2026年1月14日 (水曜日)

フラナガンとミッチェルのデュオ

端正&典雅でブルージーでダンディズム溢れるバップ・ピアノが個性のフラナガンと、ウエストコースト・ジャズを代表する筋金入り硬派な職人ベーシストのミッチェルとのデュオ・セッションの記録。ピアノとベース、フロントとバックの役割分担がやり易いデュオの組みあわせで、この2人のデュオは、ナチュラルにアレンジに頼ること無く、フロント、バック、ほど良く分担した、絶妙のデュオ演奏が繰り広げられている。

Tommy Flanagan & Red Mitchel『You're Me』(写真左)。1980年2月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), Red Mitchell (b)。燻し銀な筋金入りバップ・ピアニストのトミー・フラナガンと、西海岸の硬派な職人ベーシストのレッド・ミッチェルによる「デュオ」アルバムである。

デュオ演奏なので、2人ともが主役。まず、フラナガンは遠慮無く、端正なタッチ、気品あるダイナミズムとダンディズムを併せ持ったバップ・ピアノをガンガンに弾きまくる。基本、ミッド・テンポからバラードの演奏がメインで、ガンガン弾きまくるとは言っても、うるさくはない。ベースのミッチェルのベースラインをよく聴いた、絶妙なアドリブ・フレーズがニクい。
 

Tommy-flanagan-red-mitchelyoure-me

 
ミッチェルのベースは、胴鳴りは少しライトだが、ピッチが合っていて、小気味の良い弾く様なビートは、聴いていて爽快。さすが、ウエストコースト・ジャズでの第一人者ベーシストである。その小気味良い爽やかベースは、フラナガンのバップ・フレーズに心地良く絡んで、演奏全体のぶるーじーさ、ジャジーさ、を増幅する。テクニックもかなりのレベル。ピアノのデュオで、ピアノのフレーズに負けていない。

演奏に必要なリズム&ビートは、フラナガンのピアノとミッチェルのベースで、しっかりと分担対応している。フロントとしてのフレーズも、フラナガンはピアノなんで当然として、ミッチェルのベースがしっかりとフロントのフレーズも担当している。ピッチの合ったベースだからこそ、なせる技。ミッチェルのはじき出すフロントのフレーズが意外とクリエイティヴでエモーショナルで聴き応えがある。

ミッチェルのベースがしっかりとジャジーなリズム&ビートを積極的に供給しているので、フラナガンのピアノの個性と、ミッチェルのベースの個性との相乗効果、化学反応を堪能するには、ドラムは不要。このデュオ盤は、ピアノとベースのデュオとしては秀逸な出来。実は、僕は5年前まで、このデュオ盤を聴いたことが無かった。そして、聴いてビックリ。こんなに優れて、聴いていて楽しいデュオ盤があったとは。それ以来の愛聴デュオ盤の一枚になっている。
 
 
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2026年1月10日 (土曜日)

伴奏上手のケリーを聴き直す・1

ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)は、リーダー作もさることながら、サイドマンで参加の盤もかなりの数がある。実は、ケリーは伴奏上手で有名で、彼のピアノの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が、フロント管をサポートする上で、ボーカルをサポートする上で、効果的に響くのだろう。

Paul Chambers『Go』(写真左)。1959年2月2, 3日、シカゴでの録音。Vee-Jayレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Paul Chambers (b), Freddie Hubbard (tp), Cannonball Adderley (as), Wynton Kelly (p), Philly Joe Jones, Jimmy Cobb (ds)。当時のマイルス・バンドのリズム隊メンバーが集結した、素敵な内容のハードバップ盤。ベースのポール・チェンバースのリーダー作である。

この盤では、参加メンバー全員が好調。特に、アルト・サックスのマクリーンが絶好調というか、ほとんど「躁状態」で、マクリーン節をキュイキュイ吹きまくる。ハバードは、ハイテクニックで吹きまくるが、マクリーンの押されて、ちょっと温和しい。チェンバースのベースは、リーダーだけあって、ブンブン、良い音で鳴っている。フィリージョーのバップ・ドラミングは出力全開。皆、アッパラパーにハードバップをやりまくる。
 

Paul-chambersgo_20260110201101

 
ここでは、ウィントン・ケリーのピアノのパフォーマンスに注目する。どの曲をとってみても、ケリーのピアノは絶好調。マクリーンの「躁状態」アルト・サックスに煽られたのか、ここでのケリーは、躁状態の「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」を弾きまくる。どの曲でも、端正に淀みなく、ジャジーにブルージーにファンキーにスイングしまくる。

自分のリーダー作より、サイドマンの方が気楽だったのかもしれない。この『Go』でのケリーは、本当に伸び伸びとリラックスして弾いている。恐らく、一番「躁状態」に振れたケリーのパフォーマンスだと思う。それでも、ケリーのピアノの個性であった「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ」のニュアンスを、躁状態の演奏でありながら、しっかりと忍ばせているのだから恐れ入る。やはり、ケリーは、ジャズ・ピアニストとして、超一流であり、プロフェッショナルだった。

ウィントン・ケリーの伴奏上手。サイドマンに回った時のケリーのパフォーマンスは、ケリーのピアノの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が映えに映える。しかも、フロントのバックに回れば、フロント楽器、ボーカルを最高に引き立てる。ケリー・マジックとでも形容して良い、ケリーのピアノのバッキング。その一端を、この『Go』の数々の演奏の中でしっかりと聴き取ることが出来る。
 
 

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2026年1月 5日 (月曜日)

”Jazz At Massey Hall”を再聴

初心者向けのジャズ盤紹介の中で、この盤がなぜ、初心者向けの、ジャズ入門者向けのアルバムとして紹介されているのか、理解に苦しむアルバムが何枚かある。どう考えたって、そのアルバムの演奏内容って、ジャズ者中級者レベルでも、ちょっと難しいものが、初心者向けのジャズ盤紹介に上がったりしている。その代表格がこの盤、かな。

『The Quintet: Jazz At Massey Hall』(写真左)。1953年5月15日、カナダ・トロントの「マッセイ・ホール」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp, vo), Charlie Parker (as), Bud Powell (p), Charles Mingus (b), Max Roach (ds)。 メンバーそれぞれが「ビ・バップ」の立役者、ビッグ・ネームばかり5人が集結したクインテット編成。

このライヴ録音では、ハプニング続きで、資料を見る限り、通常であれば、ライヴ・パフォーマンスをするような状態ではなかった。そもそも、このライヴが行われた時間帯に、ロッキー・マルシアーノとジャージー・ジョー・ウォルコットのボクシングの試合が同時開催されていたのが元凶で、コンサートを見に来る観客が激減。演奏メンバーへのギャラがまともに払え無い状態。

加えて、パーカーは、質屋に入れてしまった自分の楽器の代わりに、借りてきた白いプラステック製のアルト・サックスで演奏、加えて、契約の関係で、アルバムには「チャーリー・チャン」の変名でクレジットされている。ガレスピーは、ボクシングの試合が気になって、自分のソロが終わると、楽屋に引っ込んでテレビを見ていた。真面目実直なミンガスは、そんなガレスピーに切れて食ってかかったとか。とまあ、まともな演奏ができる状態では無い(笑)。
 

The-quintet-jazz-at-massey-hall
 

しかし、このライヴ音源を聴けば、それぞれが水準以上の演奏をくり広げているのだから、ジャズというのは「良く判らない」(笑)。ボクシングが見たくて、気もそぞろだったガレスピーは溌剌とトランペット・ソロをくり広げ、パーカーは、プラスチック製のアルト・サックスとは思えない、エモーショナルなバップ・フレーズを吹き上げる。問題児2人のフロントは、意外とまずまずのパフォーマンスをくり広げている。が、ベストに近いとは思えないけど。

パウエルのピアノは、彼として水準レベルの演奏に留まる。体調が優れなかったのだろう。覇気が不足している様に感じる。ドラムのマックス・ローチが一番安定していて、ビ・バップ時代で活躍していたと同じレベルのドラミングを披露していて立派。一番、実直真面目だったミンガスのベースは、実際の録音では、録音レベルが低すぎたので、後日、オーヴァーダビングしている。なので、ミンガスのベースのパフォーマンスは割り引いて聴くしかない。

2002年にジャズファクトリーレーベルからリリースされた『 Complete Jazz at Massey Hall』(写真右)には、オーヴァーダビングなしのコンサート全曲が収録されている。これは「ジャズの歴史の記録」としては有用だが、ミンガスのベースが聴き取り難く、ライヴ音源としては、明らかにレベルは落ちる。

メンバーそれぞれが「ビ・バップ」の立役者、ビッグ・ネームばかり5人が集結したライヴ音源なので、ジャズ初心者の方々が「ビ・バップ」時代のビッグネームの演奏を、まとめて手軽に聴けるお徳用盤、という評価もあるが、それは逆だろう。ビッグネームそれぞれのベスト・パフォーマンスを体験・理解してから、このユニークなライヴ盤を聴くべきで、ビ・バップを理解しているからこそ、エピソードも含めて楽しめる、ユニークなライヴ盤である、と僕は解釈している。
 
 

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2025年12月14日 (日曜日)

クリスマス・ジャズの定盤・1

今年もあと10日でクリスマス・イヴ。しかし、コロナ禍の影響か、コロナが流行した2020年のクリスマスから、テレビとかでクリスマス、クリスマスと騒がないようになって、コロナ禍が明けた後も、例えば今年もテレビやネットで、あまりクリスマス、クリスマスと言わなくなった様な気がしている。まあ、我が国は、基本的に仏教の国。クリスマスを祝うのはキリスト教。今の状態が相応しい、と言えば相応しい、かな(笑)。

Ray Brown Trio 『Christmas Songs With the Ray Brown Trio』(写真左)。1997年12月15-17日、1998年4月27-29日の録音。1999年のリリース。ちなみにパーソネルは、パーソネルは、Ray Brown (b), Geoff Keezer (p), Gregory Hutchinson (ds), ゲストに、Russell Malone (g, track: 4, 6), Ralph Moore (ts, track: 7, 11)。当時のレイ・ブラウン・トリオが伴奏に回ったクリスマス・ソング集。ギターのラッセル・マローン、テナー・サックスのラルフ・ムーアがゲスト参加している。

久々に聴いたんだが良いねえ〜。このクリスマス・ソング集は、僕の大のお気に入りで、購入したのが1999年。以降、クリスマス・シーズンには欠かさず聴いている「クリスマス好盤」。とにかく、レイ・ブラウンのトリオが大活躍。このピアノ・トリオの演奏、伴奏が絶品。そんなピアノ・トリオをバックに、ジャズ・ボーカルの実力者がズラリ、クリスマス・ソングを唄い上げていく。とても、ゴージャズなクリスマス・ソング集。
 
Ray_brown_christmas_songs_2  
 
ディー・ディー・ブリッジウォーターによるシンコペーションとゴスペル調の「Away in a Manger」から始まり、続く、ダイアナ・クラールは「Santa Claus Is Coming to Town」でブルースを奏で、4曲目、エタ・ジョーンズは「It Came Upon a Midnight Clear」をダウンホーム風にアレンジし、そして、6曲目、ケヴィン・マホガニーによる温かくクラシックな「The Christmas Song」を唄い上げる。

ジャズ・ベースのレジェンド、レイ・ブラウンのベースワークが素晴らしいのは当たり前として、とりわけ、ピアノのジェフ・キーザーが素晴らしい。ドラムのグレゴリー・ハッチンソンも確実で柔軟でとても良いドラム。実はこのトリオだけでの演奏もあるのだが、これがまた絶品につぐ絶品揃い。3曲目「God Rest Ye Merry, Gentlemen」、5曲目「Little Drummer Boy」、9曲目「We Wish You A Merry Christmas」、10曲目「O Tannenbaum」の4曲だが、どれも甲乙付けがたい名演の数々。

ラストは、ドラムのハッチンソンがボーカルを担当したラップ・ジャズ「The Christmas Rap」。この盤を初めて聴いた時は、このラップ・ジャズ、ふざけているんとちゃうか、これは蛇足、なんて感じたものだが、今の耳で聴くと、意外と面白くて、これはこれで「ご愛嬌」として楽しく聴ける。歳を取ったのだろうか、音に対する許容量が増えたのだろうか(笑)。これはこれでアリかな(笑)。
 
 

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2025年12月 4日 (木曜日)

1970年代西海岸ジャズの名演

ボサノヴァ・ギタリストの第一人者のアルメイダと、西海岸ジャズを代表するサックス奏者のシャンクが中心になって結成された「L.A.フォア」。バックのリズム&ビートを司るリズム隊に、ジャズ・ベースのレジェンド職人、レイ・ブラウン、西海岸ジャズを代表するドラマー、シェリー・マンが控える。テクニック優秀、歌心満載、極上のカルテット演奏を聴くことが出来る。

『The L.A. Four Scores!』(写真左)。1974年7月27日、カルフォルニアの「Concord Boulevard Park」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bud Shank (sax, fl), Lurindo Almeida (g), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。西海岸ジャズを代表するサックス奏者、バド・シャンクと、ボサノヴァ・ギタリストの第一人者、ローリンド・アルメイダが中心になって結成されたジャズ・グループ ”L.A.フォア”の、The Concord Summer Festival で行ったライヴ音源。

演奏の雰囲気は、ウエストコースト・ジャズ。アルメイダのギターが入っているので、ブラジリアン・ジャズへの展開もあるので、演奏のアレンジがふるっている。聴き手を十分に意識した「聴かせるジャズ」、いわゆる、ウエストコースト・ジャズの十八番。1970年代の純ジャズ演奏なので、ジャズ・ファンクの演奏もあって、これはこれで、また見事にアレンジされている。
 

The-la-four-scores

 
フロントのアルメイダとシャンクが見事なパフォーマンスを披露するなら、リズム隊のレイ・ブラウンのベースと、シェリー・マンのパフォーマンスもこれまた見事。特級のリズム隊。ベース音がブンブン響き、ドラムがタイトなビートを叩き出す。変幻自在、硬軟自在、緩急自在のリズム&ビートをフロントに供給し、フロントを支え、フロントを鼓舞する。フロントと対等の立場のリズム隊。これが、”L.A.フォア”の最大の魅力。

ドラム・ブレイクではじまるファンキーな冒頭の「Sundancers」、メロウなアルメイダのギターと、シャンクのフルートがクール。2曲目は、お洒落なサンバ・ジャズが小粋な「Carioca Hills」。5曲目は、ボッサ・ビートに見事に乗った、ソフト&メロウなシャンクのフルートが魅力の「Cielo」。そして、ラストは、究極のボサノヴァ・ジャズ「 Manha De Carnaval」(黒いオルフェ ”カーニヴァルの朝”)。

1950年代のウエストコースト・ジャズの良いところをそのままに、1970年代に実現している小粋なカルテット。ダイナミックで繊細、ファンキーでボサノヴァチック、クールで耽美的。ウエストコースト・ジャズの切れ味の良い、聴き応えのあるグルーヴをそのまま、1970年代に連れてきた、そんな ”L.A.フォア”の躍動感溢れるパフォーマンスが、余すところなく記録されているライヴ盤である。
 
 

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2025年11月22日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・309

素晴らしい内容のピアノ・トリオ盤。詰まっている音は、当時最先端の「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」。完全フリー・ジャズでは無い。トリオ演奏のベースは、あくまで、ハードバップの延長線上に一番先にある決め事に則った、メインストリーム志向の純ジャズなピアノ・トリオのサウンド。

Gary Peacock Trio『Eastward』(写真左)。1970年2月4-5日、川口市民会館での録音。ちなみにパーソネルは、Gary Peacock (b), Masabumi Kikuchi (p), Hiroshi Murakami (ds)。純ジャズ・ベースの賢人、ゲイリー・ピーコックがリーダー、菊地雅章のピアノ、村上寛のドラムを従えた、ジャズ・ベースがリーダーのピアノ・トリオ盤。

ベーシストがリーダーのジャズ盤は、リーダーのベーシストが「こんなジャズをやりたい」という演奏スタイル、演奏内容を音として具現化していく、という制作方向性があるが、ここでは、リーダーのピーコックが、この「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」を所望したのであろう。そして、呼ばれたピアノが菊地雅章、ドラムが村上寛。そして、録音場所が埼玉県の「川口市民会館」。

東京へ静養しに来日していたピーコック。日本のレコード会社に見つかり、当時の若手の日本人ジャズマン二人と吹きこんだ初リーダー作。ピーコックとしても、降って湧いた様なレコーディング。それでも、菊地と村上の特性と個性を見抜いて、この若手二人に、上質の「限りなくフリーに近いモーダルなジャズ」をパフォーマンスさせる。偶発的なセッションだが、見事な内容のモード・ジャズを、初リーダー作をものにしている。
 

Gary-peacock-trioeastward

 
ベーシストがリーダーの盤の割には、ベース音のレベルが低めなのが気になるが、音量を上げると、しっかりとピーコックの自由奔放、変幻自在、硬軟自在、緩急自在な「限りなくフリーに近いモーダルな」ベース・パフォーマンスを聴き取ることができる。このピーコックのベースが醸し出すグルーヴが、実に硬派で先鋭的で自由度が高いグループ・サウンドを創り出していく。さすが「リーダー」のベースである。

そんなベースが好要素だったのだろう。菊地のピアノがいつになくメインストリーム志向していて、実に硬派な実に流麗なモーダルなピアノ・パフォーマンスを聴かせてくれる。菊地がここまで、メインストリーム志向でクールで流麗なモーダルなピアノを弾き回すとは思わなかった。十分、世界に通用するパフォーマンスである。

村上のドラムも大健闘。ピーコックの自由奔放なベースのリズム&ビートに柔軟に反応、追従して、菊地のピアノをサポートし鼓舞する。ピーコックとのインタープレイも見事。村上のドラムのリズム&ビートが、ピーコックと菊地の自由度をコントロールしている。ピーコックが自由奔放なアドリブ・パフォーマンスを安心して繰り広げられるのも、井上のドラムがあってこそ。

メンバーの自作曲だけで締められた選曲も良い。スタンダード曲だと、スタンダード曲の旋律と既成概念に縛られるところがあるが、モードが前提の自作曲なだけ、メンバーそれぞれが、自らのイマジネーションのおもむくまま、限りなく自由度の高いモーダルな演奏を展開出来る。しかし、1970年の我が国で、これだけ優れた内容のモーダルなピアノ・トリオ盤が創造されていたとは。今の耳で聴いても、十分に鑑賞に耐える。秀作です。
  

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2025年11月15日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・307

デンマーク出身のジャズ・ベーシストの名手レジェンドといえば、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンの名前がいの一番に浮かぶ。惜しくも2005年4月に鬼籍に入ってしまったが、彼のベースは、ソリッドなブンブン唸る重低音ベース。ピッチもバッチリ合ったヴァーチュオーゾであった。

Thomas Fonnesbaek & Justin Kauflin『Synesthesia』(写真左)。2017年6月14-15日の録音。ちなみにパーソネルは、Thomas Fonnesbæk (b), Justin Kauflin (p)。デンマークの現代ジャズ・ベースの名手、トーマス・フォネスベックと、米国の中堅ピアニスト、ジャスティン・カウフリンによるデュオ盤。

トーマス・フォネスベックもデンマーク出身。ペデルセンの跡を継ぐ、中堅ベーシスト。今年48歳。ベース音がペデルセン直系。ソリッドなブンブン唸る重低音ベース。ペデルセンよりややライトで明るい音色。テクニックはペデルセン同様、相当に高い。

ジャスティン・カウフリンは、米国出身のピアニスト。今年39歳。11歳のとき、病により視力を失い、以降は盲目のピアニストとして活躍を続けている。端正で美しく鳴る、耽美的でリリカルな印象派ピアノ。優しい「ミシェル・ペトルチアーニ」なイメージ。米国出身ながら、音の傾向は「欧州」。
 

Thomas-fonnesbaek-justin-kauflinsynesthe

 
冒頭のタイトル曲「Synesthesia」から、デュオの2人は出力全開。ソリッドでブンブン胴鳴りを響かせながら、重低音のベースラインを弾きまくる。ピッチがバッチリ合っていて、聴いていて気持ちが良い。そして、そこに、欧州的響きの耽美的でリリカルな印象派ピアノが絡み追従する。このデュオ、面白いのは、ベースがリードして、ピアノが追従するイメージで、グイグイ引っ張る様なイメージのフォネスベックが恰好良い。

デュオ演奏として、ピアノとベースはもともと相性が良いが、このフェネスベックのベースとカウフリンのピアノの相性は相当に良い。これだけ、速いテンポでインタープレイを続けても、音がぶつかりそうになることも、音が単調になることも無い。

3曲目のスタンダード「It's All Right With Me」は美しいことこの上ない。ベースが前面出る時はカウフリンが、ピアノが前面に出る時にはフォネスベックが、極上の伴奏フレーズを叩き出す。インタープレイは硬軟自在、変幻自在、緩急自在に、心地良い一体感を醸し出す「絡み」は極上の美しさ。

しかし、凄まじいレベルのベースとピアノのデュオ。硬軟自在、変幻自在、緩急自在、テクニックのありったけを尽くして、そして、豊かな歌心を宿して、ベースもピアノも唄う様に、デュオ・パフォーマンスを繰り広げていく。このデュオ盤、現代のベースとピアノのデュオ盤の「名盤」として良い内容を誇っている。素晴らしいデュオ盤である。
 
 

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2025年11月13日 (木曜日)

スピリチュアルな ”自画像” 盤

「ジャズ・ピアニスト、山下洋輔、年内で演奏活動一時休止 休養へ」のニュースが流れて、思わず「えっ」。最近、山下洋輔さんの話題を聞かないなあ、元気されてるのかなあ、とちょっと心配していたんだが、案の定である。報告文の最後に「長年にわたる山下洋輔へのご注目・応援、ありがとうございました」と書かれているのが気になるが。

ということで、我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズを聴かねば、という想いに駆られ、昨日から、我が国のフリー&スピリチュアル・ジャズの名盤&好盤を選盤し、順番に聴き直している最中である。

鈴木勲『自画像』(写真左)。1980年の作品。Paddle Wheelからのリリース。ちなみにパーソネルは、鈴木勲(b, 他)。アルバムの宣伝文句を借りると「ウッドベース、ハモンドオルガン、ヴォコーダー、大正琴、二胡といった多種多様な楽器と自身のボーカルを、多重録音を駆使して重ね合わせ、たった一人の手で作り上げられた作品」。当時として、相当な「異色作、問題作」であろう。

特注のピッコロ・ベース、ウッド・ベース、ハモンド・オルガン、スピネット、ボコーダー、スキャット、大正琴、中国の二胡(胡弓)、風の音などを一人で多重録音した、フリー&スピリチュアル・ジャズな内容の秀作。多重録音として、実際の録音時には苦労しただろう、と思われる、多重録音でありながら、ジャズの「キモ」である、即興演奏な雰囲気を損なっていないところが凄い。
 
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20種類以上の楽器を繰って多重録音.歌までうたう、しかも、その内容は、当時として最先端の「フリー&スピリチュアル・ジャズ」。ジャズ者の間で賛否両論渦巻いたのは想像に難くない。当時の「ジャズの範疇」から大きく外れていたのだから仕方の無いことだが、今の耳で聴くと、意外と内容的に整った、創造性溢れる、コンテンポラリーな「スピリチュアル・ジャズ」に聴こえるから不思議だ。

当時のジャズの語法を全く無視した、官能的で感覚的で印象的な、多重録音による即興演奏。その響きはまさに「スピリチュアル」。フリーな展開もあるにはあるが、さすがに多重録音なので、完全フリーな展開は抑制されている。その分、ボコーダーやスキャット、そして、ハモンドオルガンを活用して、スピリチュアルな音要素を増強している。これが巧妙。これが、この異色作を「和スピリチュアル」な名盤たらしめている。

決して、アブストラクトでも、ストレンジでも無い。しっかりと、理路整然とフリー&スピリチュアル・ジャズしている。とにかく、様々な楽器の使い方が上手い。そして、その様々な楽器をしっかり統率し、一体とさせているのが、鈴木勲のベース。超弩級の重低音を鳴り響かせながら、スピリチュアルなリズム&ビートを弾き出している、

作曲、演奏のみならずジャケットアートワーク、ライナーノーツに至るまでを自身で手がけた、名実共に「自画像」な作品。ジャズというジャンルの中で、米国にも欧州にも無い、唯一無二な音世界。我が国のジャズ・シーン発信の、フリー&スピリチュアル・ジャズの名盤として良いと思う。
 
 

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2025年11月 6日 (木曜日)

ジャス喫茶で流したい・305

僕が本格的にジャズを聴き始めたのが1978年。そして、その翌年、このアルバムを聴いた時、その時点での、その時代での日本のジャズは、世界のジャズに比肩するレベルにあることを初めて確信した。我が国の音楽は、西洋、欧州や米国の後塵を拝してきたイメージがあったが、ジャズは違う。そう感じさせてくれたアルバムがこれだった。

富樫雅彦 & 鈴木勲『陽光』(写真左)。1979年2月1-3日、東京での録音。ちなみにパーソネルは、富樫雅彦 (ds, perc, synth, solina), 鈴木勲( b, piccolo-b, cello, p, solina)。我が国の純ジャズ系ドラマーの鬼才レジェンド、富樫雅彦と、我が国のジャズ・ベーシストのレジェンド、鈴木勲とのデュオ盤。

富樫雅彦は本職はドラム、鈴木勲は本職はベース。ドラムとベースのデュオか。ちょっと地味な感じがして、聴いていて飽きなければ良いが、と思いつつ、レコードの針を落としたら、ほど無くピアノの音が滑り込んできたので、あれ、ドラムとベースのデュオじゃなかったか、とパーソネルを見ると、富樫がシンセサイザーを、鈴木がピアノとシンセサイザーを弾いていて、の多重録音。
 

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演奏の基本は、フリー〜スピリチュアル・ジャズ。フリーの部分は、米国東海岸の様な、激情に身を預けて、心の赴くまま、無勝手流に弾き散らすのでは無く、現代音楽のエッセンスを融合した、広がりと間を活かした即興演奏をベースとした、独特のフリー・ジャズ。演奏全体の透明度と間の静謐度の濃い演奏は、欧州のECMレコードに通じる、レベルの高いものだった。

理路整然としたフリーな演奏、その透明度の高さ、間の静謐度の高さは、和ジャズ独特の「侘び寂び」を基本とした、スピリチュアル・ジャズを表現している。リズム&ビートは即興をベースとしていて、この辺りは、ECMレコードの「ニュー・ジャズ」を展開を踏襲している様に感じるが、音の暖かさとカラフルさは、和ジャズ独特の「ニュー・ジャズ」である。

冒頭の「A Day Of The Sun」。シンセとピアノのイントロからサンバ・ビートに展開するスピリチュアル・ナンバー。このタイトル曲に代表される様に、この盤には、我が国独特のフリー〜スピリチュアル・ジャズが詰まっている。1979年度・スイング・ジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞受賞作品。この大賞受賞は納得。世界のジャズに比肩する、アーティスティックな、ニュー・ジャズ志向のフリー〜スピリチュアル・ジャズでした。和ジャズの名盤の1枚でしょう。
 
 

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2025年9月 8日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・295

ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンは「デュオ演奏の達人」。様々なジャズ・ミュージシャンと組んで、デュオ演奏を繰り広げてきた。ヘイデンのベースが演奏の「底」をシッカリ支え、強靱なリズム&ビートを供給し、デュオのパートナーを支え鼓舞する。このヘイデンのベース捌きが見事で、フレーズを弾き出させても、歌心溢れ印象的なフレーズを叩き出す。そういう点から、僕はヘイデンのことを「デュオ演奏の達人」と呼ぶ。

Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba『Land of the Sun』(写真左)。2003年12月19–22日の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Gonzalo Rubalcaba (p, perc), Ignacio Berroa (ds, perc), Joe Lovano (ts), Miguel Zenon (as), Michael Rodriquez (tp, flh), Oriente Lopez (fl), Larry Koonse, Lionel Loueke (g), Juan De La Cruz "Chocolate" (bongo)。

ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンとキューバ出身のバップ・ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバによるアルバム。基本、メインは、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏。メキシコのポピュラー音楽の金字塔として知られるホセ・サブレ・マロキンの作品に主に焦点を当てている。しみじみと聞く、バラード系の作品。
 

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ヘイデンとゴンサロのデュオ作品では無く、テナー・サックス、アルト・サックス、トランペット、フルート、などの管楽器、そして、ギターなどが入った豊かなサウンド・イメージであるが、これは、音世界の「彩り」の役割。演奏全体は、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏がメイン、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏が、豊かな音世界の「彩り」をバックに、クッキリ前へ出て、映えに映える。

ラテン・テイストのバラード曲を、ヘイデンとゴンサロは粛々と弾き進めていく。心にしみ入る美しいメロディー満載。ゴンザロの耽美的でリリカルで力感溢れるバップ・ピアノが美しい。そして、その美しいピアノを支え、リズム&ビートを導く、ソリッドで重量感溢れるヘイデンのアコースティック・ベースが頼もしい。そこに管楽器とギターが効果的に絡む。

デュオ名盤『Nocturne』(ここをクリック)に続く、ヘイデンとゴンサロのコラボ盤であったが、ヘイデン自身の言葉によると『ノクターン2』みたいなものにはしたくなかった、という。確かにその通りで、バラード曲集ではあるが、メキシコのポピュラー音楽をメインに据えたラテン・テイストのバラード曲集という、ユニークな内容のアルバムに仕上がっている。好盤である。
 
 

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