再ミントンハウスのクリスチャン
チャーリー・クリスチャンは1916年生まれ。ジャズ・ギターの開祖とされるレジェンド。1939年、ベニー・グッドマン楽団のメンバーに起用される。楽団で演奏活動を行う一方、ニューヨークで、次世代のジャズを担うであろうキーマン的ジャズマン達、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンクらと出会い、ジャム・セッションを重ねる。
Charlie Christian & Dizzy Gillespie『Jazz Immortal: After Hours Monroe's Harlem Mintons - Live』(写真左)。1941年5月、ハーレムにあるミントンズ・プレイハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Charley Christian (g), Dizzy Gillespie, Joe Guy (tp), Don Byas (ts), Kenny Kersey, Thelonious Monk (p), Nick Finton (b), Kenny Clarke (ds)。
1941年5月、ハーレムにあるミントンズ・プレイハウスで行われた「ビ・バップ誕生前夜」の必殺ライヴ音源。そんな、次世代のジャズを担うであろうキーマン的ジャズマン達と、ジャズ・ギターの開祖とされるレジェンド、チャーリー・クリスチャンとのジャム・セッションの記録である。録音したのは、アマチュアのジェリー・ニューマン。ダイレクト・カッティング方式の機械を持ち込んで収録したらしい。
2000年のリマスター音源を聴いているのだが、これが意外に良い。チャーリー・クリスチャンのギター・ソロもクリアーに録れていて、ガレスピーのトランペットや、ドン・バイアスのテナーのソロなど、躍動感の感じられる音で、なかなかに楽しめる。以前は、いかんせん、録音が悪いなあ、とヘビロテ盤とまではいかなかなったが、この音質であれば、ながら聴きにも十分耐える。
チャ-リー・クリスチャンが、ジャズ界に残した功績は、それまでコード弾きでリズム楽器、若しくは伴奏楽器として、バッキング・オンリーだったギターという楽器を、脅威の一本弾きで、管楽器同様、フロント楽器として、ソロがとれる楽器へと進化させたこと。
そのフロント楽器としてのソロ・パフォーマンスがこのライヴ盤にしっかりと記録されていて、今の耳にも十分に訴求するテクニックの素晴らしさ、フレーズのユニークさである。このライヴ盤でのチャーリー・クリスチャンのギターを、現代のジャズ・シーンに持ち込んでも十分に通用する内容とテクニックの高さ。電光石火なクリスチャンの「カッ飛び」ソロは聴き応え十分。
ちなみに、このライヴ盤は、チャーリー・クリスチャンとディジー・ガレスピーとの双頭リーダー扱いになっているが、そもそも、チャーリー・クリスチャンは生涯、リーダー作を出していない。
わが国では、邦題「ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン」でリリースされているのでややこしいのだが、収録全9曲中、5曲までチャーリー・クリスチャン入りのジャム・セッションの記録になる。その5曲「Swing to Bop」「Stompin' at the Savoy」「Up on Teddy's Hill」「Guy's Got to Go」「Lips Flips」のパフォーマンスで、チャーリー・クリスチャンの弾くギターの特徴がはっきりと判る。
2000年のリマスター音源では、ジャズ者初心者の方々にもお勧め出来る音質になっていて、チャーリー・クリスチャンの「ジャズ・ギターの開祖」とされる所以が良く判る。今までは、ジャズ者中堅の方々からジャズ者ベテランの方々向け、としていたが、音質が改善された音源については、ジャズ者初心者の方々に是非、聴いて欲しいレベルのライヴ盤に昇格している。
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