2025年12月20日 (土曜日)

クリスマス・ジャズの定盤・3

あと4日でクリスマス・イヴである。コロナ禍以降、クリスマス・シーズンになっても、世間が過剰にクリスマス、クリスマスと騒がなくなったので、うっかりしていると「気がつけば、クリスマス・イヴ」状態になることがしばしば。今年も、気がつけば、あと4日でクリスマス・イヴ。我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、やっと10日前から、クリスマス・ジャズを流し始めた次第。

クリスマス・ソングと言えば、僕の発想は「オルガン」になる。幼稚園と大学がミッション系だったこともあって、クリスマス・シーズンの賛美歌には馴染みが深い。特に、伴奏オルガン、曲調としてはゴスペル、というのが、自分としては最高の組みあわせで、この組みあわせで、クリスマス・ソングをジャズ化してくれると、それだけで至福の時となる。そんなアルバム、あるのか、と思って探せば、これが「ある」んですね。

Jimmy Smith『Christmas Cookin'』(写真左)。1964年4月20日、9月29日の録音。1966年のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Kenny Burrell, Quentin Warren (g), Art Davis (b), Grady Tate, Billy Hart (ds), George Devens (perc) がメインのバンド編成で、ここに、ジャズ・オーケストラが入る(パーソネルは割愛)。

ジャズ・オルガンの神様、ジミー・スミスのクリスマス・アルバムである。大手レーベルのヴァーヴからのリリースで、一流のメンバーをこれでもかと投入、ゴージャズなジャズ・オケもバックにつけている。音のイメージとしては、ジミーの名盤『The Cat』のジャズ・オーケストラをバックにつけたゴージャズな演奏の雰囲気で、クリスマス・ソングを、良いアレンジでやっちゃいました、って感じの音世界。
 

Christmas_cookin_3

 
加えて、アレンジが秀逸なのと、演奏するメンバーが一流どころで、ダレたりよれたりところが皆無で、しっかりと端正な演奏で、クリスマス・ソングをカバッてるんで、聴き応えが実に良い。ジャズ・オーケストラをバックにつけたゴージャズな演奏と最小構成単位のトリオでの演奏と、ほぼ半々で「1粒で2度美味しい」てな感じの、聴いて楽しい、オルガン・ジャズのクリスマス・ソング集。

超一流のジャズ・オルガンが唸りを上げるだけで、数々の有名なクリスマス・ソングは、どっぷりとゴスペルっぽくなるからたまらない。教会でクリスマスの賛美歌を聴いている様な、そんな敬虔でファンキーな、思わず腰が動くような雰囲気は、とにかく「たまらない」。そこに、ゴージャズなジャズ・オケの伴奏がガッツリ入ったりして、敬虔な雰囲気をより増幅して、極上のクリスマス・ソング集になっていくのだから、このアルバム、聴き甲斐、満載である。

実は、この『Christmas Cookin'』というアルバム、1964年に『Christmas '64』(写真右)として、先行リリースされている。大手ヴァーヴ・レコードとしては安易な対応だったが、当時、クリスマス商戦期にクリスマス・アルバムをリリースするのが
定番だった時代だったことを考えると、まあ仕方が無いところですかね。聴く方としては紛らわしいですけどね。良い内容のクリスマス・アルバムなんで再発したくなったんでしょうね。でも、ジャケット、タイトルまで変えなくて良いのに(笑)。

また、CD化に際して、CDの録音可能時間の長さに合わせてか、アルバム『ダイナミック・デュオ』から「外は寒いよ」、アルバム『オルガン・グラインダー・スゥイング』から「グリーンスリーブス」という、クリスマスにゆかりのある曲を追加収録していて、これまた、紛らわしい(笑)。クリスマス・ソングを、ジャズ・オルガンの神様であるジミー・スミスの演奏で聴けることを考えると、これも仕方の無いところですかね。
 
 

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2025年10月30日 (木曜日)

管入りスミスの置き土産音源

ブルーノートのお抱えオルガニストだったジミー・スミス。1962年、さらなる好条件を提示した大手レーベル・ヴァーヴに移籍する。自分が育てたジャズマンが条件の良い大手レーベルに移籍していくことを、ライオンは一切止めることは無く、喜んで送り出したくらいだそう。スミスはその恩義を忘れず、かなりの数の優れた内容の録音を残していった。この盤は、その「置き土産」音源のひとつ。

Jimmy Smith『Plain Talk』(写真左)。1960年3月22日の録音。ブルーノートの4296番。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Blue Mitchell (tp), Jackie McLean (as), Ike Quebec (ts), Quentin Warren (g). Donald Bailey (ds)。ブルーノートの4269番『Open House』と同一日録音で、リリースは1968年4月。ジミー・スミスの「ブルーノートへの置き土産」音源のひとつ。

この盤は、『Open House』と同じ編成で、スミスのギター・トリオ(スミスのオルガンに、ウォーレンのギター、ベイリーのドラム)に、ミッチェルのトランペット、マクリーンのアルト・サックス、ケベックのテナー・サックスの管楽器が入ったセクステット編成。演奏の内容は、『Open House』と同様で、スミスのオルガンは、ダイナミズムを封印した、流麗でシンプルで優しい弾き回し。
 

Jimmy-smithplain-talk

 
フロントを引き立て、鼓舞しつつ、自らも素晴らしいバッキングを聴かせる、裏方に徹したジミー・スミスのオルガンは、実に印象的。優れたソリストは、優れた伴奏者でもある。モダン・ジャズでの定説だが、この盤でのジミー・スミスのオルガンは、その例に漏れない優れたバッキング。

フロント管を引き立てつつ、自らのアピールも忘れないのが、オルガンの神様、ジミー・スミスの真骨頂。しかし、この盤では、ダイナミックなグイグイ前に出る、アグレッシヴな弾き回しを封印し、流麗でシンプルで優しい弾き回し。それに呼応するように、ブルー・ミッチェルのトランペット、ジャッキー・マクリーンのアルト・サックス、アイク・ケベックのテナー・サックスが順番にソロを取るのだが、これがまた流麗でシンプルで優しいソロ・パフォーマンスを聴かせてくれるのだ。

このジミー・スミスの「ブルーノートへの置き土産」音源は、ヴァーヴに移籍したずっと後の6年後、ブルーノートがリヴァティ社に買収され、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンが引退した後にリリースされているが、この盤のプロデュースは、アルフレッド・ライオン。往年のブルーノートらしい音、ブルーノートらしい録音で、安心して聴くことが出来る。内容的にも申し分無い。好盤です。
 
 

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2025年10月28日 (火曜日)

ソウルフルなジャズ・オルガン

ライトでポップで小洒落たソウル・ジャズである。こってこてジャジーな雰囲気は無く、どちらかと言えば、イージーリスニング志向、クロスオーバー・ジャズ志向の聴き易く、判り易いソウル・ジャズである。こってこてファンキーに、バンバン前へ出るオルガンでは無く、アンサンブルの中で、ソウル・ジャズ志向のオルガンをさり気なく響かせる様な、グループ・サウンズ重視のオルガンである。

Reuben Wilson『On Broadway』(写真左)。1968年10月4日の録音。ブルーノートの4295番。ちなみにパーソネルは、Reuben Wilson (org), Trevor Lawrence (ts), Malcolm Riddick (g), Tommy Derrick (ds)。1960年代のブルーノートが送り出した最後のオルガン奏者、ファンキー&ソウル・ジャズ志向のオルガン奏者、ルーベン・ウィルソンのデビュー盤。

ダンサブルかつファンキー&ソウルフルなプレイが身上のオルガンである。ジャズ色濃厚のテンション高く切れ味の良い純ジャズ志向なオルガンとは正反対の、ライトでポップで適度に緩く明るいオルガン。深刻感は全く無い。あっけらかんとした、小洒落たフレーズが心地良く、聴き流して心地良い、この時代特有の、一般聴衆にもしっかり訴求する判り易いオルガンである。
 

Reuben-wilsonon-broadway

 
パーソネルを見渡しても、それまでのハードバップからジャズの多様化まで、いわゆる1950年代から1960年代前半までのハードバップ時代に活躍したメンバーの名前は無い。メンバーそれぞれ、ソウル・ジャズ志向、それもR&Bの音の色づけに長けたメンバーで構成されているみたいで、例えば、サックスのトレヴァー・ローレンスはマーヴィン・ゲイとの共演などで、ソウル・ミュージックの世界ではお馴染みのサックス奏者である。

タイトル曲「On Broadway」は、ドゥーワップ・グループ、ドリフターズの大ヒット曲で、後にジョージ・ベンソンがリバイバル・ヒットさせたソウルフルな名曲。この名曲を、ライトにポップに、聴き易く判り易いアレンジで、ソウルフルに演奏していく。さりげなくソウルフルに響く、ウィルソンの軽快なオルガンが良い感じで鳴っている。

ルーベン・ウィルソンは、ソウル・ジャズ志向が色濃いオルガン奏者。米国オクラホマ州で1935年4月に生まれる・2023年5月、ニューヨークで肺癌のため88歳で逝去している。リーダー作は生涯で20枚以上、活動時期は、1968年から2011年まで、43年と長かった。しかし、我が国ではマイナーな存在に甘んじている。しかし、この初リーダー作は、小粋で良く出来たソウルフルなオルガン・ジャズ盤。良いアルバムだと思います。
 
 

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2025年10月24日 (金曜日)

オルガン好きには堪らない好盤

ブルーノートの4200番台のアルバムの「落ち穂拾い」を進めている。まだ、当ブログに記事として上がっていないアルバムを順に聴き直し、その記事化を進めている。そして、4200番台コンプリートまで、あと6枚というところまで、こぎ着けた。しかし、4200番台は後半、終わりあたりでは、ブルーノートらしからぬ、売上大前提のアルバムもあったりして、気が抜けない。しかし、この盤は違う。

Lonnie Smith『Think!』(写真左)。1968年7月23日の録音。ブルーノートの4290番。ちなみにパーソネルは、Lonnie Smith (org), Lee Morgan (tp), David Newman (ts, fl), Melvin Sparks (g), Marion Booker Jr. (ds), Norberto Apellaniz, Willie Bivens (conga :tracks 2 & 5), Henry "Pucho" Brown (timbales :tracks 2 & 5)。ロニー・スミスのブルーノート・レーベルからリリースした2枚目のリーダー作になる。

よく整った内容のオルガン・ジャズ。ファンキー・ジャズとソウル・ジャズの間を取った様な、「いいとこ取り」のアレンジ、音作りで、これが成功している。ファンキーに偏ると「古さ」を感じさせ、ソウルに偏ると「俗っぽさ」が前に出る。その「悪いところ」を、ファンキーとソウルの間を取って、モーダルな展開の味付けをすることで、アーティスティックな側面を補強する。なかなか、良く出来た音作りである。
 

Lonnie-smiththink

 
オルガン・ジャズだから、ファンキー&ソウルフルで、俗っぽいジャズなんだろう、という先入観は捨てた方が良い。このロニー・スミスの『Think!』は、ジャズとして、メインストリーム志向であり、温故知新なアレンジを優先して、正統派な、そして、意外と硬派なオルガン・ジャズを展開している。これが、1968年という時代、そして、大手リバティー社に買収された以降のブルーノートからのリリースだというから、二度びっくりである。

ただ、モーガンのトランペット、ニューマンのテナー、スパークスのギターの3フロント楽器のクインテット編成なので、音的にはグループ・サウンズ優先。3フロント楽器にもふんだんにソロ・パフォーマンスのスペースを与え、伴奏に徹するロニー・スミスは、実は「伴奏上手」なのが良く判る。聴いていると判るが、3フロント楽器は、それぞれ、気持ちよさそうに、ソロ・パフォーマンスを繰り広げている。ロニー・スミスが「伴奏上手」だからだろう。

当時のアレサ・フランクリンのヒット曲「Think」をカヴァーしていたり(タイトル曲ですね)、「The Call Of The Wild」の様な躍動的なファンキー・ラテン・チューンや「「Slouchin'」の様な、ムーディーでラテン・テイストのソウル・ジャズがあったり、売れ線を狙った選曲もあるが、どれもが、メインストリーム志向で、温故知新で良好なアレンジを施して、正統派で硬派なオルガン・ジャズとなっているので、全く気にならない。オルガン・ジャズの好盤です。
 
 

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2025年10月 6日 (月曜日)

聴いて楽しいオルガン・ジャズ

このジョン・パットン盤については、一言で言うと「ポップで明るく聴き易い」オルガン・ジャズ。ラウンジ志向とまではいかないが、とにかく聴き易い。アーティスティックな刺激が少ない、と言っても良いか。そして、当時のトレンドだった、R&B志向のソウル・ジャズな「音の味付け」がなされている。

Big John Patton『That Certain Feeling』(写真左)。1968年3月8日の録音。ブルーノートの4281番。ちなみにパーソネルは、Big John Patton (org), Junior Cook (ts), Jimmy Ponder (g), Clifford Jarvis (ds)。フロントがジュニア・クックの1管、ギター入りのオルガン・カルテットである。ベースはジョン・パットンのオルガンが代行している。

この盤から、プロデューサーが、ブルーノートの総帥アルフレッド・ライオンから、フランシス・ウルフに代わっている。ジャズをアートとして捉え、硬派でメインストリーム志向のモダン・ジャズを標榜していたライオンから、その時代のトレンドを踏まえ、大衆受けする、判り易いモダン・ジャズを目指すウルフへの交代。
 

Big-john-pattonthat-certain-feeling

 
フロント1管、ギター入りのオルガン・カルテットだが、ギターが、これまでのグラント・グリーンからジミー・ポンダーに代わっている。パキパキ硬派なファンキー・ギターから、ポップでソウルフルな親し易いギターへの変更。これが、暖かく優しく判り易いポップなジョン・パットンのオルガンに、ばっちりフィットしているのだ。

演奏の基本は、ファンキー・ジャズ。ファンクネスが優しく、時にR&B志向のソウル・ジャズな「音の味付け」が効果的になされたファンキー・ジャズ。なので、どっぷりソウル・ジャズなオルガンと比べると、ジョン・パットンのオルガンは、ポップで軽快で暖かくてクール。そして、これがジョン・パットンのオルガンの個性であることに、このアルバムを全編、聴き終えて納得する。

大衆に訴求し、大衆にウケるオルガン・ジャズ。ジョン・パットンと新プロデューサーのウルフは、がっちり組んで、そんなオルガン・ジャズを目指した。その最初の成果がこのアルバムだろう。決して、ジャズ史に一石を投じるような、アーティスティックばりばりなアルバムでは無いが、聴き易く判り易い、聴いて楽しい、ファンキー&ソウルフルなオルガン・ジャズ盤として、気軽に聴くに適した好盤だと思う。
 
 

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2025年9月20日 (土曜日)

管入りジミー・スミスの優秀盤

ジミー・スミスは「ジャズ・オルガンの神様」。スミスのオルガン一発で、そのオフェンシヴでダイナミックでスケールの大きい弾き回しは、唯一無二で、他のオルガニストの追従を許さない、孤高のじゃず・オルガンとしても、未だに、ジャズ・オルガニストの最高峰に君臨している。そんなジミー・スミスのパフォーマンスは、多くブルーノート・・レーベルに記録されている。

Jimmy Smith『Open House』(写真左)。1960年3月22日の録音。1968年1月のリリース。ブルーノートの4269番。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Quentin Warren (g). Donald Bailey (ds) のトリオに、ゲストとして、Blue Mitchell (tp: tracks 1, 3), Jackie McLean (as: tracks 1, 3, 4; feature track 4), Ike Quebec (ts: tracks 1, 2, 3; feature track 2) が入る。

1960年3月22日の録音だが、リリースは 1968年1月。ブルーノートお得意の「録音当時、何故かお蔵入り」盤。トリオ盤のオフェンシヴで、ダイナミックな弾き回しのジミー・スミスも魅力満点だが、実は、バックに回った伴奏上手のジミー・スミスも魅力的。フロント管を引き立てつつ、自らのアピールも忘れない。この盤でのスミスのオルガンは、ダイナミズムを封印した、流麗でシンプルで優しい弾き回し。これがとても印象的で、ジミー・スミスのアルバムの中でも、特別な響きを宿している。
 

Jimmy-smithopen-house  

 
ジミー・スミスは、前セッションのアルバム『Crazy! Baby』(1960年1月録音)で組んだ新トリオ編成で、1960年3月に、今度は「管入り」セッションに臨んでいる。米国ジャズのリスナーは「管入り」が好みみたいで、そのリスナーの好みに応えたセッションだったように思う。まず、ジミー・スミスのトリオについては、『Crazy! Baby』での好調を維持している。

ブルー・ミッチェルのトランペット、ジャッキー・マクリーンのアルト・サックス、アイク・ケベックのテナー・サックスが順番にソロを取るのだが、これがまた素晴らしいソロ・パフォーマンスを聴かせてくれる。そこに伴奏で絡むジミー・スミスのオルガンが、これまた、フロントを引き立て、鼓舞しつつ、自らも素晴らしいバッキングを聴かせる。このアンサンブルがこの盤の最大の聴きものだろう。

1960年はトリオ演奏の『Crazy! Baby』(1960年1月録音)の1枚だけのリリースに留めている。次の年、1961年は、バレルのギター入りの『Home Cookin'』、そして、同じくバレルのギター入りの名盤『Midnight Special』(1960年4月録音)の2枚のリリースになっているので、管入りのセッションは、バレルのギター入りのアルバムの内容に押されて、見送られた感がある。しかし、その内容はピカイチ。ブルーノート、遅れてリリースして大正解である。
 
 

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2025年9月14日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・296

1966年、アルフレッド・ライオンはブルーノートを米リバティー社に売却し、経営から退く。しかし、プロデュースは継続。大手リバティーの傘下に入り、純ジャズ度、モダン・ジャズ度を落とすこと無く、大衆受けする「売れる」ジャズ盤をリリースする傍ら、大衆受けしない、アーティスティック志向の硬派なモード・ジャズやフリー・ジャズの優れた内容のアルバムもリリースし続けた。このアルバムを聴けば、その一端、ブルーノートの矜持が良く判る。

Larry Young『Contrasts』(写真左)。1967年9月18日の録音。ブルーノートの4266番。ちなみにパーソネルは、Larry Young (org), Hank White (flh), Herbert Morgan, Tyrone Washington (ts), Eddie Wright (g), Eddie Gladden (ds), Stacey Edwards (congas), Althea Young (vo)。

リーダーのラリー・ヤングのオルガン、フロント管が、ホワイトのフリューゲルホーン、モーガン、ワシントンのテナー・サックス、そして、グラッデンのドラム、エドワードのコンガのセクステット編成。ボーカルが1曲だけ入る。これまでのリーダー作には無かった、大編成コンボが本作の特徴。
 

Larry-youngcontrasts

 
特に、コンガが入った3曲が特にユニーク。演奏全体がリズミックなビートで覆われる「Majestic Soul」、モード&フリー・ジャズ志向のボサノバ・グルーヴが印象的な「Evening」、フリーな演奏の中にスピリチュアルな響きのする「Means Happiness」。これは、後世に継がれる、先進的なオルガンがメインのモード&フリー・ジャズ。この真髄は、1990年代以降、純ジャズ復古以降、次の世代のジャズ・オルガニストに弾き継がれていく。

コンガ抜きの3曲も、ヤング・オリジナルのオルガン・モード&フリー・ジャズで、聴き応え十分、様々な音の展開に聴いていてワクワクする。オルガンとドラムの攻撃的なデュオ「Major Affair」、ヤングの妻アルテアのボーカルが素敵なバラード曲「Wild Is the Wind」、そして、軽快なバンド・アンサンブルが楽しいTender Feelings」。ラリー・ヤングのモード&フリー・ジャズの懐の深さと応用力の高さが窺い知れる、グッドな演奏ばかり。

オルガンがメインの、硬派で先進的な、モード・ジャズ、そして、フリー・ジャズ。大編成コンボでのモード&フリー・ジャズは、当時のコルトレーン・ジャズを彷彿とさせるが、コルトレーン・ジャズとは一線を画する、ラリー・ヤングのオリジナルのモード&フリー・ジャズ。オルガン・ジャズの革命児、ラリー・ヤングの面目躍如である。
 
 

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2025年8月24日 (日曜日)

落ち着いたオルガン・ジャズ

ジミー・スミスは、マイルスに紹介され、ブルーノートの総帥ディレクター、アルフレッド・ライオンに見出され、ブルーノートからアルバム・デビューしている。1956年の初リーダー作以来、ブルーノート一本槍。後に「オルガンの神様」と呼ばれるほどの、革新的なオルガン・ジャズ盤を多数リリースしてきた。

1962年、さらなる好条件を提示した大手レーベル・ヴァーヴに移籍する。自分が育てたジャズマンが条件の良い大手レーベルに移籍していくことを、ライオンは一切止めることは無く、喜んで送り出したくらいだそう。スミスはその恩義を忘れず、かなりの数の優れた内容の録音を残していった。この盤は、その「置き土産」音源のひとつ。

Jimmy Smith『I'm Movin' On』(写真左)。1963年1月31日の録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Grant Green (g), Donald Bailey (ds)。質実剛健、オルガン、ギター、ドラムのベースレス、正統派オルガン・トリオの1枚。派手さのない、落ち着いた、滋味溢れるトリオ盤である。
 

Jimmy-smithim-movin-on

 
ブルージーで小粋な雰囲気が良い、ちょっと渋めのオルガン・トリオ盤。デビュー当時のアグレッシヴでダイナミックなオルガンは影を潜め、落ち着いた、ジャジーでブルージーな、滋味溢れるオルガン。これが、この盤の一番の「聴きどころ」。収録された演奏は全て、ミッド・テンポからスロー・テンポの渋〜く、小粋に落ち着いた演奏で、聴いていてしみじみしてしまう。

基本はファンキー・ジャズ。ソウル・ジャズほど、ファンク度合いは高くないし、フレーズの粘りも少ない。どちらかと言えば、ファンキー・ジャズをベースとした、落ち着いたイージーリスニング志向の、上質なオルガン・ジャズとすると座りが良い。とにかく、趣味の良い、小粋なアドリブ・フレーズが、止めどなく流れてくる。オルガンの神様、ジミー・スミスの面目躍如。

クラント・グリーンのギターもなかなかの味を出している。ジミー・スミスのオルガンに応じて、パッキパキなファンクネスだだ漏れギターを少し封印し、濃厚なファンクネスは、ジミー・スミスのオルガンに委ねるような、ちょっとファンクネス控えめのグラント・グリーンのギターは味わい深い。ジミー・スミスとの相性というよりは、グループ・サウンズとしての自分の役割をわきまえた、なかなか滋味溢れるギターである。
 
 

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2025年8月 9日 (土曜日)

ソウルフルなスリー・サウンズ

ブルーノート・レーベルのお抱えピアノ・トリオのスリー・サウンズ。硬派で正統派、ハードバップでファンキーなピアノ・トリオとして売り出す。

1959年から1962年までブルーノート専属だったが、1962年から、ヴァーヴ、マーキュリー、ライムライトと大手レーベルを渡り歩き、イージーリスニング志向のピアノ・トリオに変身。1967年、ブルーノートに復帰している。

The 3 Sounds『Vibrations』(写真左)。1966年10月25日の録音。ブルーノートの4248番。ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p, org), Andrew Simpkins (b), Kalil Madi (ds)。ブルーノートのお抱えピアノ・トリオ、スリー・サウンズのブルーノート・レーベルへの復帰第一弾。

これまでは、アコースティック・ピアノ一本でのトリオ演奏だったのだが、このアルバムから、ピアニストのジーン・ハリスは、オルガンにも手を染めている。オルガンを導入したということは、録音年は1966年、流行のR&B志向なソウル・ジャズに適応したということ。

このアルバム、全編、良質のソウル・ジャズを聴くことが出来る。もともとは正統派ピアノ・トリオで、ファンキー・ジャズからスタートしたスリー・サウンズ。
 

The-3-soundsvibrations

 
途中、ブルーノートを離れて、大手レーベルの下で、イージーリスニング・ジャズへと転身。そして、戻ってきたブルーノートは、ファンキー・ジャズから、ソウル・ジャズにシフトを始めたところ。

スリー・サウンズは、そのブルーノートのアルバム制作のトレンドに乗ったのだろう、それまでのアコピ一直線から、オルガンを導入、ファンクネスをより濃くし、ソウルフルな雰囲気を増幅し、ベース+ドラムのリズム&ビートも、R&B志向のねばりのある、ストロングなオフビートを採用している。

もともと、硬派で正統派なピアノ・トリオ出身のスリー・サウンズ。ソウル・ジャズに転身しても、硬派で正統派な、端正で明るいサウンド志向は変わらない。ソウル・ジャズとは言え、決して俗っぽくなく、硬派で正統派なサウンドを踏襲した、スリー・サウンズらしいソウル・ジャズを展開している。

フロア・ジャズ・クラシックの「Fever」、フランク・シナトラの1965年のヒット曲「It Was a Very Good Year」、映画音楽の「Charade」、名スタンダード曲の「Django」、その他、渋いスタンダード曲をソウル・ジャズ仕立てにしたりで、アレンジのセンスが半端無い。

とても楽しく聴かせてくれる、ソウルフルなピアノ&オルガン・トリオの好盤でしょう。
 
 

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2025年8月 6日 (水曜日)

ヤングの個性の ”正しい表出”

ラリー・ヤング(Larry Young)。ラリー・ヤングは、1940年10月生まれなんだが、1978年3月、37歳で鬼籍に入っている。今から、もう40年も前のことになる。それでも、プレスティッジとブルーノートを中心に、十数枚のリーダー作を残してくれているので、彼のユニークなオルガンを追体験することが出来る。

ラリー・ヤングのオルガンは「オルガン界のコルトレーン」と形容される。ソロ・パートに入ると、コルトレーンばりの「シーツ・オブ・サウンド」で弾きまくる。そして、このアルバムは、「オルガン界のコルトレーン」の形容を更に強固なものとしてくれる。

Larry Young『Of Love and Peace』(写真左)。1966年7月28日の録音。ちなみにパーソネルは、Larry Young (org), Eddie Gale (tp), James Spaulding (as track:1, 3, 4, fl), Herbert Morgan (ts), Wilson Moorman III, Jerry Thomas (ds)。
 
この盤は、オルガンがメインの「自由度を最大限に高めたジャズ」である。モードとフリーを適材適所に織り交ぜ、素晴らしくフリー&スピリチュアルなオルガン・ジャズがここにある。

まず、編成がユニーク。ダブルドラム、3管フロントにラリーのオルガンが加わる。ベースはもちろんギターもおらず,パーカッションもいない。自由度を最大限に追求することの出来る、変則セクステット。この編成は誰が考案したんだろう。
 

Larry-youngof-love-and-peace
 

ゲイルのトランペットとスポルディングのアルト・サックスが「スピリチュアル」な雰囲気を醸し出す。モーガンのテナー・サックスが、3管フロントの音の厚みに貢献する。ダブルドラムが、フリーな展開に、リズム&ビートな明確な指針を叩き出す。

ラリー・ヤングのオルガンが、モードに展開し、フリーに展開し、スピリチュアルに展開する。自由度を最大限に高めた即興演奏を現出する為の、八面六臂のオルガンの弾き回し。そして、これが正しく機能して、当時としては珍しい、オルガンがメインのフリー&スピリチュアル・ジャズが展開されている。

といって、自由に弾きまくる、吹きまくるフリー&スピリチュアルでは無い。メインはモード・ジャズ。しっかりと規律を保った、限りなく自由度を高めたモード・ジャズ。

そんなモード・ジャズ本流の中に、フリーな展開、スピリチュアルな展開が織り交ぜられる。規律の中のフリー、規律の中のスピリチュアル。パワーと理性のバランスが取れた、オルガンがメインの「自由度を最大限に高めたジャズ」。

商業ジャズで無い。ジャズの本来の「芸術性」を追求した様な、ストイックで硬派な内容にワクワクする。ラリー・ヤングの「オルガン界のコルトレーン」と形容される個性がストレートに出た好盤。腰を据えて、じっくりと耳を傾けたい。
 
 

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