レア・グルーヴなキャンディド
キューバのジャズパーカッショニスト、カンディド・カメロのリーダー作。“千の指を持つ男(Thousand Finger Man)”と称された彼が、アフロ・キューバンの強烈なリズムと、当時のアメリカのソウル・ジャズ、ファンクの要素をスタイリッシュに融合させたレア・グルーヴの、後のフュージョン・ファンクを先取りした名盤である。
Candido『Beautiful』(写真左)。1970年10月20 & 27日の録音。ブルーノートの4357番。ちなみにパーソネルは、Candido Camero (conga, bongos), Bernie Glow, Pat Russo (tp), Alan Raph (tb), Joe Grimm (ss, bs), Frank Anderson (p, org), David Spinozza (g), Jerry Jemmott, Richard Davis (el-b), Herbie Lovelle (ds), Joe Cain (arr)。
ファンク系のフュージョン・ジャズの音作りと同傾向の「ジャズの即興演奏よりもダンスやグルーヴに重きを置く」音作りで、ファンキーなオルガン、エレキベース、そしてキャンディドの躍動感あふれるコンガが絡み合うソウル・ジャズ志向、ラテン・ファンク志向のエレ・ジャズ。後のフュージョン・ジャズの要素満載である。
キャンディドのパーカッションは勿論のこと、アフロ・キューバン・リズムの重鎮であるキャンディドを支える、ニューヨークのトップクラスのスタジオ・ミュージシャンたちによるタイトでハイレベルな演奏が素晴らしい。ファンキーなカッティングギター、うねるエレベのグルーヴなライン、パーカッションと完璧にシンクロする重厚なドラムが、キャンディドのパーカッションを逆に映えに映えさせている。
ジョー・ケインのプロデュース&アレンジが抜群。ソウル・ジャズ志向、ラテン・ファンク志向のフュージョン・ファンクな音作りを小粋にお洒落にグルーヴにやっている。オリジナル曲だけでなく当時流行していたポップスやR&Bのカバーも含まれていて、このアレンジも優秀。
2曲目「Tic Tac Toe」は、Booker T. & the M.G.'sの名曲をカバーした、タイトなリズムのファンキーナンバー。初めて聴くと、この演奏は、1970年代後半のフュージョン全盛時代の優れたフュージョン・ファンクな演奏と錯覚するくらいの充実した、グルーヴィーなジャズ・ファンク・チューン。
3曲目の「Hey, Western Union Man」は、ジェリー・バトラーのR&Bヒット曲のカバー。洗練されたフィラデルフィア・ソウルと、アフロ・キューバンの熱いダイナミズムが見事にクロスオーバーした、アルバム随一のファンキー・トラック。分厚いホーン・アンサンブルとコンガの掛け合い、スピノザのカッティングギター、ジェモットによる重厚な「イカした低音」のエレベ。
キャンディドが主役でありながら、ソロで目立つのでは無く、「強力なニューヨークのバックバンドのキーマン」として、アンサンブルのグルーヴを、パーカッションで増幅させる役割に徹している。これが、このアルバムを「レア・グルーヴの名盤」化しているのだ。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。













最近のコメント