ボス (Boss) と呼ばれるロッカー
我がバーチャル音楽喫茶『松和』、今週は、毎年8月後半のこの時期、恒例の「1970年代ロック祭り」。8月の後半になると、決まって学生時代の夏休みの後半〜終わりの雰囲気を思い出す。今年もこの季節は70年代ロックの大特集。今日は「ボス(Boss)」と呼ばれるロッカーの話題を・・・。
高校時代、我が映画研究部では、部員の誰かが持ち込み、部の中での流行となったロック・グループやロック・ミュージシャンがいる。僕の場合は、西海岸ロックの雄・イーグルスと和蘭のプログレバンド・フォーカス、そして、日本のプログレバンド・四人囃子を持ち込んだ。
長年「ボス(Boss)」と呼ばれるロッカーがいる。アメリカン・ロックを代表するレジェンド、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)である。僕がこの「ボス」と出会ったのは、高校2年生の冬。映研の部長を辞して、それでもフォーク・デュオをやり始めた関係上、部室に出入りしていた。部室でフォーク・デュオの練習をする為である。
ある日、部室に今まで耳にしたことの無いロックな音が鳴り響いていた。どうも、後輩のYが持ち込んだらしい。誰だ、これは。これが僕のブルース・スプリングスティーンとの出会いである。アルバムはあの名盤『明日なき暴走』(Born to Run)だった。
さて、そんな「ボス」であるが、僕が愛聴して止まない一枚がこのセカンド盤『The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle』(写真左)。邦題は『青春の叫び』。1973年のリリースだが、僕は1976年、高校3年生の夏、Yが夏合宿に持ち込んで、一緒に聴き込んだ思い出がある。
冒頭の3曲を聴くと、ボスの音楽は「米国ルーツ・ロック」の流れを汲むものだと判る。ディキシーランド・ジャズっぽい前奏、フォーキーでC&Wな響きを持つ音、そして、思いっきりファンキーなブルース。どれもが、米国ルーツ・ミュージックを大本に持つ音。明らかにボスは「米国の」ロックンローラーである。
このセカンド盤のボーカルの唄い回しは確かに「第2のディラン」。確かにボブ・ディランに似ていることは似ているが、ディランほどに難解では無いし、複雑では無い。結構、シンプルで判り易いディランの様に唄い回す。もはや「第2のディラン」は当てはまらない。このセカンド盤には、ボスの個性の確立を聴き取ることが出来る。
後に、E・ストリート・バンドのメンバーとなるメンツがバックを務めている。さすがの充実度。 「米国ルーツ・ロック」をベースにロックンロール、R&B色の濃い、魅力的な楽曲を展開している。アグレッシブなロックンロールが前面に押し出されて、聴き応え満点。初期の彼の傑作と呼べるアルバムである。
Yが持ち込んだこのボスの『青春の叫び』と、僕が持ち込んだ四人囃子の『ゴールデン・ピクニックス』、そして、Wの持ち込んだ吉田拓郎の『明日に向かって走れ』、この3枚が鳴り響いていた1976年の夏合宿。
このボスの『青春の叫び』を聴くと、高校3年生の夏、信楽の玉桂寺の離れの縁側を思い出す。遠い日のとても印象深い思い出の一つである。
震災から4年5ヶ月。決して忘れない。まだ4年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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