”at The Half Note” ウエス再び
モダン・ジャズ、クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇の中の名盤・好盤の中で、ギターに特化して評価できるアルバムをピックアップして紹介している、今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」。
その記事の中のアルバムを順に見ていて、これまでに当ブログで以前に記事にしたアルバム達が懐かしく、ついつい、聴き直している。今日は「モダン・ジャズ・ギターのレジェンド」。ギタリストは、ウエス・モンゴメリー。
Wynton Kelly Trio and Wes Montgomery『Smokin' at The Half Note』(写真左)。1965年6, 9月の録音。ちなみにパーソネルは、Wynton Kelly (p), Wes Montgomery (g), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。
当時のマイルス・バンドのリズム・セクション(ケリー、ポルチェン、コブ)をバックに、ウエス・モンゴメリーのギターがフロントのカルテット編成。
全曲、ハーフノートでのライヴ録音っぽいアルバム・タイトルだが、実は、1965年6月、ハーフノートで録音されたのは「No Blues」と「If You Could See Me Now」の2曲のみ。残りは、1965年9月22日に、ニュージャージー州のルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで再録音されている。
このアルバムは、ジャズを本格的に聴き始めた、今から46年前に、ウィントン・ケリーのピアノ目当てに入手した。ベースにポール・チェンバース、ドラムにジミー・コブ。このウィントン・ケリー・トリオが目当てでウキウキしながら、LPに針を落とした。
1曲目は「No Blues」。ケリーのピアノが出てくるのを心待ちにしていたら、ウエスのギターが耳に飛び込んできた。なんや、このギターは....!。思わず僕は叫んでいた。骨太で切れ味の良いピッキング。執拗に繰り返されるファンキーでグルーヴィーなリフ。印象的なフレーズを流麗に力強く弾きまくる「オクターブ奏法」の炸裂。ウエスのギターは「かっ飛んでいる」。
2曲目の「If You Could See Me Now」を含め、ライヴのウエスは、スタジオ録音をはるかに凌駕する、凄まじい疾走感と超絶技巧がある。ウェスの真骨頂は、ライヴ録音を経験するのが一番。加えて、演奏表現が実に豊か。「If You Could See Me Now」などは聴いていて常に思う。とにかく美しい。ウェスもケリーも実に美しいソロをとる。本当に美しい。
ケリーのピアノ目当てに入手したアルバムだったが、このウエスの驚異的なパフォーマンスの前では、ケリーのピアノは「影が薄くなる」。ケリーも大健闘している。健康優良児的なハッピー・スインガー、そこはかとなく漂いマイナーな感覚。そんな個性が魅力のケリーのピアノ。ウエスのギターとの相性は抜群。そんな類まれなパフォーマンスがこの盤に記録されている。
この時期のウエスは、鬼気迫るテンション溢れる、超絶技巧な演奏のピークだった。ケリーのファンキーなピアノに触発されたということではない。逆に、ウェスがケリーを触発したといってもいいほどケリーの方が、この時期においては、いつになく元気である。
僕はこのアルバムで、ウエス・モンゴメリーのギターの虜になった。以降、ウエスは僕の大のお気に入りのギタリストの一人である。
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