2024年10月11日 (金曜日)

高中の名盤『Brasilian Skies』

ここヴァーチャル音楽喫茶「松和」では、「夏だ、海だ、高中だ」ではなく、「秋だ、爽快だ、高中だ」というキャッチが蔓延している(笑)。とにかく、この2〜3日前から、ググッと涼しくなった関東地方。涼しくなって、空気が爽快になって、高中正義のアルバムの聞き直しの続きである。

高中正義『Brasilian Skies』(写真左)。1978年のリリース。リオデジャネイロの「PolyGram Studios」と、ロスの「Westlake Studios」での録音。さすが、フュージョン・ジャズ全盛時代、エレギのインスト盤は受けに受け、セールスも好調だったと聞く。この高中のアルバムもその例に漏れず、ブラジルと米国での「海外録音」。

パーソネルについては、曲毎に様々なミュージシャンを招聘していて、のべ人数にすると30名以上にあるので、ここでは割愛する。主だったところでは、日本人ミュージッシャンとして、坂本龍一、高橋ゲタ夫、浜口茂外也の名前が目を引く。後は、米国西海岸系とブラジル系のフュージョンのミュージシャンで固められている。
 

Brasilian-skies  

 
我が国を代表するスーパー・ギタリスト高中正義の4枚目のソロアルバム。タイトルを見ると、聴く前は、ブラジリアン・ミュージック志向のギター・フュージョンで固められていると思っていたが、意外と様々な傾向の演奏がごった煮で入っている。

初めてブラジルで本場のミュージシャンとプレイした曲たちも素晴らしいが、面白いのは、サンバ・アレンジを施された「スターウォーズのテーマ」や、ジャズの有名なスタンダード曲「I Remenber Clifford(クリフォードの思い出)」、高中オリジナルのディスコ曲「DISCO "B"」、高中節満載のしっとりした「伊豆甘夏納豆売り」など、とにかくごった煮(笑)。

しかし、ごった煮ではあるが、高中のギターの音は明らかに「高中の音」で、ごった煮の収録曲の曲想の中で、この高中のギターの音で、しっかり筋を通していて、この盤は意外と一貫性があって、高中のギターの音だけを愛でることができる様にプロデュースされている。高中正義の初期の名盤の一枚だろう。聴き直してみて、この高中のギターの「爽快感」が堪らない。
 
 

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2024年10月10日 (木曜日)

異色の 高中正義 「オン・ギター」

この2〜3日、関東地方では気温がグッと下がって、昨日などは、11月中旬の陽気になって、ちょっと寒いくらい。慌てて、合物の服を出して、夏物のほとんどを衣替えである。これだけ涼しくなると、音楽を聴くのにも良い環境になって、夏には聴くのを憚られたハードなジャズやロックなども聴くことが出来る。

高中正義『オン・ギター』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), 石川清澄 (key), 細野晴臣, 高橋ゲタ夫 (b), 高橋ユキヒロ, Robert Bril (ds), ペッカー. 浜口茂外也 (perc)。イエロー・マジック・オーケストラから、細野晴臣と高橋ユキヒロが参加しているのが目を引く。

「夏だ、海だ、高中だ」と言われるくらい、高中のインスト作品って「夏向き」だと思うんだが、その演奏が持つ「切れ味の良い爽快感」がゆえ、僕は秋の真っ只中に、高中作品を聴くことが多い。今年の秋も、涼しくなってきたなあ、と思った瞬間から、「高中が聴きたい」となって、このアルバムをチョイスした。

このアルバム、ちょっとその成り立ちが変わっていて、高中正義のオリジナル作品として発表されたわけではなく、教則本の付属レコードとして発表されたもの。ちなみに、この「オン・ギター」は高中正義、「オン・・ベース」が後藤次利、「オン・ドラムス」が つのだひろ、だった。実は、僕はこの教則本の付属レコード・シリーズをリアルタイムで体験している(笑)。

教則本を読みつつ、この付属アルバムの演奏テクニックを聴いて、自分でも演奏してみる、ということだが、この『オン・ギター』に収録されている高中のギター・テクニックは、その水準が抜群に高くて、その様に弾きたくても弾けない(笑)。この教則本って、ギター初心者ではなく、ギター上級者向けだったんやな、と改めて思った次第。
 

Photo_20241010203101

 
実は、この教則本の付属アルバム、単体のオリジナル作品としても、十分に楽しめる内容になっている。収録曲は以下全8曲。高中オリジナルは1曲のみ。あとは、ロック&ポップスの名曲のカヴァー。

1.「Breezin'」~ ジョージ・ベンソン
2.「Blue Curaçaõ」~ サディスティックス
3.「Just The Way You Are」~ ビリー・ジョエル
4.「Mambo Jambo」~ Pérez Prado
5.「Samba Pati」~ サンタナ
6.「Rainbow」~ オリジナル
7.「That's The Way Of The World」~ EW&F
8.「We're All Alone」~ ボズ・スギャッグス

冒頭「Breezin'」から、もう悶絶もの。高中のギターが素敵に爽快に響く。流麗でキャッチャーなフレーズ。3曲目の「Just The Way You Are(素顔のままで)」は原曲は印象的なバラード曲だが、ここでは、ファンキー・シャッフルなアレンジでカヴァる。原曲がテーマの旋律がしっかりしているので、ファンキーなアレンジにも耐えるのだから面白い。

エンディングの8曲目、ボズ・スキャッグスの名唱で誉高い「We're All Alone」。これは名演。高中の「泣きのギター」全開。思わすしみじみしてしまうくらいの「説得力」。この演奏こそ、秋の真っ只中で聴く「高中ギター」である。

ちょっと、その成り立ちが変わっているアルバムなので、ジャケ写とともに、ちょっと触手が伸びにくいのですが、内容は一級品。躊躇わず手にして良い秀作です。音楽のサブスクサイトにもアップされているみたいなので、今では意外と気軽に聴くことが出来る環境にあるみたいですね。
 
 

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2023年6月20日 (火曜日)

高中正義のフュージョン傑作盤

時は6月、季節は「夏」である。夏が来れば、必ず聴くギタリストがいる。高中正義である。「夏だ、海だ、高中だ」という凄いベタなキャッチコピーが懐かしい。そのキャッチコピーの影響では無いのだが、夏になると、高校時代からリアルタイムで高中のギター盤を聴いている。確かに高中のギター盤は夏に聴くのが一番合う。

高中正義『An Insatiable High』(写真)。1977年の作品。ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), Lee Ritenour (g), Abraham Laboriel, Chuck Rainey (b), 深町純, Patrice Rushen (key), 村上秀一, Harvey Mason, Ed Greene (ds), 浜口茂外也, Steve Forman, Paulinho da Costa (perc)。ホーン隊にはタワー・オブ・パワーの面々が揃う。

パーソネルを見れば「あれっ」と思う。そう、この盤、高中とジェントル・ソウツとの共演アルバムである。ジェントル・ソウツといえば、高中と同じフュージョン・ギタリスト、リー・リトナー率いる、米国西海岸を代表するフュージョン・バンド。なんと、1977年に高中は米国に渡って、リトナーとの共演を実現していたんですね。

高中盤にありがちな、コマーシャルなところ、砕けたところ、おどけたところは一切無い。ハイテクニックな弾き回しは控えめに、がっつり余裕をかました、官能的で瑞々しい、スッ〜と伸びのある高中のエレギが全編で鳴り響く。高中の「がっつり聴かせる」エレギである。リー・リトナーとのギター・コンビネーションも良好。内容の濃い、高中印の「硬派なフュージョン・ジャズ盤」である。
 

An-insatiable-high

 
冒頭の「Sexy Dance」から高中サウンド全開。緩やかなシャッフル・ビートに乗って、躍動的でメロディアスなテーマが流れると、そこはもう高中ワールド。2曲目は永遠の名曲「Malibu」。ユッタリとした拡がりのあるアンサンブル。ラッシェンのキーボードが大活躍。そこに高中のエレギが滑る様に入ってくる。ラッシェンのキーボードをバックに「映える」高中のエレギ。

3曲目のタイトル曲「An Insatiable High」は、高中お得意の疾走感溢れるスピーディーなナンバー。リトナーの蝉アコ・エレギのサウンドと高中のソリッドなエレギのサウンドのコンビネーションが素晴らしいのだが、演奏全体の雰囲気は「高中サウンド」。リトナーが「高中サウンド」のツボをしっかり押さえて、「高中サウンド」に貢献している。見事である。

冒頭の3曲だけで、この盤は素晴らしい「高中サウンド」が詰まった傑作だと確信する。リトナーをはじめとするジェントル・ソウツのメンバーは、この「高中サウンド」に馴染み、貢献するべくプレイしている。ジェントル・ソウツの懐の深さ、恐るべしである。

演奏全体のまとまり度合いは高く、テクニックはハイレベル。極上のフュージョン・サウンド。しかも、高中オリジナルなフュージョン・サウンドである。
 
 

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2022年1月26日 (水曜日)

SUPER TAKANAKA LIVE 再び

高中正義の1970年代〜1980年代前半のリーダー作が、サブスク解禁されたみたいで、今一度、全てのアルバムを聴き直している。で、リアルタイムで一番聴いた、1970年代〜1980年代前半のリーダー作って何だったっけ、と思い立った。恐らく、一番聴いたのは学生時代。下宿で、古墳調査の車の中で、行きつけの喫茶店で、聴きまくった盤である。

高中正義『SUPER TAKANAKA LIVE』(写真左)。1980年3月のリリース。1979年12月23日〜24日に日本武道館にて行われた井上陽水とのジョイント・ライヴの模様を収録した盤である。「ジョイント・ライヴ」とは懐かしい響き(笑)。

ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), 石川清澄, 小林“MIMI-CHAN”泉美 (key), 上原ユカリ, 井上“SHI-CHAN”茂 (ds), 高橋ゲタ夫 (el-b), 椎名和夫 (el-g), 土岐英史 (sax), 中島御, 菅原“SUGA-CHIN”裕紀 (perc)。当時の「高中バンド」のベスト・メンバーである。

選曲が『JOLLY JIVE』から4曲、LP時代のA面を占める。そして、LP時代のB面を占めるのは『SEYCHELLES』『BRASILIAN SKIES』『TAKANAKA』からそれぞれ1曲ずつ、サディスティック・ミカ・バンドのアルバム『黒船』から1曲である。LP1枚の収録時間上限、45分程度を考えると、当時のほぼベスト盤的な選曲で、この選曲がこのライヴ盤の一番の魅力。
 

Super_takanaka_live 

 
ライヴ音源なので、当時の高中バンドのテクニックとパフォーマンスの凄さが良く判る。出だしの1曲目の「BLUE LAGOON」は、高中作の永遠のインスト名曲であるが、スタジオ録音より速いテンポで、疾走感溢れる弾きっぷりに思わず耳を奪われる。そして、2曲目「EXPLOSION」も高速フレーズが目玉の1曲で、爽快感溢れるノリで弾きまくり。

3曲目の「珊瑚礁の妖精」では、ワウワウなど、アナログなアタッチメントを駆使した、耽美的で幻想的なフレーズを披露する。これ、相当に高いテクニックで弾きまくってる。「TROPIC BIRD」「DISCO “B”」「READY TO FLY」は高中作のベストな楽曲で、聴いていてとにかく気持ちが良い。高中のギターが映えに映える。

そして、僕の個人的にこの盤の一番の目玉がラストの「黒船」。サディスティック・ミカ・バンドのアルバム『黒船』の6曲目(A面のラスト)の「黒船(嘉永六年六月四日)」で、3分弱の演奏だが、これが名曲中の名曲。聴いていて、気持ち良いこと、この上無し。

LP時代の音源で、トータルで45分弱しかないので、今の耳にはちょっと聴き足りない感じではある。が、内容的には充実した、当時の高中バンドのテクニックとパフォーマンスを手っ取り早く体感出来る、素晴らしいライヴ盤。今でも、気軽に聴くことが出来る、上質の「高中印のライヴ盤」である。
 
 
 
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2022年1月23日 (日曜日)

高中正義『T-WAVE』を聴き直す

高中正義の1970年代〜80年代前半、「Kitty Records」時代のリーダー作がサブスク解禁になったようで、1st.作から11th.作まで、一気に聴き直している。すると、意外と今の耳で聴いてみると、リリース当時など、以前に聴いた印象とは違った音が聴こえてきて、意外と面白い。恐らく、歳を取るにつけ、耳が肥えて、良い意味で音に対する許容度が高くなってきたのだろう。

高中正義『T-WAVE』(写真)。1980年6月のリリース。高中6枚目のオリジナル盤。セルフ・プロデュースで、パーソネルも曲毎に異なるが、基本は、高中正義 (g), 小林"MIMI"泉美 & 石川清澄 (key), 高橋ゲタ夫 & 田中章弘 (b), 井上茂 (ds), 菅原裕紀 (perc)。当時のフュージョン・ジャズ畑のミュージシャンとは一線を画した、「高中の音世界」独特のメンバーである。

冒頭の目覚まし時計の音で始まる「Early Bird」から、爽快で疾走感溢れる高中のギターが疾走する。演奏の内容的には「クロスオーバー・ロック」。ロックとジャズが融合した「クロスオーバー」な演奏だが、リズム&ビートは「ロック」。当然、オフビートではあるが「ファンクネス」は皆無。しかし、8ビートが疾走するギター・インストのテイストは「クロスオーバー」。
 

Twave_masayoshi_takanaka

 
そして、3曲目「Mambo No.6」に至っては、ロック・ビートに乗ったマンボな演奏が繰り広げられる。ラテン系のテイストが個性の「高中の面目躍如」。ロックとマンボの融合。フュージョン(融合)なロックである。4曲目「Crystal Memories」やラストの「Le Premier Mars」は、当時の流行である、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズなテイストのギター・インストがメインの演奏。

今の耳で聴きながら思うに、この盤って、日本人ならではの「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」なのではないか、と感じている。米国の「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」とは異なり、リズム&ビートは「ロック」、それでいて、疾走感溢れる「弾きまくるギター」はクロスオーバー・ジャズに近いし、ソフト&メロウなギター・インストは、明らかにフュージョン・ジャズ。

特にこの『T-WAVE』は、高中のリーダー作の中でも完成度が高く、テクニック的にも内容的にも、米国のフュージョン・ジャズと比肩するレベル。そういう面からも、この盤は日本人ならではの「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」の傑作の1枚と評価しても良いかと思う。今の耳で聴くと、この盤のクールな爽快感と疾走感はしっかりと耳に残る。日本のクロスオーバー〜フュージョンの名盤の1枚だろう。
 
 
 
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2022年1月22日 (土曜日)

「高中」流のフュージョンの傑作

高中正義は日本のギタリストのレジェンド。日本の既成の音楽ジャンルに収まらないボーダーレスでクロスオーバーのギターが個性。加えて、ハイ・テクニック。音の志向の個性として特徴的なのは、マンボやサンバなど、ラテン・ミュージックに造詣が深いこと。そんな高中正義のアルバムが、ほぼ全部、サブスク解禁になったようで、めでたいことである。

高中正義『Saudade(サダージ)』(写真左)。1982年9月10日にリリースされた、高中の9枚目のオリジナルアルバムである。キャッチコピーは「身体(からだ)が揺れて心も揺れて…」。何ともこそばゆい、バブルの入口の時代の成せるキャッチコピーである。ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), Joaquin Lievano (g), Narada Michael Walden (ds), T.M. Stevens (b), Frank Martin (key), Sheila Escovedo (perc)。プロデューサーにドラムも担当している、ナラダ・マイケル・ウォルデンを起用している。

時代はフュージョン・ジャズの流行後期。この盤の音世界はフュージョン・ジャズ、時々、スムース・ジャズな雰囲気で、エコーがタップリ効いている分には、スムース・ジャズ的な傾向が強い。しかし、ビートがしっかり立った楽曲については、スピード感も豊か、演奏テクニックも「バカテク」で、この辺は、当時、流行真っ只中のフュージョン・ジャズど真ん中。
 

Saudade_masayoshi_takanaka

 
冒頭の「A Fair Wind」は、エコーがたっぷり効いた、爽快でキャッチャーなフレーズが心地良い「スムース・ジャズ」志向の演奏。メンバーそれぞれの演奏のテクニックも素晴らしく、とても端正で整った演奏には、思わず聴き入ってしまう。いつもの高中盤と雰囲気がちょっと違うのは、プロデュースを他人に任せて、高中自身は「1人のフュージョン・ギタリストに徹している」ところだろう。高中はギター小僧よろしく、喜々としてエレギをアコギを弾きまくっている。

スチール・パンやパーカッションが活躍して、雰囲気は「カリビアン」なのに、出てくる旋律はマイナー調で、和風な哀愁感がそこはかとなく漂うタイトル曲「Saudade」は、いかにも和風なフュージョン・ジャズ」といったもので、これぞ高中の音世界らしい演奏。その他、ディスコ・チューンあり、ジャム・ナンバーな曲あり、ラストの「Manifestation」では、高中がロックなエレギをギンギンに弾きまくっている。

この盤、「高中正義」流のフュージョン・ジャズの傑作盤だろう。音の要素はジャズあり、ロックあり、ディスコあり、カリビアンあり、ラテン調あり、シャッフルあり、高中が得意とする音楽ジャンルをごった煮して、ギターを弾きまくった傑作。米国西海岸フュージョンの強烈なリズム隊に乗って、高中のギターが唄いまくっている。
 
 
 
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2016年11月25日 (金曜日)

ながら聴きのクロスオーバー

高中正義。日本が誇るエレギ奏者。特にそのインスト・エレギは唯一無二。思いっきり、高中ならではの個性で固められている。1曲聴けば、直ぐに高中と判るほどの個性。しかし、その個性的な音は「ジャンルレス」。ロックとも言えず、ジャズとも言えず。一言で言えば「高中」。

僕はそんな高中のインスト・エレギを「クロスオーバー」と位置づけている。ロックとフュージョン、そしてラテンなどなど、色々なジャンルの音楽の美味しいところを混ぜこぜにしている。リズムの基本はロック、混ぜこぜのところはクロスオーバー・ジャズ。スッキリ整った、エネルギッシュな「クロスオーバー」。

そんな「クロスオーバー」なインスト・エレギを堪能出来るアルバムの一枚がこれ。高中正義『Ocean Breeze』(写真左)。高中正義の2枚目のライブ盤。1982年のリリース。1980年代初頭、高中正義がノリに乗っている頃に敢行された「Power Play」と銘打ったライヴ・ツアーの模様が収録されたもの。
 

Oecean_breeze

 
このライブ盤、初期の頃からの「高中者」からすると、充実な内容なのだ。冒頭の「メドレー」を聴けば、高中がソロとして活躍するようになった初期の代表曲が、メドレー形式で演奏されているもの。どっかで聴いたことのある「高中フレーズ、高中節」がどんどん出てくる。しかも、メドレーとは言え、しっかりアレンジされていて、聴き心地満点。

2曲目の「Plastic Tears」以降、高中の往年の名曲、名演がズラリと並ぶ。ゆったりしたバラードあり、爽快なアップテンポの曲あり、様々なフォーマット、様々なリズム&ビートに乗って、高中がエレギを弾きまくる。弾きまくってはいるが、さすがは高中。徹頭徹尾「メロディアス」。流麗なアドリブ・フレーズが止めども無く沸き出でる。

このライブ盤、実は聴き流しに最適。僕はこのライブ盤には、社会人になって独身寮の休みの朝、必ずこのライブ盤を聴いていた時期がある。この盤の持つ爽快感が良い。メロディアスでテクニカルなエレギの音が良い。朝の起き抜けに心がポジティブになる様な、アグレッシブに一日を過ごせるように背中を押してくれるような「高中サウンド」が実に見事だった。

 
 

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2014年7月30日 (水曜日)

夏だ、高中だ、40周年盤だ

夏だ海だ高中だ。夏になると高中正義のアルバムを流すことが多くなる。夏真っ盛り、相当な蒸し暑さの中なので、高中のエレギ・インストを聴き込むのはちょっと辛い。昔ならカセット・テレコで、今なら、iPodに入れてちょっとしたスピーカーを繋いで、夏の日の木陰で、さりげなく「流す」のがちょうど良い。

高校時代、サディスティック・ミカ・バンドで高中正義のエレギと出会って以来、なんやかんや言いながら、夏から秋にかけてのシーズンには、高中正義のアルバムを流すことが多い。大学時代は『Jolly Live』と『T-WAVE』がヘビロテで、気分転換に『TAKANAKA』が登場。社会人の若かりし頃は『虹伝説』と『OCEAN BREEZE』がヘビロテ。そして、今では『SADISTIC TAKANAKA』と「これ」がお気に入り。

「これ」とは、高中正義のデビュー40周年盤の『40年目の虹』(写真左)。高中正義プロデビュー40周年の2011年にリリースされた、高中正義の集大成盤。昔からのヒット曲をアレンジをし直したり、メドレーにしたりで、しっかりと織り込んでいる。これが、我々、40年前からの往年の「高中者」からすると、聴いていてとても楽しい。

収録曲は以下のとおりなんだが、なかなかでしょ。8曲目の「BLUE LAGOON 'K'」、12曲目のメドレーなどは耳にするだけで、懐かしさがこみ上げてきて涙涙。でも、アレンジは最新のアレンジで、これがバッチリ決まっている。最新のアレンジで、心地良く気持ち良く、優しくアグレッシブに弾き進めていく。
 

40nenme_no_niji

 
1.『夏窓』
2.Nightmare
3.40年目の虹
4.Alone(GUITAR MAGAZINE FESTIVAL LIVE)
5.Walking Toward the Rainbow
6.Seasons
7.夏の日の恋
8.BLUE LAGOON 'K'
9.南方囃子
10.ミスター
11.Left Alone
12.YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE
  〜珊瑚礁の妖精 〜獅子座流星群
  〜黒船嘉永6年6月4日 (GUITAR MAGAZINE FESTIVAL LIVE)

 

この40周年盤での高中のエレギ、アコギの音がすっごく魅力的。むっちゃええ音しています。エレギ者にはたまらん音です。さすがは高中大先生です。高中独特のギター・インストの音世界。フュージョンでも無く、クロスオーバーでも無い。ロック・ビートに乗った高中独特のエレギ・インスト。

ジャズが専門の僕としては、11曲目の「Left Alone」は高中の新境地だと感じています。ジャズ・スタンダードの「Left Alone」。このスタンダード・バラードを朗々と粛々と弾き進めていく。その雰囲気が実にジャジー&ブルージー。こんな感じで、ジャズ・スタンダードをギター・インストした企画盤を出して欲しいなあ。

夏だ海だ高中だ。夏になると高中正義。今年、2014年は高中正義プロデビュー43周年になるのかあ。ずっと第一線で活躍している高中も凄いと思うが、43年間、飽きもせず高中を聴き続けている我々「高中者」もなかなか凄いなあ、と思う今日この頃である(笑)。

 
 

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2014年6月 5日 (木曜日)

サディスティックスのライブ盤

確かに振り返ると6月に良く聴く。明らかに初夏のシーズン向けの爽快な楽曲、僕が高中正義の楽曲の中でのお気に入りな名曲「Ready to Fly」。

この「Ready to Fly」は高中の代表曲として、様々な高中のアルバムに収録されている。どのバージョンもそれなりに楽しめるんだが、どうも高中のアルバムはどれも、高中のギターが全面に出過ぎるきらいがある。

まあ、高中がリーダーのアルバムだから、演奏だから仕方がないけど、もっと、バンドの総合力で楽しめる、その総合力の中で高中のギターも楽しめる演奏は無いのか、と常に思う。が、これがあるんですな(笑)。大学時代にこのアルバムに出会って以来、このアルバムは、この僕の大好きな「Ready to Fly」を心ゆくまで堪能できるお気に入り盤として君臨している。

そのアルバムとは、サディスティックス(Sadistics)の『LiveShow』(写真左)。サディスティックス(sadistics)は、1975年末のサディスティック・ミカ・バンド解散後、1976年春に結成、1978年まで活動した。このライブ盤は1978年6月の録音。

サディスティックスのメンバーは高橋幸宏 (ds), 高中正義 (g), 後藤次利 (b), 今井裕 (key)。つまり、サディスティック・ミカ・バンドから、ギター+リズム・セクションをごっそり抜いて、ギター・インスト・バンドを結成した訳だ。とにかく、このメンバーを見れば、そこから出てくる音の凄さは想像に難くない。

サディスティックスの音源は、たった2枚のスタジオ録音盤と1枚のライブ盤のみ。まあ、活動期間が2年程度なので仕方が無いが、このライブ盤『LiveShow』については貴重な一枚ではある。

このライブ盤ではツイン・ドラム構成なんだが(ジャケット写真を見れば判る)、もう一人のドラマーのクレジットが無い。このもう一人のドラマーは村上ポンタ秀一。クレジットが無いのは、これは、このアルバムのリリース直後に、ポンタがヘロイン所持で捕まったからである。
 

Live_show

 
というトリビア話はさておき、このアルバムは、LP時代のA面はフュージョン・ジャズな演奏仕様(Type I、We Are Just Taking Off、Hard Score)、B面は高中サウンドな演奏仕様(あこがれのセイシェル、Blue Curacao、Ready To Fly)となっていて、演奏の雰囲気の違いはあるが、どちらの面も十分に楽しめる内容。その日の気分でA面、B面と選んで聴けるところも、LP時代のこのライブ盤の良いところだった。

どの演奏も、それぞれの楽器の演奏バランスが良く、このサディスティックスの演奏を総合的に堪能できる。エレギはエレギとして、エレベはエレベとして、ドラムはドラムとして、キーボードはキーボードとして、心ゆくまで堪能できる。特に、後藤次利のエレベは当時衝撃的で、彼のチョッパー・ベースにはたまげました。

そうそう、高橋幸宏のドラムも素晴らしいですね。叩き出されるリズム&ビートを聴くだけで、高橋幸宏のドラミングだと直ぐに判ります。それほどまでに個性的なドラミングで、その縦ノリのグルーブ感と共に、このライブ盤では心ゆくまで堪能できます。クレジットは無いのですが、村上ポンタ秀一のドラムも負けずに素晴らしい。

そして、今井裕のキーボードはお洒落で乾いたファンクネスをそこはかと無く湛えたフレーズは、LP時代のA面のフュージョン・ジャズな演奏で、より堪能できます。当時の日本で、これだけお洒落なフュージョン・キーボードはなかなか聴けるものではありませんでした。

そしてそして、そんな素晴らしいリズム・セクションをバックに、高中正義のエレギが抜群に映えます。特に、ラストの「Ready to Fly」は素晴らしいの一言。空へ翔び上がって行くが如く、爽快感溢れるギターの奏でるフレーズの高揚感が圧倒的で、バックの優秀なリズム・セクションも負けじと飛翔していきます。爽やかな上昇気流のような、このエレギとリズム・セクションの相乗効果がなんとも言えず素晴らしい。

「Ready to Fly」については、このサディスティックスのライブ盤『LiveShow』が最高でしょう。特に、この6月の季節に映えまくります。明らかに初夏のシーズン向けの爽快な楽曲、それは、このライブ盤『LiveShow』で最高に堪能できます。お勧めです。

 
 

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2014年6月 4日 (水曜日)

僕の「6月ヘビロテの高中正義」

6月も4日になる。昨日のブログで、6月は「湿気は多いが、気温的には実に過ごしやすい季節である」と書いた。気温的に過ごしやすい、この夏の初めの季節はまだまだ暑さは本格的では無いので、ジャズのアルバムもフュージョン・ジャズ時代のアルバムを選ぶことが多くなる、とも書いた。

確かに、6月にはフュージョン・ジャズを選ぶことが多くなる。そして、加えて、日本のロック・ギタリストの雄、高中正義のアルバムを好んで聴くのも、この6月なのだ。6月から7月の2ヶ月間は、僕の中では「高中正義」月間なのである。

特に、このアルバムについては、確かに振り返ると6月に良く聴く。というか、6月にしか聴かないアルバムなのだ。そのアルバムとは、高中正義『TAKANAKA』(写真左)。1977年のリリース。高中のセカンド・アルバムになる。このアルバムが、このアルバムを手にした1979年以来、毎年6月に集中して聴くことが多い、不思議なアルバムなのである。

前作『SEYCHELLES』は爽やかなギターが売りのアルバムだったのですが、このセカンド盤『TAKANAKA』では、エレギの音が太くなり、爽やかというよりは力強い、体育会系のマッチョなノリが全面に押し出された音作りに変化しています。

加えて「マンボNo.5」などのラテン色の強いナンバーもあって、所属ジャンル不明でファンクネス希薄な、日本純正のギター・インスト盤に仕上がっています。このアルバムのリズム&ビートを聴いていて、このアルバムの演奏はフュージョン・ジャズでは無いですね。かといって、ロック色豊かな、海外のロックギター・インストともちょっと違う、独特の音世界を維持しています。
 

Takanaka_takanaka

 
このエレギの音が太い、体育会系のマッチョなノリが、まず真夏の暑い盛りにはズバリ暑苦しい。爽やかではあるが物寂しい秋にはちょっと空々しく感じる。冬には寒々しく感じる。うららかな春の季節にはちょっとしんどい。まだまだ暑さは本格的では無い、気温的に過ごしやすい夏の初めの季節にはピッタリ心地良く感じるのだ。

これって僕だけの感覚なのかなあ(笑)。確かに、このアルバム『TAKANAKA』を購入したのが、1979年6月。ずっと聴いていて「いいなあ」と思っていたんだが、8月になる頃には全く聴かなくなったっけ。それでも、毎年5月の下旬から6月になると、この『TAKANAKA』を思い出したように引きずり出してきて、思いっきり聴きまくるのだ。そして、7月下旬頃になると「お蔵入り」(笑)。

「夏だ、海だ、高中だ・・・」とよく言われるが、僕にとっては、高中のアルバムは、意外と初夏、そして秋に聴くことが多い。夏真っ盛りに聴いて爽快なアルバムもあるのですが、夏は夏でも、夏の後半から夏の終わり、お盆の頃から晩夏の頃に良く聴く。でも、このアルバム『TAKANAKA』は6月のアルバムなのだ。

そして、このアルバム『TAKANAKA』の中で、僕が高中の楽曲の中でのお気に入りな名曲「Ready to Fly」が明らかに初夏のシーズン向けの爽快な楽曲なのだ。ヴォイス・パーカッションから始まる冒頭部はちょっと怪しげなのですが、そこから伴奏が盛り上がっていって、いきなり高中のエレギが滑り込む様に入ってくる。そこから空へ翔び上がって行くが如く、爽快感溢れるギターの奏でるフレーズの高揚感が素晴らしい。

この「Ready to Fly」と「Blue Lagoon」は、僕にとっては6月の愛聴曲。よって、6月のバーチャル音楽喫茶『松和』では、高中正義の『TAKANAKA』と『JOLLY JIVE』がヘビーローテーションでかかります。
 
 
 
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