西海岸ロックの歌姫の代表盤
我がバーチャル音楽喫茶『松和』、今週は、毎年8月後半のこの時期、恒例の「1970年代ロック祭り」。8月の後半になると、決まって学生時代の夏休みの後半〜終わりの雰囲気を思い出す。今年もこの季節は70年代ロックの大特集。今日は「リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)」。
このブログではあまり採り上げることが無かったのだが、僕は米国西海岸ロックの歌姫「リンダ・ロンシュタット」(略してリンロン・名前の省略形は大阪人の悪い癖・笑)が大好きである。デビュー盤から80年代までのオリジナル盤は全て所有している。
なんしかキュートである。1970年代、リンロン(リンダ・ロンシュタットの省略形)は20歳代後半から30歳代前半。女性として一番キュートな年頃である。とにかくリンロンはキュートだった。そんなキュートなリンロンが、西海岸ロックの範疇でカントリー・ロックを唄えば、これがまた、ど迫力の「姉御」のボーカル。
バラードを唄わせれば、歌姫っぽくキュート。ロックンロールを唄わせれば、ど迫力の「西海岸ロックの姉御」のボーカル。これがリンロンの個性。その個性がこれまた良い。僕は、大学時代の4年間、米国西海岸ロックにドップリ填まったが、その中でも、リンロンは大のお気に入り。
デビュー盤は、ちょっと前になりますが、2010年2月6日のブログ(左をクリック)でご紹介しています。出来の良いカントリー・フォーク色の強い楽曲の中で、キラリと光る、趣味良くロック色の濃い楽曲が配置されている、というところがこのアルバムの「ミソ」となっているんですが、これが良い。当時は、リンロンは「カントリーの歌姫」と呼ばれていました。
そして、リンロンってオリジナル盤については「平均して出来が良く駄盤無し」なんですが、特に「これを一枚」というところでは、やはりこの盤が代表盤となるんでしょうね。改めてご紹介します。Linda Ronstadt『Living in the USA』(写真)。邦題『ミス・アメリカ』。1978年9月のリリース。
このアルバムについては、リアルタイムで飛びつきました。それまでにリンロンのアルバムについては2〜3枚は所有していたので、当時、もはや立派な「リンロン者」となっていましたね。ジャケットのローラースケートを履いたリンロンのキュートなこと。このジャケット写真も良いですね。米国西海岸ロックの歌姫というイメージをビンビンに感じます。
このアルバムが、リンロンの絶頂期のアルバムであり、最高傑作と言い切ってしまっても良いでしょう。収録されたそれぞれの曲の出来、演奏内容、そして、リンロンのボーカル、どれを取っても申し分無く、米国西海岸ロックを強く感じさせるバック・バンドの音も秀逸です。とにかく、欠けたところ、ダレたところが全く無く、出来が非常に良い。
それまでの盤に色濃く漂っていたカントリー・フレイバーがスッと抜けて、米国西海岸独特のロックンロールがギッシリとこの盤に詰まっています。ちょっとジャジーな雰囲気を添えるサックスの音色も良好。それでも、しっかりと米国ルーツ・ロックな雰囲気は色濃く残っていて、米国ロックの代表盤としてもイチ押しの好盤です。
ヒット・シングル「Back in the U.S.A.」(Chuck Berryの楽曲/Waddy Wachtelがギターで参加している)「Just One Look」(Gregory Carroll, Doris Payneの合作、1963年のヒット曲のカバーです)「Ooh Baby Baby」(William "Smokey" Robinson, Warren Mooreの合作/David Sanbornがアルト・サックスで参加している)などなど、名曲名演の楽曲が目一杯詰まっている。
このアルバムを聴くと、大学時代の夏の終わりを思い出す。このアルバムをかけながら、車で古墳の測量調査に奔走し、論文を読み漁り、麻雀に勤しみ、小説を読み込んだ。遠い遠い夏の終わりの思い出を想起させてくれる、米国西海岸ロックの傑作である。
震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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