夏はボサノバ・ジャズ・その32
今年の夏は特別に「暑い」。いわゆる酷暑日が連日続く。朝の9時を過ぎると、朝の日差しが灼熱化して、もう外出するのが憚られる。というか、外出すると「危険」な暑さ。これだけ暑いと「シビアなジャズ」を聴く気力がなくなってくる。フリー・ジャズなんてもってのほか(笑)。ハードバップだって、なんだか暑苦しい。
ということで、やっぱり、夏はボサノバ・ジャズ、である。ここバーチャル音楽喫茶「松和」では、以前「夏はボサノバ・ジャズ」のシリーズ記事を継続していた。2020年8月20日の「その31」まで記事化してきたが、当時、そこでネタ切れで休止した。が、この4年で記事ネタも再収集を完了。この酷暑ゆえ、今年、復活します。
The Dave Brubeck Quartet『Bossa Nove USA』(写真左)。1962年1, 10月の録音。ちなみにパーソネルは、Dave Brubeck (p), Paul Desmond (sax), Eugene Wright (b), Joe Morello (ds)。名盤『Time Out』を産んだ、ブルーベックの「最強のカルテット」によるボサノバ・ジャズ集である。
ブルーベック・カルテットは「リズム&ビートに強い」。名盤『Time Out』で変則リズムにいとも容易く適応する「最強のカルテット」である。ボサノバのビートに対応するのもお手のもの。全く違和感無く「ブルーベック・カルテットらしい」ボサノバのリズム&ビートを、モレロの切れ味良いドラムとライトの堅実にスイングするベースが供給する。
そして、ブルーベック・カルテットは「作曲&アレンジが秀逸」。ボサノバの名曲のアレンジ、ブルーベックによるボサノバ曲、どちらも聴き味良く、良質のボサノバ・ジャズを提供してくれる。アレンジについては、ボサノバ曲における、硬質でスクエアにスイングするブルーベックのピアノと、流麗でウォームだが、しっかり芯の入ったデスモンドのアルト・サックスの使い分けが絶妙。
ブルーベック・カルテットは、ボサノバ曲の雰囲気に安易に流されず、安易にコピーせず、カルテット独自のボサノバのリズム&ビートの解釈と、ボサノバ曲の要素を「ジャズ」に取り込み、カルテットならではのボサノバ・ジャズに、きっちりアレンジし切っているところが素晴らしい。
1960年代、米国ジャズの中で、大量のボサノバ・ジャズ盤が作成されリリースされたが、その内容的には、このブルーベック・カルテットの『Bossa Nove USA』は、屈指の出来、と言える。
我が国では、ブルーベックのボサノバ盤というだけで、スルーされる傾向にあるが、ボサノバを安易になぞるのではない、あくまで、ボサノバの要素を取り込んで、上質のジャズ化を実現している、この『Bossa Nove USA』は、優れた硬派なボサノバ・ジャズ盤だと僕は思う。
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