2024年10月27日 (日曜日)

”暗黒時代の音” では無いですね

ホレス・シルヴァーと袂を分かって、ブレイキー単独となったメッセンジャーズ。ブルーノートに移籍してブレイクする前のアルバム群。以前のジャズ盤評論としては「ブレイク前のメッセンジャーズの暗黒時代」とされる時代のアルバム達。しかし、そうだろうか。僕はこのアルバムを実際に自分の耳で聴いて、この盤は決して「暗黒時代」の音では無い、と判断している。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Ritual』(写真)。1957年1月14日と2月11日、NYでの録音。Pacific Jazzからのリリース。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Bill Hardiman (tp), Sam Dockery (p), Spanky DeBrest (b), Art Blakey (ds)。

ジャズ・メッセンジャーズに、若き日の「常に前進するアルト・サックス奏者、ジャキー・マクリーン」が参加している。フロントのトランペットにビル・ハードマン。ピアノとベースはマイナーな存在。クインテット編成なんだが、まず、このマイナーな存在のピアノとベースの存在が「暗黒時代」を想起させるのかもしれない。

しかし、実際の音を聴いてみると、意外とマイナーな存在のピアノとベースは健闘している。目を見張るようなテクニックを駆使してバリバリ弾きまくる訳ではないのだが、グループサウンド全体から見て、ピアノとベースの存在が邪魔になったり、耳障りになったりしている訳では無い。水準レベルのパフォーマンスで、リズム隊の必要最低限の仕事は堅実にやっている。少なくとも、ブレイキーのドラミングにちゃんと、ついていっている。
 

Art-blakey-the-jazz-messengersritual

 
ビル・ハードマンのトランペットがイマイチだ、なんて評価もあるが、イマイチで切り捨てるレベルでは無いと思う。このトランペットもしっかり水準レベルを維持していると思う。ブラウニーやモーガンの様に、ハイ・テクニックでバリバリ吹きまくるのでは無いが、出てくるトランペットの音は十分にブリリアントだし、少しヨレるところはあるが、ビ・バップなトランペットを水準レベルで吹き上げている。

逆に、この盤ではマクリーンが好調。マクリーンとブレイキーの相性がとても良い様で、ブレイキーのリズム&ビートの効果的なサポートと、マクリーンを鼓舞する様なドラミングが、マクリーンに響いて、マクリーンは独特なフレーズを紡ぎつつ、印象的なアルト・サックスを吹き上げる。

当然、ブレイキーのドラミングは良好。この盤を録音した時点で、既にブレイキーのドラミングの個性と特徴は確立されていて、ドラム・ソロなどを聴いていると、明らかに「これはブレイキー」と判るレベルに到達している。

まとめると、この盤はブレイキーとマクリーンを聴くべきアルバムである。が、残りの3人のパフォーマンスも水準レベルを維持していて、トータルとして、まずまずのハードバップなアルバムと僕は思う。何しか「メッセンジャーズの暗黒時代の演奏」と形容するのは、ちょっとこの演奏を担ったメンバーに対して、ちょっと失礼では無いかと思う。
 
 
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2024年9月25日 (水曜日)

次を見据えるマクリーン、である

いきなり涼しくなった千葉県北西部地方。今日の最高気温なんざぁ、23℃。先週の水曜日の最高気温が36℃だったから、一週間で、一気に13℃下がったことになる。これだけ涼しくなると、ハードなジャズもOK。モードだろうが、フリーだろうが、これだけ涼しくなれば大丈夫。ということで、いきなり、純ジャズ、モード・ジャズに走る。

Jackie Mclean『Right Now!』(写真左)。1965年1月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Larry Willis (p), Bob Cranshaw (b), Clifford Jarvis (ds)。前作、前々作のメンバーを一新し、それでも、ピアノのウィリスは録音当時23歳、クランショウは録音当時32歳、ドラムのジャーヴィスは録音当時24歳。マクリーンが録音当時34歳で最年長。若手中心のメンバー構成は変わらない。

この盤では、マクリーン流のモード・ジャズを完全に自家薬籠中のものとしている。迷いや澱みは全く無い。マクリーン自ら確信を持って吹きまくる「マクリーン流モーダル・フレーズ」の数々。特にこの盤、マクリーンのワンホーン・カルテットなので、「マクリーン流モーダル・フレーズ」の個性がとてもよく判る。明らかに、コルトレーンの物真似でないことは明白。

冒頭の「Eco」が典型的なモード・ジャズ。この演奏で、マクリーンの目指した「マクリーンの考えるモード・ジャズ」の姿が良く判る。ハードバップのコードをベースとしたアドリブ・パフォーマンスそのままに、ベースをモードに変えたイメージの、ハードバップから聴いても違和感のない、モーダルなパフォーマンス。
 

Jackie-mcleanright-now

 
モードになって、イメージがガラッと変わるコルトレーンとは、この辺りがちょっと違う。どちらかといえば、マイルスのアプローチに近いが、マクリーンはマイルスに比べて、かなりエモーショナル。マイルスはあくまでクールでヒップ。激情にかられて、エモーショナルにトランペットを吹くことは無い。

2曲目の「Poor Eric」は、静的で淡く広がる様なモーダル・フレーズを駆使したスローな演奏。音が無限に広がっていく様なフレーズは、モードで無いと表現できない。この静的で淡く広がる様な音のイメージは、モードならでは、である。モード奏法を採用することで獲得出来た、新しい吹奏表現。ジャズの表現の幅がグッと広がったんやなあ、と実感する。

CDでのリイシューでは、4曲目の「Right Now」のAlternate Versionが追加されているが、この演奏が興味深い。バックは懸命にモーダルな演奏で、マクリーンをサポートするのだが、当のマクリーンは、半分、完璧フリーな吹奏でアドリブ・フレーズを展開する。一生懸命モードをやってるバック置き去りの「掟破り」(笑)。録音当時、未発表音源となったのが良く判る。が、マクリーンは、完全にフリーな吹奏にチャレンジしている。

マクリーンは進化するアルト・サックス奏者というが、この盤では、マクリーン流モード・ジャズを自家薬籠中のものにした、どころか、フリー・ジャズな吹奏にも、チャレンジし始めているところが垣間見える。進化するアルト・サックス奏者であるマクリーンが、既に次のステップを見据えていることを示唆する、興味深いアルバムである。
 
 

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2024年9月24日 (火曜日)

「進化する人」の面目躍如な盤

ジャキー・マクリーンは「進化の人」。一つのジャズの演奏トレンドで実績を上げたからと言って、その演奏トレンドに安住することは無かった。メンバーを厳選し、若手からも新しいアイデアを学び、自分のものとしつつ、ジャズの新しい演奏トレンドに挑戦し、自分の演奏スタイルに取り入れていく。1960年代のマクリーンは「モード・ジャズへ挑戦し、自家薬籠中のものとする」が目標。

Jackie Mclean『Action Action Action』(写真左)。1964年9月16日の録音。ブルーノートの4218番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Charles Tolliver (tp), Bobby Hutcherson (vib), Cecil McBee (b), Billy Higgins (ds)。

マクリーンのアルト・サックスと、当時、新進気鋭のチャールズ・トリヴァーのトランペットがフロント2管のクインテット編成。ハッチャーソンのヴァイブがいるので、モードからフリーをやるには、ピアノはフレーズがぶつかる可能性がある。だからピアノレス。

1970年代のメインストリーム・ジャズで活躍する、トランペットのチャールス・トリヴァー(録音当時22歳)と、ベースのセシル・マクビー(録音当時29歳)が参加している。ドラムのビリー・ヒギンスも録音当時28歳。ヴァイブのハッチャーソンだって、録音当時まだ23歳。リーダーのジャキー・マクリーンだって、録音当時33歳。実に若い、新進気鋭のクインテットである。

このメンバーの中で、年齢的に、ハードバップの洗礼をガッツリ受けているのは、マクリーンだけ。ヒギンスはかすっている程度。残りのトリヴァー、マクビー、ハッチャーソンについては、ハードバップは二十歳前で、その成果を聴いて学ぶ立場。ハードバップの流行の中で、実際にバリバリ演奏していた訳ではない。
 

Jackie-mcleanaction-action-action  

 
この盤の演奏は「モード・ジャズ」なんだが、新主流派のモード・ジャズとはちょっと異なる、完璧にモーダルな演奏なのだ。というのも、新主流派のモード・ジャズは、担い手は、ハードバップで活躍していた一流ジャズマン。

ハードバップに相対するモード・ジャズという表現がメインで、ハードバップとモード・ジャズが混在しつつ、そんな中でモード・ジャズの特質を全面に押し出す、という演奏傾向があると僕は感じる。モード・ジャズに相対するハードバップが必ず存在するのだ。

しかし、このマクリーン盤は、ハードバップの影が相当に薄い。テーマ部から、モーダルなフレーズを流しつつ、アドリブ部では純粋なモーダルな展開をベースに、純粋なアドリブ・フレーズを吹きまくる。それも、限りなく自由度の高いモーダルなフレーズを連発、時に、フリーに傾くこともある、当時としては、先進的なモード・ジャズがこの盤に詰まっている。

前作『Destination... Out!』で、「マクリーンの考えるモード・ジャズ」のほぼ完成を見た訳だが、この『Action Action Action』では、それをさらに一歩進めて、「マクリーンの考えるモード・ジャズ」を自家薬籠中のものとしている。「進化する人」の面目躍如。やはり、ジャキー・マクリーンは「進化の人」である。
 
 

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2024年7月28日 (日曜日)

マクリーン流ハードバップの完成

1961年のジャキー・マクリーンは、マクリーン流のハードバップを完成させた年。アルト・サックスの吹きっぷり、演奏のイメージとアレンジ、どれもがマクリーン流にこなれて、マクリーン独特のアルト・サックスの音色と相まって、一聴してすぐに判る「マクリーン流」ハードバップな演奏を確立している。

Jackie Mclean『A Fickle Sonance』(写真左)。1961年10月26日の録音。ブルーノートの4089番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Tommy Turrentine (tp), Sonny Clark (p), Butch Warren (b), Billy Higgins (ds)。

マクリーンのアルト・サックスと、珍しく、トニー・タレンタインのトランペットがフロント2管、これまた珍しくソニー・クラークがピアノを担当、ベースのワーレンとドラムのヒギンスはこのところの、マクリーンのお気に入りリズム隊。

1961年の録音なので、マクリーンは、まだ、モードやフリーには傾倒してはいない。アルト・サックスの吹きっぷりは、コルトレーンのストレートな吹き方を踏襲、シーツ・オブ・サウンドにも似た高速アドリブ・フレーズも吹きまくる、先進的なハードバップ志向の演奏。演奏内容の傾向としては、前リーダー作の『Bluesnik』の内容を継承している。そう、この『A Fickle Sonance』は、前リーダー作の『Bluesnik』と併せて、兄弟盤の様な位置付けで、一気に聴き通した方が判り易いかもしれない。

『A Fickle Sonance』の演奏自体の雰囲気は「先進的」。マイルスやコルトレーンが提示した「先鋭的」なハードバップを自分なりに消化して、従来のハードバップの成果を踏襲することなく、精度の高い、内容充実の「先進的」なハードバップを展開していて立派。モードに展開する前に、しっかりと自分なりのスタイルを固めた、マクリーン流のハードバップを確立して様は見事である。
 

Ficklesonance_2

 
サイドマンの演奏も充実している。トニー・タレンタインのトランペットはブリリアントでリリカルで切れ味の良い力感溢れるトランペットを聴かせてくれる。

ピアノのソニー・クラークも、マクリーンの志向に応じて、新しい響きのハードバップなバッキング・フレーズをガンガン繰り出している。これが、マクリーンの「先進的」なハードバップ・フレーズと相まって、爽快感溢れる、躍動感抜群のパフォーマンスを演出する。

マクリーンのアルト・サックスと、タレンタインのトランペットとのユニゾン&ハーモニー、そして、チェイス、コール・アンド・レスポンス、どれをとっても極上の響き。ワーレンのベースとヒギンスのドラムも、通常のハードバップにはない、一癖も二癖もある、新しい響きを宿したリズム&ビートを供給していて「隅に置けない」。

マクリーン流の「先進的」ハードバップが詰まった名盤。マクリーンはこの盤を置き土産に、次作『Let Freedom Ring』で、モード&フリーに「挑戦」していく。マクリーンのハードバップの「マイルストーン的位置付け」の一枚。

実はこの『A Fickle Sonance』、2021年12月28日に鑑賞記事をアップしているのですが、今回、聴き直した折、印象がかなり違ったんで、今回、改めて鑑賞記事をアップし直しました。今回のこの鑑賞記事を最新としてお読みいただければ幸いです。
 
 

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2024年7月25日 (木曜日)

マクリーンの果敢な挑戦の記録

ブルーノートには「ボツになった理由不明」の未発表音源がゴロゴロしていた。そんなブルーノートの未発表音源を「Blue Note LTシリーズ」として、1979〜1981年にLP40数タイトルでリリースした。どのアルバムも聴いてみて、「どこがお蔵入りなんや」「どこが気に入らなかったんや」と思ってしまう優秀な音源ばかりなのだ。

Jackie McLean『Vertigo』(写真左)。1959年5月2日、1963年2月11日の録音。ここでは、1980年リリースの「Original LP」の収録曲(全6曲)に絞ってコメントする。ちなみにパーソネルは以下の通り。

1959年5月2日の録音(3曲目: 「Formidable」のみ)については、Jackie McLean (as), Donald Byrd (tp), Walter Davis Jr. (p), Paul Chambers (b), Pete LaRoca (ds)。

1963年2月11日の録音(3曲目以外: 「Marney」「Dusty Foot」「Vertigo」「Cheers」「Yams」)については、Jackie McLean (as), Donald Byrd (tp), Herbie Hancock (p), Butch Warren (b), Tony Williams (ds)。

2セッション共通で、ジャキー・マクリーンのアルト・サックスとドナルド・バードのトランペットの2管フロント。リズム・セクションは総入れ替え。

3局目の「Formidable」だけが、マクリーンの『New Soil』(ブルーノートの4013番)録音時のボツテイク。この曲だけは、この『New Soil』収録曲と同列で評価されたい(2021年5月3日のブログ参照)。ここでは、3局目の「Formidable」以外の1963年2月11日の録音についてコメントする。

パーソネルを見渡すと、リズム・セクションの3人に目がいく。ピアノに若かりし頃のハービー・ハンコック、ベースにブッチー・ワーレン、そして、ドラムに、当時弱冠17歳のトニー・ウィリアムス。そう、この音源、トニー・ウィリアムスの初録音である。
 

Jackie-mcleanvertigo  

 
録音は、正式盤でリリースされた『One Step Beyond』(2016年1月8日のブログ参照)の約2ヶ月前の録音で、トニー・ウィリアムスだけが、『One Step Beyond』にも、ドラム担当としてチョイスされている。

さて、1963年2月11日のセッションについては、成熟したハードバップと、当時、マクリーンが取り組んでいた「モード・ジャズ」が良い塩梅でミックスされたユニークな内容。テーマ部のフロントのユニゾン&ハーモニーは、成熟したハードバップの響き、アドリブ展開部は、少しハードバップのコードな展開が見え隠れするマクリーンなりのモーダルなフレーズ。

で、ピアノのハンコックは、と問えば、意外とモード・ジャズしていない、ハードバップなバッキングをメインにしているのが面白い。ハンコックなりのモーダルなフレーズを封印して、マクリーンならではのモーダルな展開を優先させていることがよく判る。サイドマンの鏡の様なバッキング。

トニーのドラムも同様。後の細かくシンバルを叩きまくりつつ、フロント管を煽りに煽る攻撃的なドラミングは全く無し。神妙にハードバップなビートを正確に叩き出している。が、これが意外と「老獪」。弱冠17歳にして、トニーのハードバップなドラミングは完成されている。

この1963年2月11日のセッションの内容については、ボツとした理由が判らない。モードに適用する過渡期のマクリーンの独特の個性をしっかり捉えている。恐らく、この日のセッションについては、ここに収録された5曲のだった様で、LPにしてリリースするには、収録時間を考えると、曲が1曲、足らなかったのだろう。ブルーノートは、プレスティッジの様に、やっつけのアルバム編集はしない。

3曲目をちょっと横に置いて、残りの5曲は意外と聴き応えのある内容です。モードに果敢にチャレンジするマクリーンの奮闘ぶりが良く判る佳作だと思います。
 
 

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2024年3月 4日 (月曜日)

マクリーンの優れた「寄せ集め」盤

メンバーの選定は「場当たり的」が多く、録音はリハ無しの「一発録り」。複数セッションからの寄せ集めでアルバムを作成する。録音日やセッションを無視して、プロデューサーの直感と好みだけで選曲する。当然、パーソネルはセッションごとに異なり、編成も異なることが多い。セッション共通のメンバーはリーダーのみ。よって、アルバム全体のトーンが変わることが多い。いかにも、プレスティッジ・レーベルらしい仕業である。

逆に、ブルーノート・レーベルは全くの「逆」。メンバーの選定は「録音の狙い」を事前に定めて、その狙いを実現出来るメンバーを招集する。リハはしっかり実施、リハにもギャラを払う。当然、録音された演奏レベルは高い。「録音の狙い」がはっきりしているので、プロデューサーの直感と好みで選曲することは無い。選曲の基準は「演奏の出来」。複数セッションからの選曲も「演奏の狙い」に合致した演奏を採用するので、アルバム全体のトーンが変わることが無い。

Jackie Mclean & Tina Brooks『Street Singer』(写真左)。1960年9月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Tina Brooks (ts), Jackie McLean (as), Blue Mitchell (tp), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。ブルーノート・レーベルからのリリース。

アルト・サックスのマクリーンとテナー・サックスのブルックスが共にリーダー、この二人とミッチェルのトランペットのフロント3管のセクステット編成。リズム隊はブルノートでは珍しい、ドリューのピアノ、チェンバースのベース、テイラーのドラム。

アルバムの収録曲全5曲を確認すると、4051番の Jackie Mclean『Jackie's Bag』 から3曲( "Appointment in Ghana", "A Ballad for Doll" and "Isle of Java")と、4052番の Tina Brooks『Back To The Tracks』から1曲("Street Singer")。そして、2曲の未発表曲("Melonae's Dance", "Medina")が加えられている。
 

Jackie-mclean-tina-brooksstreet-singer

 
この作品は、分散して収録されていた1960年9月1日のセッションから、選曲し直して1枚に再編集した、いわゆる「寄せ集め」盤。この盤はもともと、1980年に我が国で「キング世界初登場シリーズ」の中の一枚としてリリースされている(写真右)。キングレコードも、まるでプレスティッジの様な「暴挙」をしでかしていた、ということになる。

同じ日に、同じメンバーにより、リーダーの異なるセッションが行なわれ、その中から曲をチョイスしての「寄せ集め」盤だが、「録音の狙い」が同一だったようで、分散収録されていた演奏とアルバム未収録曲を一つにまとめ直しても、アルバム全体のトーンや流れ、内容に違和感は全く無い。さすがブルーノートである。キングレコードも事なきを得た。

さて、その内容であるが、ちょっとピッチの外れた独特のエモーショナルな吹奏のマクリーンと、哀愁感漂うストレートでシンプルでダンディズムあふれる吹奏のブルックスと、全く異なったキャラのサックス2管が絶好調。

このサックス2管は相性が良いようで、ユニゾン&ハーモニーにも、ソロの交換にも違和感が無い。しばらく、レギュラー・バンドとしてやり続けても良いくらいの内容の濃さ。

そこに、マイナーなファンクネス漂う、ブリリアントなミッチェルのトランペットが絡む。マクリーンのちょっとピッチの外れた音が哀愁感に繋がって、ブルックスのテナーの哀愁感、そして、このミッチェルのトランペットの哀愁感と相まって、相乗効果を醸し出し、アルバム全体に「上質の哀愁感」を漂わせている。この3管フロントは大成功。

リズム隊も良い。ケニー・ドリューのピアノがいつになく活発な「バップ・ピアノ」で弾きまくっている。チェンバースのベースはテクニカルで安定のビート。そして、テイラーの職人ドラムが柔軟でスインギーなドラミングでバンド全体を小粋に鼓舞する。溌剌として切れ味の良い、ポジティヴなリズム隊の音が強く印象に残る。

6人編成なので、それぞれのソロのスペースが限られるので、丁々発止とした、アグレッシヴなインタープレイは無いが、理路整然としっかりアレンジされ、しっかりリハを積んだであろう、端正で整った質の高いハードバップ演奏が繰り広げられる。
 
 

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2024年3月 3日 (日曜日)

マクリーンを愛でる「寄せ集め」盤

Jackie McLean『Strange Blues』(写真左)。1957年2月15日、7月12日、8月30日の3セッションからの寄せ集め。いかにも、プレスティッジ・レーベルらしい仕業である。当然、パーソネルはセッションごとに異なる。3セッション共通のメンバーは、リーダーのマクリーンだけ。

まず、1957年2月15日は、1曲目の「Strange Blues」のみ。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Mal Waldron (p), Art Phipps (b), Art Taylor (ds)。このトラックは、マクリーンのアルト・サックスのみ、1管フロントのワンホーン・カルテット編成。バックのリズム隊に、マル・ウォルドロンのピアノ、アート・テイラーのドラムがいるので、この寄せ集め盤の中で、一番、演奏内容が充実している。

次の、1957年7月12日は、2曲目「Millie's Pad」、4曲目「Disciples Love Affair」、5曲目の「Not So Strange Blues」の3曲。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Webster Young (tp), Ray Draper (tuba), Jon Mayer (p), Bill Salter (b), Larry Ritchie (ds)。マクリーンのアルト・サックス、ヤングのトランペット、ドレイパーのチューバの3管フロント。リズム隊は馴染みの無い名前が並ぶ。

この日のトラックが収録曲の半分以上を占めているが、リズム隊は馴染みの無い名前が並んで、健闘はしてるが、リズム&ビートは平板で単調。ドレイパーのチューバが拙いフレーズを吹き散らかして違和感満載。マクリーンのアルトの邪魔にはなっていないので辛抱できるが、このドレイパーは不要だろう。逆に、ウエブスター・ヤングのトランペットは溌剌とブリリアントなフレーズを吹き上げていてホッとする。マクリーンはリズム隊の良し悪しに関係なく、好調にアルト・サックスを吹きまくっている。

Jackie-mcleanstrange-blues

 
最後の、1957年8月30日は、3曲目の「What's New?」のみ。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Gil Coggins (p), Paul Chambers (b), Louis Hayes (ds)。マクリーンのアルト・サックスのみ、1管フロントのワンホーン・カルテット編成。バックのリズム隊に、ポール・チェンバースのベース、ルイス・ヘイズのドラムがいるので、1曲目の「Strange Blues」に次いで、演奏内容が充実している。

ジャズ演奏の要である「リズム隊」の演奏レベルにばらつきがあるのと、ドレイパーのチューバの存在がこの盤の弱点。しかし、その弱点を補って余りあるのが、リーダーのマクリーンのアルト・サックスの素晴らしさ。収録曲全5曲、全てに渡って、マクリーンのアルト・サックスが好調。楽器自体がとても良く鳴っている。ちょっとピッチの外れた独特の吹奏で、アグレッシヴに流麗に魅力的なフレーズを紡ぎ上げていく。

3セッションからの気まぐれな寄せ集め曲、演奏メンバーの「場当たり」なチョイス、プレスティッジ・レーベルの悪いところが目立つ盤だが、マクリーンの素敵なブロウが、その「悪いところ」を覆い隠している。そう、この盤は、ジャキー・マクリーンの優れたアルト・サックスだけを愛でる盤。リズム隊が良いと、その優れたアルト・サックスがさらに輝きを増している。

ジャケも酷いもので、ジャズを聴き始めた「ジャズ者初心者」の方々は、この盤に触手が伸びることはないでしょう。というか、この盤、水準レベルを維持したまずまずのハードバップ盤で、マクリーンのアルト・サックスを愛でる、という点で、ジャズ者中級者向けのアルバムです。しかし、プレスティッジって、この程度の内容の音源でもアルバム化してしまうのですから、全くもって「困りもの」のレーベルです(笑)。
 
 

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2023年7月 5日 (水曜日)

マクリーン初期の名盤の1枚

ハードバップ期のマクリーンは、歌心満点の「唄う」アルト・サックスが素晴らしい。デビュー時には完成され、個性が確立されたプレイだったが、それに磨きをかけたのが、プレスティッジ時代のリーダー作の数々。

パッと集めてパッと録る、リハーサル無しのぶっつけ勝負録音が特徴のプレスティッジの中で、マクリーンはレギュラー・バンドをベースに、良く鍛錬されたパフォーマンスを聴かせてくれる。真摯なジャズマン、マクリーンの真骨頂。

Jackie Mclean『McLean's Scene』(写真左)。1956年12月、1957年2月の2セッション。ちなみにパーソネルは、1956年12月のセッション(Tracks 1, 3, 4)は、Jackie McLean (as), Bill Hardman (tp), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。1957年2月のセッション(Tracks 2, 5, 6)は、Jackie McLean (as), Mal Waldron (p), Arthur Phipps (b), Art Taylor (ds)。

1956年12月のセッション(Tracks 1, 3, 4)は、マクリーンとハードマンの2管フロントのクインテット編成。1957年2月のセッション(Tracks 2, 5, 6)は、マクリーンが1管フロントのワンホーン・カルテット。1956年12月のセッションは、意外とハードマンが絶好調。1957年2月のセッションのマクリーンのワンホーン・カルテットの演奏が、好調マクリーンの個性と特徴を捉えていて良い内容。
 

Jackie-mcleanmcleans-scene

 
特に、スタンダード曲の吹奏が良い。ミディアム・テンポで演奏される冒頭1曲目の「Gone With The Wind(風と共に去りぬ)」は、ガーランドのピアノに導かれて(ワン・フレーズ聴いて直ぐに判る)、ハードマンのトランペットが好調。マクリーンは、曲の良さに依存せず、自らの個性を活かすような、少し癖の強いフレーズでガンガン攻めている。こういうマクリーンが僕は好きだ。

ゆったりと演奏される3曲目のスタンダード曲「Mean To Me」は、マクリーンとハードマンのアンサンブルが良い雰囲気。こういうゆったりとしたスタンダード曲を伴奏させると、ガーランドは無敵。とても趣味の良いピアノで、マクリーンとハードマンを盛り立てている。

2曲目の「Our Love Is Here To Stay」は、マクリーンがワンホーンの軽快な演奏で、マクリーンがのびのびと聴き応えのあるアドリブ・フレーズを吹き回している。バラード曲、5曲目の「Old Folks」では、マクリーンは彼独特の特徴ある個性的なフレーズで、マクリーンならではのフレーズ展開をじっくりと聴かせてくれる。

プレスティッジ時代のマクリーン初期の傑作として『4, 5 and 6』のタイトルがよく挙がるが、この『McLean's Scene』は、その『4, 5 and 6』と比較して勝るとも劣らない、マクリーン初期の名盤だと思う。プレスティッジ時代のマクリーン初期の名盤として、この2枚は外せないですね。
 
 

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2023年7月 3日 (月曜日)

マクリーンの個性は変わらない

ジャキー・マクリーンのプレスティッジ盤には外れが無い。いきなり集まっていきなり本番の「行き当たりばったりのジャム・セッション風のやっつけ録音」そして「録音日、録音セッションの塊を無視した、感覚で切り貼りしたアルバム編集」が個性のジャズ・レーベルのプレスティッジの録音ながら、マクリーンの録音はどれもしっかりした内容で、ハードバップな好盤として聴き応えがある。

Jackie McLean『Jackie McLean & Co』(写真左)。1957年2月8日の録音。プレスティッジのPRLP 7087番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Bill Hardman (tp), Ray Draper (tuba, #1-3), Mal Waldron (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。プレスティッジの録音では意外と珍しい、単一日、単一セッションを1枚のアルバムに収録したアルバム。

この頃のマクリーンは、バンドのメンバーを基本的に固定していた様で、リーダー作に臨む時は、必ず、この固定メンバーのバンドを引き連れて録音に臨んでいた様で、演奏の内容もしっかりリハーサルされた様な、端正でしっかりアレンジされたもので固められている。この辺が「マクリーンのプレスティッジ盤には外れが無い」と言われる所以だろう。

この盤でも、マクリーンの吹奏の素晴らしさは変わらない。ところどころ、ちょっとピッチがずれた、ハードバップな吹奏が爽快。アドリブ・フレーズは切れ味良く流麗で、いかにもジャジーな響きの吹き回しがとても良い。
 

Jackie-mcleanjackie-mclean-co

 
ウォルドロン・ワトキンス・テイラーの「燻し銀」リズム・セクションとの相性が良く、マクリーンのちょっと個性的な吹き回しにジャストフィットしている様子が良く判る。

そして、この盤の面白いところは、1曲目から3曲目に参加しているチューバの存在。レイ・ドレーパーのチューバなんだが、チューバでジャズが出来るとは、ジャズのアドリブ・フレーズの吹奏が出来るとは思ってなかったので、初めて聴いた時にはビックリした。

さすがに速いフレーズの吹き回しは苦手みたいだが、ミッドからスローなテンポのフレーズの吹き回しについては、意外と雰囲気があって良い感じ。それでも、アルバム全体に判って聴くにはちょっと辛くて、この盤の様に3曲程度くらい、音の彩りを添える、という観点でのチューバの採用には納得出来る。しかし、チューバでこれだけ旋律を吹けるとは。実にユニークな存在である。

ハードマンのトランペットは相変わらず、端正でブリリアントな、教科書的なジャズ・トランペットを吹き上げていて良い感じ。マクリーンとのフロント2管のユニゾン&ハーモニーも熟れたもので、ハードバップな雰囲気を更に高めている。

ハードバップな雰囲気をしっかり湛えた、マクリーンの好盤です。チューバの存在も、音の彩りとして捉えれば意外と楽しめます。こういうアレンジやアンサンブルの工夫も、ハードバップ期には盛んに行われていたんでしょうね。
 
 

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2023年6月29日 (木曜日)

マクリーンのハードバップな好盤

ジャッキー・マクリーンは、デビュー当初は、典型的なハードバップなアルト・サックス奏者だった。但し、マクリーンのアルト・サックスの音色には「違和感に似た個性」がある。フレーズのところどころのピッチが合っていない。ピッチがフラットする。クラシックの吹奏では絶対にあり得ないピッチのずれ。しかし、これがマクリーンの最大の個性なのだ。

Jackie McLean『Jackie's Pal』(写真左)。1956年8月31日の録音。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Bill Hardman (tp), Mal Waldron (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。マクリーンのリーダー作の第5作目。マクリーンのアルト・サックスとビル・ハードマンのトランペットがフロント2管のクインテット編成。

バックのリズム・セクションに、孤高のバップ・ピアニスト、マル・ウォルドロン、ベースにポール・チェンバース、ドラムにフィリー・ジョー・ジョーンズ。特に、マルのピアノ参加が目を引く。ハードバップでのファースト・コールなポルチェンのベースとフィリージョーのドラムと組んで、どんな弾きっぷりになるのか。

この盤のマクリーンもテクニック優秀、フレーズの歌心も良い感じ。既にフレーズのところどころでピッチがフラットしている。まだ、全盛期の様にほとんどフラットはせず、要所要所でフラットしている程度だが、明らかにフラットしている。1曲目の「Sweet Doll」のアルト・サックスのアドリブ・フレーズを聴くだけで、直ぐに「マクリーン」と判る位の強烈な個性。このピッチのズレが、意外と良い「味」になっていて、マクリーンの吹奏を特別なものにしている。
 

Jackie-mcleanjackies-pal

 
トランペットのビル・ハードマンとマクリーンは、ジャズ・メッセンジャーズでの盟友。この盤でも息の合ったユニゾン&ハーモニー、息の合ったアンサンブルを聴かせてくれる。ハードマンのトランペットは特にこれといった「癖」の無い、素姓の良い端正なトランペット。ブリリアントな音色がいかにも「ハードバップ」な雰囲気を醸し出す。

そして、意外と聴きものだったのが、マルのピアノ。この「こってこて」ハードバップな演奏で、マルはちょっとアウトな弾きっぷりを封印し、端正で歌心溢れるピアノ伴奏を披露する。聴き心地抜群、そのテクニックに耳を奪われる、見事なマルのハードバップなピアノ。

そこに、名手な2人、ポルチェンのベースとフィリージョーのドラムがガッチリとリズム&ビートを供給して、それはそれは、素晴らしいバッキングを披露する。特に、フィリージョーのドラムが好調で、ハードバップな雰囲気を更に増幅している。

ジャケも「やっつけ」のプレスティジらしからぬ、まずまずのデザインで良好。しかし、タイトルを途中、New Jazzからの再発時に『Jackie's Pal』(写真左)から、味もしゃしゃらもない『Steeplechase』(写真右)に変えている。理由は判らないが改悪。1991年のCDリイシュー時にオリジナルのタイトルに戻されて良かった良かった。
 
 

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