2024年12月 6日 (金曜日)

ダニエルソンの変則トリオの秀作

晩秋から初冬にかけて、徐々に気温は下がり、北の地方から雪の便りがやってくる。いよいよ、北欧ジャズの鑑賞に一番適した季節がやってくる。晩秋から冬の終わりまで、暖かくした部屋の中、外の「紅葉の景色から冬の景色」を眺めながら聴く、北欧ジャズは絶品である。今年も先日から、この季節から冬の終わりまでに聴きたい「北欧ジャズ」のアルバムを物色している。

Lars Danielsson『Palmer Edition II: Trio』(写真左)。2024年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Lars Danielsson (b), Verneri Pohjola (tp), John Parricelli (g)。フランス有数のワイナリーで録音されたACTレコードからの新作。美しい「音の色彩感覚」に満ちたトリオ演奏。トリオとはいえ、このトリオにはドラムとピアノがいない。ベース、トランペット、ギターの変則トリオ。

スタジオではなく、ボルドーワイン地方の人里離れた一角にある木製パネルのサロンで録音されたアルバム。スウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、イギリスのギタリストのジョン・パリチェッリ(John Parricelli)、そしてフィンランドのトランペッターのヴェルネリ・ポホヨラ(Verneri Pohjola)の変則トリオ。録音された音の「残響音」が印象的で、それぞれの音の間に「温かい静寂」を感じる。
 

Lars-danielssonpalmer-edition-ii-trio

 
トリオ3人並列リーダーとして名を連ねているが、実質のリーダーはベーシストのラーシュ・ダニエルソン。ラーシュはスウェーデン出身なので、この盤の音の基本は「北欧ジャズ」。トランペットのポホヨラもフィンランド出身なので、北欧ジャズ独特のフレーズ、音の響きが「金太郎飴の様に」出できそうなものなのだが、この盤にはそれが希薄。フレーズの流れは北欧ジャズ風でフォーキーなものだが、印象的な北欧独特のフレーズは控えめ。

それでも、繊細で抒情的で耽美的でフォーキーなサウンドは印象的で、どう聴いてもこれは欧州ジャズであり、北欧ジャズである。演奏の展開、フレーズの作りは「シンプル」。難解なことは全くしていない。それでいて、変則トリオによるインタープレイは高度なもので、この変則トリオのレベルの高さが窺い知れる。そして、それぞれの楽器の音が素晴らしく良い。テクニックの高さ、楽器の音の素晴らしさ、この二つが、このアルバムの演奏の「躍動感」につながっている。

我が国では、なかなか話題に上がらない北欧ジャズだが、1950年代から着実に「進化〜深化」し、現代においても、まだまだ勢いは衰えず、意気盛ん。このダニエルソンのトリオ盤も、従来からの北欧ジャズのパターンから脱して、新しい北欧ジャズの音を創造している様に感じる。但し、北欧ジャズの「コア」はしっかりと保持され、北欧ジャズの良心である「繊細で抒情的で耽美的でフォーキーなサウンド」は健在。この変則トリオ盤は、2024年の北欧ジャズの秀作の一枚だろう。
 
 

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2024年12月 4日 (水曜日)

アヴィシャイの新作 ”Brightlight”

2024年もあと残すところ一ヶ月。2024年はコロナ禍も下火になって、ジャズについても、新規アルバムのリリースも順調になり、ライヴ演奏の頻度も回復基調になった。演奏の編成も、コロナ禍での少人数の演奏(ソロ&デュオ)から、トリオ以上のグループ・サウンドに回復し、コロナ禍以前の「深化」と「裾野の広がり」度合いに戻ったイメージがある。

Avishai Cohen『Brightlight』(写真左)。2024年11月のリリース。スウェーデンとテルアビブでの録音。ちなみにパーソネルは、Avishai Cohen (b, vo), Guy Moskovich, Eden Giat (p), Roni Kaspi, Noam David (ds), Yuval Drabkin (sax), Lars Nilsson (tp), Hilel Salem (flh), Jakob Sollerman (tb), Yosi Ben Tovim (g), Ilan Salem (fl), Jenny Nilsson (vo)。

イスラエルを代表する当代最高のベーシスト、アヴィシャイ・コーエンの新作。クラシック〜ジャズにおける伝統の音世界に、イスラエルに根付いている個性的なメロディ、リズム&ビートが融合、21世紀の現代のジャズのトレンドである、ネオ・ハードバップ、ネオ・モードな、コンテンポラリー・ジャズをさらに「深化」させた、コーエンが考える「イスラエル・ジャズ」がこの盤の中に溢れている。
 

Avishai-cohenbrightlight

 
リーダーのアヴィシャイ・コーエンはベーシスト。当然、アヴィシャイのアコベが要所要所でフィーチャーされる。これがまた絶品なベースのパフォーマンス。躍動感溢れるソリッドで骨太なアコベの響きが官能的。時にストレートに旋律を奏で、時にフロントをリード&鼓舞し、時に演奏全体のリズム&ビートをコントロールする。この盤でのアヴィシャイのベースは、アルバム全体を掌握しコントロールする「リーダーのベース」である。

アヴィシャイの周りを固めるサイドマン達も素晴らしいパフォーマンス。ロニ・カスピのドラミングは躍動的で迫力満点、ポリリズミックで変拍子を交えたドラミングは個性抜群。ガイ・モスコビッチとエデン・ギアットのピアノは、ハーモニー・センス抜群、きめ細やかなタッチ、高いテクニックは聴き応え十分。アヴィシャイの「リーダーのベース」と合わせて、「現代のリズム・セクション」の最高レベルのバッキング・パフォーマンスを聴かせてくれる。

リズム・セクションのパフォーマンスだけでも十分に楽しめるが、そんな最高レベルのリズム・セクションをバックに、フロントのトランペット、サックス、ギター、トロンボーン、フルートが、クールに端正に静的スピリチュアルにモーダルに吹きまくるのだから、このフロント管入りのトータルなグループ・サウンドも魅力満載。2024年のメインストリームな純ジャズの優秀盤だと思います。
 
 

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2024年11月18日 (月曜日)

ジャズ・ベース2本のデュオ名盤

技巧派ジャズ・ベーシストがよくやる裏技に「ボウイング」がある。「ボウイング」とは、弦楽器で弓を弦に当てて上げ下げして音を出す演奏技法。旋律楽器として、旋律を取りにくいベースという楽器で、滑らかな旋律を取る方法の一つ「ボウイング」。

しかし、この「ボウイング」が曲者で、かなり高度なテクニックと音感を要する。つまり、技巧派ジャズ・ベーシストのボウイングについては、押し並べて「良くない」。クラシックのチェロやコントラバスのボウイングの旋律は、ピッチが合っていて、ボウイングのテンポが合っている。これが「ボウイング」なのだが、ジャズ・ベーシストのボウイングは、ピッチが合っていなくて、ボウイングのテンポが外れている。

それなのに、技巧派ジャズ・ベーシストは「ボウイング」をやりたがる。思いついただけでも、ポール・チェンバース、ロン・カーター、この二人のボウイングは酷い。レイ・ブラウンについては可もなく不可もなく。ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン、ジョージ・ムラーツなど、欧州系のジャズ・ベーシストは、クラシックの影響もあるのだろう、ボウイングはまずまず良好。

とはいえ、総じて、ジャズ・ベーシストのボウイング、どう聴いても、クラシックのそれと比べて、あまりにも見劣りがする。

Christian McBride & Edgar Meyer『But Who's Gonna Play The Melody?』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Christian Mcbride, Edgar Meyer (b, p)。クリスチャン・マクブライドとエドガー・メイヤー、2 人のグラミー受賞ベーシストによる、ベーシストだけのジャズ演奏。

タイトルが良い。「But Who's Gonna Play The Melody?」=「だれがメロディを弾くんだい?」。ベーシスト2人だけのデュオ・パフォーマンス。ベーシスト二人、それぞれがピアノを弾くが、それも全15曲中、それぞれ2曲だけ。残り11曲は、純粋にベース2本だけのパフォーマンス。
 

Christian-mcbride-edgar-meyerbut-whos-go
 

ベース2本だけのパフォーマンスとしては、Niels-Henning Ørsted Pedersen & Sam Jones『Double Bass』(2012年7月11日のブログ記事・左をクリック)が浮かぶが、かなり珍しいデュオ・フォーマットであることは間違いない。

しかし、である。これが絶品なのだ。恐らく、ジャズ・ベーシストがメインのパフォーマンスの極上のもの。タイトル「But Who's Gonna Play The Melody?」=「だれがメロディを弾くんだい?」の問いに応える様に、マクブライドとメイヤーの2人が、ピッチ奏法でリズム&ビートを弾き出し、アルコ奏法(ボウイング)で旋律を奏でる。

二人とも、とりわけ優れたベーシストであり、ピッチ奏法は極上なのは当たり前。しかし、この盤で素晴らしいのは、二人のベーシストのボウイング。ピッチはバッチリ合っていて、ボウイングのテンポもバッチリ合っている。その上、弾き出されるリズム&ビートは躍動感溢れ、グイグイと推進力抜群。そして、ボウイングの旋律は歌心溢れ流麗至極。クラシックのボウイングと比べても全く遜色無い。

これだけ、優れた内容のジャズ・ベースのボウイングは聴いたことが無い。今回のこのアルバムが、ジャズ・ベーシストのパフォーマンスの中で、ピカイチの内容のボウイングだろう。いわんや、ピチカートによる旋律のつまびきについても絶品極まりない。バックに回ったウォーキング・ベースも素晴らしい推進力。

いやはや、素晴らしいベース2本のデュオ。両者ともテクニック、歌心、イマージネーション、いずれをとっても遜色ない。現代のジャズ・ベースのバーチュオーゾ二人の極上のパフォーマンス。ジャズ・ベースがリーダーの名盤として、上位にランクしても良い傑作だと思う。

タイトルの問い「But Who's Gonna Play The Melody?」=「だれがメロディを弾くんだい?」。その答えは、このデュオ盤そのものの中にある。
 
 

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2024年11月14日 (木曜日)

ECMサウンドのモード・ジャズ

月刊誌レココレの2024年11月号の特集「ECMレコーズ」にある「今聴きたいECMアルバム45選」。この特集のアルバム・セレクトが興味深く、掲載されているアルバムを順番に聴き直し&初聴きをしている。どの盤にも新しい発見があって、実に楽しい。今回のアルバムは初めて聴く「初聴き」盤。

Arild Andersen『Shimri』(写真左)。1976年10月、オスロの「Talent Studios」での録音。ECMの1082番。ちなみにパーソネルは、Arild Andersen (b), Juhani Aaltonen (ts, ss, fl, perc), Lars Jansson (p), Pål Thowsen (ds)。ノルウェーのジャズ・ベーシスト兼作曲家アリルド・アンダーセンの2枚目のアルバムである。

典型的なECMサウンド。耽美的でリリカル、静的スピリチュアルな展開、力強くブリリアントな管の響き、切れ味良く透明度の高いリズム隊のリズム&ビート。リーダーのアンダーセンがノルウェー出身、サックス担当のアールトネンはフィンランド出身、ピアノ担当のヤンソンはスウェーデン出身、ドラム担当のトーセンはノルウェー出身。カルテットのメンバー全員が北欧出身だが、北欧ジャズ独特の響きとフレーズは希薄。
 

Arild-andersenshimri

 
ゆったりとしたミッド・テンポの演奏がメイン。演奏される展開はモーダル。演奏の雰囲気、響きはECM流のヨーロピアンな純ジャズ。そう、この盤の演奏は「欧州的なモーダルな純ジャズ」。ピアノのヤンソンのモーダルなアドリブ・フレーズは、どこか米国的。しかし、音の響きは「欧州的」。この盤の音世界は、米国的なモーダルな純ジャズを、ECMレーベルというフィルダーを通して、ECMサウンドを纏った「欧州的な響きのするモーダルな純ジャズ」に変換したが如くの音世界。

アンダーセンのベースは力感溢れる、しっかり「胴鳴り」のする、骨太なアコースティック・ベース。モーダルな演奏のベース・ラインをしっかりと押さえ、フロント楽器がアドリブ・フレーズを奏でる時は、しっかりと展開の底を支え、時に自らが前面に出て、印象的で骨太なアドリブ・ソロを聴かせる。ピッチもしっかりあって破綻が無い、いかにも「欧州ジャズ」的なアコベの音。聴き味抜群なベース音。

ECMレーベルのアルバムについては、即興演奏をメインとした、伝統的なジャズとはかけ離れた「ニュー・ジャズ」なアルバムが多数あるが、この盤は違う。この盤は、典型的なECMサウンドの中での欧州的なモード・ジャズ。静的でリリカルでクールで透明度溢れるモード・ジャズ。この盤では、ECMレーベルの中では、ちょっと異質な、伝統的なジャズが展開されている。とても興味深く、ECMとしてユニークな盤だと僕は思う。
 
 

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2024年10月25日 (金曜日)

ECM流クロスオーバーの名盤

レコード・コレクターズ 2024年11月号の特集「ECMレコーズ」にある「今聴きたいECMアルバム45選」。この「今聴きたいECMアルバム45選」のアルバム・セレクトが気に入って、掲載されているアルバムを順番に聴き直し&初聴きしている。今回のアルバムは、実は初めて聴く「初聴き」盤である。

Barre Phillips『Three Day Moon』(写真左)。1978年3月の録音。ECM 1123番。ちなみにパーソネルは、Barre Phillips (b), Terje Rypdal (g, g-syn), Dieter Feichtner (syn), Trilok Gurtu (tabla, perc)。米国のジャズベーシスト、バレ・フィリップスがECMに録音した、ECM+JAPOで、通算4枚目のリーダー・アルバム。

このアルバムの印象はズバリ「プログレッシヴ・ロック(プログレ)とモード+フリー+スピリチュアル・ジャズとの融合」。リズム&ビートがはっきりしている演奏部分は「プログレ」。ボ〜っと聴いていたら「あれ、このプログレ、誰だっけ」と思ってしまうほど、プログレの要素が入っている。タブラの音が効果的、バイオリンの音の様なギター・シンセが、プログレ的な雰囲気を増幅する。
 

Barre-phillipsthree-day-moon  

 
リズム&ビートの供給が途絶えた途端、今度は、フリー・ジャズ志向、スピリチュアル・ジャズ志向に展開する。この展開は、ギターを担当するテリエ・リピダルの真骨頂で、リピダルのエレギ、ギター・シンセは、縦横無尽、変幻自在に浮遊し、突進し、拡散する。パーカッションのフリーな打ち込みがスピリチュアルな雰囲気を増幅する。

そして、フィリップスのベース音がフリーでスピリチュアルな展開を規律あるものに仕立て上げているのは立派だ。プログレ的な展開も、フリーでスピリチュアルな展開も、チェンジ・オブ・ペースを促したり、ブレイクを誘ったり、調性と無調のチェンジを指し示したり、さすがリーダー、フィリップスのベースが要所要所で「いい仕事」をしている。

タイトルが「Three Day Moon」=三日月。なんかどこか、ピンク・フロイドの名盤「Dark Side of The Moon」を想起したりして、これって、ECMレコード流のクロスオーバー・ジャズなのかしら、と直感的に感じてしまう。昔々、プログレ小僧だった僕としては、この盤の内容は全く違和感なく聴くことが出来ました。ECM流クロスオーバーの名盤だと思います。
 
 

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2024年10月19日 (土曜日)

僕なりの超名盤研究・34

今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや3年。やっと第1巻の終わりである。

ジャズを本格的に聴き始めたのが1978年の春。フュージョン・ジャズの名盤の何枚かと、純ジャズのアルバム、MJQ『Pylamid』、 Herbie Hancock『Maiden Voyage』を聴かせてもらって、フュージョン・ジャズのアルバムも良かったが、特に、純ジャズの2枚については、いたく感動したのを覚えている。

そして、友人の家からの帰り道、久保田高司「モダン・ジャズ・レコード・コレクション」を買い求めて、ジャズ盤コレクションの道に足を踏み入れた。ハービー・ハンコックについては、FMレコパルの記事でその名前は知っていたので、まずはハンコックのアルバムの収集を始めた。

そこで、まず最初に手にしたのが、Herbie Hancockの『V.S.O.P.』。アコ・ハンコックとエレ・ハンコックの2つの側面をLP1枚ずつにまとめた名盤なのだが、僕はこの「アコースティックな純ジャズ」の演奏が実に気に入った。

このアコ・ハンコックのユニットは「V.S.O.P.」=「Very Special Onetime Performance」と命名された。ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演の折、ハービー・ハンコックがマイルスの黄金クインテットを再現することで、マイルスのカムバックを促す予定が、直前で肝心のマイルスがドタキャン。仕方なく、フレディ・ハバードを迎えて結成したこのV.S.O.P.クインテット。本来一1回きりの結成のはずが、予想外の好評に継続して活動することになる。

V.S.O.P.『Tempest in the Colosseum』(写真)。邦題は『熱狂のコロシアム』。1977年7月23日、東京の田園コロシアムでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Herbie Hancock (p), Wayne Shorter (ts, ss), Freddie Hubbard (tp), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。伝説の「V.S.O.P.」ユニットである。
 
Vsoptempest-in-the-colosseum  
 
V.S.O.P.名義のアルバムは、他に2枚、V.S.O.P.『The Quintet』(1977年7月録音)、V.S.O.P.『Live Under the Sky』(1979年7月26日、27日録音) があるが、この『Tempest in the Colosseum』の出来が一番良い。USAツアーの後の日本公演だけに、メンバーそれぞれの演奏もこなれて、十分なリハーサルを積んだ状態になっているようで、この日本公演のライヴ録音の内容は秀逸である。

ライヴアルバムとしての編集も良好で、この『Tempest in the Colosseum』が一番ライヴらしい、臨場感溢れる録音〜編集をしている。演奏自体も変に編集することなく、トニー・ウィリアムスの多彩なポリリズムが凄まじい長尺のドラムソロや、ロン・カーターのブヨンブヨンとしているが、高度なアプローチが素晴らしい長尺のベースソロも、しっかり余すことなく収録されているみたいで、ライヴそのものを追体験できる感じの内容が秀逸。

演奏自体も内容は非常に優れていて、この「V.S.O.P.」の演奏が、ノスタルジックな「昔の名前で出ています」風に、1960年代中盤〜後半の演奏をなぞった「懐メロ」な演奏になっていないところが良い。この演奏メンバー5人の強い矜持を感じる。当時として、モードの新しい響きがそこかしこに見え隠れし、この5人のメンバーは、マイルス後も鍛錬怠りなく、確実にモード・ジャズを深化させていたことを物語る。

収録されたどの曲も内容のある良い演奏だが、特にラストのハバード作「Red Clay」が格好良い。ジャズ・ロック風のテーマに対して、インプロビゼーション部になると、メンバー全員が「モード奏法」で襲いかかる。凄い迫力、凄いテンション、そして、印象あるフレーズの連発。

このライヴ盤は、1970年代後半の純ジャズが、どれだけ高度なレベルで維持されていたか、ということが如実に理解できる内容になっている。この「V.S.O.P.」ユニットが切っ掛けとなって、純ジャズが「復古」し始める。

この「V.S.O.P.」ユニットは、純ジャズ復古のムーブメントの「最初の第一歩」となった伝説にユニットである。このユニットの演奏には、現代につながる「新しい」モード・ジャズの要素が散りばめられている。名盤である。
 
 

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2024年9月 4日 (水曜日)

ポール・ウィナーズの第4弾です

昨日、ご紹介した、当時の楽器別ジャズ人気投票で1位(Poll Winner)を獲得した3人が、テンポラリーなトリオ、ポール・ウィナーズ・トリオ。

このトリオは、1957年から1960年の3年間で、全4枚のアルバムを出している。最初が『The Poll Winners』、2枚目が『The Poll Winners Ride Again!』、3枚目が昨日、ご紹介した『Poll Winners Three!』。せっかくなんで、最後の一枚を今日、取り上げる。

The Poll Winners『Exploring the Scene!』(写真)。1960年8,9月、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。楽器別ジャズ人気投票で1位を獲得した3人の「職人芸的トリオ演奏」の4作目。ポール・ウィナーズ・トリオとして、一旦、打ち止めのアルバムである。

冒頭の「Little Susie」を聴けば、演奏の洗練度合い、テクニックの精度とバリエーション、小粋なフレーズ回しなど、前3作に比べて、格段にレベルが上がっていて、もうこれ以上の演奏はないだろう、そして、この演奏レベルをコンスタントに維持し続けるのは難しい、との判断での「ポール・ウィナーズ・トリオとしての最終作」だと推察する。
 

The-poll-winnersexploring-the-scene

 
それほどまでに、トリオ演奏のレベルは高い。米国西海岸ジャズのレベルの高さ、テクニックの高さ、アレンジの優秀度の高さがこの盤を通して、ビンビンに感じる。東海岸ジャズとは趣きが異なる、西海岸ジャズ独特の個性が、この盤にギッシリ詰まっている。とにかく、米国西海岸ジャズを代表するジャズマン3人の演奏内容は、実にインクレディブルである。

選曲については、当時の「ミュージシャンズ・チューン」を中心に選んでいて、ファンキーな「Little Susie」や「Doodlin」「This Here」が、軽妙なアレンジで小粋に演奏されている。マイルスの「So What」のアレンジはいかにも西海岸ジャズらしい。こんなに小洒落て小粋で捻りの効いたアレンジの「So What」は聴いたことがない。

「The Golden Striker」のレイ・ブラウンのベースのボウイングによる旋律演奏も味がある。メインの演奏部の疾走感も半端ない。バラード曲「Misty」の味わい深い、耽美的かつリリカルな演奏には、思わずじっくり聴き入ってしまう。

米国東海岸ジャズには「無い」トリオ演奏。このポール・ウィナーズ・トリオの諸作は、洒脱で小粋で流麗な、「聴かせる」米国西海岸ジャズの特徴・特質がてんこ盛り。1980年代後半まで、我が国では、米国西海岸ジャズは過小評価されてきたが、このポール・ウィナーズ・トリオの演奏をしっかり聴けば、その過小評価は無くなるだろう。もっともっと広く聴かれるべきポール・ウィナーズ・トリオである。
 
 

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2024年9月 3日 (火曜日)

ポール・ウィナーズの第3弾です

台風10号が迷走し、その影響が関東地方にまで及んで、天気が不安定なこと極まりない。天気を見ながら、散歩に行くことはあるが、雨模様の日は、一日、しっかり引き篭もり。猛暑が少しだけ和らいだと思ったら、天気不安定で、再び引き篭もりである。

引き篭もりの部屋で聴くのはジャズ。酷暑の夏にハードなジャズはしんどいので、軽妙なボサノバ・ジャズなんぞを聴き流していたのだが、気がつけば、なんと9月である。9月になれば、もはやボサノバ・ジャズも無いよな、ということで、ライトで小粋なジャズをということで、米国ウエストコースト・ジャズに走ることにする。

『Poll Winners Three!』(写真)。1959年11月2日、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Barney Kessel (g), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。当時の楽器別ジャズ人気投票で1位(Poll Winner)を獲得した3人が、テンポラリーなトリオ、ポール・ウィナーズ・トリオを組んで録音した企画盤の第3弾。第3弾だからと言って、マンネリな雰囲気は全く無い。
 

Poll-winners-three

 
第1作、第2作と比べて、収録されたスタンダード曲が、一部を除いて、なかなか渋い、マニアックな選曲になっている。が、それがとても良い。この「隠れ名曲」っぽい、渋いスタンダード曲を、聴かせるアレンジを施しつつ、小粋に演奏する様は実に軽妙。加えて、3人それぞれのテクニックが途方もないレベルで、しかし、耳障りにならない流麗さで、歌心満点に演奏する様は実に爽快。

ジャジーによく唄うケッセルのギターには思わず聴き惚れる。唄うが如くの流麗なフレーズを弾きまくるブラウンのベースには思わず、そば耳を立ててしまう。そんな二人の弾き回しを鼓舞し、ブラウンのウォーキング・ベースと共に、演奏全体のリズム&ビートを仕切るマンのドラムには、思わず感嘆の声を上げる。ほんと、この3人、上手い、の一言。

米国ウエストコースト・ジャズの良いところがギッシリ詰まった、素晴らしいトリオ演奏。洗練された三人の絶妙なインタープレイ、効果的にアレンジされたユニゾン&ハーモニー、3者3様の途方もない演奏テクニック。どれをとっても、前の2作より、さらに深化したパフォーマンスがてんこ盛りの秀作。いいアルバムです。
 
 

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2024年7月13日 (土曜日)

エスペランザのボーカルの扱い

エスペランザ・スポルディングのデビューは、結構、衝撃的だった、と記憶している。ベーシストとしてのデビューだったので、女性でありながら、骨太でソリッドで切れ味の良いアコースティック・ベース、繰り出すフレーズが新鮮だった。デビュー盤ではスキャット中心のボーカルで、ベースを弾く傍らでの「彩り」だと感じていた。

しかし、1曲だけ、『Cantora De Yala』は、 エスペランザのベースのみの弾き語りによる、暖かな日だまりの様な、ほんのり暖かで、芯はしっかりと通った、意外と硬派な内容で、ベーシストの弾き語りというのは、このスポルディングの初リーダー作で、初めて聴いた。ベーシストのスキャットについては、ジャコ・パストリアス御大の前例があるんですが、本格的に唄うのは、エスペランザが初めてだった。

Esperanza Spalding『Esperanza』(写真左)。2008年の作品。ちなみにパーソネルは、Esperanza Spalding (b, vo), Leo Genovese (ac-p, el-p :track 7, Rhodes :track 10), Jamey Haddad (perc), Otis Brown (ds), Horacio Hernandez (ds, tracks 4 and 8), Ambrose Akinmusire (tp, tracks 8 and 11), Donald Harrison (sax, tracks 6 and 11), Gretchen Parlato (back-vo, tracks 1 and 4)。

エスペランザの2枚目のリーダー作。この盤で、エスペランザは本格的に唄う様になっている。ベースもしっかり弾いているが、とにかく唄う唄う。しかも、過去の女性ジャズ・ボーカルのイメージに全く囚われない、エスペランザ独特のキュートでエレガントで、ワールド・ミュージック志向のボーカルは唯一無二。エスペランザのボーカルを聴いていると、ボーカルって「楽器」として捉えても違和感が無い、ということを再認識できる。
 

Esperanza-spaldingesperanza

 
アルバム全体の音志向は「ブラジリアン・ミュージック」な志向が強いが、旧来の4ビート・ジャズの欠片も無い、ワールド・ミュージック志向の様々な音楽要素が融合した、コンテンポラリーなニュー・ジャズ風のボーカル・アルバムという風情が新鮮。

同じ志向に「ミルトン・ナシメント」がいると思うが、ナシメントよりもエスペランザの方が確実に「ジャズ寄り」。おそらく、エスペランザの弾き出すベースラインがジャジーなので、それが、アルバム全体の雰囲気を「ジャズ寄り」にしているのだろう。

ベースとユニゾンでスキャットする様を聴いていると、やっぱり、エスペランザはボーカルを「楽器」として扱おうとしている様に感じる。ベースや既成の楽器では表現出来ない、微妙なニュアンスや節回し、フレーズの飛びを、ボーカルでは比較的自由に表現できるので、それを見越して、スポルディングは唄っている様な気がする。

エスペランザのボーカルを、旧来からの本格的な女性ジャズ・ボーカルとして捉えると、違和感を感じる瞬間があるんだが、楽器の一つとして捉えると、全く違和感が無い、どころか、新しいジャズの響きを獲得している、そんな化学反応をこの盤で感じることが出来る。エスペランザのボーカルは「楽器」。そう捉えることで、違和感無く、エスペランザならではの音楽性を正確に捉えることが出来る。そんな想いを持たせてくれる、この2枚目のリーダー作『Esperanza』である。
 
 

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2024年5月15日 (水曜日)

”CTIレコードのロン” の隠れ名盤

ジャズ・ベーシストの「生けるレジェンド」であるロン・カーター。1970年代は、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの老舗レーベルであるCTIレコードに所属して、リーダーにサイドマンに大活躍。1970年代後半、ハービーの「V.S.O,P.」に参加、純ジャズに回帰するが、CTIレコードでの、クロスオーバー&フュージョン・ジャズのロンもなかなか良い。
 
Ron Carter『Blues Farm』(写真)。1973年1月10日の録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b, arr, cond), Billy Cobham (ds), Hubert Laws (fl, tracks 1, 5 & 6), Richard Tee (el-p, ac-p, tracks 1, 4 & 5), Bob James (ac-p, tracks 2, 3 & 6), Gene Bertoncini (g, track 5), Sam Brown (g, track 3), Ralph MacDonald (perc, tracks 1 & 4-6)。

ロン・カーターのCTIレコードでのリーダー作の第一弾である。パーソネルを見渡すと、不思議なことに気が付く。フロント楽器を司るサックス、トラペットが無い。辛うじて、ヒューバート・ロウズのフルートが存在するだけ。ギターについてはリズム楽器に徹している。それでは、このセッションでのフロントは誰が担っているのか。実は、ロンのベースとロウズのフルート、この2人だけでフロント楽器の役割、楽曲の旋律を演奏している。

アレンジと指揮はリーダーのロン自身が担当しているので、このベースとフルートのフロントはロンのアイデアだろう。しかし、これが、冒頭のジャズ・ファンク・チューンであるタイトル曲「Blues Farm」で、その効果を最大限に発揮する。

ロンはアタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅して、旋律のソロに対応する。これが意外とファンキーな音色で、ジャズ・ファンクなビートにピッタリ。そして、ロウズのフルートのエモーショナルな吹き上げが、これまた、爽やかなファンクネスを振り撒いている。

バックのリズム・セクションは、コブハムのファンキー・ドラムに、ティーのファンキー・アコピ、マクドナルドのファンキー・パーカッション。この手練れのメンバーがジャズ・ファンクなリズム&ビートを叩き出す。これが実に良い雰囲気で、ブルージー&ファンク。後の伝説のフュージョン・グループのキーボード担当、リチャード・ティーのアコピのファンクネスが半端無い。
 

Ron-carterblues-farm

 
2曲目の「A Small Ballad」は、なんと、ボブ・ジェームスのピアノ(!)と、ロンのベースのデュオ。このデュオ演奏は、クロスオーバー・ジャズでは無い。これは純ジャズである。3曲目の「Django」は、MJQのジョン・ルイスの名曲だが、フロントをロンのベースが取り仕切り、この名曲の旋律をベース一本でやり通す。アコベでありながら、ピッチも合っていて、ロンのベーシストとしてのテクニックがかなりのものだということを再認識する。

そして、僕が愛してやまないのが、4曲目の「A Hymn for Him」。ロンの作曲。極上のファンキー・バラードである。冒頭、ロンがフロントを取り仕切るのは変わらないが、このロンのアタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅したアコベの音がなかなかファンキーでいい感じ。ソロでのテクニックの高さと相まって、意外と聴き応えのあるロンのベース。

そして、リチャード・ティーのアコピ(フェンダー・ローズ)の、こってこてファンキーでキャッチーなバッキング。そして、ファンクネス滴る、ソフト&メロウなソロ・パフォーマンス。ティーのベストに近いフェンダー・ローズのパフォーマンス。もう惚れ惚れするばかり。さすがティー、さすがフェンダー・ローズの名手。しみじみと染み入り、思わず、心にグッとくる。

そして、エモーショナルで流麗でファンキー&メロウ、テクニック極上、歌心満点のロウズのフルート・ソロに、これまたグッとくる。極上のフュージョン・ジャズの一曲がここにある。

5曲目の「Two-Beat Johnson」は、ライトでポップでファンキーでご機嫌な小品。ラストの「R2, M1」は、アーシーでビートの効いた、ライトなジャズ・ファンク。ボブ・ジェームスのちょっとアブストラクトなピアノ・ソロが、このジャズ・ファンクな演奏を俗っぽい演奏にしていない。意外と硬派な、クロスオーバー・ジャズ志向のジャズ・ファンク。このリズム&ビートの軽快さが、ロンの考えるジャズ・ファンクの個性だろう。

アタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅して、旋律のソロに対応するロンについては、とかく批判的な意見が多いが、この盤のロンのパフォーマンスを聴いて判る様に、アコベのピッチが合っている分には問題無い。どころか、ジャズ・ファンクのリズム&ジャズ・ファンクのビートにピッタリな音色は意外と効果抜群。

自分の耳で聴いてみて初めて判る。このロンのCTIレコードでのリーダー作の第一弾、意外と「隠れ名盤」だと僕は思っている。
 
 

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