2026年1月11日 (日曜日)

伴奏上手のケリーを聴き直す・2

伴奏上手なウィントン・ケリー。彼のピアノの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が、フロント管を効果的にサポートし引き立て、メイン・ボーカルに効果的に寄り添い引き立てる。それが、とても良く判るサイドマン盤がこれ。

Miles Davis『Someday My Prince Will Come』(写真左)。1961年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) Hank Mobley (ts) John Coltrane (ts) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 。マイルスが、その先進的な歩みをふと止めて、当時のジャズの演奏スタイルのど真ん中だった「ハード・バップ」メインで演奏したアルバムである。

マイルスのトランペット、モブレーのテナーの2管フロントに、ケリー=ポルチェン=コブのリズム・セクションがバックに付くクインテット編成。演奏のスタイルは「ハードバップ」がメイン。演奏内容は、バラード演奏をメインにミッド・テンポのリラックスしたクールな演奏がメイン。つまりは「ごまかしが利かない」演奏内容。そんな中で、ここでは、サイドマンで参加している、ウィントン・ケリーのピアノにだけ注目してみる。
 

Miles-davissomeday-my-prince-will-come

 
「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が個性のウィントン・ケリーが、そのハッピー・スウィンガーぶりを適度に抑制しつつ、そこはかとなく翳りを宿しつつ、そこはかとなくファンキーなソロを奏でる。ハッピー・スイングの「ハッピー」部分を適度に抑制し「クール」に置き換え、そこはかとなく「ハッピー」、マイナーな影を宿しつつ、クールにスイングするケリーの伴奏ピアノには惚れ惚れ。

ミッド・テンポな演奏に端正で正確、そこはかとなくハッピーでファンキーで、クールにスイングする。このケリーの「スイング感」が、マイルスのミッド・テンポで吹奏されるトランペットにバッチリ合っている。しかも、マイルスのバックに回って弾き回すクールなスイング感溢れるケリーのピアノは、マイルスのクールなトランペットを引き立て、映えに映えさせる。特に、ミュートで耽美的にリリカルにクールに吹き上げるマイルスのバックでの、ケリーの伴奏は絶品。

「ケリーはマッチみたいな奴だ。奴がいなきゃプレイに火が付かない」とマイルスが語っているのは有名なエピソードですが、この盤の演奏を聴いていると、そのマイルスの言葉に至極納得。この盤での「一ランク上をいくハードバップ演奏」を支えているのは、ケリーの「クールにスイングするバッキング」に因るところが大きいと思います。もちろん、マイルスのトランペットが一番恰好良くて、クールでヒップなんですけどね。マイルスとケリーの相性は抜群です。
 
 

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2026年1月 7日 (水曜日)

”My Funny Valentine” 再聴です

昨日、アコースティック・マイルスの最高峰『Four & More』をご紹介したが、もう一枚、『Four & More』と同じ、NYのフィルハーモニック・ホールでの同一日のライヴ音源がある。実は、『Four & More』と今回、ご紹介するライヴ盤の二枚を併せて、アコースティック・マイルスの最高峰としている。

Miles Davis『My Funny Valentine: Miles Davis in Concert』(写真左)。1964年2月12日のライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)。60年代伝説のクインテットの一歩手前。まだ、テナーがウェイン・ショーターでは無い。ここでのテナーは、ジョージ・コールマン。

『Four & More』が、モーダルなハードバップなマイルス【動】だとすれば、『My Funny Valentine』は、バラードやスローなブルース中心の、リリカル&耽美的なマイルス【静】。この2枚の同一日のライヴ音源は併せて聴いてこそ、アコースティック・マイルスにおける、マイルスのバップ・トランペットの最高のパフォーマンスを体験することが出来る。
 

My-funny-valentine-miles-davis-in-concer

 
クールでセンシティブで、限りなく自由度が高くモーダル、とにかく繊細で耽美的なマイルス・バンドのパフォーマンスである。特に、マイルスのトランペットの個性のひとつ、ミュート・トランペットで奏でるバラード・プレイは絶品。この静的な、リリカル&耽美的な表現こそが、他の一流トランペッターと一線を画する、マイルス・トランペットの面目躍如たるところ。

ハービー=ロン=トニーの60年代黄金のリズム・セクションも、マイルス・サウンドの意図を明確に理解していて、マイルスのトランペットを素晴らしいバッキングで盛り上げる。とりわけ、ハービーのモーダルなピアノが、このバラードやスローなブルース中心の演奏の中で映えに映える。ロン=トニーは、スローなリズム&ビートをイマージネーション豊かに供給する。

優しく緩やかなバラードやスローなブルース中心の収録曲の構成ではありながら、それでも、ちょっとハードボイルドでハードバップでモーダルな演奏は、アコースティック・マイルスの面目躍如。ここまで、クールでヒップなモーダルな演奏を成立されたら、もうアコースティックではやることがないのでは、とマイルスに感服してしまう。そんな素晴らしいライヴ盤である。
 
 

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2026年1月 6日 (火曜日)

マイルスの ”Four & More” 再聴

このところ、マイルスについていろいろ考える機会があって、マイルスには、アコースティックの側面とエレクトリックの側面、と大きく分けて2つの側面があるが、アコースティック・マイルスの時代、アルバム・レベルでみて、ピークはどこだったんだろう、と、アコースティック・マイルスのアルバムを順に再聴をし始めた。

Miles Davis『Four & More』(写真左)。1964年2月12日のライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)。60年代伝説のクインテットの一歩手前。まだ、テナーがウェイン・ショーターでは無い。ここでのテナーは、ジョージ・コールマン。

僕はこのライヴ盤あたりが、アコースティック・マイルスのピークだったんじゃないかと睨んでいる。とにかく、マイルスのトランペットは「恰好良い」。テクニックも申し分無い、音の揺らぎや躊躇いは一切無い。エモーショナルでクールでヒップ。アドリブ・フレーズは、マイルスの個性全開、イマージネーション豊かで、ケレン味が無い。アコースティック時代のマイルスの吹奏として、最高レベルではないか、と感じている。
 

Fore_and_more_2

 
加えて、モード・ジャズに対する解釈が、明らかに「マイルス独自の、マイルス流のモード・ジャズ」が完成している。マイルス流のモード奏法が確立していて、自信に満ち満ちた、マイルス流のモーダルな展開が素晴らしい。ビ・バップ時代からアコースティック・ジャズを追求してきたマイルス。ハードバップからモードと奏法のトレンドが変遷する中で、先頭を切って走ってきたマイルス。この盤には、そんなマイルスのアコースティック・ジャズとしての最高到達点が記録されている。

マイルス・ジャズを完全理解していた、ハービー=ロン=トニーの60年代黄金のリズム・セクションに恵まれたことも大きい。このの60年代黄金のリズム・セクションは、マイルスを引きに引き立て、マイルスのトランペットを映えに映えさせる。マイルスにとって、最高のリズム・セクション。ちなみに、コールマンは、以前、マイルスの下にいたコルトレーンの代わり。それも、マイルス・ジャズを邪魔しないコルトレーン。

このマイルスが音楽監督も兼ねた、マイルス・バンドでのマイルスのパフォーマンスが、一番、マイルスらしくて恰好良いアコースティック・マイルスが記録されている様に思う。この後、マイルスは、音楽監督にウェイン・ショーターを迎え、マイルス流モードとはまた違った、ユニークなショーター流のモードに乗って、バップ・トランペットを楽しむことになる。マイルス流のモードに乗った、マイルスのバップ・トランペットは、この『Four & More』あたりが一番の聴きどころなんだと思う。
 
 

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2026年1月 5日 (月曜日)

”Jazz At Massey Hall”を再聴

初心者向けのジャズ盤紹介の中で、この盤がなぜ、初心者向けの、ジャズ入門者向けのアルバムとして紹介されているのか、理解に苦しむアルバムが何枚かある。どう考えたって、そのアルバムの演奏内容って、ジャズ者中級者レベルでも、ちょっと難しいものが、初心者向けのジャズ盤紹介に上がったりしている。その代表格がこの盤、かな。

『The Quintet: Jazz At Massey Hall』(写真左)。1953年5月15日、カナダ・トロントの「マッセイ・ホール」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Bud Powell (p), Charles Mingus (b), Max Roach (ds)。 メンバーそれぞれが「ビ・バップ」の立役者、ビッグ・ネームばかり5人が集結したクインテット編成。

このライヴ録音では、ハプニング続きで、資料を見る限り、通常であれば、ライヴ・パフォーマンスをするような状態ではなかった。そもそも、このライヴが行われた時間帯に、ロッキー・マルシアーノとジャージー・ジョー・ウォルコットのボクシングの試合が同時開催されていたのが元凶で、コンサートを見に来る観客が激減。演奏メンバーへのギャラがまともに払え無い状態。

加えて、パーカーは、質屋に入れてしまった自分の楽器の代わりに、借りてきた白いプラステック製のアルト・サックスで演奏、加えて、契約の関係で、アルバムには「チャーリー・チャン」の変名でクレジットされている。ガレスピーは、ボクシングの試合が気になって、自分のソロが終わると、楽屋に引っ込んでテレビを見ていた。真面目実直なミンガスは、そんなガレスピーに切れて食ってかかったとか。とまあ、まともな演奏ができる状態では無い(笑)。
 

The-quintet-jazz-at-massey-hall
 

しかし、このライヴ音源を聴けば、それぞれが水準以上の演奏をくり広げているのだから、ジャズというのは「良く判らない」(笑)。ボクシングが見たくて、気もそぞろだったガレスピーは溌剌とトランペット・ソロをくり広げ、パーカーは、プラスチック製のアルト・サックスとは思えない、エモーショナルなバップ・フレーズを吹き上げる。問題児2人のフロントは、意外とまずまずのパフォーマンスをくり広げている。が、ベストに近いとは思えないけど。

パウエルのピアノは、彼として水準レベルの演奏に留まる。体調が優れなかったのだろう。覇気が不足している様に感じる。ドラムのマックス・ローチが一番安定していて、ビ・バップ時代で活躍していたと同じレベルのドラミングを披露していて立派。一番、実直真面目だったミンガスのベースは、実際の録音では、録音レベルが低すぎたので、後日、オーヴァーダビングしている。なので、ミンガスのベースのパフォーマンスは割り引いて聴くしかない。

2002年にジャズファクトリーレーベルからリリースされた『 Complete Jazz at Massey Hall』(写真右)には、オーヴァーダビングなしのコンサート全曲が収録されている。これは「ジャズの歴史の記録」としては有用だが、ミンガスのベースが聴き取り難く、ライヴ音源としては、明らかにレベルは落ちる。

メンバーそれぞれが「ビ・バップ」の立役者、ビッグ・ネームばかり5人が集結したライヴ音源なので、ジャズ初心者の方々が「ビ・バップ」時代のビッグネームの演奏を、まとめて手軽に聴けるお徳用盤、という評価もあるが、それは逆だろう。ビッグネームそれぞれのベスト・パフォーマンスを体験・理解してから、このユニークなライヴ盤を聴くべきで、ビ・バップを理解しているからこそ、エピソードも含めて楽しめる、ユニークなライヴ盤である、と僕は解釈している。
 
 

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2025年12月29日 (月曜日)

ナット極上ファンキー・ジャズ

兄キャノンボール・アダレイのバンドにトランペット担当として所属していた、弟ナット・アダレイ。兄の影に隠れた様なイメージで、彼のトランペットはなかなか正当に評価されていない。しかし、である。ナットは、ソウル・ジャズの立役者の1人。ファンキー・ジャズについても、兄のキャノンボールと共に、ファンキー・ジャズの普及に貢献している。

Nat Adderley『Naturally!』(写真左)。1961年6月20日、7月19日の録音。ちなみにパーソネルは、1961年6月20日の録音が、Nat Adderley (cor), Joe Zawinul (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。1961年7月19日の録音が、Nat Adderley (cor), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。

ナット・アダレイがリーダーの素敵なファンキー・ジャズ盤である。2つのセッションに分かれて、パーソネルも異なるのだが、不思議なことに、違和感は無く、統一感がある。東海岸のメンバーで固められてはいるが、まるで、ウエストコースト・ジャズの様な、聴かせるアレンジで、流麗で聴き応え十分、味のあるファンキー・ジャズが展開されている。

まず、ナットのコルネットが良い。コルネットの音のエッジがラウンドした、ちょっとくすんだ様な音が、そこはかとなくファンキー&ブルージーな雰囲気を漂わせ、全体的にゆったり大らかな吹奏が、洒落たファンキー・ジャズ志向のサウンドの中で映えに映える。ワンホーン・カルテットなので、そんなナットのコルネットのサウンドが良く判る。
 
Nat-adderleynaturally  
 
2つのセッションはどちらも良い演奏。6月20日のセッションの方が、ナットの馴染みのメンバーでの演奏でオリジナル志向。カルテット全体が伸び伸びとポジティヴに演奏を重ねている雰囲気。やや荒削りの様に感じるが、それは勢いという言葉に代えて、バンド独特のファンキーなグルーヴを醸し出している。

7月19日の録音は、マイルス・バンドにも所属したハードバッパーの一流どころがリズム・セクションを務めている分、予定調和なファンキー・ジャズが展開されていて、流麗で洒落た演奏で安心感はあるが、スタンダード志向の演奏ということもあって、ちょっと手練感漂う演奏。良く出来た演奏ではあり、聴き心地は抜群。

ただ、ナットのコルネットが、2つのセッションを束ね、統一感を醸し出していて、2つのセッションのカップリングだからという違和感は無い。流麗で聴き応え十分、味のあるファンキー・ジャズがアルバム全体に展開されている。

この盤、聴けば聴くほど、極上のファンキー・ジャズ、ファンキー・ジャズの完成形のひとつと言っても良い位の内容だと僕は思うんだが、この盤は今まで地味な位置に甘んじている。

恐らく、兄キャノンボールの影に隠れた存在という印象と、ジャズ盤紹介本にあがらない、そして、なかなか、CDリイシューがされなかった、という負の要素が重なったのが原因なんだろう。しかし、聴けば聴くほど思う。この盤、ファンキー・ジャズの秀作として良いのではないか、と。
 
 

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2025年12月28日 (日曜日)

ナットの極上のソウル・ジャズ

ナット・アダレイはトランペッター。コルネットも得意とする。アルト・サックスの雄、キャノンボール・アダレイの実弟。その音楽性は、兄のキャノンボールとのバンドの音楽性を踏襲、ファンキー・ジャズ〜ソウル・ジャズを得意とする。その中で、ソウル・ジャズに手を染めることから、コルネット使用の度合いが増え、コルネットが、ジャズに適応することを証明した、ジャズ・コルネットの第一人者でもある。

Nat Adderley『Sayin' Somethin'』(写真左)。1966年2月16日の録音。ちなみにパーソネルは、Nat Adderley (cor), Joe Henderson (ts), Ernie Royal (tp), Artie Kaplan, Seldon Powell (sax), J.J. Johnson (tb), Al Gorgoni, Billy Suyker (g), Herbie Hancock, John Asbury, Paul Griffin (p), Bob Cranshaw, George Duvivier (b), Herb Lovelle, Roy McCurdy (ds), George Devens (perc)。

ナット・アダレイのコルネットに、テナー、トランペット、サックス、トロンボーン、の5管のフロントに、ギター入りのピアノ・トリオのリズム隊の4人が加わった、最大ノネット編成の、バリバリの「ソウル・ジャズ」。リズム&ビート、そして、フレーズの展開が、モータウンを始めとしたR&Bを志向していて、演奏全体の雰囲気は、完璧な「ソウル・ジャズ」。
 

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ナット・アダレイは、1960年代のソウル・ジャズの発展と確立に大きく貢献したジャズマンのひとり。その成果の一つがこの『Sayin' Somethin'』。この盤では、コルネットが、豊かで土臭い音色を奏でることができ、それが彼の特徴的な音色の個性となっているが、その一端をこの盤で明確に確認することが出来る。

バックの演奏も、完璧にソウル・ジャズしている。その中で、モーダルなうねうねテナーのジョーヘンが、モーダルうねうねなソウル・ジャズなフレーズを吹いていてるのが実にユニーク。逆に、ハンコックのピアノは、完璧にナットのファンキー〜ソウル・ジャズを理解して、彼のソウル・ジャズがさらに映えるピアノを展開している。バックの楽器のユニゾン&ハーモニーもしっかりソウル・ジャズしている。アレンジが優れているのだろう。

ソウル・ジャズの発展と確立に大きく貢献したナット・アダレイが、当時、ブルーノートから、若手売出し中の、ジョー・ヘン、 ハンコックを含むスペシャルなパーソネルで録音した、ソウル・ジャズの秀作。聴いていて、知らず知らずのうちに、足踏みでリズムを取り、ソウルフル濃厚な演奏では、思わず腰が動く。お手本の様なソウル・ジャズが展開されるナットの好盤。ポジティヴに明るくジャズを聴くに適したアルバムです。
 
 

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2025年12月15日 (月曜日)

エリック・ミヤシロを認識する

エリック・ミヤシロは、1963年7月13日、米国のハワイ州生まれのトランペット(フリューゲルホルン)奏者。ミヤシロのトランペットの個性の一つ「ハイノート・ヒッター」としても知られる。また、ビッグバンドのEMバンドのリーダーでもある。2000年から2010年まで、リーダー作は5作。

Eric Miyashiro『Blue Horizon』(写真左)。2025年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、エリック・ミヤシロ (tp), 本田雅人 (as), 中川英二郎 (tb), 川村竜 (b), 山本真央樹, 川口千里 (ds), 中川就登 (p) 等。スペシャル・ゲストも数多く参加。エリック・ミヤシロの15年ぶり通算6作目となる作品。

エリック・ミヤシロの名は、ほとんど覚えがない。なんせ、聞けば15年ぶりのリーダー作。その前作「Skydance」についても、どうにも耳にした覚えが無い。バークリー音楽大学出身にて、ミヤシロのトランペットの素性は確かなもののはず。冒頭のタイトル曲「Blue Horizon」を聴いて、そのミヤシロのトランペットの素性は、やはり、確かなものと確信する。

基本はしっかりとしたビッグバンド・アレンジの演奏の数々。ホーン・セクションがエネルギッシュで迫力抜群、整然としたユニゾン&ハーモニー。規律が取れ、それぞれの参加メンバーの高い演奏レベルで、切れ味の良いパフォーマンス。
 

Eric-miyashiroblue-horizon

 
ほど良いテンションが、演奏全体を引き締め、爽快感を醸し出している。とにかく、迫力がある割に、聴き易いバンド・サウンド。冒頭「Blue Horizon」から、7曲目「Back Stage Pass」まで、全曲、エリック・ミヤシロの自作曲。ラストの「Spain」だけ、チック・コリアの名曲のカヴァー。

自作曲の曲&アレンジが良好なので、ビッグバンド志向のバンド・パフォーマンスが映えに映える。チックの「Spain」のカヴァーも、ホーン・セクションを前面に押し出したアレンジが良好で、ダイナミックな曲想にしっかりと応えている。

ホーン・セクションのダイナミズムとスピード感がメインの、ビッグバンド志向の音作りは、他にありそうで無いユニークな内容。演奏全体の印象は、コンテンポラリーな「フュージョン・ビッグバンド」な音作り。エリック・ヤシロ本人は「ジャズ・オーケストラ」という表現をしているらしい。

ホーン・セクションが主役の「フュージョン・ビッグバンド」な音世界は、聴いていて流麗、聴いていてダイナミック、適度に耳に刺激が心地良く、意外と「ながら聴き」に適した佳作である。気軽に聴いて良き「フュージョン・ビッグバンド」な音である。
 
 

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2025年12月12日 (金曜日)

『Miles Davis In Europe』再聴

一昨日、マイルスの『Seven Steps to Heaven』再聴の記事を書いた訳だが、『Seven Steps to Heaven』を3回、繰り返し聴く中で、アコースティック・マイルスの時代で、マイルス自身のトランペットって、この時期が一番だったなあ、と思い返していた。

マイルスのバンドに、ハービー=ロン=トニーの「黄金のリズム隊」が入って来て、ショーターが遅れて入ってくるまでの約2年間。マイルス単独で想像した、マイルス印のモード・ジャズ。この時のマイルスのトランペットが一番輝いていたのではないか。そんなことをぼんやり思いながら、ついつい次のアルバムに手が伸びる。

『Miles Davis In Europe』(写真左)。1963年7月27日、フランス、ジュアン=レ=パン、ラ・ピネード、アンティーブ国際ジャズ・フェスティバルでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)。マイルスの「黄金のクインテット」からショーターを引いて、代わりにコールマンがテナーで参加している。

フランスの著名なジャズ評論家・アンドレ・フランシス(André Francis)の、フランス訛りの英語でメンバー紹介から始まる、なかなかお洒落なライヴ盤。冒頭1曲目は「Autumn Leaves」、有名なシャンソンの名曲だが、立派なジャズ・スタンダード曲でもある。

これが、まあ、テーマ部はそれと判るが、アドリブ部に展開する時には、原曲が何だったか、判らない位、自由度の高い、柔軟どの高い、モーダルなアドリブ展開が素晴らしい。とりわけ、マイルスのトランペットは「火を噴くが如く」な、熱気溢れる、迫力あるアドリブを繰り広げる。マイルス流のモーダルなトランペットが輝く様である。
 

Miles_in_europe_2

 
今の耳で聴いても、このマイルスのモーダルなトランペットは、他の追従を許さない、マイルスだけが吹くことの出来る、マイルス・オリジナルなモード・トランペットである。しかも、トランペットが良く鳴っている。テクニックも上々。どこの誰だ、昔、マイルスのトランペットは下手だ、と言い切った輩は・・・(笑)。

逆に、テナーのコールマンは、コルトレーンのフォロワーの域を出ていない。シーツ・オブ・サウンドな吹きっぷりで、モーダルな雰囲気を醸し出しているが、そのモーダルな展開も、コルトレーンのカヴァーの雰囲気。コールマン独自の創造的なフレーズでは無い。まるで、コルトレーンの「影武者」が吹いているよう。でも、彼の名誉の為に言っておくと、決して下手ではない。ハードバップなテナーとしては一流である。

マイルスの創造的な、マイルス独自の「マイルス・オリジナルなモード展開」と、コールマンの旧来の「コルトレーン・カヴァーのモード展開」の対比が、マイルスのトランペットの先進性、創造性、独自性を前面に推し出し、マイルスのトランペットのモーダルな吹奏を映えに映えさせる効果を醸し出している。コールマンのテナーは、マイルスの無くてはならない引き立て役だった感が強い。

ハービー=ロン=トニーの「黄金のリズム隊」は、マイルス・オリジナルのモード・ジャズを効果的にサポートし、引き立てる為のリズム&ビートを繰り出す。いわゆる、マイルス好みの「モード対応リズム隊」である。『Seven Steps to Heaven』セッションで出会った3人。あれから3ヶ月。マイルスの指導よろしく、「黄金のリズム隊」は、堂々とそれぞれの個性を活かした、モーダルなリズム&ビートをバンドに供給している。

このフランスでのライヴ盤では、マイルス・オリジナルのモード・ジャズの充実を感じ取ることができる。手垢のついた感のあるスタンダード曲「Autumn Leaves」「All Of You」「Walkin'」や十八番の「Milestones」が、 モード奏法をベースにした、自由度の高いインプロビゼーションによって、まるで新しく作曲された曲の様に響き渡る。アコ・マイルスの名盤の一枚である。
 
 

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2025年12月10日 (水曜日)

”Seven Steps to Heaven” 再聴

もうかれこれ半年くらい前のことになるが、ジャズ盤のサブスク・サイトを徘徊していて、をMiles Davis『Seven Steps to Heaven』の2023年リマスター盤が出ているのに気が付いた。そう言えば、このマイルス盤、しばらく聴いてないぞ、ということで、良い機会なので、さっそく拝聴する。

Miles Davis『Seven Steps to Heaven』(写真左)。1963年4月19日と1963年5月14日の録音。ちなみにパーソネルは、1963年4月19日の録音が、Miles Davis (tp), Victor Feldman (p), Ron Carter (b), Frank Butler (ds) のワンホーン・カルテット。1963年5月14日の録音が、Miles Davis (tp), George Coleman (ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。マイルス=コールマンの2管フロントのクインテット編成。

この盤は、マイルス当人と、ピアノのハンコックとベースのロン、ドラムのトニーが初めて揃って録音した音源を収録している、ということで、1963年5月14日の録音ばかりが「もてはやされて」はいる。が、それはパーソネル上のことであって、演奏内容が、その後の「1960年代マイルスの黄金のクインテット」の演奏に比肩するレベルの演奏が既にここで行われている訳では無い。これは、はっきりしておきたい。

演奏全体のトーンは、初期の穏やかなモード・ジャズ。マイルスをはじめ、ピアノのフェルドマンとハンコックもモード・ジャズに馴染んでいる。コールマンは、コルトレーンの忠実なフォロワーという感じで、ちょっと「浮いている」。ロンについては、この2つのセッションで、フロントがモードの時のベース・ラインの付け方を会得したのはないだろうか。

フェルドマンもハンコックもモードへの対応については甲乙付けがたい。年季が入っていて、堂々と弾き進めているフェルドマンの方が、ハンコックを一歩リードというところだろうか。ドラムについても、西海岸のバスターと若干17歳5ヶ月のトニー、どちらもマイルス・ジャズに対する適応は甲乙付けがたい。年季が入っていて、堂々と叩きまくるバスターの方が、トニーを一歩リードというところか。
 

Seven_steps_to_heaven_2

 
1963年4月19日と1963年5月14日、どちらのセッションも甲乙付けがたい。まず、どちらのセッションでも、マイルスのトランペットは「素晴らしい」の一言。テクニック、個性、どこから聴いても「マイルス」。

話題になるリズム・セクションは、1963年4月19日の「ウエストコースト」隊の方が年季が入っている分、一日の長がある。ハービー=ロン=トニーの、後の「黄金のリズム・セクション」については、初顔合わせ、初セッションということでちょっと固い。とはいえ、アルバム全演奏を通じて、とても内容の良いマイルス盤。その演奏内容のレベルは相当に高い。

マイルスはフェルドマンを自身のバンドに勧誘している。それだけ、マイルスが、フェルドマンのピアノを買っていたことが判る。が、フェルドマンは米国西海岸に留まることを選択する。しかしながら、マイルスは、一期一会とばかりに、フェルドマンとの録音を残す。それが、この盤の1963年4月19日の録音。

旧来のジャズ本、マイルス本では、必ず評価の低い1963年4月19日のセッションではあるが、僕はそんなにレベルの低い演奏とは思わない。米国西海岸ジャズ独特の爽やかさという点で、そして、マイルスのトランペットのワンホーンのカルテットで、マイルスのトランペットをとことん愛でることが出来る、という点では、1963年4月19日のセッションの方が、僕には好みだ。

ちなみに、タイトル曲の「Seven Steps To Heaven」はフェルドマンの作曲。テーマ部の「たった、たった、たーたーたっ」。確かに「7音」=「Seven Steps」、これ秀曲、名曲です。僕は大好き。やはり、この盤、マイルス盤として優秀盤の一枚でしょう。
 
 

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2025年11月18日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・308

スチュ・ウィリアムソン(1933年5月14日 - 1991年10月1日)。米国のジャズ・トランペット奏者、バルブ・トロンボーン奏者。ジャズ・ピアニストのクロード・ウィリアムソンの弟。

スタン・ケントン楽団出身のトランぺッターであり、ウッディ・ハーマン、ビリー・メイ、チャーリー・バーネット、シェリー・マンらと共演。ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人。1968年以降、薬物使用と健康問題により、彼は音楽界から姿を消した。

Stu Williamson『Stu Williamson Plays』(写真左)。1955年の録音。ベツレヘム・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Stu Williamson (tp), Charlie Mariano (as), Claude Williamson (p), Max Bennett (b), Stan Levey (ds)。

リーダーを務めたセッションは比較的少ないが、ウエストコースト・ジャズを代表するトランペッターの1人、スチュ・ウイリアムソンの初リーダー作。スチュのトランペットとマリアーノのアルト・サックスがフロント2管のクインテット編成。

そんなスチュ・ウィリアムソンの落ち着いた明るいトーンの素直で端正なトランペット。癖のない、破綻の無いトStu Williamson Discography: Vinyl, CDs, & More | Discogsランペットだが、音の質が良い。聴いていて心地良いのだ。荒削りでダイナミックな個性的なトランペットでは無いが、安心して聴ける、良質なトランペットである。ウエストコースト・ジャズらしい、そのテクニックの確かさも好感度良好。
 

Stu-williamsonstu-williamson-plays

 
そんなトランペットが、ジャズ・スタンダード曲で映える。特に、ウエストコースト・ジャズの良好なアレンジの下、「聴かせるジャズ」「聴いて心地の良いジャズ」にピッタリなのだ。「There Will Be Another You」の真っ正直なフレーズや「The Things We Did Last Summer」の素直でストレートな吹きっぷりを聴いていると、このシンプルさが、たまらなく良く聴こえてくる。

チャーリー・マリアーノのアルト・サックス、クロード・ウイリアムソンのピアノ、マックス・ベネットのベース、スタン・レヴィーのドラムと、ウエストコースト・ジャズの一流どころをズラリ取り揃えたバックも良い。さすが、ベツレヘム・レコードの感性と寒心することしきり。

マリアーノのアルト・サックスが、心地良い力強さで歌心満点のソロを聞かせてくれる。兄のクロード・ウイリアムソンが、ウエストコースト・ジャズ志向のバップ・ピアノで、スチュをサポートし鼓舞する。マックス・ベネットのベースは「堅実、安定」のベースで演奏の底を支え、スタン・レヴィーが「聴かせる」「聴いて心地良い」リズム&ビートを供給する。

温もりある音色で朗々と素直に吹き上げていくスチュ・ウイリアムソンのトランペット。そして、ウエストコースト・ジャズの「聴かせる」アルチザンが集結したアルト・サックス+リズム・セクション。ヘビー・ローテーションに耐える、いかにもウエストコースト・ジャズらしい好盤です。
 
 

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