2026年1月18日 (日曜日)

ベネット&エヴァンスの続編盤

伴奏上手でも名を馳せていたビル・エヴァンス。フロントがホーン楽器の伴奏を記録したアルバムはいろいろあるが、ボーカルのバックで演奏上手を披露したセッションは、男性ジャズ&ポップス歌手、トニー・ベネット(Tony Bennett)、そして、スウェーデンの女性歌手、モニカ・ゼタールンド(Monica Zetterlund)の2人とだけ。

Tony Bennett and Bill Evans『Together Again』(写真左)。1976年9月27–30日の録音。ちなみにパーソネルは、Tony Bennett (vo), Bill Evans (p)。男性ジャズ・ボーカリストの代表格の1人、トニー・ベネットと、ジャズ・ピアニストのレジェンド、ビル・エヴァンスとのデュオ盤である。

1975年6月の録音の『Tony Bennett / Bill Evans Album』(2021年2月19日のブログ・左をクリック)の続編である。約1年3ヶ月後の「アゲイン盤」。アルバム全体の雰囲気は、『Tony Bennett / Bill Evans Album』と変わらない。気持ち良い伴奏を得て、朗々と気持ち良く唄うベネットと、そんな気持ちの良い伴奏を供給する、伴奏上手のエヴァンス。
 

Tony-bennett-and-bill-evanstogether-agai

 
ミッド・テンポのバラードからジャズ・スタンダード曲がメイン。影なく朗々とダンディズム溢れる唄いっぷりのベネットのバックで、耽美的なフレーズながら、意外とバップな覇気ある伴奏ピアノが浮き出てきて、なかなか良い雰囲気。それでいて、ベネットの熱唱を決して邪魔しないのだから、伴奏上手のエヴァンスの面目躍如である。

「You Must Believe in Spring」「A Child Is Born」「You Don't Know What Love Is」など、ビル・エヴァンスのお気に入り曲も選曲されていて、ビル・エヴァンスのピアノ歌伴との親密感溢れるベネットの歌唱が堪能出来る。朗々と唄い上げるベネット、そして、間奏で、耽美的なフレーズを回しながら、クールでバップな弾き回しを聴かせるビル・エヴァンス。この2人のレジェンドの熟練したパフォーマンスの共演は、やはり優れいている。

一枚目の共演盤『Tony Bennett / Bill Evans Album』と、この続編の『Together Again』のどちらが優れているか、という議論もあるが、どちらも、2人のレジェンドの個性と味のあるテクニックとが相乗効果を生んでいて、甲乙つけるのは「野暮」というものだろう。まあ、我が国では「続編盤」は「二番煎じ」と決めつけて、最初の盤より続編の方が、居抜きで評価をさげる傾向にあるので、まずは、自らの耳で聴いてみることが先決だろう。
 
 

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2026年1月13日 (火曜日)

伴奏上手のケリーを聴き直す・3

ウィントン・ケリーは「伴奏上手なピアニスト」という評価をよく目にするのだが、フロント管などの「楽器」のバックでの伴奏上手なケリーの「音の記録」は多々ある、しかし、ケリーの「伴奏上手」は、ボーカルのバックでこそ、最大限に発揮される、とされるのだが、このボーカルのバックに回った、伴奏上手のケリーの「音の記録」については、意外と数が少ない。

Dinah Washington『For Those in Love』(写真左)。1955年3月15–17日の録音。ちなみにパーソネルは、Dinah Washington (vo), Clark Terry (tp), Paul Quinichette (ts), Cecil Payne (bs), Jimmy Cleveland (tb), Wynton Kelly (p), Barry Galbraith (g), Keter Betts (b), Jimmy Cobb (ds)。ダイナ・ワシントンのボーカル盤。バックは、フロント4管、ギター、ピアノ・トリオのリズム・セクションのオクテット編成。

どの曲でも、ウィントン・ケリーのピアノが映える。ダイナの歌唱のバックでは、ダイナの歌唱を引き立てる、ダイナの歌唱に彩りを添えるようなフレーズを弾き回し、ソロになると、ケリーの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」を惜しげも無く披露する。
 

Dinah-washingtonfor-those-in-love

 
ケリーのハッピー・スウィングするピアノが、ダイナのボーカルのスウィング感と共鳴して、ダイナのボーカルを引き立て、スィング感を増幅する。ケリーの「そこはかとなく、マイナーな影を宿しながらの端正で流麗なピアノ」でのイントロは、ダイナの歌唱の雰囲気を的確にセットアップしている。

とりわけ、ダイナの歌唱のバックでは、ダイナの歌唱を引き立てる、ダイナの歌唱に彩りを添えるようなフレーズを弾き回しが見事で、これだけ「ハッピー・スウィングするピアノ」で、ダイナの歌唱に彩りを添えるような、寄り添うような弾き回しをするのだが、決して、ダイナの歌唱の邪魔になっていない、どころか、ダイナの歌唱に溶け込んで、ダイナの歌唱をハ映えに映えさせているところが、見事というか、これぞ「職人芸」である。

ボーカルのバックに回った、伴奏上手のケリーの「音の記録」については、意外と数が少ないのだが、まずは、このダイナ・ワシントンのバックでの、「伴奏上手」の面目躍如的パフォーマンスを聴くのが、まず「いの一番」だろう。特に、この『For Those in Love』でのケリーの「伴奏ピアノ」は絶品。リヴァーサイドから、本格的なリーダー作を出す3年も前のケリーのピアノなんだが、ケリーの個性と伴奏上手が確立していて見事である。
 
 

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2025年12月22日 (月曜日)

キャノンボールとウィルソンと...

クリスマス・イヴまであと2日。といって、クリスマス・ジャズのアルバムばかりかけていると、そもそも、クリスマス・ソングって、数が限られているから、アルバム毎に重複する曲も結構出てきて、段々飽きてくる。なので、このクリスマス・シーズンには、クリスマス・ジャズ盤の合間合間に、ジャズ・ボーカル盤を効果的に挟んで、その「飽き」を回避している(笑)。

『Nancy Wilson / Cannonball Adderley』(写真左)。1961年7, 8月の録音。ちなみにパーソネルは、Nancy Wilson (vo, tracks: 1 to 7, CD 1993), Cannonball Adderley (as), Nat Adderley (cor), Joe Zawinul (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。

キャノンボールのバンドにウィルソンのボーカルがゲスト参加した「ボーカルもの」と、キャノンボールの「クインテット演奏」のハイブリッド構成。LP時代の曲の構成は「ボーカルもの」と「クインテット演奏」が互い互いに収録されていたのだが、CDになって「ボーカルもの」が7曲全部、前半に寄せられ、後半に「クインテット演奏」の収録になった。

これが解せない。LP時代の編成の方が、「ボーカルもの」と「クインテット演奏」を互い互いに楽しめたものを、CDの構成では、キャノンボールのバンドにウィルソンのボーカルがゲスト参加した「ボーカルもの」と、キャノンボールの「クインテット演奏」、それぞれのアルバムをカップリングした感じで、「ボーカルもの」と「クインテット演奏」それぞれにおける、キャノンボール・クインテットの演奏の妙が楽しみ難くなっている。
 

Nancy-wilson-cannonball-adderley

 
さて、ナンシー・ウィルソンの歌唱が素晴らしい。ナンシー・ウィルソンは、単なるジャズ歌手という枠に収まることなく、ジャズ、R&B、ポップスを自在に歌いこなす「ソング・スタイリスト」として知られた偉大な歌手である。「どんな曲も自分のものにする」という自負から自らを「ソング・スタイリスト」呼び、端正な唄いっぷりと囁く様な透明感溢れる歌声。大胆にて細心、とにかく聴き応え満点のボーカルである。

そんなウィルソンの迫力あるボーカルを、キャノンボールのクインテットがガッチリと受け止め、ガッチリとサポートし、ガッチリと鼓舞する。キャノンボールのクインテット演奏が迫力満点、ウィルソンの迫力満点のボーカルに負けること無く、さりとて、ウィルソンのボーカルを凌駕すること無く、とてもバランスの良い歌伴をしているところに、この頃のキャノンボール・クインテットの力量、懐の深さを感じる。

その、この頃のキャノンボール・クインテットの力量、懐の深さは、クインテット単体の演奏で十分に感じ取ることが出来る。迫力満点、ハイテクニックで歌心満点のキャノンボールのアルト・サックス、ばりばりバップなナットのトランペット、ファンクネスを撒き散らすザヴィヌルのピアノ、ブンブン唸るジョーンズのペース、端正で柔軟なヘイズのドラム。このキャノンボール・クインテットは無敵である。

キャノンボール・アダレイがナンシー・ウィルソンと出会った時、キャノンボールはウィルソンにキャリア・アップのためにニューヨークへ行くよう勧めている。そして、1959年、ウィルソンはニューヨークへ移り住み、メジャーな存在になっていく。そんな間柄のキャノンボールとウィルソンだからこそ成立した、この魅力的なクインテットとボーカルのコラボレーション。キャピトル・レコードのスマッシュ・ヒットであった。
 
 

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2025年11月27日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・140

1980年のリリースの、Alberta Hunter『Amtrak Blues』を突然、思いだして、45年振りの再聴。ブルースとジャズが融合した、独特の個性的なボーカル。ブルースの泥臭さをジャズが中和している感じ。唄いっぷりは堂々としていて迫力満点だが、耳に優しく心に心地よく響く。素晴らしいボーカル。そして、このアルバータ・ハンターの他のアルバムを物色していて、この盤に行き当たった。

Alberta Hunter With Lovie Austin's Blues Serenaders『Chicago - The Living Legends』(写真左)。1961年9月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Alberta Hunter (vo), Darnell Howard (cl), Jimmy Archey (tb), Lovie Austin (p), Pops Foster (b), Jasper Taylor (ds)。伝説の女性ブルース・シンガー、アルバータ・ハンターのピアニストのロヴィー・オースチンと共演した名作。

まずは、アルバータ・ハンターの歌声である。根っこはブルース。ブルースの泥臭さをディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズに乗せて整える、そんな感じのハンターの歌唱はジャジーであり、説得力がある、そして、とにかく上手い。「St. Louis Blues」「Downhearted Blues」「You Better Change」といった曲で最高のパフォーマンスを聴かせてくれる。
 

Chicago-the-living-legends

 
そして、1961年の録音にも関わらず、演奏全体の雰囲気は、ディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズ志向。このオースティンの「ブルース・セレナーダーズ」(トロンボーンのジミー・アーキー、クラリネットのダーネル・ハワード、ベースのポップス・フォスター、ドラマーのジャスパー・テイラーを含む五重奏団)の演奏、これが良い。やはり、このジャズの音が、ジャズの原風景なんだろうな、と改めて納得する。

このオースティンの「ブルース・セレナーダーズ」の演奏、ハンターのボーカル曲では、簡潔なソロ・パフォーマンスのスペースがあって、ここで瞬間芸的なアドリブ・パフォーマンスを披露する。これが見事。そして、「Sweet Georgia Brown」「C-Jam Blues」「Gallion Stomp」の3曲が、「ブルース・セレナーダーズ」単独のインスト・ナンバーであり、このインスト・パフォーマンスが、ディキシーランド&ニューオリンズ・ジャズ志向のハードバップという感じで、これも見事。

ピアニストのロビー・オースティンにとって、20年ぶりのレコーディングだった。彼女は当時74歳近くで、シカゴのダンススクールでピアニストとして働いていた。アルバータ・ハンターは、1954年に看護師になるために音楽界を引退し、その間、2週間前に一度しかレコーディングしていなかった。そんな二人が奇跡の邂逅を果たしてのこのライヴ録音、そして、この優れたパフォーマンス。ジャズって凄いなあ、と思う瞬間である。
 
 

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2025年10月15日 (水曜日)

クリス・コナー, 傑作の1枚です

ベツレヘム・レーベル。カタログを見渡すと、ジャズ・ボーカルのアルバムが散見される、というか、資料によると、全カタログの4分の1がジャズ・ボーカルのアルバムとのこと。つまりは「ジャズ・ボーカルの宝庫」。女性ボーカルのラインナップも充実していて、クリス・コナーを擁しているところなどは、「ボーカルに強いベツレヘム」の面目躍如。今日はそんなクリス・コナーの好盤の1枚をご紹介。

Chris Connor『Chris - The Rich Sound Of Chris Connor』(写真)。1953年12月 (#2- 4), 1954年8月 (#1, 5- 8), 1955年4月 (#9- 12) の3セッションの寄せ集め。当時の未発表曲の寄せ集めである。が、内容は充実している。

ちなみにパーソネルは、 Sy Oliver And His Orchestra (#2- 4), The Ellis Larkins Trio (#1, 5, 6), そして、#9- 12が、J.J. Johnson (tb), Herbie Mann (fl), Joe Puma (g), Ralph Sharon (p: cond), Milt Hinton (b), Osie Johnson (ds)。

ベツレヘムのクリス・コナーの1枚。彼女の一番の特徴はそのクールな歌唱。それまでの「オールド・スタイル」の女性ボーカルでは無く、ストレートでスマートな、聴き心地の良いボーカルにある。そして、歌が上手い、巧みである。抜群の表現力とテクニック。

そういう歌手には、往々にして「歌心に欠ける」という欠点がついて回るのだが、クリスは歌心抜群。声の質も「軽いハスキー・ヴォイス」で、ベトつかず、適度にドライ。
 

Chris-the-rich-sound-of-chris-connor

 
そんなモダンな女性ボーカルが、このアルバムに詰まっている。初期ベツレヘム時代の傑作。ジャズ・スタンダード曲中心の好盤。冒頭の「All About Ronnie」から「Lush Life」「From This Moment On」「In Other Words (Fly Me to the Moon)」など、ナポリ民謡「Come Back To Sorrento」(帰れソレントへ)はユニークな選曲。クリスがクールに見事に唄い上げていく。「軽いハスキー・ヴォイス」がライトにしみじみ染みわたる。

特に、スタンダード曲の歌唱に、クリス・コナーの個性とテクニックが浮き彫りになる。まず、俗っぽくない。正統なジャズ・ボーカルの雰囲気を踏襲していて、洗練されていて典雅。そして、リズム&ビートへの「ノリ」が抜群。スインギーかつ、グルーヴィー。「軽いハスキー・ヴォイス」に、しっとり色気も漂わせた、ストレートでスマートな、聴き心地の良いボーカルが大活躍。

収録された12曲とも、他のアルバムに収録されたセッションの未発表曲を集めたものだが、もともと、収録されたそれぞれのセッションが、クリス・コナー初期の名セッションばかりなので、捨て曲は無し。

ちなみに、ベツレヘムからのリリース当初のタイトルは『Chris』で、クリス・コナーがアトランティックに移籍して、出したアルバムが、同じ『Chris』。ベツレヘムは混同を避ける為にタイトルを『The Rich Sound Of Chris Connor』に変更しているみたいです。なにはともあれ、この盤もクリス・コナーの傑作の1枚。良いボーカル盤です。
 
 

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2025年9月11日 (木曜日)

ロックのビッグバンド・カヴァー

生前、クインシー・ジョーンズが絶賛する。「彼女の力強く官能的なボーカルは魅惑的で、魂を癒してくれる。才能と美しさは並外れている。彼女が歌うものは何でも、彼女は自分のものにしていて、一音一音に意味がある。一度聴けばわかる…彼女は本物だ」。この彼女とは、ミシシッピ州生まれで、ビルボードチャートで2度首位を獲得したボーカリスト、デボラ・シルヴァー(Deborah Silver)である。

Deborah Silver & Count Basie Orchestra『Basie Rocks!』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、Deborah Silver (vo : main), Count Basie Orchestra。

そんなデボラ・シルヴァーが、ジャズ・ビッグバンドの老舗、カウント・ベイシー・オーケストラと組んで、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、スティング、エルトン・ジョン、ポリスといったロック界の巨匠たちの演奏を、自然なセンスと正統派ビッグバンド・アレンジで再解釈した、魅力的な企画盤。ローリング・ストーンズの名ドラマー、スティーヴ・ジョーダンがこの盤をプロデュースしている。

以下がトラックリスト。エルトン・ジョンの1973年のヒット曲「Benny & The Jets」のピアノ・シンコペーションはコール&レスポンスの様に響き、ビル・フリゼールのギター・ソロが魅力的な、スティーヴ・ミラー・バンドの定番曲「Fly Like An Eagle」。

カート・エリングの歌唱が素晴らしい、ソフト・セルの「Tainted Love」。トロンボーン・ショーティをフィーチャーした、スリー・ドッグ・ナイトのヒット曲「Joy to the World」。ボブ・シーガーの「Old Time Rock and Roll」は不思議とビッグバンド・サウンドに合う。
 

Deborah-silver-count-basie-orchestrabasi
 

1.「Paint it back」 feat. Arturo Sandoval and Pedrito Martinez
2.「Benny & The Jets」
3.「Baby I love your Way」 feat. Peter Frampton
4.「Tainted Love」
feat. Kurt Elling (duet) w/ Steve Jordan (ds), John Clayton (b)
5.「Band On The Run」
6.「A Hard Days Night」 featuring: Monte Croft
7.「Joy To The World」 feat. Trombone Shorty (duet)
8.「Fly Like An Eagle」 feat. Bill Frisell
9.「Every Breath You Take」 feat. George Coleman
10.「Old Time Rock & Roll」
feat. Wycliffe Gordon and Herlin Riley (duet)
11.「Life’s Been Good」
feat. Scotty Barnhart of The Count Basie Orchestra

まず、デボラ・シルヴァーの歌唱が素晴らしい。現代の正統派ジャズ・ボーカル。ポップスでもロックでも無い。紛れも無い「ジャズ・ボーカル」といった雰囲気のシルヴァーの歌唱が全編に渡って、素晴らしい存在感を放っている。

そして、ビッグバンド・アレンジが素晴らしい。ロック&ポップス曲のジャズ・カヴァーは、曲の持つ印象的なフレーズを忠実に再現するあまり、ジャズのサウンドに乗ったイージー・リスニング・ミュージックになってしまう傾向が強いのだが、この盤は違う。

正統なビッグバンド・アレンジに乗った、あくまで、ジャズに力点を置いた、ロック&ポップス曲のカヴァーになっているところが素晴らしい。しかも、そんな演奏を担当するのが、ジャズ・ビッグバンドの老舗、カウント・ベイシー・オーケストラ。あくまで、ジャズ・アレンジされたロック&ポップス曲が、とにかく聴いていて楽しい。
 
 

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2025年9月 4日 (木曜日)

良い感じで脱力した独特の歌唱

ジャズ・ボーカルの宝庫と言われる「ベツレヘム・レーベル」。カタログ全体の4分の1がボ-カル盤というから恐れ入る。確かに、ベツレヘム・レーベルのカタログを見渡すと、キラ星の如く、これは名盤だ、とか、これ聴いてみたい、とか、触手が伸びるボーカリストとタイトルばかり。ジャズ・ボーカルを極めるには、ベツレヘムから入るのが良いのかもしれない。

Bob Dorough『Devil May Car』(写真左)。1956年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Bob Dorough (p, vo), Warren Fitzgerald (tp), Jack Hitchcock (vib), Bill Takus (b), Jack Segal (ds)。才能豊かなソングライターであり、優れたピアニスト&ボーカリストでもあったボブ・ドローのデビュー盤。

ボーカルについては、さえずるような高音の声で「良い感じで脱力した独特の歌唱」が特徴。スウィング・ジャズとユーモラスなスキャットがセンスの良くミックスされた、お洒落で粋なジャズ・ヴォーカル。彼の歌声には、彼独特のユーモアと遊び心が感じられ、ジャズのスタンダード曲に、新しい魅力を添加している。
 

Bob-doroughdevil-may-car

 
ホーギー・カーマイケルの美しい「 Baltimore Oriole」、ディジー・ガレスピーの「Ow!」、チャーリー・パーカーの「 Yardbird Suite」といったバップ曲で、ドロー自身の印象的な歌詞と共に、ドローの歌唱が際立つ。そして、彼のピアノは「軽妙」。この軽妙なピアノが、ドローの歌声にピッタリとマッチして、ドローの歌唱を引き立てている。

バックに控える、ウォーレン・フィッツジェラルドのトランペット、ジャック・ヒッチコックのヴァイブも素晴らしい演奏を披露。ざっとパーソネルを見渡すと、馴染みの無いジャズマンばかりが並んでいるが、このバックの演奏の充実が、この個性的なドローの歌声をさらに引き立てている。

ちなみに、本作でも際立っているが、タイトル曲「Devil May Care」は、ダイアナ・クラールやクレア・マーティンらによってカヴァーされている。マイルス・デイヴィスが曲としてカヴァーした事でも有名。また、ボブ・ドローは、マイルスをバックに唄を歌った(「Nothing Like You」)唯一のジャズ・シンガーでもある(『Sorcerer』に収録)。
 
 

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2025年8月29日 (金曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その43

しかし、酷暑が続く夏である。とうに立秋は過ぎて、もう8月も終わり。ここ千葉県北西部地方、もうちょっと涼しい風が吹いていても良いのだが、全くそんな気配は無い。明日、明後日などは、最高気温は35℃超えの予想。これだけ暑いと「熱いジャズ」は聴けない。とにかく、耳当たりの良いジャズに走ることになる。

Marcos Valle『Samba '68』(写真左)。1967年10-11月の録音。ちなみにパーソネルは、Marcos Valle (g, vo)., Anamaria Valle (vo), Claudio Slon (ds), Deodato (arr), Ray Gilbert (producer)。マルコス・ヴァーリの代表作だけでなく、1960年代のブラジリアン・ポップスを代表する一枚である。

ボサノヴァ・ブームの真っ只中、当時の米国滞在中に2枚の録音を残していが、この盤は、ボサノヴァ期の代表曲のほとんどを収めた総決算的なアルバム。夫婦でデュエットしているので息もピッタリ、ボーカルの質も高い。心地よくアレンジされたオーケストレーションをメインにした、ボサノヴァ・チックな伴奏に乗って、米国ナイズされたボサノヴァ・ジャズな要素が見え隠れするのが面白い。
 

Marcos-vallesamba-68

 
この盤では、全編英語で歌われている。明らかに米国マーケットをターゲットにしたプロデュースで、言語によるボサノヴァ色は薄まっている。が、ヴァーリのボーカルが巧みで、英語で歌いながら、ボサノヴァの雰囲気をしっかり残した歌いっぷりは素晴らしい限り。

そして、このアルバムを、1960年代のブラジリアン・ポップスを代表する一枚たらしめているのは、デオダートのアレンジ。ブラジリアン・ミュージックと米国ジャズとの融合を実現したデオダートのアレンジが秀逸。ボサノヴァの雰囲気を宿しつつ、米国人に馴染のあるジャジーな雰囲気とビートを供給する。米国ジャズにおける「ボサノヴァ・ジャズ」の指針となる様な、優れたアレンジには脱帽である。

ジャケットは「これはなんだ」という感じの、ちょっと怪しい感じですが、中身は一級品。甘くてコクのある歌声のマルコス・ヴァーリ、そして、透明感あるキュートな歌声の当時の妻のアナマリアとのデュエットは爽快感抜群で、この酷暑の毎日に癒やしを与えてくれる。
 
 

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2025年8月22日 (金曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その42

セルジオ・メンデス・ブラジル'65/66のオリジナル・ボーカリスト、ボサノヴァの妖精"と称されたブラジル人女性シンガー、ワンダ・ヂ・サーのソロ・アルバム。シナトラのプロデューサー、デヴィッド・キャヴァナーのプロデュース。ジャック・マーシャルのアレンジ。

Wanda De Sah『Softly』(写真左)。1965年の作品。キャピトル・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Wanda De Sah (vo), Sergio Mendes (p), Sebastiano Neto (b), Chico Batera (ds)。Rosinha de Valenca (g)等、といったBrasil'65のメンバーが務めている。バックが確実に「ブラジル」なので、ボサノヴァの雰囲気も「純正」かつ濃厚。

ワンダ・ヂ・サー(Wanda De Sah)は、1944年リオデジャネイロ、イパネマの生まれ。文字通り「イパネマの娘」である(笑)。実際に、当初は「本物のイパネマの娘」として宣伝されたワンダは、まさに、ボサノヴァ界に、センセーションを巻き起こした。ボサノヴァにおける「純正」女性ボーカリストの代表格である。
 

Wanda-de-sahsoftly

 
ボサノヴァらしく、美しく、リラックスした、健康的に少しエロティックで物憂げな、ワンダ・ヂ・サーの歌唱は実に魅力的。アントニオ・カルロス・ジョビン、バーデン・パウエル、ジョアン・ジルベルト、ルイス・ボンファなどの、当時最先端の若手ブラジル人作曲家たちの秀曲を集め、優れたバックの伴奏とワンダの美しい唄声が一体となって、極上のボサノバ・ミュージックが展開されている。

ストリングス・オーケストラをフィーチャーした「Aruanda」「So Danco Samba」、ギターの音色が素敵な「Tem Do」、米国の一般聴衆をターゲットとして意識した、ラウンジ・ミュージック志向な「Quiet Nights (Corcovado) 」等、リラックスしたボサノヴァ・ナンバーが、ワンダのウィスパー ヴォイスによって映えに映える。

ジャケ写真からして「ボサノヴァの妖精」と言うイメージがピッタリ。ブラジリアン・ウィスパリング・ヴォーカル NO.1の呼び声高く、可憐でちょっと素人っぽいイノセントな雰囲気が、ボサノヴァの音世界とピッタリ合って、とにかく聴いていて心地良い。「ヴァーヴ時代のアストラッドを大人っぽくしたような感じ」とは言い得て妙。
 
 

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2025年8月21日 (木曜日)

悲劇&幻の女性ボーカルの2nd.盤

ヘレン・カー(1922-1960)は、米国ユタ州ソルトレイク・シティ生まれ。1940年代後半、バディ・モロウ楽団やチャーリー・バーネット楽団などの専属シンガーを務め、1955年、ソロ・シンガーとしてベツレヘム・レコードと契約。2作のアルバムを残したものの、その後、1960年になんと38歳で、自動車事故により逝去した悲劇の歌姫である。

Helen Carr『Why Do I Love You?』(写真左)。1955年11月11日、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Helen Carr (vc), Cappy Lewis (tp), Howard Roberts (g), Red Mitchell (b),。トランペット、ギター、ベースという変則トリオをバックにした、幻の女性ボーカリスト、ヘレン・カーのアルバム。

ベツレヘムに2枚のアルバムを残し、ジャズ・シーンから姿を消した、幻の女性ヴォーカリスト、ヘレン・カーのセカンド盤。ロスでの録音なので、パーソネルは、米国ウエストコースト・ジャズの強者が名前を連ねる。まず、このウエストコースト・ジャズの一流どころがバックを固めているので、まず、内容的に「悪い」はずがない。
 

Helen-carrwhy-do-i-love-you  

 
爽やかな健康的な色気が魅力的な、キュートな女性ヴォーカル。音程はシッカリしていて、テクニックも優秀、確かに「可愛らしい」自然なボーカルで、聴き心地が抜群に良い。本格的な女性ボーカルとは一線を画する、ポップで聴き心地の良い女性ボーカルで、とにかく個性的。これだけ、キュートでハートウォーミングな女性ボーカルは、なかなか他にはない。

品の良いボーカルで、押し付けがましさは皆無。とにかく、聴き心地が良くて、ながら聴きに最適なボーカル。ベツレヘムのヴォーカル・アルバムには、独特なベツレヘム・カラーがあるのだが、この盤もその例に漏れない。トランペット、ギター、ベースの変則トリオのバッキングは、小粋なアレンジが施され、ウエストコースト・ジャズの雰囲気を色濃く宿している。

ベツレヘム・レーベルは「ジャズ・ボーカルの宝庫」。しかも、大手のレーベルでは無い、中堅ジャズ・レーベルのベツレヘム。商業主義に走らない、硬派な内容のジャズ・ボーカル盤を量産している。女性ボーカルのラインナップも充実していて、ヘレン・カーの様に、稀少で魅力的な女性ボーカルもしっかりと残している。ベツレヘム・レーベルは決して侮れない。
 
 

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