2025年12月 4日 (木曜日)

1970年代西海岸ジャズの名演

ボサノヴァ・ギタリストの第一人者のアルメイダと、西海岸ジャズを代表するサックス奏者のシャンクが中心になって結成された「L.A.フォア」。バックのリズム&ビートを司るリズム隊に、ジャズ・ベースのレジェンド職人、レイ・ブラウン、西海岸ジャズを代表するドラマー、シェリー・マンが控える。テクニック優秀、歌心満載、極上のカルテット演奏を聴くことが出来る。

『The L.A. Four Scores!』(写真左)。1974年7月27日、カルフォルニアの「Concord Boulevard Park」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bud Shank (sax, fl), Lurindo Almeida (g), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。西海岸ジャズを代表するサックス奏者、バド・シャンクと、ボサノヴァ・ギタリストの第一人者、ローリンド・アルメイダが中心になって結成されたジャズ・グループ ”L.A.フォア”の、The Concord Summer Festival で行ったライヴ音源。

演奏の雰囲気は、ウエストコースト・ジャズ。アルメイダのギターが入っているので、ブラジリアン・ジャズへの展開もあるので、演奏のアレンジがふるっている。聴き手を十分に意識した「聴かせるジャズ」、いわゆる、ウエストコースト・ジャズの十八番。1970年代の純ジャズ演奏なので、ジャズ・ファンクの演奏もあって、これはこれで、また見事にアレンジされている。
 

The-la-four-scores

 
フロントのアルメイダとシャンクが見事なパフォーマンスを披露するなら、リズム隊のレイ・ブラウンのベースと、シェリー・マンのパフォーマンスもこれまた見事。特級のリズム隊。ベース音がブンブン響き、ドラムがタイトなビートを叩き出す。変幻自在、硬軟自在、緩急自在のリズム&ビートをフロントに供給し、フロントを支え、フロントを鼓舞する。フロントと対等の立場のリズム隊。これが、”L.A.フォア”の最大の魅力。

ドラム・ブレイクではじまるファンキーな冒頭の「Sundancers」、メロウなアルメイダのギターと、シャンクのフルートがクール。2曲目は、お洒落なサンバ・ジャズが小粋な「Carioca Hills」。5曲目は、ボッサ・ビートに見事に乗った、ソフト&メロウなシャンクのフルートが魅力の「Cielo」。そして、ラストは、究極のボサノヴァ・ジャズ「 Manha De Carnaval」(黒いオルフェ ”カーニヴァルの朝”)。

1950年代のウエストコースト・ジャズの良いところをそのままに、1970年代に実現している小粋なカルテット。ダイナミックで繊細、ファンキーでボサノヴァチック、クールで耽美的。ウエストコースト・ジャズの切れ味の良い、聴き応えのあるグルーヴをそのまま、1970年代に連れてきた、そんな ”L.A.フォア”の躍動感溢れるパフォーマンスが、余すところなく記録されているライヴ盤である。
 
 

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2025年11月18日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・308

スチュ・ウィリアムソン(1933年5月14日 - 1991年10月1日)。米国のジャズ・トランペット奏者、バルブ・トロンボーン奏者。ジャズ・ピアニストのクロード・ウィリアムソンの弟。

スタン・ケントン楽団出身のトランぺッターであり、ウッディ・ハーマン、ビリー・メイ、チャーリー・バーネット、シェリー・マンらと共演。ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人。1968年以降、薬物使用と健康問題により、彼は音楽界から姿を消した。

Stu Williamson『Stu Williamson Plays』(写真左)。1955年の録音。ベツレヘム・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Stu Williamson (tp), Charlie Mariano (as), Claude Williamson (p), Max Bennett (b), Stan Levey (ds)。

リーダーを務めたセッションは比較的少ないが、ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人、スチュ・ウイリアムソンの初リーダー作。スチュのトランペットとマリアーノのアルト・サックスがフロント2管のクインテット編成。

そんなスチュ・ウィリアムソンの落ち着いた明るいトーンの素直で端正なトランペット。癖のない、破綻の無いトStu Williamson Discography: Vinyl, CDs, & More | Discogsランペットだが、音の質が良い。聴いていて心地良いのだ。荒削りでダイナミックな個性的なトランペットでは無いが、安心して聴ける、良質なトランペットである。ウエストコースト・ジャズらしい、そのテクニックの確かさも好感度良好。
 

Stu-williamsonstu-williamson-plays

 
そんなトランペットが、ジャズ・スタンダード曲で映える。特に、ウエストコースト・ジャズの良好なアレンジの下、「聴かせるジャズ」「聴いて心地の良いジャズ」にピッタリなのだ。「There Will Be Another You」の真っ正直なフレーズや「The Things We Did Last Summer」の素直でストレートな吹きっぷりを聴いていると、このシンプルさが、たまらなく良く聴こえてくる。

チャーリー・マリアーノのアルト・サックス、クロード・ウイリアムソンのピアノ、マックス・ベネットのベース、スタン・レヴィーのドラムと、ウエストコースト・ジャズの一流どころをズラリ取り揃えたバックも良い。さすが、ベツレヘム・レコードの感性と寒心することしきり。

マリアーノのアルト・サックスが、心地良い力強さで歌心満点のソロを聞かせてくれる。兄のクロード・ウイリアムソンが、ウエストコースト・ジャズ志向のバップ・ピアノで、スチュをサポートし鼓舞する。マックス・ベネットのベースは「堅実、安定」のベースで演奏の底を支え、スタン・レヴィーが「聴かせる」「聴いて心地良い」リズム&ビートを供給する。

温もりある音色で朗々と素直に吹き上げていくスチュ・ウイリアムソンのトランペット。そして、ウエストコースト・ジャズの「聴かせる」アルチザンが集結したアルト・サックス+リズム・セクション。ヘビー・ローテーションに耐える、いかにもウエストコースト・ジャズらしい好盤です。
 
 

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2025年11月10日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・306

このレーベルの一番の特色は、米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、偏ること無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしたこと。ハードバップ期の黒人中心の東海岸ジャズと、白人中心の西海岸ジャズを偏ること無くピックアップし、記録していった珍しいジャズ・レーベル。音作りも、東西混成のユニークなハードバップが散見されるところがこのレーベルの個性でもある。

Jimmy Knepper『A Swinging Introduction to Jimmy Knepper』(写真左)。1957年9月の録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Knepper (tb), Gene Roland (tp, vo), Gene Quill (as), Bill Evans (p), Teddy Kotick (b), Dannie Richmond (ds)。ミンガスのコンボで頭角を表したジャズ・トロンボーンの名手の二枚目のリーダー作。

白人らしい、あっけらかんとしたトロンボーンの響き。トロンボーン独特の「茫洋とした響き」を上手く活かして、印象的なフレーズを紡ぎ上げていく。こういうところ、ニッパーはとても上手い。「茫洋とした響き」のトロンボーンを印象的に聴かせるテクニック。それがこの盤の一番の「聴きどころ」。荒削りながら快活なソロには、思わず耳を傾ける。
 

Jimmy-kneppera-swinging-introduction-to-

 
サイドメンは、ビル・エバンス、ジーン・クイル、ジーン・ローランド、テデイ・コテック、ダニー・リッチモンド、と東西の一流どころがズラリ。バックのリズム・セクションがしっかりしているのも、この盤の良いところ。リズム・セクションがしっかりしていると、フロント管も吹きやすい。ニッパー、ローランド、クイルのフロント3管は、いずれも、リラックスして伸び伸びと吹きまくる。ローランドはボーカルまで披露している。

冒頭の「Love Letters」を聴けば、このアルバムの特徴が良く判る。メンバーは米国西海岸ジャズからがメイン。イントロは、ほど良くアレンジされ、西海岸ジャズらしい「聴かせるジャズ」かな、と思うんだが、アドリブ部に入ると、それぞれのメンバーが、個人のスキルを活かして、バリバリのソロを聴かせてくれる。このアドリブ・ソロの響きは、東海岸ジャズの雰囲気に近い。ビル・エヴァンスのピアノ・ソロなど、東海岸でのプレイそのもの。

このアルバムは、西海岸ジャズの良さと、東海岸ジャズの良さが、ハイブリッドに交わって、東西混成のハードバップ・ジャズが展開されている。良きアレンジと、熱いソロ・パフォーマンス。これは、ベツレヘム・レーベルならではの成果では無いか。僕はそう睨んでいる。
  
 

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2025年10月19日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・302

フランク・ロソリーノは、ケントン楽団、ライトハウス・オールスターズなどで活躍した実力派トロンボーン奏者。テクニック優秀、豪快で端正で破綻が無い。フレーズの歌心満点。そして、ロソリーノのソロは結構、自由度が高い。凄まじいテクニックで自由度の高いアドリブを繰り広げる。そんなロソリーノのソロが映え、個性が良く判る、ロソニーノのトロンボーンを知る上で、真っ先に聴きたいのがこのアルバムである。

Frank Rosolino『I Play Trombone』(写真左)。1956年5月、ハリウッドでの録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Frank Rosolino (tb), Sonny Clark (p), Wilfred Middlebrooks (b), Stan Levey (ds)。

西海岸を代表するジャズ・トロンボーンの名手、フランク・ロソリーノが、ソニー・クラーク(以降、ソニクラ)を含むトリオをリズム・セクションに従えた、ロソニーノのトロンボーン1管の、いわゆつ「ワン・ホーン・カルテット」。

それほど、この盤は、ロソニーノの個性と実力を知る上での重要作&代表作である。まず、トロンボーン1管のワンホーン・カルテットである。ワンホーンが「こけたら」終わりである。しかも、演奏難度の高いトロンボーンである。しかし、ロソニーノはそんなこと気にすること微塵も無いか如く、テクニック優秀、端正で破綻が無い、自由度が高い。凄まじいテクニックで自由度の高いパフォーマンスを繰り広げていく。圧巻である。
 

Frank-rosolinoi-play-trombone

 
収録曲については「I May Be Wrong (But I Think You're Wonderful)」「The Things We Did Last Summer」「Flamingo」のスタンダード曲3曲と、ソニー・ロリンズ作「Doxy」、ここまでのスタンダード4曲のロソニーノは、ミュートを活用したりの「抑制の美」。逆に、ロソリーノ作の「Frieda」「My Delux」、2作の自作曲のロソリーノは、パワフルに豪快に、凄まじいテクニックで自由度の高いアドリブ吹きまくる。

「My Delux」を除きテンポはミッドテンポ。これは「速いフレーズが不得手」というトロンボーンという楽器の性格上、仕方のないこと。それでも、トロンボーンとして驚くほど速くて正確な、そして、トロンボーンの音の特性を活かした、大らかでほのぼのした演奏は、ロソリーノならではのもの。

バックのリズム・セクションも聴きもの。西海岸における、ソニクラの「そこはかとなく芳しいシンプルなマイナー調」の、タッチは強くて深く、独特な打鍵のタイミング、そして、テクニックは端正という、ソニクラの伴奏上手な、サポート上手なグルーヴィーなピアノを堪能することが出来る。レヴィーのシャープなドラミング、ミルドブルックスの堅実ベースも良い出来。

ジャズ・トロンボーンと言えば、我が国は東海岸ジャズ偏重だったが故、J.J.ジョンソン、カーティス・フラー以上、な状態だったが、1980年代、西海岸ジャズの音源が、我が国でも紹介されるようになって、このフランク・ロソニーノのトロンボーンが’注目される様になった、と記憶する。特に、このベツレヘム・レーベルでのこのリーダー作がリイシューされて以降だろう。良いアルバムです。
 
 

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2025年8月13日 (水曜日)

ブルーノートの ”初ウィルソン”

ジャック・ウィルソン(Jack Wilson)は、1936年8月3日にシカゴ生まれ。7歳の時にインディアナ州フォートウェインに移住。1962年にはロサンゼルスに移住。1963年に初リーダー作『The Jack Wilson Quartet featuring Roy Ayers』をリリース。ブルーノートでは、この盤を始め、『Something Personal』『Song for My Daughter』の計3枚、リーダー作をリリースしている。

Jack Wilson『Something Personal』(写真左)。1966年8月9–10日、LAでの録音。ブルーノートの4251番。ちなみにパーソネルは、Jack Wilson (p), Roy Ayers (vib), Ray Brown (b :#3-6, cello :#1-2), Charles 'Buster' Williams (b :#1-2), Varney Barlow (ds)。

ジャック・ウィルソンの6枚目のリーダー作、ブルーノートでの初リーダー作である。しかし、プロデューサーは、ブルーノートらしくない、エマーシー・レーベルのジャズ担当、ジャック・トレイシー。ブルーノートが大手のエマーシー傘下に入った故、このブルーノートらしくない録音になったのかもしれない。

専ら、米国ウエストコーストで活動していたジャック・ウィルソン。このブルーノート初リーダー作は、ロサンゼルスで録音され、プロデューサーは、西海岸のジャック・トレイシー。ロイ・エアーズのヴァイブが入ったクインテット編成もユニークで、ブルーノートらしくない。まるでMJQ。そういう意味で、米国東海岸ジャズの雰囲気が全くしない、ブルーノートのアルバムの中でも異色作の類である。
 

Jack-wilsonsomething-personal

 
雰囲気は、米国ウエストコースト・ジャズの1966年版。4ビートのスインギーな、1950年代のウエストコースト・ジャズの面影は全く無い。モード・ジャズを取り入れた、ハードバップとモードのハイブリッドな演奏で、音の質としては「爽快でポップ」。ファンクネスは希薄。東海岸ジャズの様な、アーバンでブルージーな雰囲気は無くて、どちらかと言えば、西海岸の明るい光の中、アーバンで爽快なジャズといった面持ちだろうか。

アーバンで爽快な雰囲気を増幅するエアーズのヴァイブが良い。高速フレーズ弾きまくりだが、フレーズは明るくポップ。エアーズのヴァイブが、米国ウエストコースト・ジャズの1966年版という雰囲気を増幅している。

面白いのは、ベースとドラムのリズム隊。叩き出すリズム&ビートは、どこか重厚で厚みのあるもの。これって東海岸風で、ウエストコースト・ジャズの軽快でリズミカルなリズム&ビートとは一線を画している。

ラス前、5曲目の「Harbor Freeway 5 P.M」でのゆったりとしたビートで、耽美的に拡がりのあるフレーズと高速フレーズを交互に弾きまくる、ウィルソンが印象に残る。アルバム全体を聴き通して、この盤はブルーノートによる、東海岸のジャズ者に向けての「Introducing Jack Wilson」的な内容のアルバムなのかもしれない。
 
 

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2025年5月 3日 (土曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤 112

ミシェル・ルグランは、仏映画音楽界の巨匠。「シェルブールの雨傘」「華麗なる賭け」「おもいでの夏」など、手掛けた有名曲は多数。そして、優秀なジャズ・ピアニスト兼アレンジャーでもあった。本場米国のジャズマンや批評家からも高く評価されていたというから立派なものだ。

Michel Legrand『At Shelly's Manne-Hole』(写真左)。1968年9月5日、ハリウッドの「Shelly's Manne-Hole」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Michel Legrand (p), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。ミシェル・ルグランが映画音楽の仕事でハリウッドに滞在していた時期に実現した「Shelly's Manne-Hole」でのライヴ録音。

ミシェル・ルグランのピアニストとして、卓越した才能を最大限に発揮したトリオ盤である。冒頭のトリオの3人の名前を冠した「The Grand Brown Man」でのルグランのピアノが凄い。アップテンポでダイナミック、シングルトーンからブロックコードまで、ルグランの持つピアノのテクニックを総動員した、挨拶代わりのパフォーマンスに思わず度肝を抜かれる。
 

Michel-legrandat-shellys-mannehole

 
アップテンポ&ダイナミックでガンガン飛ばすかと思いきや、ルグランのオリジナル曲「A Time for Love」と「Watch What Happens」では、オリジナルのメロディーを愛しむように弾き進める、流麗で耽美的なルグランのピアノで、不意を突かれる。超スタンダード曲「My Funny Valentine」では、ルグランのスキャットまで飛び出す始末。歌心満点のルグランのピアノが素晴らしい。

そして、このピアノ・トリオ、バックのリズム隊の二人、ベースのレイ・ブラウン、ドラムのシェリー・マン、このウエストコースト・ジャズにおける、代表的名手の存在が大きい。丁々発止とルグランのピアノを受け止め、極上のテクニックでルグランのピアノを引き立て、鼓舞する。有名スタンダード曲「Willow Weep for Me」での、レイ・ブラウンのベースとルグランのピアノとの掛け合いは見事。

名手二人と繰り広げるトリオ編成による、極上のパフォーマンス。ミシェル・ルグランのピアニストとしての真価を存分に披露した、ピアノ・トリオの名盤である。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の特集には、なかなか、このアルバム・タイトルが上がることは無いが、我がバーチャル音楽喫茶「松和」では、謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」の一枚に認定させて頂きたい。
 
 

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2025年4月25日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・282

米国西海岸ジャズの中で、人気ナンバーワンのトランペッターと言えば「チェット・ベイカー(Chet Baker)」。

これまでのジャズ盤紹介本では、ボーカリストとしてのチェットをクローズアップしているものが大多数なので、チェット・ベイカーと言えば「ボーカリスト」と認識しているジャズ者の方々は多いと思われる。

しかも、1980年代まで、我が国のジャズ・シーンは、米国西海岸(ウエストコースト)ジャズをほとんど横に置いて、東海岸ジャズばかりを褒めそやし、東海岸ジャズばかりを愛でてきた。そのおかげで、米国ウエストコースト・ジャズの情報が圧倒的に不足していたので、チェットのトランペットのパフォーマンスを評価しようにも評価できなかった。

Chet Baker & Stan Getz『West Coast Live』(写真左)。1953年6月12日(The Haig, Hollywood)と1954年8月17日(Tiffany Club, Los Angeles)でのライヴ録音。パシフィック・レーベルから、1997年のリリース。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

【1953/06/12 Disc One and 1954/08/17, Disk Two tracks 1-4】= Chet Baker (tp), Stan Getz (ts), Carson Smith (b), Larry Bunker (ds) 。チェットのトランペットとゲッツのテナーがフロント2管のピアノレスのカルテット編成。

【1954/08/17, Disc Two tracks 5-7】= Chet Baker (tp), Stan Getz (ts), Russ Freeman (p), Carson Smith (b), Shelly Manne (ds) 。チェットのトランペットとゲッツのテナーがフロント2管の、フリーマンのピアノ入り、オーソドックスなクインテット編成。

全20曲中、17曲がピアノレスのカルテット編成。3曲のみ、ピアノ入りのオーソドックスなクインテット編成。ほとんどがピアノレスのカルテット編成なので、ピアノのコード弾きによる規制が無い分、17曲のピアノレスのカルテット編成の演奏の方が、フロント管の自由度が圧倒的に高い。
 

Chet-bakerstan-getzwest-coast-live

 
このライヴ盤は、チェットのトランペットが聴きもの。チェットのトランペッターとしての優秀性がとてもよく判る。ゲッツはジェリー・マリガンの代役で急きょ参加したそうだが、そのせいか、ちょっと大人しめで、チェットを常に立てるような吹奏は、彼の特質である「クールなテナー」がちょっと裏目に出ている様にも感じる。

CD2枚組、全編2時間のライヴ演奏。全編に渡って、チェットのトランペットが素晴らしい。破綻なく流麗な吹き回し、ウォームでクールな芯のある音色、アドリブ・フレーズにしっかり宿る歌心。

中音域を中心に吹きまくるチェットのトランペットは魅力満載。力強くバイタルな吹きっぷりのチェットは格好良い。

どの曲でも、チェットはイマージネーション溢れるアドリブ・フレーズを叩き出す。このライヴの録音は1953〜54年。ウエストコースト・ジャズの最大の特徴、聴き手を意識した、小粋で秀逸なアレンジについては、まだ発展途上。

このライヴでは、パーソネルに名を連ねる有望ジャズマンが、自らのイメージで、自らのパフォーマンスをアレンジしている。これが素晴らしい。

このライヴ盤を聴いていると、チェットは、米国西海岸ジャズの中で、人気ナンバーワンのトランペッターだったことが良く判る。ウエストコースト・ジャズが発展途上の時期、西海岸のジャズマン達の資質に才能による、優れたインタープレイとソロ・パフォーマンスがこのライヴ盤に記録されている。

しかし、この優れたライヴ音源が、録音後、44年もお蔵入りになっていたとは信じ難い。それでも、1997年によくリリースされたと思う。

1954年時点で、ウエストコースト・ジャズは、これだけ優秀なパフォーマンスを展開していた、ということが良く判る。
 
 

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2025年4月13日 (日曜日)

ブラウニーの ”Jams 2” を聴く

1981年からの「発掘調査」で発見された、クリフォード・ブラウン(以下、ブラウニー)の未発表演奏は、2枚のLP盤『More Study In Brown』と『Jams 2』として発売された。今回のブログ記事は『Jams 2』について、である。

Clifford Brown『Jams 2』(写真左)。日本フォノグラムからのリリース。録音日と曲目、パーソネルは以下の通り。

1954年8月11日、 L.Aでの録音。Track1「Coronado」で、ちなみにパーソネルは、Clifford Brow (tp), Walter Benton, Walter Benton (ts), Herb Geller, Joe Maini jr. (as), Kenny Drew (p), Curtis Counce (b), Max Roach (ds)。

1954年8月14日、LAでの録音。Track2「Introduction」、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」で、ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Clark Terry, Maynard Ferguson (tp), Harold Land (ts), Herb Geller (as), Junior Mance, Richie Powell (p), George Morrow, Keter Betts (b), Max Roach (ds), Dinah Washington (vo)。

1954年8月11日、 L.Aでの録音は、正式盤としては、Clifford Brown『Best Coast Jazz』。ここからがちょっとややこしいのだが、ブラウニーの急逝後、この『Best Coast Jazz』の未発表音源を収録した出したLPが『Clifford Brown All Stars』。この『Clifford Brown All Stars』の未発表音源集から、さらに漏れた未発表音源が、この盤のTrack1「Coronado」。
 

Clifford-brownjams-2

 
この未発表の発掘音源でも、ブラウニーのトランペットのパフォーマンスは素晴らしいの一言に尽きる。他のジャズマンのパフォーマンスを完全に凌駕する、ブラウニーのトランペットのテクニックと歌心。素晴らしい内容であるに関わらず、18分の長尺演奏なので、他のアルバムに収録できなかったのだろう。

1954年8月14日、LAでの録音は、正式盤としては、Clifford Brown『Jam Session』。この『Jam Session』の未発表の発掘音源が、この盤のTrack2「Introduction」、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」。この未発表の発掘音源については、正式盤の採用された音源と比べて、その内容は同等、もしくはそれ以上の内容である。

Track2「Introduction」は、ボブ・シャッドによるイントロダクションで、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」は、ダイナ・ワシントンのボーカル入り。特に、Track3「I'll Remember April」は、収録時間11分強の長尺セッションで迫力あるパフォーマンスが展開されていて見事。

ブラウニーの短い活動期間の中、怒涛の「名演の録音月間」である1954年8月。この1981年からの「発掘調査」で発見された未発表音源も、そんな「名演の録音月間」1958年8月の中のセッションの一部。ウエストコースト・ジャズ全盛期の、ブラウニー全盛期の優れたジャム・セッションの記録。この未発表音源集も、ブラウニーのパフォーマンスを愛でる中で、外せない好盤である。
 
 

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2025年4月12日 (土曜日)

”More Study In Brown” を聴く

このところ、やっと春らしい気温の日が続くようになった。陽も長くなった。気持ちも開放的になる。気持ちが開放的になると、管楽器がフロントのハードバップが聴きたくなる。それも、バリバリ吹きまくるやつだ。そう想いを回らせていたら、クリフォード・ブラウン(以下「ブラウニー」)が聴きたくなった。

Clifford Brown & Max Roach『More Study In Brown』(写真左)。日本フォノグラムからのリリース。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Sonny Rollins (ts, tracks: A1 to A4), Harold Land (ts, tracks: B1 to B4), Richie Powell (p), George Morrow (b), Max Roach (ds)。

CDでの1曲目「I'll Remember April」と3曲目「Flossie Lou」が 1956年2月17日の録音。2曲目の「Junior's Arrival」が 1956年1月4日の録音。(以上『Clifford Brown and Max Roach at Basin Street』の未発表音源)。

4曲目「Mildama」と6曲目「These Foolish Things」が 1954年8月6日の録音、5曲目「Jordu」が 1954年8月3日の録音。(以上『Brown and Roach Incorporated』の未発表音源)。

7曲目「Lands End」が 1955年2月23日の録音。8曲目「The Blues Walk」が 1955年2月24日の録音(以上『Study In Brown』の未発表音源』)。

1曲目「I'll Remember April」、2曲目の「Junior's Arrival」、3曲目「Flossie Lou」、4曲目「Mildama」のテナーが、ソニー・ロリンズ。5曲目「Jordu」、6曲目「These Foolish Things」、7曲目「Lands End」、8曲目「The Blues Walk」のテナーがハロルド・ランド。
 

Clifford-brown-max-roachmore-study-in-br

 
1981年からの「発掘調査」で発見されたブラウニーの未発表演奏は、2枚のLP盤『More Study In Brown』と『Jams 2』として発売された。今回のブログ記事は『More Study In Brown』について、である。

この『More Study In Brown』は、ブラウニーの名盤『Study In Brown』(1955年2月23–25日の録音)と『Clifford Brown and Max Roach at Basin Street』(1956年1月4日、2月16ー17日の録音)そして『Brown and Roach Incorporated』(1954年8月2, 3, 5 & 6日の録音)からの未発表音源を集めたもの。

それぞれの名盤の未発表音源だが、その内容は、正式採用された音源と同等、もしくはそれ以上の内容なのが凄い。とにかく、主役のブラウニーのトランペットは申し分ない。正式採用された音源と同等の素晴らしさ。ローチのドラムもブラウニーと同様に素晴らしい。

特に素晴らしいのがテナーの二人。ランドとロリンズだが、この二人のパフォーマンスは、正式採用された音源よりも溌剌として、イマージネーション豊かなアドリブを繰り広げている。正式採用されなかったのが不思議なくらいの素晴らしいテナー。

とりわけ、ロリンズが凄い。今まで、ブラウニーとの共演ではロリンズは萎縮しているかの様な、慎重なテナーを聴かせていたが、この未発表音源では、そんな慎重なロリンズはいない。溌剌と豪快に、ブラウニーを凌駕するが如くのテナーを吹き上げている。

LPの収録時間の関係上、やむなく未発表音源となったのだろうが、どこかブラウニーのトランペットだけを前面に押し出す、ブラウニーのトランペットだけを目立たせるのを第一目的として、正式盤の選曲をしたのでは無いだろうか、と穿った見方を僕はしている。それほど、この未発表音源のランドとロリンズは、ブラウニーのトランペットに肉迫している。
 
 

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2025年2月26日 (水曜日)

ハミルトンのドラミングを愛でる

米国ウエストコースト・ジャズにおける代表的ドラマーは二人。チコ・ハミルトンとシェリー・マン。マンのドラミングは複合リズムをベースとした高テクニックなハードバップ・ドラミング。一方、ハミルトンのドラミングは伝統的なバップ・ドラミング。どちらもウエストコースト・ジャズには欠かせない資質を持ったドラマーで、甲乙つけ難い。

『Chico Hamilton Quintet featuring Buddy Collette』(写真左)。1955年8月、ハリウッドでの録音。パシフィック・ジャズ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chico Hamilton (ds), Buddy Collette (sax, fl, cl), Fred Katz (cello), Jim Hall (g), Carson Smith (b)。米国ウエストコースト・ジャズの代表的ドラマーの一人、チコ・ハミルトンのクインテット演奏。

タイトルにあるように、マルチ楽器奏者のバディ・コレットを迎えてのクインテット編成。フロント楽器にコレットのサックス、ジム・ホールのギター。ピアノレスで、リーダーのハミルトンのドラムとカールソン・スミスのベースがリズム隊。そこに、フレッド・カッツのチェロが加わる。ピアノレス、チェロ入りの異色のクインテットである。

いかにも、米国ウエストコースト・ジャズらしいユニークな編成で、ウエストコースト・ジャズの最大の個性である「ジャズを聴かせる小粋なアレンジ」が施され、いかにもウエストコースト・ジャズらしいパフォーマンスが記録されている。
 

Chico-hamilton-quintet

 
しかし、この盤のアレンジは、演奏の流麗さや楽しさを追求するより、リーダーのハミルトンのドラムが映える、そして、客演のコレットのサックスが印象に残る、そんなアレンジが施されている。

このチコ・ハミルトンのクインテットは「室内楽ジャズ」と形容される様に、演奏自体はシンプルなアレンジ。シンプルが故に、ハミルトンのドラミングが要所要所で映え、要所要所で記憶に残る様なアレンジは見事。ハミルトンのドラミングを全面に押し出す為の「ピアノレス」。打楽器の役割も担えるピアノを排除して、打楽器の生み出すリズム&ビートは一手にハミルトンが担う様に仕向けられている。

実は、この「室内楽ジャズ」なアレンジは、ハミルトンのドラムを徹底的に全面に押し出し、しっかり聴かせる、しっかり印象に残る、そんなウエストコースト・ジャズ的なアレンジだということに、今回、思い当たった次第。確かに、このアルバム、ハミルトンのドラミングの個性、優秀性がとてもよく判る内容になっている。

米国ウエストコースト・ジャズの代表的ドラマーの一人、チコ・ハミルトンの、チコ・ハミルトンによる、チコ・ハミルトンのためのアレンジが施された、チコ・ハミルトンのドラミングが映えに映えるアルバムである。
 
 

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