットの様な、一体感溢れる、濃密なつながりの中で、モーダルなインタープレイを展開している。

キャリントンのドラム、スポルディングのベース、ジェノヴェーぜのピアノ、このリズム・セクションがショーターの個性と特徴に精通し、ショーターの音楽性にリスペクトの念を強く抱いていることが、とても良く判る。特に、ジェノヴェーぜのピアノが凄い。変幻自在、緩急自在、硬軟自在なピアノでショーターの音世界に追従する。

フロントのショーターもそれを感じて、実に楽しそうにサックスを吹き上げている。時々、顔を出す「深刻なフレーズ」や「宇宙人との交信フレーズ」が無い。このライヴではショーターは地球人ジャズ・ミュージシャンとのみ、交信している。変に捻れたところが無く、ポジティヴで健康的なショーターのフレーズの数々が印象深い。

スポルディングが参加していることもあって、ボーカル曲も沢山入っている。しかし、そのボーカルも「ショーター調」がしっかり踏まえられていて、「ショーター節」を踏襲した唄い回しが実に微笑ましい。ネオ・ハードバップ&ネオ・モードの最先端の演奏であるが、このエスペランサのボーカルは決して邪魔にならない。どころか、ショーターのモード・ジャズに新しい彩りを添えている。

このショーターのワンホーン・カルテットでの演奏がもっと聴きたかったなあ。この4人でのカルテットの演奏はこのライヴの時だけ。真に「一期一会」のパフォーマンスを捉えた素晴らしいライヴ音源である。

この後、ほどなくショーターは引退し、2023年3月、鬼籍に入る。
 
 

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2023年9月28日 (木曜日)

1990年代の唯一のリーダー作 『High Life』

Weather Report(ウェザー・リポート, 以下略して「WR」)以降の「Wayne Shorter(ウエイン・ショーだー)」のリーダー作を聴き直している。

1985年の『Atlantis』から始まり、『Phantom Navigator』『Joy Ryder』と、基本的には、WRの音世界をショーターなりに、ショーターとして解釈し、ショーター印のWR的な音世界をずっと追求し続けて来た。

Wayne Shorter『High Life』(写真左)。1995年の作品。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (sax), Rachel Z (p, syn, sequencing, sound design), David Gilmore (g), Marcus Miller (b, rhythm programming, b-cl), Will Calhoun (ds), Terri Lyne Carrington (ds, track 8), Lenny Castro, Airto Moreira (perc), Munyungo Jackson, Kevin Ricard (perc, track 8), David Ward (additional sound design)。

前作『Joy Ryder』は1988年の作品で、バックの演奏を含め、当時として、最先端のコンテンポラリーなエレ・ジャズの記録がこの『Joy Ryder』に満載。逆に、この盤以上の内容を追求する必要がないくらい充実していた。それから7年経ってのリーダー作である。1995年の秋。きっと「新しいショーターの音世界」が展開されているに違い無い、とワクワクしながら、この『High Life』を聴き始めたのを覚えている。

で、出てきた音は、なんと再び「ショーター印のWR的な音世界」。未だにWRの音世界を追求するショーターがいた。しかも、キーボードは、ザヴィヌルの代わり、ザヴィヌルの影武者の様な「レイチェルZ」が音楽監督も兼ねて、担当している。
 

Wayne-shorterhigh-life

 
前作までは「ショーター印のWR的な音世界」を追求してはいるが、基本的に「ザヴィヌル抜き」のイメージでの「ショーター印のWR的な音世界」の追求であり、それが効果的で、ザヴィヌル主導のWRとの比較が明確に出来て、ショーターのクリエイターとしての矜持を強く感じたものだった。

が、この盤では、ザヴィヌルの様な、どこかエスニックで、どこかワールド・ミュージックの様な旋律が微かに流れている。趣味の良い、耽美的でリリカル、複雑に捻れた「ザヴィヌルの様なキーボードの音」の印象が耳に強く残る。この『High Life』の音世界は一番、WRに近い。

レイチェルZとデヴィッド・ワードの音作りは、モードを基本とした音の繋がりで、当時としてユニークではある。しかし、大本の音世界が「ショーター印のWR的な音世界」で、一番WRに近いので、音作りのユニークさ、より先に、未だWRの音世界を追い続ける「マンネリズム」が先に立ってしまうところが実に惜しい。

ショーターのサックスは伸び伸びとショーターなりの捻れフレーズを吹きまくっているし、マーカス・ミラーのエレベは、斬新で複雑なモーダル・ラインを連発する。レイチェルZのキーボードは妖艶でショーターっぽい。演奏自体は当時としてハイレベルの演奏で、この1枚だけを聴けば傑作なんだが、WR以降のリーダー作を続けて聴いてくると、どうしてもこの盤の音の基本が「ショーター印のWR的な音世界」であるところに、どうにも「またか」的な印象を持ってしまう。

単発だと名盤だが、リーダー作の中では、ちょっとレベルが下がる、そんな「困ったちゃん」なショーターのリーダー作である。
 
 

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2023年9月 4日 (月曜日)

ショーターのエレ・ジャズの完成 『Joy Ryder』

『Phantom Navigator』(1987年)は、バックの演奏はフレーズはプログラミング、リズム&ビートは打ち込み中心。今の耳で聴いても、ショーター、これはやり過ぎやろ、と思う。ショーターのサックスを愛でるには最適の録音だったが、ジャズのパフォーマンスとして聴いた時、疑問符が付いたのは否めない。

Wayne Shorter『Joy Ryder』。1988年のリリース。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (sax), Patrice Rushen (key), Herbie Hancock(syn), Geri Allen (p, synth), Nathan East (b), Darryl Jones (b), Terri Lyne Carrington (ds), Frank Colon (perc), Dianne Reeves (vo)。

基本はショーターのサックスのワンホーン・フロント、キーボード+ベース+ドラムのカルテット編成。パーカッションとボーカルが追加で参加して、サウンドに彩りを添えている。

さすが、ショーター、『Phantom Navigator』はやり過ぎた、と思ったのだろうか。楽曲、演奏の雰囲気は前作『Phantom Navigator』、前々作『Atlantis』と変わらないが、パーソネルを見渡すと、バックのメンバーのネーム・バリューが違う。当時のエレ・ジャズ、コンテンポラリーな純ジャズの有望新人から第一線で活躍する強者がズラリ。それも、さすがはショーター、一捻りも二捻りもした人選には感心する。

サウンド志向の基本はウェザー・リポート(WR)。それも、後期WRから「ザヴィヌルのサウンド志向」を抜いて、当時のジャズ最先端、マイルスなどが追求していた、コンテンポラリーでメインストリームなエレ・ジャズのサウンド志向を反映している。そこに、ブラジリアン、プログレ、コズミック、そして黒魔術。そんなショーターの嗜好が理路整然と反映されているとところは、前作、前々作と変わらない。
 

Wayne-shorterjoy-ryder

 
しかし、同サウンド志向の前作、前々作はバックの演奏はあくまで「ショーター好みのサウンドの雰囲気作り」な役割に止めて、ショーターのサックスだけが前面にでれば良かったのだが、この盤では、バックの演奏はバックの演奏として、その個性、特徴をしっかり発揮して、ショーターのサックスに相対している。つまり、グループの演奏全体のパフォーマンスで、ショーター・ミュージックが楽しめる内容に変化している。

ショーターのサックスの素晴らしさは変わらない。が、この盤ではバックの演奏の質とレベルが格段にアップしている。ショーター好みの響き、ニュアンスをメンバーそれぞれが理解して、それをメンバーそれぞれの個性の下で音にする。つまり「人」がバック演奏を務めて、その上にショーターのサックスが吹き上げられていく。

血の通ったエレ・ジャズとでも形容しようか。冒頭「Joy Ryder」から、ラストの「Someplace Called "Where"」まで、ショーターの個性が散りばめられた、上質のコンテンポラリーでメインストリームなエレ・ジャズが展開されている。

WRにおけるキーボード=ザヴィヌルの役割は、ラッシェンとアレン、そしてハンコックが分担して担当。WR時代に人選に苦労し続けたリズム隊、ドラムには、当時、有望若手の女性ドラマー頭角を現したテリ・リン・キャリントン、ベースは、後にストーンズのサポート・メンバーで名をあげるダリル・ジョーンズと、エレ・ジャズ・ベースの名手の1人、ネイザン・イーストが担当して、充実のパフォーマンスを繰り広げる。

『Atlantis』『Phantom Navigator』と続いた、ショーターなりの後期WRサウンド、いわゆるコンテンポラリーなエレ・ジャズの追求は、この『Joy Ryder』でピリオドを打つ。それほどまでに、バックの演奏を含め、当時として、最先端のコンテンポラリーなエレ・ジャズの記録がこの『Joy Ryder』に満載。逆に、この盤以上の内容を追求する必要がないくらいに、この盤の内容は充実している。

ショーターは、この『Joy Ryder』をリリース後、リーダー作については、1995年の『High Life』まで約7年間、沈黙する。
 
 

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2023年9月 3日 (日曜日)

ショーターの異質なエレ・ジャズ 『Phantom Navigator』

ウェザー・リポート(WR)を解散させ、ソロ・デビューしたウェイン・ショーター。ソロ・デビュー盤『Atrantis』では、サウンド志向のベースはWR、具体的に表現すると、後期WRから「ザヴィヌル志向」を消して、当時のジャズ最先端、マイルスなどが追求していた、コンテンポラリーでメインストリームなエレ・ジャズの音志向を反映した。

この盤はさすがショーターといった盤で、コンテンポラリーでメインストリームなエレ・ジャズをバックに、ショーター独自のモーダルなフレーズ、展開を散りばめ、ショーターのサウンド嗜好が理路整然と反映した、全面的にショーターの作曲と、ショーターのサックスの音を聴くアルバムに仕上がった。

Wayne Shorter『Phantom Navigator』(写真左)。1987年の作品。パーソネルは曲毎にメンバーを選定しているので、ここでは割愛する。楽器を見渡すと、キーボード系はシンセサイザーを大々的に導入し、プログラミングを積極活用。リズム&ビートもほぼ全面打ち込み。そんなデジタルな演奏をバックに、ショーターがサックスを吹きまくっている。
 
まるで、ザヴィヌル主導のWRのサウンドを、全てシンセサイザーやコンピューターに置き換えて、WRでやるなら、これくらいのレベルのことをやらないと、とでも言いたげなショーターのデジタルチックなアプローチ。この盤も、つまるところ、全面的にショーターの作曲と、ショーターのサックスの音を聴くアルバムなのだ。
 

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コンピューターのビートを積極導入し、曲によって多重録音による一人サックス・アンサンブルを披露。加えてヴォーカルも披露するという、大はしゃぎのショーター。WR時代、ザヴィヌルにサウンド志向において主導権を握られたストレスを、この盤で一気に解消しているような、そんなデジタルチックな内容。

ショーターのサックスが素晴らしいので、この盤はしっかり聴き通すことが出来る。が、バックの演奏はあくまで打ち込みであり、キーボードなどのアドリブも譜面にきめ細やかに書かれたものを、プログラミングにて打ち込まれた人工的なもの。バックがデジタルチックな分、ショーターのサックスのアナログな魅力が引き立つので、それはそれで効果的かな、とも思うが.....。

2曲目「Mahogany Bird」だけが、アコースティックっぽさを前面に出した演奏になっている。ピアノはチック・コリア、ベースはジョン・パティトゥッチが特別参加。ビートは打ち込みだが、チックとパティトゥッチのお陰で、しっかり純ジャズな雰囲気をキープしているのはさすが。ショーターのスローで流麗なソプラノが一層映えているのも、チックとパティトゥッチのお陰。今の耳で聴くと、この曲の存在が凄く効いている。

時代の流行に合わせた、そんな時代の最先端のジャズの音だとは思うが、この音作りが根付くことはなかった。やはり、ジャズは「人」がメインで演奏されるべき音楽なんだろう。この『Phantom Navigator』を聴いていて、つくづくそう思う。
 
 

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2023年9月 2日 (土曜日)

ショーター独自のエレ・ジャズ 『Atlantis』

ウェザー・リポート(Weather Report・WRと略)が解散したのが1986年。実にあっけない幕切れだった。

『Weather Report(1981)』のリリース後、ベースのジャコ・パストリアス、ドラマーのピーター・アースキンが抜けて、新生WRは明らかにザヴィヌル志向の音作り。アルバムを重ねる毎に、この「ザヴィヌル志向」は強くなり、ラストの『This Is This!』では、双頭リーダーの相棒、ショーターは名前を連ねているだけになっていた。

このWRのラスト『This Is This!』の音作りを聞けば、ザヴィヌルのサウンド志向は良く判る。ファンク・グルーヴを湛えたワールド・ミュージック志向なジャズロック。エスニック、アフリカンな響きが特徴。ザヴィヌルはWR解散後、ウェザー・アップデート、ザヴィヌル・シンジケートと次々にバンドを結成し、後期WRの影を追い続けた。

Wayne Shorter『Atlantis』(写真左)。1985年の録音・リリース。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ss, ts), Joseph Vitarelli (key), Michael Hoenig (syn), Yaron Gershovsky, Michiko Hill (ac-p), Larry Klein (el-b), Ralph Humphrey (ds), Alex Acuña (ds, perc), Lenny Castro (perc), Jim Walker (fl)。

このアルバムには有名ジャズマンはいない。ショーターのソロアルバムには、必ずと言って良いほどその名を連ねていた、盟友のハンコックすら無関係である。これには驚いた。セッションへの参加ジャズマンは沢山いるが、演奏全体の印象は「ショーターのワン・ホーン・アルバム」。全面的にショーターの作曲と、ショーターのサックスの音を聴くアルバムである。
 

Wayne-shorteratlantis

 
それほど、この盤は「ショーターで一杯」。それまでのショーターの「ニュー・ジャズ」における個性である、ブラジリアン、プログレ、コズミック、そして黒魔術。そんなショーターの嗜好が理路整然と反映されたショーターのソロ・アルバムである。

WRの双頭リーダーの片割れ、ウェイン・ショーターはどんなサウンドを追求するのか。この答えがこのショーターのリーダー作にある。実はこのアルバム、WRのラストの『This Is This!』の前にリリースされている。WRもショーターも同じレコード会社Columbia。どうして、こういう順番のリリースになったのか、当時は戸惑ったものだ。

それもそのはず、この『Atlantis』の音志向の基本はWR。それも、後期WRから「ザヴィヌル志向」を消して、当時のジャズ最先端、マイルスなどが追求していた、コンテンポラリーでメインストリームなエレ・ジャズの音志向を反映している。その音志向の中で、ショーター独自のモーダルなフレーズ、展開が散りばめられていて、これが実は「真の後期WRの音」じゃなかったのか、と強く感じるくらい、インパクトある音世界だった。

ショーターは自伝に「海(航海)を大きなテーマに全体を統べたハンコックの『処女航海』のように、コンセプチュアルなアルバムでもある」とショーターは自伝に書いているが、全体を聴き通してみて、ふ〜んそうなんか、と思うくらい。それでも、それぞれの演奏が実に充実していて、何回聴いても、聴く度に新しい発見があって、なかなか「飽きない」。

ショーターのリーダー作の中でも、エレ・ジャズの歴史の中でも地味な存在なアルバムだが、どうして、これ「エレ・ジャズの名盤」の1枚かと。とにかく聴いていて楽しいし心地良い。良いエレ・ジャズです。
 
 

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2023年3月 4日 (土曜日)

ショーターのリーダー作第3弾 『Wayning Moments』

しかし、ウェイン・ショーターの逝去はショックが大きい。ジャズを本格的に聴き始めた頃から、ずっとお気に入りのテナーマンとして、リーダー作を収集し、ウェザー・リポートのアルバムをコンプリートしたりして、ショーターのテナーを愛でてきた。

とにかく、あの「不思議ちゃんな、心地良く捻れたモーダルなフレーズ」がお気に入り。大きな音でストレートにブワーッと吹き上げるのも良い。出てくるアドリブ・フレーズが唯一無二で、スピード感溢れる吹き回しが堪らない。そんな、大のお気に入りのテナーマンの1人が天に召されたのだ。

Wayne Shorter『Wayning Moments』(写真左)。1961年11月2日, 6日の録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ts), Freddie Hubbard (tp), Eddie Higgins (p), Jymie Merritt (b), Marshall Thompson (ds)。リーダーのショーターのテナー、ハバードのトランペットがフロント2管のクインテット編成。

ショーターのジャズ・メッセンジャーズ時代、1963年にマイルス・バンドに加入する前の、ビージェイ・レーベルに残したアルバムの3枚目。ストレートアヘッドなブロウが魅力のアルバムで、若き日(とはいえ当時28歳だけど...)のショーターの魅力満載の盤である。全8曲中、3曲がスタンダード曲。ショーターのオリジナルが3曲、ピアノのヒギンスのオリジナルが1曲。まずは、この3曲のスタンダード曲でのショーターのブロウが聴きもの。
 

Wayne-shorterwayning-moments

 
1曲目の「Black Orpheus(黒いオルフェ)」のショーターのテナーが良い。このブロウを聴けば、ショーターはただ者で無いことが良く判る。意外とストレートに吹きまくるショーターが印象的。捻れたモーダルなフレーズはそこそこに、ハードバップ風に展開するショーターのテナーは魅力に溢れている。

そして、もう1人のフロント、ハバードが珍しく抑制が効いたトランペットで、ウォームで流麗なソロを吹いている。このハバードのトランペットが、この「Black Orpheus」をアーバンでクールな表現に染め上げている。

この1曲目「Black Orpheus」の吹奏で代表される様に、この盤では、ハードバップに吹きまくるショーターのテナーとハバードのトランペットを心ゆくまで愛でることの出来る好盤。バックのリズム・セクションも目立たないが、堅実なサポートをしていて安定感がある。

この盤はショーターとハバードのフロント2管の吹奏が堪能出来る。目立ちたがり屋のハバードも、ショーターの前では、程良く抑制の効いた魅力的なトランペットを吹いていて、ショーターのテナーの雰囲気にバッチリあったフレーズを吹いていて立派。ストレートアヘッドなテナーで、スタンダード曲を魅力的に吹き上げるショーターは素敵だ。
 
 

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2023年3月 3日 (金曜日)

ショーターのリーダー作第2弾 『Second Genesis』

ウェイン・ショーターが逝去した。89歳。僕がジャズを本格的に聴き始めてから45年。45年前、ショーターはウェザー・リポートにいた。それから、ハービー、ロン、トニー、そして、フレディと「V.S.O.P.」なる、メインストリーム志向の純ジャズ・バンドを結成。純ジャズ復古の機運に拍車をかけた。それから、ずっとショーターのリーダー作は、リアルタイムで聴いてきた。

ジャズ史上、最高のテナーマンの1人だった。特に、モーダルなフレーズを吹かせたら、向かうとこ敵無し。ストレートアヘッドな純ジャズで炸裂する、個性的で素敵に捻れた「不思議ちゃんな」モーダル・フレーズが大好きだった。ジャズを聴き始めた頃から聴き親しんできたジャズマンが逝くのは辛いですね。

Wayne Shorter『Second Genesis』(写真左)。1960年10月11日の録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Bob Cranshaw (b), Art Blakey (ds)。ウェイン・ショーターのテナー・サックスが1管フロント、ワンホーン・カルテットの編成。テナーマンの個性と特徴が良く判る編成である。録音当時は「お蔵入り」。1974年に入って突如リリースされた「曰く付きの盤」である。

初リーダー作が個性全開、「不思議ちゃん」なモーダルなフレーズ炸裂だったが、このリーダー作第2弾は、ショーター本人がしっかりと落ち着いてテナーを吹き上げていて、ショーターのテナーの良さをじっくり愛でることの出来る好盤に仕上がっている。
 

Wayne-shortersecond-genesis

 
この盤では、「不思議ちゃん」なモーダルなフレーズ控えめ、ストレートアヘッドでハードバップなテナーを吹きまくっていて、思わず「ショーター凄え」と呟いてしまう好演の数々である。

冒頭「Ruby and the Pearl」を聴けばそれが良く判る。愛らしい流麗なフレーズが特徴の好スタンダード曲なんだが、「ああ、これはブレイキー親分のドラムか」と直ぐ判るドラミングの後、滑らかにスッと入ってくるショーターのテナーの力感溢れるフレーズが優しく、説得力を持って迫ってくる。これが絶品。ストレートアヘッドでハードバップなショーターのテナーに「殺やらる」。

ショーターはコンポーザーとしての才も素晴らしいものがある。この盤の全8曲中、5曲がショーター作なんだが、これが絶品。ほんと、ショーターって良い曲を書く。6曲目の「The Albatross」なんて、ラストの名スタンダード・バラードの「"I Didn't Know What Time It Was」と比べても引けを取らない素晴らしいバラード。他の4曲も印象的な良曲ばかり。

この盤を聴いていると、ブレイキーもマイルスも、ショーターが自分のバンドに来て欲しい、と思ったのも頷ける。テナー・サックスの吹きっぷりとコンポーザーとしての才。どちらも「革新的でクール」。マイルスが誘いに誘ったのも良く判る。そんなショーターの個性と特徴が本当に良く判る好盤である。当時、お蔵入りになったのが不思議である。
 
 

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2022年11月 7日 (月曜日)

傑作ライヴ盤『8:30』を聴き直す

このライヴ盤は売れた。内容的にも充実している。ウェザー・リポートのメンバーが、やっと、テナー・サックスのワンホーンに、キーボード+ベース+ドラムのリズム・セクションの4人について、最適のメンバーが顔を揃え、最適なメンバーで固定された記念すべきライヴ盤である。

Weather Report『8:30』(写真)。1979年のリリース。ちなみにパーソネルは、Joe Zawinul (key), Wayne Shorter (ts,ss), Jaco Pastorius (el-b), Peter Erskine (ds)。 ほとんどの曲がザヴィヌル作であり、大ヒットアルバム『Heavy Weather』の人気曲をメインに、他のアルバムから、同傾向の音志向の人気曲が選曲されている。WRが一番、フュージョン・ジャズに接近したライヴ盤である。

このライヴ盤は売れた。選曲は『Heavy Weather』と他のアルバムの人気曲が選ばれており、ポップでキャッチャーな楽曲ばかりが並んでいる。そりゃ〜当時は売れただろうな、と思う。しかし、今の耳で聴き直せば、ジャズとしての即興演奏の妙は、ジャコのベース・ソロ曲と、ショーターのサックス・ソロ曲だけに留まっていて、他の楽曲は既定路線に乗った、金太郎飴の様な聴き馴れたアレンジで統一されている。

前作の『Mr,Gone』からの選曲は全く無く、如何に前作がセールス的に「問題作」だったかが窺い知れる。が、このライヴ盤で、このライヴ盤『8:30』をジャズの範疇に留めているのは、ジャコのベースとアースキンのドラムである。このライブ盤の全編に渡って、この二人のリズム&ビートは半端ない。それまでのWRの人気曲に躍動感を与え、ジャジーな自由度を拡げている。どの曲もオリジナルよりもテンポが速く、ベースラインもドラミングも複雑極まりない。
 

Wr-830

 
加えて、何時になく、ショーターがサックスを吹きまくっている。吹きまくり、とはこのこと。しかも、誰にも真似できない、ショーターならではの宇宙人的に捻れたフレーズが満載。どの収録曲もザヴィヌルの楽曲で、ショーターの音志向である「エスニック&ミステリアス」な音は希薄でありながら、である。恐らく、ジャコとアースキンのリズム隊の「賜物」だろうと思う。ジャコとアースキンが、ショーターの「ジャズ魂」に火を付けたのだ。

一方、ザヴィヌルのキーボードは安全運転、というか、聴き馴れたフレーズばかりで、可も無く不可も無く。まるでスタジオ録音の演奏を聴いているようだ。せっかくのライブ音源なのに、もっと自由度を拡げて、もっと魅力的なフレーズを弾きまくって欲しかった。

なお、LP時代のD面のスタジオ録音については、発売当時、1980年代のジャズを予言するものとして、持てはやされたものだが、今の耳で聴くと、完成度は「道半ば」、ブラッシュアップ中の未完な雰囲気が漂っていて、僕はあまり評価していない。これをLP時代のLP2枚目のD面に入れるのなら、他の曲のライヴ音源を追加して欲しかった。今となっては、このLP時代のD面の存在意義が良く判らなくなっている。

ショーターとジャコ、アースキン。この3人の卓越したテクニックの下、ジャジーで自由度の高い、変幻自在な演奏が、このライヴ盤を「ジャズ」の範疇に留め、未だ、エレ・ジャズの傑作ライヴ盤の1枚としての評価を維持しているのだ。
 
 

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2022年11月 6日 (日曜日)

今の耳で『Mr.Gone』を聴き直し

Weather Report(ウェザー・リポート)というバンドについて、その本質となる音の志向はなんだったんだろう、と思うことがある。レコード会社の意向の翻弄されて、売らなければならないというプレッシャーの中では、なかなか、その本質となる音の志向を、バンドのメンバーが思うとおりに追求するのは、なかなか難しかったと思われる。

Weather Report『Mr.Gone』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Joe Zawinul (key, syn), Wayne Jaco Pastorius (b, ds (tracks 1,2))。アディショナル・メンバーとして、Peter Erskine (ds (tracks 1 and 7), Tony Williams (ds (tracks 5 and 6)), Steve Gadd (ds (tracks 3 and 8)), Manolo Badrena, Jon Lucien (vo (track 1)), Deniece Williams, Maurice White (vo (track 8))。

ザヴィヌルとジャコの双頭プロデュース。音の志向としては、ジャコ主導のプロデュースで、この盤は成立している。というのも、このアルバム、それまでのWRの音志向とは全く異なるもので、アーティスティックな雰囲気に彩られた、エスニックでアーシーで、ワールド・ミュージック的な音世界。前作のヒット・アルバム『Heavy Weather』のポップでフュージョンな音世界の微塵も無い。

しかしながら、このジャコの音志向が、WRのバンドとしての本質な音志向のひとつにヒットしているのだから面白い。エスニックで呪術的で限りなく自由度の高いモード・ジャズの音世界。これが、もともと、ザヴィヌルとショーターとヴィトウスが描いていた「WRの音世界」のひとつである。ザヴィヌル、ショーター抜きのジャコ主導のプロデュースで、この音世界が表現された訳だから、ジャコのプロデュースの才能は凄い。

よくこんな「ジャコの冒険」をザヴィヌルが許したもんだと感心する。冒頭の「Pursuit of the Woman With the Feathered Hat(貴婦人の追跡)」を聴くだけで判る。このアルバムが、ジョー・ザビヌルのものでないことを。ボーカルの使い方、キーボードの重ね方、サックスの使い方、どれをとっても「ザヴィヌルの音」では無い。これは「ジャコの音」である。
 

Wrmrgone

 
面白いのは、この「ジャコの音」に乗って、ショーターがサックスを喜々として吹いているところ。ジャコのエスニックで呪術的な音志向が、ショーターのサックスの音志向にバッチリ合うのだろう。この盤で、ショーターは、メインストリーム志向の、実に魅力的なモーダルなフレーズを連発する。そして、このショーターのサックスが、この盤を「メインストリームな純ジャズ」志向の音世界に染め上げている。

ジャコのベースは大活躍。とりわけ、6曲目のジャコ作『Punk Jazz』が凄い。ザビヌルも、ポリフォニック・シンセで真っ向から応戦しているのだが、あまりにもジャコのインプロビゼーションが凄すぎて、他のメンバーが目立たなくなるほど。凄まじきジャコのエレベである。他の曲でも凄まじき、自由度の高い、ファンキービートの効いたエレベの乱舞。

WRは、この盤で、唯一、WRの音志向に合致したドラマー、ピーター・アースキンに出会う。ちなみにこの盤では、まだドラマーは固定されていない。苦し紛れにトニー・ウィリアムスを持って来たり、スティーヴ・ガッドを持って来たり、果ては、またまた、ジャコ自身がドラムを叩いたりしている。しかし、今の耳で聴くと、アースキンのドラムが一番、WRの音世界にフィットしている。

僕はこの『Mr.Gone』の音世界が大好きだ。でも、リリースされた当時は、評論家筋の評価は全く思わしく無かった。でも、今の耳で聴いても、この『Mr.Gone』の音世界は、Weather Reportのアルバムの中でもトップクラスである。当時、何故、あんなに評価が低かったのかが理解しかねる。この盤は、歴史的な成果を誇る、WRの代表作の1枚である。
 
 

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