ジャズ喫茶で流したい・313
クロスオーバー&フュージョン・ジャズにおいては、CTIレーベルのカタログを追いかけているが、純ジャズにおいては、欧州系については、ECMレーベルのカタログを追いかけている。ちょっとチェックしてみたら、ECMのEM1101〜1199までの「ECM1100番台」については、明らかに現代音楽の「ジャズでは無い」アルバムを除けば、この一枚で、当ブログでの記事アップが完了することが判った。
Steve Kuhn『Motility』(写真左)。1977年1月、西ドイツの「トンスタジオ」での録音。ECMの1094番。ちなみにパーソネルは、Steve Kuhn (p), Steve Slagle (ss, as,fl), Harvie Swartz (b), Michael Smith (ds)。米国の耽美的情緒的なピアノニスト、スティーヴ・キューンのアルバム。
ECMレーベルお得意の「ポスト・バップ&ニューエイジ」なジャズのアルバム。チック・コリアとマッコイ・タイナーの中間に位置する、米国ジャズ界には珍しい耽美的情緒的なピアニストと形容されるスティーヴ・キューン。そんなキューンの個性的なピアノが、このアルバムに溢れている。
美しく流麗で耽美的なピアノが、時々、フリーにアブストラクトにアウトしながら、打ちつける様な激情溢れるタッチを見せながら、ポスト・バップな、情緒的なメロディを奏でつつ、展開していく。ひっかかる様に、つんのめる様にメロディーがアウトしていくところもあるが破綻は無い。しっかり「規律」された不協和音の美しさ。実に欧州的であり、ECM的である。
キューンのソロ・ピアノも良い。7曲目の「A Dance For One」のジャズロック的な雰囲気もなかなか。サックスとの共演での、バッキングに回ったキューンのピアノも良い。3曲目の「Catherine」では、明るめのバラードで、サックスのメロディーが浮き出てくる様は実に良い。切れ味良く、エッジの立ったピアノだが、音の雰囲気は、どこか「明るい」。
ジャケットも秀逸。とてもECMレーベルらしいジャケットで、この盤に詰まっている音世界を、ズバリ表現しているところが素晴らしい。このジャケットも欧州的。キューンは米国出身のピアニストながら、彼のピアノの個性は「欧州的な」ジャズでこそ活きる。そういう意味で、キューンのピアノにはECMレーベルが良く似合う。













最近のコメント