2025年10月10日 (金曜日)

クロスオーバーなビッグバンド

ジャケットの左上の小さな文字を見ると「Tosiyuki MIyama & New Hard Plays Chikara Ueda」とある。つまり、このアルバムは、日本を代表するビッグバンドである宮間利之&ニューハードが、作・編曲に 上田力氏を迎え、フュージョン・サウンドに挑戦した作品なのだ。僕としては、ジャズを本格的に聴き始めた頃の、懐かしいアルバムの1枚である。

宮間利之とニュー・ハード・オーケストラ『Big Stuff』(写真左)。1980年の作品。Electric Birdレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、ビッグバンドである「宮間利之とニューハード」に、清水靖晃(ts), 直居隆雄 (g), 山木秀夫 (ds), 神村英男 (cor), 納見義徳 (per) 等が参加。

ビッグバンド・サウンドのフュージョン化、などと、当時は評価されたが、今の耳で聴くと、クロスオーバー・ジャズ志向のコンテンポラリーなビッグバンド・サウンドだろうと思う。8ビートがメイン、電気楽器を前面に押し出した、エレ・ジャズ志向だが、ポップなロック風のグルーヴも見え隠れして、これ「クロスオーバー・ビッグバンドでしょ」と、聴いていて直感的に感じた。
 
冒頭「Samboogie」から、格好良く切れ味の良いギター・カッティングがカッ飛ぶ。熱気溢れるラテンなパーカッションが盛り上げるグルーヴ感の中、ニューハードのビッグバンド・サウンドが炸裂する。清水のテナーソロも躍動感溢れ、ダンディズム溢れる音色で魅了する。この冒頭の1曲だけで、この盤の雰囲気が決定付けられる。
 

Big-stuff

 
続くタイトル曲「Big Stuff」は、エレクトリックなビッグバンド・ブルース。小粋で映えるブレイクを重ねながら、ブルージーなベースラインが練り歩く。3曲目の「Sunset Vally」は、これぞ、ソフト&メロウな「フュージョン・ビッグバンド」な音世界。ダイナミックでパンチの効いたクロスオーバー・ビッグバンドなサウンドが魅力の「Mystery Cat」。

正統派ビッグバンドな響きの中、電気楽器が効果的に絡む「Walking Stone」。エレクトリックなビッグバンド・サウンドが効果的に響く、秀逸なサンバ・フュージョンな「Mas Quero Dancar (But Dancing)」。そして、魅力的な重厚ファンキー・ベースに、カッティング・ギターが絡む、バックにビッグバンド・サウンドが格好良く漂う「So Fine」。

ニューハードが放つ分厚く圧巻のビッグバンド・サウンドと、洗練されたクロスオーバー&フュージョン・サウンドの融合がバッチリ「はまった」、独特の、唯一無二の「クロスオーバー&フュージョン・ビッグバンド」の目眩く音世界。

DJ/クラブカルチャー・シーンで高く再評価されているアルバムの1枚で、当時の日本のクロスオーバー&フュージョン・ジャズのレベルの高さが窺い知れる好盤です。
 
 

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2025年9月24日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・298

フュージョン・エレギのレジェンドの1人、マイク・スターン。2024年、ジャズ、アフリカ音楽、ゴスペルなどを取り込んだ、エレクトリックな「ワールド・ミュージック」志向のジャズがメインの、スターンの代表作の1枚であろう好盤をものにしている。

MIke Stern『Echoes and Other Songs』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Mike Stern (el-g, vo), Chris Potter (ts), Bob Franceschini (sax), Jim Beard (ac-p, key), Christian McBride (b), Antonio Sanchez (ds), Leni Stern (ngoni), Arto Tunçboyacian (perc), Richard Bona (ac-b, vo), Dennis Chambers (ds)。

バックを固めるメンバーが隅に置けない。テナー・サックスに現代の中堅クリス・ポッター、ベースに現代のファーストコールのクリスチャン・マクブライド、ドラムに現代の代表的ドラマーのアントニオ・サンチェス、ピアノ&キーボードにジム・ベアード、あと、目立つところとして、ベース&ボーカル担当にリチャード・ボナ、ドラム担当に、デニス・チェンバース。

目新しいところでは、ドイツの女性ギタリストのレニ・スターンが「ngon (ンゴニ)」を弾いている。ちなみに「ngon (ンゴニ)」は、アフリカの西部に伝わる伝統的な弦楽器の名前。アルメニア系アメリカ人[のアルト・ツンチボヤジヤン(Arto Tunçboyacia)がパーカッションを担当している。

この2人とリチャード・ボナの存在で、このアルバムには、例えば、パット・メセニー・グループ(以下PMG)の音世界に代表される、エレクトリックな「ワールド・ミュージック」志向のネイチャー・ジャズ、が入っていると想像する。

それがズバリ「当たり」で、冒頭の「Connections」のイントロのアコギの響きが既に「ワールド・ミュージック」志向。そこに、骨太テナー・サックスがメインストリームなフレーズを連発し、スターンのエレギがそれに追従し、ユニゾンで絡む。筋金入りフュージョンなスターンのギターが乱舞する。

続く「Echoes」「Stuff Happens」「Space Bar」は、一転、アーバンなコンテンポラリーな純ジャズな演奏だが、フレーズの響きがジャジーでは無い、「ワールド・ミュージック」志向っぽく、魅力的な演奏に仕上がっている。この3曲、いずれもスターンのエレギがバッチリ、キマっている。
 

Mike-sternechoes-and-other-songs

 
5曲目「I Hope So」から、一転、エレクトリックな「ワールド・ミュージック」志向のジャズに立ち戻る。ボナのボーカルが凄く効果的。どっぷり「ワールド・ミュージック」志向のネイチャー・ジャズの雰囲気が蔓延する。そこに、スターンのギターが滑り込んでくる。ニュー・ジャズ的なフレーズは、どこか郷愁を感じさせる、センチメンタルで耽美的な、それでいて、エネルギッシュなフレーズの連発。名演である。

6曲目「Where's Leo?」は、アーバンなコンテンポラリーな純ジャズな演奏に立ち戻るが、出てくるフレーズが、どこか「ワールド・ミュージック」志向にねじれているところが面白い。スターンのエレギのパフォーマンスが素晴らしい。

7曲目「Gospel Song」は、ゴスペルチックな敬虔な響きが印象的な演奏。だが、ファンクネスを極力排除して、演奏のテンポをスローに落とし、「ワールド・ミュージック」志向のネイチャー・ジャズな雰囲気の「ゴスペル・ソング」に仕立て上げている。アレンジが優秀。

8曲目「Crumbles」は、ECMレーベルのニュー・ジャズを彷彿とさせる、ニュー・ジャズな即興演奏とフリー・ジャズ、破調のモードを上手くミックスさせた、アーバンなコンテンポラリーな純ジャズな演奏。それぞれの演奏力が問われる難曲だが、皆、いとも容易く対応している。

9曲目「Curtis」から、再び、エレクトリックな「ワールド・ミュージック」志向のネイチャー・ジャズに立ち返る。ここでも、ボナのボーカルが凄く効果的。どっぷり「ワールド・ミュージック」志向のネイチャー・ジャズの雰囲気が蔓延する。続く10曲目「Could Be」も、アーバンよりだが、リズム&ビートが「ワールド・ミュージック」志向。面白い曲。

で、ラストの11曲目「Could Be」は、まるで、セロニアス・モンクのオリジナルの様な、どこから聴いても「モンク・ミュージック」な演奏。思わず、ニンマリしてしまう。リズム&ビートが「ワールド・ミュージック」志向で、ワールド・ミュージックなビートで奏でられる「モンク・ミュージック」の様な演奏で、実にユニーク。

2016年7月、自宅周辺で転倒し、右腕の自由を失う大怪我をしたという報に接した時には、もうギタリストとしては活動できないのでは、と懸念したが、必死でリハビリを続け、ピックを指に貼り付けるなどして、ついに復帰を果たした。執念の現役復帰、その努力が今回の好盤を生んだ。良いアルバムです。
 
 

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2025年8月18日 (月曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その41

サンバの新しいスタイルとしての「ボサノヴァ」をただ歌いたかったジョアン。「ボサノヴァ」での米国での成功を夢見て、英語で「ボサノヴァ」を歌い、米国ジャズマンのサポートを得て、米国で「ボサノヴァ」を広めていったカルロス・ジョビン。

2人の「ボサノヴァの神様」の「ボサノヴァ」をポピュラーなものにしていく為の方向性の違いが、明確にあった訳だが、この盤は、ただ「ボサノヴァ」を歌いたかったジョアンの米国ジャズに接近した、ボサノヴァ・ジャズの名盤。

Joao Gilberto『Amoroso』(写真左)。1977年の作品。ちなみにパーソネルは、主なメンバーとして、João Gilberto (g, vo), Ralph Grierson (key), Milcho Leviev (syn), Bud Shank (fl), Grady Tate (ds), Paulinho Da Costa (perc), Claus Ogerman (arr, cond), バックにオーケストラが付く。

この盤に詰まっている音世界、ボサノヴァの雰囲気が全面的に押し出されていて、一聴すると、これ、ボサノヴァ・ミュージックか、と思うんだが、リズム&ビートの付け方、アドリブ展開の存在、ジャズっぽいバックの弦オーケストラ。純粋なボサノヴァ・ミュージックでは無いと感じる。そして、パーソネルを見て、ボサノヴァと米国ジャズとの効果的な融合の成果だということを理解する。
 

Joao-gilbertoamoroso

 
ジョアンのボサノヴァ・ギターの素晴らしさは言うまでも無く、ジョアンのボサノヴァ・ボーカルは殊の外、素晴らしい。「Tin Tin Por Tin Tin」を聴けばそれが良く判る。ジャズ・スタンダード曲「'S Wonderful」魅力的な「ソフト&メロウなボッサ」に変貌させた秀逸なアレンジも良好。「Wave」「Caminha Cruzados」「Triste」「Zingaro」の、カルロス・ジョビン名曲カヴァー4連発が出色の出来。

録音年は1977年。フュージョン・ジャズの全盛期で、この盤では「ボサノヴァ」が持つソフト&メロウな雰囲気が、フュージョン・ジャズと上手く合致して、この盤は、ボサノヴァなフュージョン・ジャズとしても十分、評価出来る内容である。ちなみにストリングスのアレンジは「クラウス・オガーマン」。プロデューサーは、トミー・リピョーマとヘレン・キーン。

サンバの新しいスタイルとしての「ボサノヴァ」をただ歌いたかったジョアンの意向が如実に反映されたボサノヴァ・ジャズ。米国ジャズの雰囲気やリズム&ビートを取り入れてはいるが、「ボサノヴァ」の基本の雰囲気やリズム&ビートは決して崩さず、しっかり残した上で、米国ジャズの雰囲気を取り込む、そんな雰囲気のボサノヴァ・ジャズが展開されている。ボサノヴァ・ジャズの名盤の1枚です。
 
 

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2025年8月16日 (土曜日)

ハンガリーの怪人ギターの好盤

Gabor Szabo =「ガボール・ザボ」と読む。不思議な響きの名前である。ハンガリーの怪人。ブダペストの生まれ。ジャズ、ポップ、ロック、ハンガリー音楽を融合させたスタイルがユニークな、ハンガリー系アメリカ人のギタリストである。国籍不明、ジャンル不明な、硬質でロックっぽい、ちょっと「ヘタウマ」なギターが個性。

1956年のハンガリー動乱の後、米国カリフォルニア州に移住、1958年から1960年までボストンのバークリー音楽大学で学び、その後チコ・ハミルトン楽団で活動。チコのバンドを脱退以降、インパルス・レコードと契約、リーダー作を数々リリースしていく。

Gabor Szabo『High Contrast』(写真左)。1970年12月と1971年2月の録音。ちなみにパーソネルは、ábor Szabó (g), Bobby Womack (g), Mark Levine (p), Wolfgang Melz, Phil Upchurch (b), Jim Keltner (ds), Felix "Flaco" Falcon (congas), Carmelo Garcia (tom-tom, Timbales), Rene Hall (string arr), The Shadow (a.k.a.Tommy LiPuma) (tambourine, perc, record producer)。

不思議な響きのギター全開。従来からの聴き馴れたジャズ・ギターの音色がしない。アドリブ展開やフレーズも従来のジャズ・ギターのそれでは無い。独特の展開、独特なフレーズ。マイナー調な響きがエキゾチックで、ジャジーっぽさが無い。どちらかと言えば、欧州の民俗音楽的な響きがする。
 

Gabor-szabohigh-contrast
 

この『High Contrast』は、ザボのギターの個性が手に取るように判る。とにかく、ギターの音がユニークで、従前の純ジャズっぽさは全く無い。パッキパッキ硬質で欧州の民俗音楽的な響きは、どちらかと言えば、プログレッシヴ・ロック系のギターの音だったりする。しかし、これが結構、癖になる。

冒頭に、1976年にジョージ・ベンソンが大ヒットさせることになる「Breezin'」のオリジナル・バージョンが収録されている。これが結構、話題に鳴っているみたいだが、ベンソンの「Breezin'」の骨格の様な演奏が実に潔い。この印象的なフレーズを持った楽曲に漂う、欧州の民俗音楽的な響きが、ザボの演奏では色濃く、このオリジナル・バージョンもなかなかに聴き応えがある。

ラテン・テイストを醸しだすジャズ・ロックあり、ジャズ・ファンクあり、ソウルフルなフュージョンあり、バラエティーに富んだ内容だが、ザボの怪人ギターが一本筋を通していて、アルバム全体に統一感がある。そして、その統一感を確固たるものとし、この盤で、ザボのギターを映えに映えさせるプロデュースを、プロデューサー名人、トミー・リピューマがその力を存分に発揮している。

ザボの怪人ギターが相当に癖があるので、従来の純ジャズ・ギターが全て、というジャズ者の方々には、異端も異端、認めたくないギターだろうが、このギターの音色、フレーズも「ジャズ」である。ソウル・ギターの大御所ボビー・ウーマックとの共演も好要素として作用していて、良い感じ。この盤、硬派なクロスオーバー&フュージョンなアルバムとして、なかなか聴き応えのある内容です。 
 
 

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2025年7月 4日 (金曜日)

モラーツとブルフォードのデュオ

英国の音楽シーンの面白いところは、ジャズとロックの境界が曖昧なところ。ロックのミュージシャンがジャズをやったと思ったら、クロスオーバー&フュージョン志向のミュージシャンがロックをやったりする。

Moraz & Bruford『Music for Piano and Drums』(写真左)。1983年10月の録音。 E.G. Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Patrick Moraz (ac-p), Bill Bruford (ac-ds)。当時、ムーディー・ブルースに在籍していた、スイス出身のパトリック・モラーツのキーボードと、当時、キング・クリムゾンに在籍していた、英国出身のビル・ブルフォードのドラムのデュオ演奏になる。

ここまでのアルバム情報を見ると、プログレッシヴ・ロックの範疇のデュオ盤かとも思うんだが、聴いてみると判るが、このデュオ盤、立派にクロスオーバー&フュージョン・ジャズしているんで、ちょっとビックリする。 E.G. Records(英)からのリリースと言うことで、ここでも英国におけるジャズとロックの境界線が曖昧なところが顕著に表れていると見た。

演奏の基本は「即興演奏」をメインとしていて、演奏される内容としては、叙情的なフュージョン・ジャズ志向の楽曲もあれば、ちょっとアブストラクトにフリーに展開する即興ジャズ志向の楽曲もあれば、クラシック風に展開する楽曲あれば、現代音楽風にブレイクする楽曲もあり。
 

Moraz-brufordmusic-for-piano-and-drums

 
で、これらの演奏をアコースティック・ピアノと、アコースティック・ドラムをメインにデュオ演奏しているのだから堪らない。印象からすると、クロスオーバー&フュージョンなデュオ演奏と評して良いだろう。決して、プログレッシヴ・ロックでは無い。

まず、パトリック・モラーツのアコピがとても良い。多重録音を駆使して、ピアノ音の広がりを印象的なものにしているところも良い。そして、モラーツのピアノのフレーズの「間」を埋めるように、即興的にドラムを重ねていく。このブルフォードの職人芸的ドラミングが見事。ポリリズムあり、変則拍子あり、持てる技術の全てを注ぎ込んだ様な神業ドラミングは聴きもの。

二人はそれぞれ異なる時期にイエスのメンバーで(ブルフォードは1968年から1972年、モラーツは1974年から1977年)、1975年にはイエスのベーシスト、クリス・スクワイアのソロ・アルバム『フィッシュ・アウト・オブ・ウォーター』で共演を果たしている。

二人ともバリバリなプログレッシヴ・ロックの住人だったが、その8年後、こんなに素敵なクロスオーバー&フュージョン志向の「ピアノとドラムのデュオ演奏」を残すのだから、ジャズとロックの境界が曖昧な英国の音楽シーンは隅に置けない、とつくづく思う。
 
 

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2025年6月29日 (日曜日)

フュージョン名盤の一枚かと...

モダン・ジャズ、クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇の中の名盤・好盤の中で、ギターに特化して評価できるアルバムをピックアップして紹介している、今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」。そこに「ロベン・フォード」の名前がある。懐かしい、と思って、まだ、当ブログで記事化していない、彼の初リーダー作をしっかりと聴き直す。

Robben Ford『The Inside Story』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、Robben Ford (g, vo; el-p), Alan Rubin (tp), Tom Malone (tb, bs), Lou Marini *as, ts), Russell Ferrante, Steve Perry a.k.a. Stephen Sea (syn), Mark Ford (harmonica), Jimmy Haslip (b), Ricky Lawson (ds, perc). Vander "Starz" Lockett, Tommy Vig (perc)。

ロベン・フォードの名を一躍、フュージョン・ファンに知らしめた初リーダー作。邦題「ギターに愛を」。めっちゃ恥ずかしい邦題であるが、内容は充実。楽しい演奏、そして、個性もしっかり出ている。「ジャズとロックの両方のにうまく足を踏み入れた、エレキギター(エレギ)の名手」という表現がピッタリの、スタジオ・プレイヤー上がりのロベン・フォードのエレギ。そんなロベン・フォードのエレギが堪能できる。
 

Robben-fordthe-inside-story

 
耳あたりの良い洗練されたフュージョン・エレギのオン・パレード。歌心のある柔らかなフレージングが持ち味。泣きのギターに職人芸的テクニックが見え隠れ。さすが、スタジオ・プレイヤー上がりである。今の耳にも古さは感じさせず、しっかりと訴求する。アタック強めで、フレーズがしっかり耳に残り、あまりポップではなく、当時の「ソフト&メロウ」がメインの「フュージョン・ジャズ」っぽくなくて、これがまた良い。

彼の個性の一つ「ブルース・フィーリング」もそれとなく濃厚で、1979年という、フュージョン・ジャズ全盛期に、安易に「ソフト&メロウ」に流れない、意外と硬派なフュージョン・ギターの出現やなあ、と、例の秘密の喫茶店で感心したのを思い出した。それほど、この初リーダー作に、ロベン・フォードの個性の全てが詰まっている。

バックのメンバーは、後のイエロージャケッツのメンバー。フュージョン・ジャズ全盛時、カールトンやリトナーは結構、FMでオンエアされるのに、ロベン・フォードは殆どオンエアされず。当時、ロベン・フォードの知名度はイマイチだった記憶がある。が、このロベン・フォードの初リーダー作は「良い」。聴き込み甲斐が大いにある作品です。フュージョン名盤の一枚かと。
 
 

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2025年6月24日 (火曜日)

ベンソンの ”ブリージン” 再聴

今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」に載っている、ウエス・モンゴメリーの名盤を聴き直していて、ふと「ジョージ・ベンソン」のギターが聴きたくなった。

ジョージ・ベンソンは、ウエス・モンゴメリーの後継者と言われた「ジャズ・ギターのレジェンド」。ベンソンは、ウエス・モンゴメリーに多大な影響を受けたジャズ・ギタリストであり、ウエスを心より敬愛しているギタリストである。つまり、ウエスを聴いたら、次はベンソン」が定番なのだ(笑)。今回は、ベンソンの「ジャズ・ギター」に着目して、このフュージョン名盤を再聴した。

George Benson『Breezin'』(写真左)。1976年1月の録音、1976年のリリース。ちなみにパーソネルは、George Benson (g, vo), Jorge Dalto (ac-p, clavinet), Ronnie Foster (el-p, Minimoog), Phil Upchurch (rhythm-guitar, b on #1, 3), Stanley Banks (b guitar on #2, 4–6), Harvey Mason (ds), Ralph MacDonald (perc), Claus Ogerman (arr, cond)。ちなみにプロデューサーは「トミー・リピューマ」。

ジョージ・ベンソンの代表盤に、フュージョン・ジャズの軟弱盤を持ってくるとは如何に、とご立腹のジャズ者ベテランの方もおられるかと思うが、この『Breezin'』、しっかりとベンソンのギターに注目して、じっくり聴いていただくと、この盤でのベンソンのギターが「エグいほど」素晴らしい、純ジャズ志向のギターを弾きまくっていることがよく判るかと思う。
 

George_benson_breezin

 
とにかく「弾きまくり」のベンソンである。ギターの音色は「ウエス直系」と評されるだけあって、ウエス独特のバップ・ギターの個性である「硬派でソリッドで骨太なギター」の音と同じテイストの、太く豊かで温かい淀みないフレージングでベンソンは弾きまくる。じっくり聴いていたら、ウエスそっくりだったりする。

違いは、ウエスはオクターヴ奏法を要所要所で繰り出すが、ベンソンはオクターヴ奏法は控えめで「売り」にはしていない。逆に「ウエスそっくり」と言われたくないので、ベンソンは「もう一つの得意」であるボーカルに、ウエスとの差異化要素を求めた。これが大当たり。そのベンソンの個性の一つ「優れたソウルフルなボーカル」は、2曲目の「This Masquerade」で聴くことが出来る。

冒頭のタイトル曲「Breezin'」の前奏のリフが「エグい」。米国西海岸の爽やかな風のような、スピード感+爽快感なリフ。そんな「エグい」リフに続いて出てくる、心地良いフレーズが爽快感抜群、躍動感抜群。ウエスの『A Day in The Life』の秀逸ギターもぶっ飛ぶ、凄くキャッチャーで印象的なリフ+フレーズ。

この盤でのベンソンの壮絶なアドリブは凄いの一言。フュージョン・ジャズは緩いなどと言ってはいけない。このベンソンのアドリブは凄い。フュージョンな「ソフト&メロウ」な雰囲気は皆無、硬派で純ジャズな正統派バップ・ギターの、ダンディズム溢れるフレーズがてんこ盛りである。この『Breezin'』、ベンソンの代表盤の一枚です。
 
 

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2025年6月23日 (月曜日)

ウエス ”A Day in The Life” 再聴

ウエス・モンゴメリーの『Smokin' at The Half Note』を手始めに、いろいろウエスのリーダー作を再聴していて、優れたギタリストというのは、演奏するフォーマットやトレンドに左右されない、いかなる演奏形式、演奏方式の中でも、自らのギターの個性を前面に出し、自らのギターの志向がブレることはない、ということを再認識した次第。

Wes Montgomery『A Day in The Life』(写真)。1967年6月6 & 26日、NYの「Van Gelder Studio」の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds), Ray Barretto, Jack Jennings, Joe Wohletz (perc)。ここに、ストリングス・オーケストラが入る。

CTIレコードからのリリース。プロデューサーは、もちろん「クリード・テイラー」。録音はルディ・ヴァン・ゲルダー。ストリングスのアレンジ&指揮は「ドン・セベスキー」。メインのバンドのリズム・セクションは、ピアノにハービー・ハンコック、ベースにロン・カーター、ドラムにグラディ・テイトと錚々たる布陣。

しかし、プロデュースも、ストリングス・アレンジも、錚々たるリズム・セクションも、全ては、ウエス・モンゴメリーのギターを映させるためにある。確かに、このアルバムでは、ウエス・モンゴメリーのギターだけが、浮き出る様に、ブリリアントに輝く様に、映えに映える。
 

Wes-montgomerya-day-in-the-life_20250623200501

 
ソリッドで骨太なウェスのギターの音。そこに要所要所で、伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が炸裂する。そんなウエスのギターが、奏でる楽曲の印象的なフレーズをくっきりと浮き出させる。とりわけ、レノン&マッカートニー(ビートルズ)の名曲「A Day in The Life」と「Eleanor Rigby」の独特のメロディーを、ウエスのギターがより魅力的に響かせてみせるところは見事と言う他ない。

バックの演奏のアレンジは、流麗でメロウなストリングス・オーケストラを活用した、フュージョン・ジャズ志向がかなり強いのだが、ウエスのギターはどこから聴いても「ウエス独特のバップ・ギター」そのもの。バックの使徒リングスがフュージョン志向だろうが、エレピの積極活用だろうが、ウエスのギターの音は全くブレがなく、全く変わらない。

CTIレコードからのリリースなので、このアルバム、一応はフュージョン・ジャズのカテゴリーの中に収まっているが、聴けば判るが、流麗でメロウなストリングスが入っているが、ウエスをフロントとするカルテットの演奏は「メインストリームは純ジャズ」志向。ウエスのギターの響きはどこから聴いても「ソフト&メロウ」なところは微塵もない。

あくまで「ウエス独特のバップ・ギター」。硬派でソリッドで骨太なウェスのギターの音。伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が、それを更に確固たるものにする。そして、プロデュースが、ストリングス・アレンジが、錚々たるリズム・セクションが、ウエスのギターを引き立たせる。ウエスの名盤の一枚。
 
 

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2025年6月 9日 (月曜日)

傑作・Gong『Gazeuse!』である

1960年代終わりから1970年代後半にかけて、ロック界を席巻した「プログレッシヴ・ロック(以降「プログレ」と略)」。クラシック音楽やジャズ、現代音楽などの他ジャンルの要素を取り入れ、複雑なサウンド構成や変拍子の積極採用、長尺な楽曲が多い、などが特徴。高度な演奏技術や実験的な音楽性を追求し、それまでのロックとは異なる「進歩的=プログレッシヴ」な音楽性を目指したロック。

プログレは英国で隆盛を極めたが、何もプログレは英国だけのものでは無い。欧州では、イタリア、フランス、オランダへと飛び火し、それぞれの国で、幾つかの代表的なバンドが生まれ出でている。「ゴング(Gong)」もその1つで、ゴングは、フランスを代表するプログレッシヴ・ロックバンド。元「ソフト・マシーン」のデヴィッド・アレンを主宰に結成。サイケデリック・ロックを原点に様々なスタイルに変化。時期によってメンバー、音楽性が変わり、派生グループも多い。

Gong『Gazeuse!』(写真左)。1976年の作品。ちなみにパーソネルは、Pierre Moerlen (ds, vib, marimba, timpani, glockenspiel), Didier Malherbe (ts, fl), Allan Holdsworth (g, vln, pedal steel), Mireille Bauer (vib, marimba, glockenspiel, toms), Benoît Moerlen (vib), Francis Moze (b, p, gong), Mino Cinelu (perc)。

1976年、バンドは残留したドラマーのピエール・ムーランを中心に再編成。この時代のバンドは「ピエール・ムーランズ・ゴング」と分類される。脱退したデヴィッド・アレン時代の「サイケデリック色」を一掃、ニューエイジやアンビエントなどの要素を取り入れたジャズ・ロック&ュージョン・バンドとして音志向をチェンジする。その最初の成果がこの『Gazeuse!』である。

ここでも、英国同様、プログレッシヴ・ロックと、ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズとの曖昧な境界線が存在する。
 

Gonggazeuse

 
この『Gazeuse!』は、明らかに、ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇にバンドである、ということを証明する様な内容。上質のジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズの音世界が展開されているから驚きである。

ギターに「アラン・ホールズワース」の名前がある。ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン畑の良い意味での「変態ギター」の代表格。まず、ホールズワースのギターが大活躍。バンド・サウンドのメインフレーズを「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」色に染め上げている。

加えて、このバンド・サウンドの特徴が「打楽器」の活躍。ドラム言うに及ばず、マリンバ、ティンパニの活用で、リズム&ビートが前面に出て、アーシーでジャジーな雰囲気を濃厚にしている。言い換えると、打楽器の積極活用が、前のバンド・サウンドのイメージ「サイケデリック色」の一掃を実現している。

演奏的には、英国プログレッシヴ・ロックの「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」なサウンドと同様。英国のサウンドよりも流麗で色彩豊か。フレーズを担うギター、サックスの音色は「定石」として、このアルバムでは、ヴァイブ、グロッケンシュピールといった鍵盤打楽器を活用して、他の「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」のフレーズ・サウンドとの差別化を、「ピエール・ムーランズ・ゴング」の音の個性の確立を後押ししている。

アルバム全体を通じて、メロディックで流麗なフレーズ展開、複雑なポリリズミックなリズム&ビート。テクニック優秀、リーダーのピエール・ムーランのドラミングが、バンド・サウンドを推進し統率する。フランスのプログレ・グループが奏でる「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」なサウンド。傑作である。
 
 

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2025年5月20日 (火曜日)

超一流のセッション・ギタリスト

Phil Upchurch(フィル・アップチャーチ)。1941年7月19日、米国イリノイ州シカゴ生まれのギタリスト兼ベーシスト。ジャズ、クロスオーバー&フュージョンのみならず、ソウル、R&Bの数々の名盤に参加してきた、超一流のセッション・ギタリストである。

『Phil Upchurch』(写真左)。邦題「フィル・アップチャーチの真髄」。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Phil Upchurch, John Tropea (g), keyboards : Richard Tee, Leon Pendarvis, Arron Jamal, Larry Fast (key), Jorge Dalto (p), Will Lee, Chuck Rainey (b),Steve Gadd, Harvey Mason (ds), Jimmy Maelen, Kewu, Tony Carpenter, Henry Gibson (perc)。

フィル・アップチャーチのエレギは、音色と弾き方の「個性」で勝負するエレギ。アップチャーチ独特の硬質パキパキな音色、ミッド・テンポで、コキコキと弾き進める。独特というか、唯一無二な音色と弾き方で、他にこの音色と弾き方を持つギタリストはいないと思う。逆に一度聴いたら忘れられない「音色と弾き方」。

実は、既に1960年代初頭からリーダー作を出しているフィル・アップチャーチ。この盤は、通算9枚目のソロ・アルバムになる。このアルバム、編集が面白くて、アナログLP盤のA面をジョン・トロペイが、B面をジョージ・ベンソンがプロデュースしている。
 

Phil-upchurch

 
トロペイ・サイドは「ダイナミックな演奏」NYのミュージシャンが中心。スティーヴ・ガッドやリチャード・ティー、ウィル・リーらが名を連ねていて、NYクロスオーバー&フュージョン・オールスターって感じ。アップチャーチはリードのみを弾き、収録曲はカヴァー中心。シュギー・オーティス「Strawberry Letter 23」、デニース・ウィリアムス「Free」、ジャクソンズ「Good Times」。

ベンソン・サイドは「ソフト&メロウな演奏」で、LAのミュージシャンが中心。ピアノにホルヘ・ダルト、ドラムにハーヴィー・メイスンが、ベースにはチャック・レイニー。全曲フィル自身の書き下ろし曲で、演奏全体の雰囲気は「裏ブリージン」。アップチャーチはギターリードとリズムの両方を弾き流麗なフュージョン志向の演奏で、アップチャーチのリズムギターが映えに映える。

アップチャーチがリード・ギター、リズム・ギター、ベース、ドラムを一人で演奏し、デオダートがストリングとホーンアレンジをした曲「Cyrenna」がユニーク。演奏全体が心地よいファンクネスで固められて、むっちゃ格好良い。

クロスオーバー&フュージョン志向のエレギ好きにはたまらない、内容充実の「レア・グルーヴ+ソフト&メロウなフュージョン・ジャズ」の傑作盤。我が国のクロスオーバー&フュージョン畑では、なぜか、かなりマイナーな存在のフィル・アップチャーチ。再評価が待たれる「超一流のセッション・ギタリスト」である。
 
 

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