ロンの技術を愛でるトリオ盤
Ron Carter『Third Plane』(写真)。1977年7月13日、米国サンフランシスコでの録音。マイルストーン・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b), Herbie Hancock (p), Tony Williams (ds)。1970年代後半、アコースティック・純ジャズへの回帰として人気を博したV.S.O.Pクインテットのリズム・セクション(ピアノ・トリオ)の好盤である。
この盤を見ると、聴く前は、大多数のジャズ者の方が「ハービー・ハンコック」のピアノに着目するのだが、もともと、ハービーはトリオ演奏が、あまり得意では無い。冒頭のタイトル曲「Third Plane」のテーマ部から、アドリブ部の前半までは、とにかくぎこちない弾きっぷり。もともと、カリプソっぽいポップな曲はハービーは馴染まないみたいで、ちょっとユーモラスでキャッチーなテーマ部はぎこちない。
それでも、曲の途中から調子を掴んだのか、少し滑らかにアドリブを展開し始めて、2曲目以降は、安定のモーダルなピアノを弾き続けていく。音の重ね方、フレーズの展開のパターンなどは、ハービーの個性がしっかりと出ていて良好。しかし、フロントに立ってのソロはちょっと地味かなあ。良いテクニック、良いフレーズを展開しているんですが、音の跳ね方、響き方がちょっと内向的なところで損をしている。
一方、リーダーのロンは、この頃のロンの最大の問題点だった「ピッチ」がまあまあ合っていて、安心して聴き進めることができる。電気的なアタッチメントは付けているみたいで、フレーズの伸びの部分が「ブヨーン、ブヨーン」とちょっと気持ち悪いが、ピッチがそこそこ合っているので、鑑賞には耐える。この盤では「ピチカート技法」が冴えていて、ロンはアコベを弾かせたら、屈指のベーシストだということを再認識させてくれる。
このトリオ盤でのトニーのドラムは温和しい。いつもはバンバン叩きまくってフロントを鼓舞しまくるのだが、この盤では神妙にモーダルなリズム&ビートを刻んでいる。意外と抑制されたトニーのドラミングの方が、静かな凄みがあって、僕は気に入っている。温和しめではあるが、要所要所では、しっかりとリズム&ビートを締めて、演奏全体に有効な推進力を供給する。
いわゆる、マイルスの1960年代黄金のクインテットのリズム・セクション、リーダーでベースのロン・カーター、ピアノのハービー・ハンコック、ドラムのトニー・ウィリアムスでのピアノ・トリオ演奏である。リーダーがロンであるがゆえ、このトリオ盤は、まずは、ピアノ・トリオにおけるロンのアコースティック・ベース(アコベ)の技術とセンスを堪能する盤である。
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