2026年2月18日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・313

クロスオーバー&フュージョン・ジャズにおいては、CTIレーベルのカタログを追いかけているが、純ジャズにおいては、欧州系については、ECMレーベルのカタログを追いかけている。ちょっとチェックしてみたら、ECMのEM1101〜1199までの「ECM1100番台」については、明らかに現代音楽の「ジャズでは無い」アルバムを除けば、この一枚で、当ブログでの記事アップが完了することが判った。

Steve Kuhn『Motility』(写真左)。1977年1月、西ドイツの「トンスタジオ」での録音。ECMの1094番。ちなみにパーソネルは、Steve Kuhn (p), Steve Slagle (ss, as,fl), Harvie Swartz (b), Michael Smith (ds)。米国の耽美的情緒的なピアノニスト、スティーヴ・キューンのアルバム。

ECMレーベルお得意の「ポスト・バップ&ニューエイジ」なジャズのアルバム。チック・コリアとマッコイ・タイナーの中間に位置する、米国ジャズ界には珍しい耽美的情緒的なピアニストと形容されるスティーヴ・キューン。そんなキューンの個性的なピアノが、このアルバムに溢れている。
 

Steve-kuhnmotility

 
美しく流麗で耽美的なピアノが、時々、フリーにアブストラクトにアウトしながら、打ちつける様な激情溢れるタッチを見せながら、ポスト・バップな、情緒的なメロディを奏でつつ、展開していく。ひっかかる様に、つんのめる様にメロディーがアウトしていくところもあるが破綻は無い。しっかり「規律」された不協和音の美しさ。実に欧州的であり、ECM的である。

キューンのソロ・ピアノも良い。7曲目の「A Dance For One」のジャズロック的な雰囲気もなかなか。サックスとの共演での、バッキングに回ったキューンのピアノも良い。3曲目の「Catherine」では、明るめのバラードで、サックスのメロディーが浮き出てくる様は実に良い。切れ味良く、エッジの立ったピアノだが、音の雰囲気は、どこか「明るい」。

ジャケットも秀逸。とてもECMレーベルらしいジャケットで、この盤に詰まっている音世界を、ズバリ表現しているところが素晴らしい。このジャケットも欧州的。キューンは米国出身のピアニストながら、彼のピアノの個性は「欧州的な」ジャズでこそ活きる。そういう意味で、キューンのピアノにはECMレーベルが良く似合う。

2026年2月16日 (月曜日)

硬派クロスオーバーなベンソン

CTIレーベルは、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの代表的レーベルである。クロスオーバー&フュージョン・ジャズについては、聴き手の「聴き心地、聴き易さ」を優先した、イージーリスニング志向のアルバムが多く見られるが、中には、純ジャズ志向の、なかなか硬派でメインストリームな盤もあって、これが意外と楽しめる。

George Benson 『Body Talk』(写真左)。1973年7月17–18日の録音。CTIレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、George Benson (g), Earl Klugh (rhythm-g), Harold Mabern (el-p), Ron Carter (ac-b), Gary King (el-b), Jack DeJohnette (ds), Mobutu (perc, congas), Frank Foster (ts), Gerald Chamberlain Dick Griffin (tb), Jon Faddis, John Gatchell, Waymon Reed (tp, flh), Pee Wee Ellis (arr, cond)。

ブルース・フィーリング、ソウル・フィーリングに溢れる、純ジャズ志向のクロスオーバー・ジャズ盤である。演奏全体の構成は、8ビートがメインのエレクトリックなクロスオーバー・ジャズだが、演奏されるジャズの雰囲気は「純ジャズ」。1960年代後半から、エレクトリック楽器の導入が進んだジャズ界の中で、エレクトリック楽器を活用しながらも、演奏内容は硬派な純ジャズという、なかなかの内容のベンソン盤である。
 

George-benson-body-talk

 
とにかく、ベンソンが弾きまくる、弾きまくる。バックには、ハードバップ期から、そして、当時の新進気鋭のジャズマン達が大集合して、8ビートがメインのエレクトリックなクロスオーバー・グルーヴなバッキングを展開するが、そんな充実のバックが霞むほどのベンソンのエレギの弾きっぷり。何かに取り憑かれたように、鬼気迫る、それでいて、どこか余裕のある素晴らしい弾き回しに惚れ惚れする。

ソウル・フィーリング溢れる、R&B志向のクロスオーバーな演奏も良い味を出している。ベンソンのソウル・クロスオーバーな演奏は、ファンクネスを過度に出さず、スマートでライトなファンクネスを撒き散らしながら、ブラス・セクションを絡めながら、R&Bなグルーヴ、モータウン名グルーヴを醸し出しながら、やっぱり「弾きまくる」。このブラス・セクションが「キモ」。R&B、そしてモーダウンには、ブラス・セクションが良く似合う。

全5曲中、4曲がベンソンの作(1曲目「Dance」だけ、エリスとの共作)気合いが入っている。ウエス・モンゴメリーの後継者と目されて脚光を浴びたベンソンではあるが、この盤では、ウエス・モンゴメリーの影響下から抜け出て、ウエスの弾きっぷりを下敷きにしつつ、ベンソンならではのギターの個性を確立させているのが、この盤のパフォーマンスを聴いていて、それが良く判る。純ジャズ志向の良質なエレギである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年2月14日 (土曜日)

”ベースで旋律を弾く” 難しさ

ベースで旋律(メロディ)を弾くには、高音域(主に7フレット以降)を活用し、ハンマリング、スライド、チョーキングといった装飾技術を用いて、滑らかに「歌う」ように表現するのがコツとのことだが、ジャズにおいて、この「ベースで旋律を弾く」に長けたベーシストは数少ない。

Ron Carter『A Song for You』(写真左)。1978年6月の録音。マイルストーン・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b, piccolo-b, arr), Leon Pendarvis (p, track 1), Kenny Barron (p, tracks 2–6), Jay Berliner (g), Jack DeJohnette (ds), Ralph MacDonald (perc)。

ジャズ・ベーシストのレジェンド、ロン・カーターのリーダー作。この盤では、ロンの「ベースで旋律を弾く」テクニックが前面に押し出された、ロンのベースに焦点を合わせたリーダー作。先に言っておくが、この盤の評価、賛否両論だと思う。僕は、ベースで旋律を弾くのは「アリ」だと思っている。特に、ベースの革命児、ジャコ・パストリアスが出現してからは、別に違和感が無い。

しかし、この盤は、ジャコの出現前、ハードバップ時代からのレジェンド・ベーシストの「ベースで旋律を弾く」チャレンジである。というか、チャレンジ手前で止まっているように思う。それを踏まえてのアルバムの内容のご紹介になる。まず、米国のジャズ・ベーシストは、おしなべて「ベースで旋律を弾く」のは苦手。ロンも例外では無い。
 

Ron-cartera-song-for-you  

 
欧州系のベーシストは、クラシックのベース経験が少なからずあるんで、ピッチが合う、テンポが的確、と、ベースという「楽器」を弾く基本が出来ている。基本が出来ている上で「ベースで旋律を弾く」ので鑑賞に耐える。しかし、米国系のベーシストは、まず、ピッチが合っていないことが多く、テンポも遅れがちで雑になる。これが一番の問題点になる。

で、このロンのリーダー作であるが、当時のロンのベースの弱点である「ピッチが合っていない」が、まだ完全に改善されていない。少し、フラットしていて、このピッチが少し外れているのも「味」と、まとめているみたいだが、ちょっと聴いていて気持ちが悪い。テンポは辛うじてキープされているので、テクニック的には、ちょっと「惜しい」ロンの弾きっぷりである。

ただ、演奏自体のアレンジは良好。ベースが「旋律を弾く」ということを大前提としたアレンジは良い。特に、ベースで旋律を弾く、そのもののアレンジはとても良好で、さすがロン・カーターといったところ。タイトル曲のレオン・ラッセルの名曲、カーペンターズのカヴァーで有名な「A Song for You」などは実に良い感じでまとまっている。

ちょっと乱暴な希望なんだが、このロンのアレンジで、この盤のベースを、欧州系のベーシストでやって欲しいな、と。例えば、ペデルセンとか、ムラーツとか、でもどちらも逝去してしまっているので、彼らの後を継ぐ現役ベーシストでやって欲しいなあ、と。「ベースで旋律を弾く」の評価を大きく前進させる成果になる、と思っているんですが・・・。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年2月12日 (木曜日)

ナットのエレなハードバップです

ファンキー・トランペットの元気印「ナット・アダレイ」のCTI盤である。CTI盤なんで、ソフト&メロウなフュージョン盤かと思うんだが、録音年は1968年。フュージョン・ジャズの時代より前の、クロスオーバー・ジャズの初期。で、出てくる音は、エレクトリックなバックを従えたコンテンポラリーな純ジャズ。

Nat Adderley『Calling Out Loud』(写真)。1968年11, 12月の録音。CTIレーベル盤。ちなみにパーソネルは、Nat Adderley (cornet), Paul Ingraham (French horn), Seldon Powell, Jerome Richardson, Jerry Dodgion, Richard Henderson (sax), Hubert Laws (fl, piccolo), Don MacCourt (bassoon), George Marge (cl, English horn, sax), Romeo Penque (b-cl), Joe Zawinul (el-p), Ron Carter (b), Leo Morris (ds)。

冒頭の「Biafra」から曲想は、思慮深さとダイナミック差を兼ね備えたハードバップ。バックの演奏がエレクトリック志向。ソフト&メロウなんて無し。イージーリスニング志向なところも無し。

エレクトリックなハードバップな雰囲気が、1960年代後半のクロスオーバー・ジャズの影響をモロ受けた「コンテンポラリーな純ジャズ」的雰囲気を増幅している。このハードバップ・ライクな演奏の雰囲気は、ナット・アダレイのコルネットのパフォーマンスに拠るところが大きい。
 

Nat-adderleycalling-out-loud

 
そして、このハードバップ・ライクな演奏を「コンテンポラリー」な雰囲気を付加しているのが、ジョー・ザヴィヌルのエレクトリック・ピアノ(エレピ)。このザヴィヌルのファンクネス溢れるエレピが、コンテンポラリーな雰囲気を色濃くし、プログレッシヴなファンクネスを付加する。この盤をユニークな存在にしているのは、ザヴィヌルのエレピである。

エレクトリックな雰囲気と言えば、ナットもエレクトリックのコルネットを吹いていて、これが、ザヴィヌルのエレピと絡んで、とてもプログレッシヴな雰囲気を醸し出している。このエレクトリックな雰囲気が、ファンキーを飛び越えて、ソウルフルな雰囲気に昇華している部分など、聴き心地満点。

ビル・フィッシャーの管楽器のアレンジも、プログレッシヴでコンテンポラリーなエレクトリック・ハードバップに、ちょっと柔らかなイージーリスニング志向を付加している様で、なかなか良い雰囲気で効果的。

CTI盤というのが良く無いのか、ほとんど話題に上らないアルバムだが、内容的には、上質のコンテンポラリーでプログレッシヴで、エレクトリック・ハードバップな演奏がなかなかの内容。捨てておくには勿体ない秀作である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年1月30日 (金曜日)

ブルフォード融合音楽のライヴ

1960年代〜70年代、ロックはライヴ盤が苦手だった様な印象がある。スタジオ録音は、スタジオ機材とスタジオワークの粋を尽くして、内容&テクニックの整ったアルバムを制作していたが、それをライヴで再現するのは、かなり難度が高かった様で、一部のバンドを除いて、基本的には、ライヴ盤の演奏は、スタジオ録音盤の演奏に比べて「ショぼい」印象が強かった。

しかし、1970年に差し掛かり、英国でプログレッシヴ・ロック(プログレ)の潮流が沸き起こり、キング・クリムゾン、イエス、ピンク・フロイドとライヴ演奏力の確かさを備えたバンドが出てきた。それでも、クロスオーバー・ジャズのハイテクニックと即興演奏力の凄まじさを、なかなか凌駕することは出来なかった様に思う。

Bruford『Rock Goes To College』(写真左)。1979年3月7日、Oxford Polytechnicでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds, perc), Allan Holdsworth (g), Dave Stewart (key), Jeff Berlin (b), Annette Peacock (vo)。英国の BBC放送局による、番組向けのライヴ録音のアルバム化。

Rock Goes To College (RGTC) とは、英国BBCが、1978年9月22日から 1981年3月19日まで全45回放映されていたプログラムのタイトル名称。大学や工科大学の小さなホール(数千人程度を収容)にて行われた 40〜50分程度のライヴを収録・放映していたそうである。当ライヴ盤は、1979年3月7日英国オックスフォードのオックスフォード工科大学にて行われた「ブルーフォード」のライヴ・パフォーマンスを収録している。
 

Brufordrock-goes-to-college

 
しかし、このブルフォードのライヴ盤を聴いて、このバンドの演奏テクニックの凄さ、即興演奏力の高さには驚愕した。このブルフォードの演奏こそは、クロスオーバー・ジャズのハイテクニックと即興演奏力に比肩する、そう確信した。それもそのはず、このブルフォードの音は「インテリジェンス溢れる、クロスーバー・ジャズとプログレとの融合音楽」で、演奏のベースは、明らかに、クロスオーバー・ジャズ+エレ・ジャズ志向なのだ。

ビル・ブルフォードのドラミングが、ライヴにおいて、更に凄まじさを増している。変拍子+ポリリズム、流麗な8ビートのクロスオーバーなフレーズに、最適なリズム&ビートを供給。存在感抜群。このライヴ盤の全編に渡って、この凄まじき「変拍子+ポリリズム」が、メロディアスで自由奔放に響き渡る。

そして、エレギのアラン・ホールズワースがこれまた凄まじい。クロスオーバー・ジャズギタリストの雄、ジョン・マクラフリンの比肩するテクニックの高さと歌心のある高速アドリブ・フレーズ。そして、ディヴ・スチュワートのキーボード・ワークのセンスの良さ。どう聴いても「ジャズ志向」。そしてそして、ベースのジェフ・ベルリンの重低音なプログレ志向ベースがユニーク。このバンドメンバーだからこその、演奏能力と演奏内容の高さ。

このブルフォードのライヴ・パフォーマンスを聴くにつけ、リーダーのビル・ブルフォードの音楽性の底には、確実に「ジャズ」があったんだなあ、と感じる。彼の「変拍子+ポリリズム+流麗な8ビートのクロスオーバーなグルーヴ」は、エレ・ジャズに最適だったと思われる。そして、かれは生涯、自らのドラミングが活きる「インテリジェンス溢れる、クロスーバー・ジャズとプログレとの融合音楽」を主宰し続けるのだ。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年1月29日 (木曜日)

ブルフォード融合音楽の傑作

英国ではジャズとロック、あるいはフュージョンとプログレッシブ・ロックの境界線が実にあいまいで、クロスオーバー・ジャズの時代には、ロック・ミュージシャンがジャズをやり、ジャズ・ミュージシャンがロックをやるケースが多かった。このビル・ブルフォードも、そんなミュージシャンの一人。

Bruford『Gradually Going Tornado』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Bill Bruford (ds), Dave Stewart (key, syn), John Clark (el-g), Jeff Berlin (b, vo)。ドラマーのビル・ブルフォードの3枚目のソロアルバム。クロスーバー・ジャズとプログレッシブ・ロック(プログレ)との融合音楽(フュージョン)である。

冒頭の「Age Of Information」から、2曲目「Gothic 17」を聴くと、まず「Age Of Information」のイントロ部は明らかにプログレ、シンセの使い方などもプログレ、しかし、即興部もある、インスト中心の演奏の流れは、エレクトリック・ジャズ、いわゆる、クロスオーバー・ジャズの響きが充満している。

このエレ・ジャズの雰囲気、どこかで聴いた様な、と思った瞬間、チック・コリアが主宰する「第2期リターン・トゥ・フォーエバー (RTF)」を想起した。テクニック的には、チック、ディメオラ、クラーク、ホワイトを擁する、第2期RTFの方が一枚上だが、プログレ度については、さすが英国出身、Brufordの方が一枚上。どちらも、基本的な音楽の志向はよく似ている。
 

Brufordgradually-going-tornado

 
Brufordについては、ドラマー&リーダーのブルフォードは有名だが、他の3人は馴染みがない。それでも、出てくる音は、ハイテクニックで流麗、力感溢れ、スピード感&重量感満載。こんなキーボーディストが、こんなベーシストは、こんなギタリストがいるんだ、と感心することしきり。第2期RTFと比肩する演奏力と構成力。我が国で、ほとんど無名だったのが不思議なくらい。

ブルフォードのドラミングが凄まじい。変拍子+ポリリズム、流麗な8ビートのクロスオーバーなフレーズに、最適なリズム&ビートを供給し、鼓舞し、フロント楽器のフレーズを映えさせる。この盤の全編に渡って、この凄まじき「変拍子+ポリリズム」が、メロディアスで自由奔放に響き渡る。

このブルフォードのドラミングを聴いていると、彼が、録音時、曲のパーツ毎にしか叩けない「Yes」から、即興演奏志向の「King Crimson」へ移籍したのも頷ける。そして、その「King Crimson」が休眠状態になったので、それでは、ということで、自分でバンドを立ち上げた、ということ、納得である。

一言で言うと「インテリジェンス溢れる、クロスーバー・ジャズとプログレとの融合音楽」。精巧に作られた楽曲構成、ダイナミックなエネルギーに満ち、テクニックは印象的。プログレとエレ・ジャズのいいところをしっかりとクロスオーバーさせた融合音楽。クロスオーバー志向のエレ・ジャズとして一級品。傑作である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年12月30日 (火曜日)

インド音楽+ジャズロックの融合

シャクティ(Shakti)は1970年代後半に活動した伝説のバンド。ジャズ・ロックとインドの伝統音楽を融合しているとてもユニークなバンドで、クロスオーバー・ギターの第一人者、ジョン・マクラフリンとインドのヴァイオリニスト、L. シャンカールが結成したバンド。

Shakti『Shakti with John McLaughlin』(写真左)。1975年7月5日、ロングアイランドの「Southampton College」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (g), L. Shankar (vln), Ramnad Raghavan (mridangam), T. H. Vinayakram (ghatam, mridangam), Zakir Hussain (tabla)。

ジョン・マクラフリン率いるユニット「シャクティ(Shakti)」名義の1975年7月の、サウス・ハンプトン大学でのライヴ録音作品。インド音楽のリズム&ビートに乗せて演奏する、その独特の個性溢れるクロスオーバー・ジャズは、唯一無二である。これぞ「クロスオーバー」であり、インド音楽とエレ・ジャズ、ジャズ・ロックとの融合が怪しくも美しい。

ムリダンガム(Mridangam)は、南インドの古典音楽(カルナータカ音楽)で使われる、両面を叩く木製の太鼓。ガタム(Ghatam)は、主にインド南部のカルナータカ音楽で使われる打楽器。鉄分を含む赤土で作られた素焼きの壺を、素手で叩くことによって音を出す。タブラ(Tabla)は、インド亜大陸発祥の二つ一組で演奏される伝統的な打楽器。
 
Shaktishakti-with-john-mclaughlin  
 
このムリダンガム、ガタム、タブラのインドの伝統的な打楽器群で、インド音楽の独特のリズム&ビートを叩きだしている。まず、これが癖になる。妖艶でかつアジアンな雰囲気が色濃いグルーヴが醸し出される。そのインド音楽独特のグルーヴの上を、マクラフリンのエレギと、L. シャンカールのヴァイオリンが、インド音楽独特の旋律をベースにインタープレイが繰り広げる。

このシャクティは、マハヴィシュヌ・オーケストラの初代解散後に結成され、1975年から1977年にかけて広範囲にツアーを行っている。僕はこのライブ盤を、大学近くの「秘密の喫茶店」で聴かせてもらった。

初めて聴いた時は衝撃だった。インド音楽がジャズ・ロックとが融合している。ジャズの懐ろの深さと広さを思い知った、最初の体験であった。この、インド=ジャズ・フュージョンのリズム&ビートは癖になる。そして、その上を飛翔するマクラフリンのギターと、L. シャンカールのヴァイオリン。今の耳で聴いても「衝撃」。そして、これも「ジャズ」である。

そして、マクラフリンのギター・テクニックの凄さに「驚愕」。インド音楽のリズム&ビートに乗って、唄うが如く、話が如く、流麗にエレギを弾きまくる。そのテクニックたるや、凄まじい限り。クラシックとの融合、ロックとの融合、そしてインド音楽との融合など、挑戦的ギタリストの最右翼、マクラフリンの面目躍如。ジャズの「融合の成果」の一つとして傾聴に値する好盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年12月 1日 (月曜日)

好盤・レイチェルZ『Sensual』

Rachel Z(レイチェルZ)。本名は「レイチェル・C・ニコラッソ」。アメリカはNYの生まれ。バークリー音楽大学、ニュー・イングランド音楽院を経て、プロデビュー。1980年代末に、マイク・マクニエリに認められて、人気フュージョンバンド、ステップス・アヘッドのメンバーとなって、認知度が飛躍的にアップした。

続いて1995年、ウェイン・ショーターの7年ぶりの新作となった「ハイ・ライフ」に全面参加。このアルバムの中でのレイチェルZは、キーボードとオーケストレーションを担当、高い評価を受けている。

Rachel Z『Sensual』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Rachel Z (p, electronica), Tony Levin, Matt Penman, Jonathan Toscano (b), Omar Hakim (ds), Mino Cinelu (perc)。レイチェルZの通算13枚目のリーダー作。

レイチェルZのピアノは、ピアノの幅、いわゆるスケールで聴かせるピアノ。演奏の幅の広さと奥行きと響きで聴かせる、実に味のあるピアノ。この盤では、そんな個性に、耽美的でリリカル、印象派的なピアノという個性が加わって、ピアノの表現の幅が更に広がっている。耽美的でリリカルなメロディーとハーモニー。ありそうで無い、意外と個性の強いピアノの響き。
 

Rachel-zsensual  

 
アレンジも秀逸。全9曲中、共作も含むRachel Zのオリジナルが8曲。ジャズ、ロック、フォーク、ワールドミュージックの音要素を融合させた、コンテンポラリーな純ジャズ志向にがっちりアレンジ、ポスト・バップなパフォーマンスが前面に押し出てくる工夫を凝らしたアレンジは、聴いていて、とても楽しい。

ベーシスト3人が交代で対応しているが、ジョナサン・トスカーノのベースが、レイチェルZとの相性という点で、頭一つ抜きん出ている。そして、オマー・ハキムの、ダイナミックで多彩なドラミングスタイルによる、魅惑的なリズム&ビートが、演奏全体を引き締め、鼓舞し、レイチェルZのピアノに寄り添う。

三者が生み出すグルーヴは、仄かに「新しい」。現代のポスト・バップな雰囲気。レイチェルZなりのアレンジが生み出す、レイチェルZ独特のグルーヴ。

レイチェルZは、1962年12月28日生まれ。今年で63歳。ジャズ・ミュージシャンとしては、大ベテランの域に入りつつある。しかし、日本盤としてのアルバムリリースがほとんど無いこと、彼女を積極的に推すネットショップも無いことが影響して、日本での認知度は今も低いまま。どうしてかなあ。このアルバムの内容、なかなかのものだと思うのだが。とにかく好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年11月30日 (日曜日)

ゴールドバーグ ”世界の果てにて”

アーロン・ゴールドバーグは、ジョシュア・レッドマン、ギレルモ・クライン、ジョン・エリス、ジミー・グリーン、オマー・アヴィタル(OAMトリオの共同リーダー)などのアーティストのリーダーおよびサイドマンとして、1990年代後半から2000年代初頭にかけてジャズ界から注目を集めてきた。

Aaron Goldberg『At the Edge of the World』(写真左)。2016年9月16, 21日の録音。ちなみにパーソネルは、Aaron Goldberg (p), Matt Penman (b), Leon Parker (ds, vo, perc, embodirhythm)。現代のトップ・ピアニストの1人、アーロン・ゴールドバーグがリーダーの、マット・ペンマン、レオン・パーカーとのトリオ作品。

アーロン・ゴールドバーグの、オーソドックスで耽美的、リリカルな音使いで、従来のハードバップなピアノかと思いきや、以前に無い、独特な「ならでは」のフレーズが出てきて、演奏全体を通じて「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」の先端を行く「ポスト・バップ」な音作りが、なんともはやユニーク。聴いていて飽きない。
 
Aaron-goldbergat-the-edge-of-the-world
 
アーマッド・ジャマルの演奏で有名な「Poinciana」から始まるが、コールドバーグの活力あるピアノが活き活きと響き渡り、新鮮なハーモニーとリズムの強烈さを生み出している。「Black Orpheus (Manha De Carnaval)」では、控えめなサンバのビートが心地良い、ブラジリアンな雰囲気満載の展開だが、レオン・パーカーのパーカッションが効果的に響く。耽美的でリリカルなサンバ・ジャズの響きが心地良い。

マッコイ・タイナー作の「Effendi」では、トリオ演奏の相互関係の中、結束力のあるインタープレイを繰り広げる。「Luaty」では、シンプルで典雅なワルツを奏で、「Tokyo Dream」では、芳しいブルースの香りを漂わせる。ハッチャーソンの「Isn't This My Sound Around Me」「When You Are Near」では、モード的なアプローチの中、ペンマンとパーカーが気持ちよさそうにスイングする。

アーロン・ゴールドバーグのピアノ、マット・ペンマンのベース、レオン・パーカーのドラムが、三位一体となってよくまとまった、有機的に結合した、なかなかのトリオ演奏である。共演を重ね、演奏内容を深化させてきた、優秀なピアノ・トリオであることが良く判る、名演を集めた佳作。聴き飽きることが無い。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年11月28日 (金曜日)

藤井郷子カルテットを聴き込む

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、案漠たる気持ちに包まれている。山下洋輔さんの諸作は、ジャズを本格的に聴き始めた頃から、頑張って耳にしてきた。この時、我が国のフリー・ジャズって、かなりレベルが高く、個性が突出している。日本のフリー・ジャズについては、時々ではあるが、しっかりと聴きこんでいる。

藤井郷子カルテット『Dog Days of Summer』(写真左)。2024年4月8日、東京 小岩での録音。ちなみにパーソネルは、藤井郷子 (p), 田村夏樹 (tp), 早川岳晴 (el-b), 吉田達也 (ds)。我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズの鬼才、藤井鄕子の疾風怒濤、豪放磊落な、フリー&スピリチュアルなコンテンポラリー・ジャズのカルテット盤である。

それそれの楽器の切れ味が抜群。切れ味良く、鮮明で美しい、躍動感溢れるトランペット。切れ味良く、パーカッシヴに流麗に、不協和音を織り交ぜつつ、耽美的にリリカルにダイナミックにスピリチュアルに弾きまくるピアノ。切れ味良く、ソリッドな重低音ベースで、自由度溢れるパフォーマンスの底を支えるエレベ、そして、気味良く、演奏のリズム&ビートを、変幻自在、硬軟自在、緩急自在にを支えるドラム。切れ味の良い楽器が有機的に結合し、有機的にインタープレイを繰り広げる。
 

Dog-days-of-summer

 
トランペット、ベース、ドラムが、まるでファンファーレのようにアルバムの火蓋を切る幕開けから、バンド全体、強烈な一体感を持って、コンテンポラリーなメインストリーム・ジャズよろしく疾走する。バラードチックにチェンジ・オブ・ペースをすると、バンド全体、スピリチュアルで耽美的でリリカルなパフォーマンスを展開する。変幻自在。そして、アドリブ展開では、ところどころ、フリーに展開し、時にパーカッシヴに、時にスピリチュアルに、音の響きを使い分ける。

このカルテットのスピリチュアルなグルーヴは独特のもので、実に個性的。どこか、プログレッシヴ・ロック的なところもあるし、どこか、耽美的でリリカルなニュー・ジャズ的な響きもする。この即興演奏をベースとするスピリチュアルなグルーヴは、米国や甥州には無い個性的なもの。このグルーヴを堪能するだけでも、この盤を体験する意義がある。

実に個性的な音世界である。我が国を代表する、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルなジャズとして、この藤井郷子カルテットの音世界は隅に置けない。ジャズ、ロック、パンク、プログレ・・・ジャンルの垣根を越えた、コンテンポラリーで、フリーで、スピリチュアルな融合音楽。自由でありキャッチーであり規律溢れる現代のコンテンポラリー・ジャズの「今」を感じる事の出来る傑作だと思う。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

_Blue Noteの100枚 _ECMのアルバム45選 _この盤のドラムを聴け! _この盤のピアノを聴け! _こんなアルバムあったんや _ながら聴きのジャズも良い _クリスマスにピッタリの盤 _コンテンポラリーな純ジャズ _ジャケ買い「海外女性編」 _ジャズ・ギターの名演 洋楽編 _ジャズ喫茶で流したい _トランペットの隠れ名盤 _ビッグバンド・ジャズは楽し _ビートルズのカヴァー集 _ピアノ・トリオの代表的名盤 _フェンダー・ローズを愛でる _フュージョン・ジャズの優秀盤 _僕なりの超名盤研究 _和ジャズの優れもの _和フュージョンの優秀盤 _夜の静寂にクールなジャズ _音楽喫茶『松和』の昼下がり A&Mレーベル AOR Argo & Cadetレーベル Atlanticレーベル Bethlehemレーベル Blue Note 4000番台 Blue Note 4100番台 Blue Note 4200番台 Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル DD・ブリッジウォーター ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・ゴールドバーグ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス イリノイ・ジャケー インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エロール・ガーナー エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オズ・ノイ オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ サン・ラ・アーケストラ ザ・バンド シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジミー・ヒース ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ ジーン・アモンズ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・スティット ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャーリー・ヘイデン チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テッド・カーソン テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ドン・チェリー ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハワード・マギー ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・アップチャーチ フィル・ウッズ フォープレイ フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ヘレン・メリル ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイク’・スターン マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マルグリュー・ミラー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラリー・ヤング ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レス・マッキャン レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロベン・フォード ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 大村憲司 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー