聴き心地良いケッセルとホーズ
ハンプトン・ホーズは、ビ・バップ系のピアニスト。カッ飛ぶような、疾走感溢れるピアノは、ビ・バップそのもの。しかし、ホーズの弾き回しは、ビ・バップの様に単純では無い。そのビ・バップ系のピアノをハードバップに適合し、構築力と展開力のある弾き回しで、ちょっと小粋でドラマチックな表現を演出する。僕は彼を「韋駄天バップ・ピアニスト」と呼んでいる。
Hampton Hawes『Four!』(写真左)。1958年1月27日の録音。ちなみにパーソネルは、Hampton Hawes (p), Barney Kessel (g), Red Mitchell (b), Shelly Manne (ds)。韋駄天バップ・ピアニスト、ハンプトン・ホーズがリーダーで、バックに「ポール・ウィナーズ」の2人、ギターのバーニー・ケッセルとドラムのシェリー・マン、そして、西海岸のベースの名手のレッド・ミッチェルが参加したカルテット編成。
リーダーがピアノ、ベースとドラムを従えてトリオを編成。そこに、バーニー・ケッセルのギターが加わるという図式のパーソネル。リーダーがハンプトン・ホーズなんだが、この盤では、フロント楽器とリズム楽器の二役を演奏仕分ける、バーニー・ケッセルのギターが目立った、前面に出た、アルバム全体の音作りになっている。
とにかく、バーニー・ケッセルのギターが目立ちに目立つ。フロントに回ってバップなアドリブをバリバリ弾き回し、バックに回って、切れ味の良いカッティングで、演奏のリズム&ビートを引き締める。ケッセルのギター、縦横無尽の大活躍である。アドリブも流麗かつエモーショナル、カッティングは心地良く。聴いていて、気持ちがスッキリする様な爽快感溢れるギターが見事。
ホーズのピアノも好調で、聴いていて安定感がある。ケッセルがバリバリ弾き回している時に、バックに回ってのバッキングが絶妙。伴奏上手なホーズが印象的。ケッセルの勢いに押されているところはあるが、アドリブ・ソロでは、安定の「カッ飛び」な弾き回し。韋駄天バップ・ピアニストの面目躍如。
米国西海岸ジャズって、やっぱり良いなあ、と感心する。聴き手を意識した、適度にアレンジされたハードバップ。ユニゾン&ハーモニーが小粋で美しく、インプロビゼーションもほど良くコントロールされ、決して、過度に熱くならない。「聴くジャズ」として十分に通用する内容を旨としていて、この盤もケッセルのギターとホーズのピアノがバリバリ弾き回しているが、演奏全体の雰囲気としては、聴き易い、聴いていて心地良いパフォーマンスとして、とても良くまとまっている。好盤です。
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