ポールのベスト盤の「ベスト」
先週の金曜日から帰省していて、ブログの更新が滞りました。先ほど、千葉県北西部地方に舞い戻ってきましたので、ブログも再開です。
さて、帰省の往復の電車のまとまった時間の中は、いつもCD複数枚組のアルバムを一気に聴き通す時間に充てていて、今回は、ポール・マッカートニーのベスト・アルバム『Pure McCartney』(写真左)、邦題『ピュア・マッカートニー〜オール・タイム・ベスト』を一気聴きです。
ポール・マッカートニーがソロ45周年の集大成となるベスト・アルバムになる。今回聴いたのは、CD4枚組のDelux Edition。この「デラックス・エディション」は全67曲、全米・全英トップ10シングル18作(いずれも、9曲が全米No.1獲得)が収録されている、とのこと。
ポールいわく「僕と僕のチームが選曲するにあたって考えたのは、ただただ楽しんで聴けるものにしよう、ということだけだった。例えば、長旅の車中、自宅でくつろぎたい晩、または友人とのパーティーなんかでね」というのが今回のベスト・アルバムのコンセプトとのこと。
続けて「だから僕たちは知恵を絞って、僕の長く曲がりくねったキャリアのさまざまな時期から、多種多様な選曲リストを出し合った。キャリアという言葉はちょっと相応しくないかな。なぜなら僕としては、“仕事"をしてきたというよりも、音楽の冒険を続けてきたという感じだから」。うむむ、ここまでくると、ポールの話は「胡散臭い」(笑)。
とにかく、確かにこのベスト盤の選曲はなかなか良く出来ている。聴いていて楽しい選曲というのはとても良く判る。ただ、ポールのキャリアの中で困るのは、聴いていて楽しい曲というのが、1980年以降、急速に少なくなっていったってこと。やっぱり、ポールの楽しい曲が沢山あった時期は1970年代ということになる。
これは全くの私見なので聴き流して欲しいのだが、ポールがポールのメロディーメーカーとしての才能を最大限に発揮して、今回のベスト盤の特色である「楽しんで聴ける曲」が出来たのは、ジョンの存在があったからではないかと睨んでいる。
生前、ジョンが全くポールの相手をしていない時のポールの曲は確かに冴えない。皮肉タップリの曲でジョンがポールをいじりはじめると、いきなり「楽しんで聴ける曲」が出てきた。そして、ジョンとの仲が修復されたら、あの「ウィングス時代」の大ヒット曲のオンパレード。
しかし、ジョンが死んで、ポールの曲はポールの曲らしからぬ「シリアスな曲」が増えた。「シリアスな曲」とは「聴き応えのある曲」である。シリアスな曲はジョン、楽しんで聴ける曲はポール、そういう役割分担が「レノン=マッカートニー」ではなかったか。ジョンに触発されポールはその才能を発揮する。ポールにとってジョンは無くてはならない存在だったのだろう。
この今回のオール・タイム・ベストを聴いて、そんな「私見」をふと思い出してしましました。やはりジョンの「いない時代」のポールの曲には「聴いていて楽しい曲」が少ない。いわゆる「楽しんで聴ける曲」が少なくなった。そういう意味では、1970年代のポールの楽曲は「聴いていて楽しい曲」ばかりだ。
曲が年代順ではなくランダムに収録されているのもグッド。僕にとっては年代順だと、先の「私見」が頭にちらついて、どうもいけない。ランダムに収録されているからこそ、アルバム全体の「聴いていて楽しい曲」の密度が平準化されている。このベスト盤はそういう意味で、ポールのベスト盤として「ベスト」だろう。
震災から5年3ヶ月。決して忘れない。まだ5年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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