”収監後” 活動後期の名盤です。
「収監後」アート・ペッパーである。ペッパーは、麻薬禍にてシナノン療養所に収監された前と後とで、活動前期と活動後期に分かれる。
「収監後」活動後期のアート・ペッパーのアルト・サックスの個性は「米国NYメインの東海岸ジャズ」のトレンドに乗った、1970年代の純ジャズのマナーでのエネルギッシュでモーダルなブロウ。
ちなみに「収監前」活動前期のアート・ペッパーのアルト・サックスの個性は「米国ウエストコースト・ジャズ」のトレンドに乗った、流麗で聴き心地の良いストレートアヘッドなブロウ。
Art Pepper『Today』(写真左)。1978年12月1, 2日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Pepper (as), Stanley Cowell (p), Cecil McBee (b), Roy Haynes (ds), Kenneth Nash (perc, congas on #2)。
当時、新進気鋭のスタンリー・カウエルのピアノ、セシル・マクビーのベース、そして、ドラムに様々な演奏フォーマットに柔軟に対応するロイ・ヘインズと、バックのリズム・セクションがとても興味深い、ペッパーのアルト・サックスがワン・ホーンのカルテット編成。
1970年代純ジャズのトレンドだった「モーダルな展開」と「バップでパルシヴなリズム&ビート」をベースにした、「収監後」活動後期のアート・ペッパーの名演が詰まった好盤である。
このアルバムを聴けば、「収監後」活動後期のアート・ペッパーは、完全に完成している。後は年を重ねての「熟成」だけ。そんな充実した「収監後」活動後期のアート・ペッパーがここにある。
パフォーマンスの基本は「モード」。時々アブストラクトに、時々スピリチュアルに、時々フリーに傾くが、気にするほどではない。熱い、エモーショナルなブロウの迸り、と解釈できて、この盤でのペッパーのアルト・サックスは絶好調である。「収監後」活動後期のベスト・パフォーマンスの一つと僕は思っているくらいだ。
バックのリズム・セクションも良好。特に、スタンリー・カウエルのピアノが良い。1970年代の純ジャズのトレンド、「モーダルな展開」と「バップでパルシヴなリズム&ビート」のど真ん中をいく、安定したバッキングは見事なもの。マクビーのベースはカウエルのピアノの底を支え、ヘインズのドラムが安定したリズム&ビートを供給する。
充実したリズム・セクションを得て、アート・ペッパーは、「収監後」活動後期の「米国NYメインの東海岸ジャズ」のトレンドに乗った、1970年代の純ジャズのマナーでのエネルギッシュでモーダルなブロウを繰り広げる。見事なブロウに惚れ惚れする。ペッパーの「収監後」活動後期の名盤だろう。
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