2025年11月 8日 (土曜日)

ベツレヘムの異色”ビッグバンド”

カタログを眺めていると、あれっ、と思うんだが、他のジャズ・レーベルに比べて、ボーカルものが多い。なんと、カタログ全体の4分の1がボ-カル盤。つまりは、ベツレヘム・レーベルは「ジャズ・ボーカルの宝庫」。しかし、ビッグバンド・サウンドにも手を出しているのにはビックリした。ベツレヘムのビッグサウンドとはどんなものなのか。興味津々である。

『Art Blakey Big Band』(写真左)。1957年12月、NYでの録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Ray Copeland, Bill Hardman, Idrees Sulieman, Donald Byrd (tp), Frank Rehak, Jimmy Cleveland, Melba Liston (tb), Bill Graham, Sahib Shihab (as), Al Cohn, John Coltrane (ts), Bill Slapin (bs), Walter Bishop, Jr. (p), Wendell Marshall (b)。

端正な、お手本の様なビッグバンド・サウンド。パーソネルを見渡すと、ビッグネームがズラリ。リーダーでドラムのアート・ブレイキー。そして、トランペットにドナルド・バード、トロンボーンのジミー・クリーブランド、アルト・サックスにサヒブ・シハブ、テナーには、アル・コーンとジョン・コルトレーン、ピアノに、ウォルター・ビショップ・ジュニア、ベースにウエンデル・マーシャル。
 

Art-blakey-big-band

 
ビッグバンド・サウンドとして、この盤の面白いところは、「Tippin」と「Pristine」では、アート・ブレイキー率いるクインテット( Art Blakey (ds), feature a quintet of Donald Byrd (tp),, John Coltrane (ts), Walter Bishop Jr.(p), Wendell Marshall (b)) のパフォーマンスがフィーチャーされるアレンジで演奏されていること。これ、聴いていて意外と面白い。

急造のビッグバンドなので、パーマネントなビッグバンドの様な、突出した個性や特色があるという訳では無いが、ビッグネームのソロ・パフォーマンスについては、それぞれの個性をしっかり出して吹きまくるので、それはそれで楽しめる。ブレイキーのドラミングだって、メッセンジャーズでの「ナイアガラ・ロール」よろしく、ブレイキー独特の個性で叩きまくる。これが、また良い。

これだけ、ビッグネームが集まってのビッグバンド演奏である。もちろん、パーマネントなビッグバンドでは無い。このレコーディングの為に集められた急造ビッグバンドである。まとまらなくて当たり前なのだが、これがまあ、端正で迫力満点、テクニック極上のビッグバンド・サウンドに仕上がっているのだから、大したものである。プロデューサーのリー・クラフトと、リーダーのアート・ブレイキーの大手柄だろう。
 
 

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2025年7月26日 (土曜日)

”1970年代JM” のオクテット演奏

ヴァレリー・ポノマレフのトランペット、カーティス・フラーのトロンボーン、ロバート・ワトソンのアルト・サックス、デヴィッド・シュニッターのテナー・サックスの4管フロントに、ブレイキー御大のドラム、ジェームズ・ウィリアムズ-のピアノ、デニス・アーウィンのベースのリズム隊、そして、レイ・マンティラのパーカッションが加わる、という「8人編成(オクテット)」の大所帯の「1970年代のジャズ・メッセンジャーズ」である。

Art Blakey And The Jazz Messengers『In My Prime Vol.1&2』(写真左)。1977年12月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Valery Ponomarev (tp), Curtis Fuller (tb), Robert Watson (as), David Schnitter (ts), James Williams (p), Dennis Irwin (b), Ray Mantilla (perc)。アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズによる1978年の録音。

ブレイキー御大以外、この21世紀のジャズ・シーンにまで、メジャーに生き残ったジャズマンはいないのだが、この1970年代の8人編成のジャズ・メッセンジャーズ、1960年代の鉄壁の3管フロントのセクステットと比肩する、なかなか、迫力のある、上質のハードバップを繰り広げているから痛快である。
 

Art-blakey-and-the-jazz-messengersin-my-

 
1960年代の鉄壁の3管フロントのセクステットの演奏と比べると、ちょっとラフで、ちょっと締まりのないところが見え隠れするが、それでも、4管フロントの迫力と魅力的なユニゾン&ハーモニーと、それぞれの管楽器のアドリブ・ソロが魅力的で、全く気にならない。オクテット一体となった、迫力ある演奏で一気に押し切っていく、という感じの演奏の数々。

そして、アレンジが良いのだろう、この1970年代のオクテットの音、これがしっかりと「ジャズ・メッセンジャーズの伝統的な音と響き」を宿していて、どの曲から聞いても「ジャズ・メッセンジャーズの音と響き」が聞こえてくる。そして、ブレイキーのドラミングを確認して、ああ、やっぱり、この演奏、ジャズ・メッセンジャーズやなあ、と感心する。

1970年代のジャズは、クロスオーバー&フュージョンがメインの時代。それでも、ジャズ・メッセンジャーズは、その演奏スタイルとトレンドを変えなかった。ブレないリーダー、アート・ブレイキー御大。この盤には、1970年代仕様の「ジャズ・メッセーンジャーズのバップとモード」が溢れている。良いアルバムです。
 
 

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2025年7月22日 (火曜日)

JM鉄壁の3管フロントを愛でる

今の耳をもってしても、鉄壁のフロント3管、フレディ・ハバードのトランペット、カーティス・フラーのトロンボーン、ウェイン・ショーターのテナーの演奏力が半端無い。

この時のジャズ・メッセンジャーズの音楽監督が、ウェイン・ショーター。ファンキー・ジャズの代表格だったジャズ・メッセンジャーズにモード・ジャズを持ち込み、ジャズ・メッセンジャーズの音をモードに染め上げた。

Art Blakey & The Jazz Messengers『3 Blind Mice, Vol. 1&2』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Jymie Merritt (b)。

収録曲のライヴ録音日がちょっとややこしくて、Vol.2の「The Promised Land」と「Arabia」だけが、1961年8月17日、NYの「Village Gate」でのライヴ録音。その他が、1962年3月18日、ハリウッドの「Club Renaissance」でのライブ録音。

ブルーノートから、傑作『Mosaic』で立ち上がったとされる、新生ジャズ・メッセーンジャーズ、鉄壁の3管フロントのセクステット編成。このライヴ盤の2枚では、その鉄壁の3管フロントの立ち上げ盤『Mosaic』録音直前のライヴ・リハーサルの2曲と、『Mosaic』録音の5ヶ月後のハリウッドでのライヴ音源が収録されている。
 

Art-blakey-the-jazz-messengers3-blind-mi
 

LP時代は、A面3曲「Three Blind Mice」「Blue Moon」「That Old Feeling」、B面3曲「Plexis」「 Up Jumped Spring」「When Lights Are Low」、全て、1962年3月18日、ハリウッドの「Club Renaissance」でのライブ録音、とシンプル。このLP時代の収録曲だけでも、この時代の3管フロント・セクステットの個性と優秀性が良く判る。

フロント3管の演奏力の凄さに耳を奪われがちだが、シダー・ウォルトンのモーダルなピアノが、演奏全体のモードな展開を牽引している。ウォルトンのピアノこそが、ショーター流のジャズ・メッセンジャーズのモードをいち早く理解し、音として展開している様に感じる。確かに、ウォルトンのピアノをバックにしたショーターは、モード・テナーをとても気持ち良さそうに吹きまくっている。

それと、この鉄壁のフロント3管の中で、トロンボーンのカーティス・フラーが、これだけ、モードに適応するとは思ってもみなかった。フラーはスライド・トロンボーンである。モードの一種複雑で難度の高いフレーズ展開を、いとも容易く吹き上げている様に感じる。フラー恐るべし。

ブレイキー親分は、そんな新しいジャズ・メッセンジャーズのモード・ジャズを、頼もしげにバッキングし、頼もしげに鼓舞する。このジャズ・メッセンジャーズのモードに完全適応したドラミングで、自由度の高いリズム&ビートを叩き出すのが、何を隠そう、このブレイキー親分なのだ。この人のドラミングのテクニック、途方も無い。
 
 

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2025年4月 3日 (木曜日)

BNらしい ”バードランドの夜”

レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、ブルーノートらしい「内容と音と響き」、そんな三拍子揃ったブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく企画。今日はその「第21位」。

Art Blakey『A Night at Birdland vol.1』(写真)。邦題『バードランドの夜』。1954年2月21日、NYのジャズクラブ、バードランドでのライヴ録音。パーソネルは、Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。クリフォード・ブラウンのトランペット、ルー・ドナルドソンのアルト・サックスがフロント2管、シルヴァー=ラッセル=ブレイキーのリズム隊、併せて、クインテット編成。

ここで先に一言。この盤については、どのジャズ盤紹介本でも「ジャズの代表的な演奏トレンドであるハードバップの始まりを記録した盤」としている。いわゆる「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤と評価されている。が、売り文句としては実にキャッチーな表現だが、この盤が記録したライヴ・パフォーマンスを境目に、ハードバップが一気に展開されていった訳ではない。

録音当時、この盤の様なハードバップな演奏が、NYの様々なライヴ・スポットで、演奏され始めていたのだろう。そんな、ビ・バップからハードバップへの「演奏トレンド」の進化を、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンはいち早く感じ取り、いち早く記録に留めたい、と思ったのだろう。そして、その企みは「大成功」。

まず、この盤、ライヴ盤というところが素晴らしい。スタジオ録音だと、何度か録り直しをして完成度を高めることができるので、どうしても「作り出した」感がつきまとう。しかし、ライヴ盤は違う。演奏の「一発録り」なので、臨場感が半端無く、やり直しができないので、この記録された音がその場で演奏された音そのもの、というリアリティーと説得力がある。
 

Art-blakeya-night-at-birdland-vol1  

 
しかし、このライヴ音源、どう聴いても、パッと集まってパッと演奏する、いわゆるジャム・セッション的な演奏では無い。演奏の完成度がとても高い。スタジオ録音に匹敵する完成度の高さ。

ブルーノートはスタジオ録音の場合、リハーサルを十分積むことを義務付けていて、しかもそのリハーサルにもギャラを払う、という徹底ぶり。そうやって、演奏の完成度の高さを担保しているのだが、この『バードランドの夜』も、ライヴではあるが、事前にリハーサル的なライヴを積み上げた結果である様に思う。

恐らく、バンドとしても、ブルーノートとしても、満を持してのライヴ録音だっただろう。録音隊のルディ・ヴァン・ゲルダーも、相当、気合を入れてのライヴ録音に感じる。ダイナミックレンジも申し分なく、楽器の音の生々しさも申し分無い。バードランドの会場の臨場感、空間の広がりも感じる絶妙な録音。音の響きは「ブルーノート・オリジナル」。

ビ・バップからハードバップへの「演奏トレンド」の進化を、スタジオ録音ではなくライヴ録音とし、臨場感とリアリティーと説得力を獲得(ブルーノートらしい内容)。そして、リハーサルを積んだ後の完成度の高い演奏を捉え(ブルーノートらしい音)、ルディ・ヴァン・ゲルダー本気のブルーノート・オリジナル」な音で記録する(ブルーノートらしい響き)。

このライヴ盤は、ブルーノートらしい「内容と音と響き」が、最高の形で整っている、モダン・ジャズの名盤の一枚である。そういう意味で、レココレ誌のブルーノート盤「ベスト100」の「21位」というのはいかがなものか。僕は、このライヴ盤は「第1位」でも良いと思っているし、せめて、ベスト10には必ず入る名盤と評価している。
 
 

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2025年3月15日 (土曜日)

リヴァーサイドのブレイキー・2

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and the Jazz Messengers)。意外と人気が無いなあ、と感じる今日この頃。ネットの記事を眺めてみても、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのアルバムを取り上げるブロガーが少ないなあ、と感じるのは僕だけだろうか。

ブルーノート時代の諸作はまだ良いのだが、その他のレーベルに記録されたジャズ・メッセンジャーズのアルバムについては実に地味。ジャズ・メッセンジャーズの諸作は、長い活動期間を通じて、駄作・駄盤の類は殆ど無いんですけどね。

Art Blakey and The Jazz Messengers『kyoto』(写真左)。1964年2月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Reggie Workman (b), Wellington Blakey (vo, track 3 only))。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズである。

リヴァーサイド・レコードでの「3部作」のラスト。『Caravan』『Ugetsu』と来ての3枚目。1960年代の「伝説の3管フロント時代」。トランペットはフレディ・ハバード。この盤でのハバードは、『Caravan』『Ugetsu』と続く「ほど良く抑制されたハバード」。ほど良く抑制されたハバードは無敵である。この盤でも、ハバードは「抑制の美」を吹き上げる。
 

The-jazz-messengerskyoto

 
3曲目の「Wellington's Blues」が男性ボーカル入り。ジャズ・メッセンジャーズの演奏にボーカル入りは似合わない。LP時代で言うとA面のラスト(3曲目)。なぜここに男性ボーカル入りの楽曲を持ってきたのか。プロデュースの方針に疑問を感じる。このボーカル入り曲の存在で、この盤は損をしている印象は拭えない。

逆にLP時代のB面、CDでの4〜5曲目「Nihon Bash」〜「Kyoto」の演奏が充実している。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズの良さが横溢している。充実の3管フロント、鉄壁のブレイキー御大率いるリズム隊。ジャズ・メッセンジャーズ仕様のモード・ジャズがこれでもか、と展開される。

完璧充実のリヴァーサイドのジャズ・メッセンジャーズ。この『kyoto』で、突如、終焉を迎える。社長のビル・グラウアーが、1963年12月に突然の心臓発作で亡くなり、会社は1964年7月に自主破産を申請した為である。

しかし、ジャズ・メッセンジャーズの発展を記録したブルーノートの諸作と併せて、ジャズ・メッセジャーズの成熟を記録したリヴァーサイドの3部作は、ジャズ・メッセンジャーズにとっての貴重な記録である。
 
 

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2025年3月14日 (金曜日)

リヴァーサイドのブレイキー・1

しばらくの間、ちょっとご無沙汰していたのだが、久々に、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and the Jazz Messengers)のアルバムの聴き直しを再開した。どの辺りからだったか。そうそう、1963年、リヴァーサイド・レコードへの録音を始めた頃からである。

Art Blakey and the Jazz Messengers『Caravan』(写真左)。1962年10月23–24日の録音。リヴァーサイド・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Cedar Walton (p), Reggie Workman (b)。1960年代の「伝説の3管フロント時代」のジャズ・メッセンジャーズである。

改めて、1960年代の「伝説の3管フロント時代」とは、フレディ・ハバードのトランペット、ウェイン・ショーターのテナー、カーティス・フラーのトロンボーンの3管フロントに、シダー・ウォルトンのピアノ、レジー・ウォークマンのベース、そして、リーダーのブレイキー御大のリズム隊のセクステット編成。

リヴァーサイドからの第一弾のアルバムなんだが、ブルーノート時代と内容は変わらない。充実の3管フロント、鉄壁のブレイキー御大率いるリズム隊。「伝説の3管フロント時代」のセクステットの基本は「モード」。ジャズ・メッセンジャーズ仕様のモード・ジャズがブワーッと展開される。3管フロントのユニゾン&ハーモニーが芳しく、3管フロントのソロ・パフォーマンスが凄まじい。
 

The-jazz-messengerscaravan

 
聴いていて面白いのは、ハバードのトランペット。ハバードは基本的に目立ちたがり屋なので、周りへの配慮は皆無、常にグイグイ前へ出てくるのだが、ブレイキー御大の下では、周りの音を聴き、演奏全体の展開を慮りながら、抑制された超絶技巧なトランペットを吹く。これが良い。実は、ほど良く抑制されたハバードは無敵である。恐らく、リーダーのブレイキー御大はそれを良く判っていて、ハバードを指導していたのだろうと思われる。

そして、この盤では、ブレイキー御大のドラムの出番が多い。ブルーノート時代はアンサンブル中心だったが、このリヴァーサイド盤では、結構、長尺&短尺、様々なイメージのドラムソロも織り交ぜて、意外とブレイキー御大のドラミングがしっかりと前面に押し出されている。そういうプロデュースなんだろうが、それまでのブレイキー盤と比べて、ブレイキー御大のドラミングの個性と特徴が良く判る。

この盤に「これ一曲」を選ぶとすれば、やはりタイトル曲の「Caravan」だろう。最強力な3管フロントがカッコよくユニゾン&ハーモニーを奏で、ブレイキー御大のドラムがそんなフロントをモーダルに煽る。ウォルトンのピアノがモーダルな雰囲気の拍車をかけ、ウォークマンのベースが、バンド全体のベースラインを一手に引き受ける。モーダルで柔軟なソロの交歓に時間を忘れる。

ブレイキー御大のドラミングが「タクト代わり」。ブレイキー御大のドラミングで、様々なニュアンス、様々な表情のモード・ジャズが展開される様は見事という他ない。ブルーノートのジャズ・メッセンジャーズと比べて、全く引けを取らないリヴァーサイドのジャズ・メッセンジャーズがこの盤に詰まっている。
 
 

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2025年2月10日 (月曜日)

ブルーノートらしさ満載の盤

ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。そんなブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく当ブログの企画。今日はその「第13位」。

Art Blakey and The Jazz Messengers『Moanin'』(写真左)。1958年10月30日の録音。ブルーノートの4003番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Art Blakey (ds)。サックスのベニー・ゴルソンが音楽監督と務めた、ジャズ・メッセンジャーズの最初のピークを迎える黄金メンバーの最初のアルバム。

ファンキー・ジャズの名盤中の名盤、として、様々なところで語り尽くされた盤ではあるが、このアルバムが録音されたのは1958年。アート・ブレイキー以下、バンドのメンバーが皆、「ファンキー・ジャズ」なアルバムを作るぞ、と意気込んで録音した訳ではないだろう。

のちのジャズ評論家が、このアルバムを聴いて、我が国の音楽関係者の大好きな「音楽のジャンル分け」の中で、このアルバムって、ファンキー・ジャズだよね、と分類分けして、その内容が抜群に良かったので、ファンキー・ジャズの名盤中の名盤、と後付けで評価されただけのこと。

よくよく、しっかりと聴き直すと、LPのA面の3曲「Moanin」「Are You Real」「Along Came Betty」は、コール・アンド・レスポンス、チェイス、ブルージー濃厚な音の響き、など、ファンキー・ジャズの重要な音要素がしっかり備わっている。
 

Artblakeyandthejazzmessengersmoanin

 
そして、このファンキー・ジャズの重要な音要素をさらに増幅し、ファンキー・ジャズの音の重要要素である「ファンクネス」を引き立てる「ゴルソン・ハーモニー」という、ベニー・ゴルソン独特の音の重ね方をベースにしたアレンジ手法が採用されていて、このゴルソン・ハーモニーの存在こそが、この盤を「ファンキー・ジャズの名盤中の名盤」とされる、最大の要因である。

逆に、LPのB面の3曲「The Drum Thunder Suite」「Blues March」「Come Rain or Come Shine」は、ファンキー・ジャズというよりかは、上質な、完成度の高いハードバップと評価した方が据わりが良い。

「The Drum Thunder Suite」は、リーダーのブレイキーのドラミングをフィーチャーした、優れものの組曲だし、「Blues March」はコマーシャルでキャッチーなハードバップ・マーチだし、「Come Rain or Come Shine」は、実にしっとりとした静的なハードバップの名演である。

で、この盤について、当時の「ブルーノートらしさ」を醸し出す3要素、「ルディ・ヴァン・ゲルダーの創るブルーノートの音」、「リハを積んだことによる演奏の質の高さ」、「キメのアレンジの優秀性」、この3要素を照らし合わせてみると、この3要素がバッチリ揃っている。

ジャケも、ブレイキーのどアップで趣味が悪い、という向きもあるが、僕は、このジャケ、ジャズっぽくて良い、と評価している。このアルバムには、ブルーノートらしさが蔓延している。ファンキー・ジャズの名盤の一枚とするより、ブルーノート4000番台の名盤の一枚とした方が良いくらいだ。ブルーノート盤の「ベスト100」のベストテン圏内くらい、ブルーノートらしい盤である。
 
 

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2024年12月29日 (日曜日)

今一度『Moanin’』を聴き直す

モダン・ジャズ期の名盤の数々が、再リマスターされたり、廉価盤になって再発されたりで、サブスク・サイトを賑わしている中で、ほほう、これは懐かしいなあ、と、暫く聴き直したことの無かった「ハードバップ期のファンキー・ジャズの名盤」に出くわした。

Art Blakey and The Jazz Messengers『Moanin'』(写真左)。1958年10月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Art Blakey (ds)。サックスのベニー・ゴルソンが音楽監督と務めた、ジャズ・メッセンジャーズの最初のピークを迎える黄金メンバーの最初のアルバム。

ベニー・ゴルソンを音楽監督に迎えることによって、親分のブレイキーを含め、日頃の生活から演奏時まで、怠惰な面を排除し、音楽に演奏に100%注力する姿勢をメンバー全員に浸透させ、ゴルソン自身は後に「ゴルソン・ハーモニー」と呼ばれる、ゴルソン独特のユニゾン&ハーモニーに形式を編み出し、それをこのジャズ・メッセーんジャーズの演奏に全面適用している。これが「大当たり」になる。

このゴルソン・ハーモニーに加え、前走にコール&レスポンスの演奏方式を適用させ名曲&名演になった曲がタイトル曲の「Moanin'」。超有名な前奏のコール&レスポンス。これはゴルソン・ハーモニーが適用されていて、ユニゾン&ハーモニーが独特の響きと音の重ねが、このコール&レスポンスをさらに印象的なものにしている。そして、テーマ部の演奏に入ると、チェイスという演奏方式にゴルソン・ハーモニーが適用され、このチェイスの部分が、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性として、新しい響きを醸し出す。
 

Art-blakey-and-the-jazz-messengersmoanin

 
続く「Are You Real」もゴルソン・ハーモニーを効果的に配し、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性的な音で、チェイスを多用することによって疾走感を押し出す。その疾走感をブレイキー親分の個性的なバップ・ドラミングでさらに推し進め、フロント2管のモーガンのトランペットと、ゴルソンのテナーを鼓舞しまくる。

以降、「Along Came Betty」から「Come Rain or Come Shine」まで、どの曲にもゴルソン・ハーモニーが要所要所で適用され、全ての曲において、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性的な音で彩られる。

そして、このゴルソン・ハーモニーの音の響き、音の重ねかたは明らかに「ファンクネス濃厚」、いわゆるファンキーな響きと音の彩りが濃厚なので、この『Moanin'』は、ファンキー・ジャズの名盤と歌われるのだ。この頃のジャズ・メッセンジャーズ=ファンキー・ジャズの公式は、ゴルソン・ハーモニーとゴルソンの音楽監督としての優れたアレンジの適用の産物である。

そして、「The Drum Thunder Suite」と「Blues March」は、ブレイキー親分のドラミングを全面的にフィーチャーしていて、ブレイキーのバップ・ドラミングが心ゆくまで堪能することができる。このブレイキー独特なドラミングと「ナイアガラ・ロール」と呼ばれる得意技は、ジャズ・メッセンジャーズ独特の個性と音の響きとして、ブレイキーが亡くなるまで、バンド・サウンドに君臨することになる。

やはり、この『Moanin'』は、ファンキー・ジャズの名盤として良い。今の耳で聴き直しても古さは感じない。演奏メンバーの演奏レベルもかなりの高さで、演奏内容、演奏精度としても最高位に位置するものだと感じている。
 
 

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2024年10月30日 (水曜日)

お蔵入りに「成熟」を聴くJM

ショーターが、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(以降、JMと略)の「新・音楽監督」として残したショーター流モード・ジャズは、モーガンのトラペット、ショーターのテナーの「2管フロント」時代と、トロンボーンのフラーを追加した「3管フロント」時代と、2つの時代に分けることが出来る。今回は「2管フロント」時代のお蔵入り盤のレビューである。

Art Blakey and The Jazz Messengers『The Witch Doctor』(写真左)。1961年3月14日の録音。1967年のリリース。ブルーノートの4258番。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp, flh), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。モーガンのトラペット、ショーターのテナーが2管フロントのクインテット編成。

この1961年3月14日のセッションは、録音後、丸々、お蔵入りになっている。もともと1961年のJMはブルーノートを中心にかなりの量の録音を残している。お蔵入りになったのは、あまりの乱発になるのを防ぐ為だったのだろう。しかし、内容は一級品揃いで充実しているものばかり。お蔵入りにしっぱなしでは惜しいので、徐々に蔵出しイシューしていった。その一枚がこの盤である。
 

Art-blakey-and-the-jazz-messengersthe-wi

 
まだ3管フロントになる直前(約3ヶ月後に3管フロントになる)、2管フロントのショーター流モード・ジャズなJMである。内容はかなり充実していて、一言で言うと「2管フロントのショーター流モード・ジャズ」の成熟を聴くことが出来る好盤である。スタジオ録音後、即アルバム化された『A Night in Tunisia』が、1960年8月の録音なので、それより、7ヶ月も後なので、『A Night in Tunisia』と比較すると、やはり、「2管フロントのショーター流モード・ジャズ」は更に成熟度を増している。

特に、新・音楽監督でもあるショーターのテナーの迫力が凄い。分厚い切れ味の良いラウドな音で、本家本元のショーター流モード・ジャズのモーダル・フレーズを吹きまくっている。このショーターのテナーの吹きまくりが凄い。ショーターのテナーは意外に冷静沈着な風情のモーダル・ブロウが印象的なんだが、この盤ではエネルギッシュでバイタルでモーダルな吹きまくりが凄い。

ショーター流モード・ジャズに完全適応しているモーガンのトランペットももちろん素晴らしいパフォーマンスなのだが、それを凌駕するショーターのテナーがグイグイ前へ出てくる。クインテットのグループ・サウンズという面では、ちょっとショーターが前面に出過ぎたきらいがあるので、それがお蔵入りになった理由かもしれない。
 
 

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2024年10月29日 (火曜日)

インパルスのモーダルな「JM」

ブレイキーは、リーダーでありながら、バンドの演奏トレンド、演奏志向には口を出さなかった。ジャズ・メッセンジャーズ(JM)のそれぞれの時代で、メンバーの中から「音楽監督」的立場のメンバーを選び出し、バンドの演奏トレンド、演奏志向は、この「音楽監督」に任せて、一切、口を挟むことは無かった。

『Art Blakey and the Jazz Messengers(1961 album, Impulse!)』(写真左)。1961年6月13, 14日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。モーガン、フラー、ショーターの3管フロントのセクステット編成。

1960年3月6日録音の『The Big Beat』から参加したウェイン・ショーター。ベニー・ゴルソンに代わる「新・音楽監督」として、辣腕を振るう。『Moanin'』で一世を風靡した、ファンキー・ジャズの旗手的存在だったジャズ・メッセンジャーズに、当時、ジャズ奏法の最先端だった「モード・ジャズ」を徐々に導入して行った。
 

Art-blakey-and-the-jazz-messengers1961-a

 
バリバリのファンキー・ジャズをやっていたJMが、いきなりモード・ジャズに転身する。ショーターは音楽監督として、徐々にモード・ジャズに対応する作戦に出る。まず、真っ先に、リーダーのブレイキーのドラムがモードに適応、ほどなく、トランペットのモーガンが適応し、フラーがそれに続く。そして、ベースのメリットが何とかモードに対応。しかし、ピアノのティモンズは時間がかかった。

しかし、『The Big Beat』から1年3ヶ月。ティモンズもしっかりモードに対応している。しかも、ブロック・コードを織り交ぜた、独特のモード奏法で、実に個性的なモーダルなパフォーマンスを展開している。この盤は、JMがモードに完全適応した姿を記録していて、演奏全体の雰囲気は、端正で整然として内容の濃い、JMならではのモード・ジャズを展開している。

この盤のセッションで、新・音楽監督のウェイン・ショーターが推進してきた、JM流のモード・ジャズは完成したイメージである。それぞれのメンバーの演奏は充実、完全にモードに適応。ただ、ティモンズのピアノだけが、ショーターのモードではなく、ティモンズ独自のモードで展開しているところが気になると言えば気になる。が、アルバム全体の印象は良好。
 
 

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