2014年4月21日 (月曜日)

これもロッド者への贈り物です

昨日のRod Stewart『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』に続いて、今日もロッド者への贈り物の話を。

ちょっと古い話になるが、2009年10月、ロッドの楽曲の未発表曲やアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなど、25年以上のキャリアの中から63曲を集めた、CD4枚組ボックス盤がリリースされた。そのタイトルは『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』(写真)。

ロックのアルバムというのは、収録された楽曲はどれもがベストテイクで固められている。つまり、正式なアルバムに収録されたテイクが最高のテイクで、そのテイクを凌駕するテイクがアウトテイクとして残っていることは、かなり希である。

最終ミックス前のベーシックなバージョンも、弦が入っていなかったり、エレギが入っていなかったり、コーラスが入っていなかったりで、正式なアルバム収録の最終バージョンを知っていると、なんだか、気の抜けたビールの様な、何か大切なものが足らない様な感じがどうにもいけない。

ラフスケッチ風のアーリー・バージョンは、その楽曲の完成までの過程を理解することが出来るが、その出来はかなりラフなもの。マニアには良いかも知れないが、通常のリスナーには不要なものだろう。

最近、CDの収録時間の長さを利用して、LP時代のアルバムの収録曲の後に、このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンを入れることが多くなった。これって、ジャズのCDと同じ感じなんだが、ジャズの場合とは意味が異なる。
 

Rod_sessions_1971_1998

 
ジャズは即興の音楽なので、別テイクでもその出来や内容は、アルバムに正式に採用されたバージョンと比べて遜色の無いものがほとんど。つまり、ジャズは同じレベルや内容で別テイクを幾つも演奏することが目的の「即興の音楽」だということ。ジャズには、このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンを収録することは、それなりに意味がある。

逆に、ロックは「エンタテインメントな音楽」である。聴いて楽しむ事が目的である。当然、アルバムに収録された楽曲はベストテイクでなければならず、ベストテイクより劣る同じ楽曲のアウトテイクや別バージョンを収録することには、あまり意味が無い。

よって、ロックの場合、アウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンは、そのミュージシャンのマニアのみが楽しむものであり、この『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』の様に、一気に集めて、ボックス盤でリリースするのが良いと思う。

そういう意味で、この『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』は、ロッドのマニア、いわゆる「ロッド者」にとって、素晴らしい贈り物だ。ロッド者にとって、未発表曲とアウトテイク、別バージョンの存在は、とにかく嬉しい。そして、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなども、ロッドの歌声を愛でるには問題無く、正式なアルバムに収録されたベストテイクとはちょっと違う、ちょっと足りところが、またマニア心をくすぐるというものだ。

このCD4枚組の『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』というボックス盤は、ロッドのファン、いわゆる「ロッド者」として聴くには、とても楽しい内容になっている。逆に、ロッドに興味の無い人には必要の無いCD4枚組でしょうね。それで良いんです。

このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなど、25年以上のキャリアの中から63曲を集めたCD4枚組ボックス盤は、昨日の『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』と同様、長年忠誠を誓ってきた「ロッド者」へのロッドからの贈り物なんですから。

 
 

大震災から3年1ヶ月。決して忘れない。まだ3年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

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2014年4月20日 (日曜日)

ロッドからのロッド者への贈り物

昨年5月に『タイム ~ 時の旅人 ~ 』で全英チャート1位を獲得したロッド・スチュワート(Rod Stewart)。今年69歳。年齢など関係無しにアグレッシブに活動を続ける、ロック界最高のボーカリストである。

そんなロッド・スチュワートが、今年の3月、未発表のライブ音源を一気にリリースした。CD4枚組のボリューム。そのタイトルは『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』(写真左)。1976年から1998年まで、18年間に及ぶライヴ音源をCD4枚に凝縮。収録される58曲すべてが未発表。ふへ〜っ、思い切ったことしたなあ。

Disc1は、全て1976年のライブ音源で占められる。1976年と言えば、ロッドは、その前年、あの名盤『Atlantic Crossing』をリリース、そして、その続編となる『A Night on The Town』をリリースした年。確かに、『Atlantic Crossing』から『A Night on The Town』の雰囲気がそのままライブ音源に反映されている。

Disc2は、1976年から1981年までのライブ音源。冒頭にあの名曲「Sailing」が配置され、このDisc2のライブ音源は、フェイセズ時代やソロ初期時代の曲など、ロッドとして珍しい曲が並ぶ。ロッドって、ライブでは結構過去の曲とか、オールディーズのカバーを結構やってたんやね。

Disc3は、1984年から1989年までのライブ音源。1980年代はMTVの時代。リズム&ビートは打ち込みが主流となり、録音はデジタルが主流になって、音楽的には不毛な時代。そんな時代にも、ロッドは1970年代と全く変わらないライブ・パフォーマンスを繰り広げている。素晴らしい。
 

Rod_live_1976_1998

 
Disc4は、1991年から1998年までのライブ音源。ここまでくると、ロッドのライブはもはや、揺るぎの無い内容になっている。ソロ時代の曲もあれば、オールディーズのカバーもあり、とにかく楽しくロッドは歌い続ける。意外とこの1991年から1998年のライブ音源が感動的。

ライブ・パフォーマンスの内容としては、どのDiscも「上の下」から「中の上」の出来。凄く内容の良い、いわゆる「化学反応が起きた」ライブ音源は無い。といって「これはなあ」と眉をひそめるような、出来の悪いライブ音源も無い。感心するのは、4枚のディスクのライブ・パフォーマンスの内容に全くバラツキの無いこと。

逆に、全ての音源が「未発表音源」の理由が良く判る。これは凄い、と感動するライブ音源はほどんど見当たらない。どの演奏についても、ロッドはとにかく十分にリラックスして、楽しく唄っている。生粋のエンターテインメント。ライブを見に来た客をとにかく楽しませることに徹している。

だから、このライブ盤、ロッドのファン、いわゆる「ロッド者」として聴くには、とても楽しい内容となっていて、ロッドのリラックスした楽しいパフォーマンスをCD4枚のボリュームで堪能出来る、素晴らしい未発表ライブ音源集になっています。

逆に、ロッドに興味の無い人には必要の無いCD4枚組でしょうね。それで良いんです。このCD4枚組未発表ライブ音源は、長年忠誠を誓ってきた「ロッド者」へのロッドからの贈り物なんですから。

 
 

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2013年8月31日 (土曜日)

ロッド者にとっては堪らない

68歳にして、全英ヒットチャート1位に輝く。15年ぶりに作詞作曲を自ら手がけたオリジナル・アルバム。原点回帰と言うか、1970年代の彼の若かりし頃のトレンドに立ち返った様な曲作り、音世界。初めて聴いた時、感動した。1970年代の音世界を思い出した。

そのロック・アルバムとは、Rod Stewart『Time』(写真左)。邦題は『タイム 〜 時の旅人 〜 』。2013年5月のリリース。初めて聴いた時、ここまで、1970年代のテイストを再現してくるとは、思ってもみなかった。嬉しい不意打ちである。聴き進めるにつれ、目頭が熱くなる想いである。

このところのロッドは、ボーカリストとしての活動に徹していた。ジャズ・スタンダードや、ロック・スタンダード、ソウル・スタンダードのカバーアルバムを続けざまにリリース。しかも、これがなかなかの内容で、セールス的にも成功を収めている。

まあ、ロック・ファンの評価基準はオリジナル至上主義なので、このロッドのカバーアルバムについては、辛口の評価が多くを占める。音楽ビジネスに魂を売った男とも呼ばれた。う〜ん、ちょっと極端やなあ(苦笑)。もともと、ロッドの本質はボーカリストやからなあ。ボーカリストとしては、スタンダード曲のカバーをしたくなるのは必然と思えるのだが、世間の風は厳しいなあ。

さて、この『Time』というアルバム、完全に、ロッドの原点回帰なアルバムである。アルバム冒頭のシングル・カットもされた「She Makes Me Happy」なんて、こりゃあ反則でしょう(笑)。
 

Rod_stewart_time

 
前奏のギターからして、アイリッシュ、もしくはケルト風な音世界で、1970年代前半のフォーク・ロック調。そう言えば、米国に渡る前の、マーキュリー時代のロッドのソロ作は、どれもが要所要所で、アイリッシュ、もしくはケルト風な音世界で決めており、これが、実に心の吟線に響く。でも、ここまで原点回帰するとは思わんかった。冒頭の「She Makes Me Happy」だけで、もう涙涙である。

そして、なんとまあ、アルバム全編において、アイリッシュ、もしくはケルト風、加えて、スコットランド風な音世界が散りばめられており、フォーク・ロックから、ブリティッシュ・ロックンロール風の、いわば「フェイセズ」時代の音世界に近い、1970年代前半のロッドの音世界に非常に近い雰囲気。これには「参った」。

ちなみに、アイリッシュ、もしくはケルト風な音世界、若しくはスコットランド風な音世界は、僕は大のお気に入りの一つで、このブリティッシュな音世界は、聴いていて震えが来るくらいだ。そして、その大好きな音世界が、このRod Stewart『Time』というアルバムの中に満載なのだ。もう嬉しくて嬉しくて(笑)。

21世紀に入って、2013年。ここに来て、ロッド・スチュワートのアルバムの中で、長年のヘビロテになるであろう、お気に入りな内容のアルバムに出会えるとは。長生きはしてみるものである(笑)。

ロッドも68歳。年齢を重ねたことで、このアルバムでは、彼の歌唱も肩の力が良い感じで抜けており、どの曲においても、彼の歌唱は抜群の内容である。ケルト風、アイリッシュ風、スコットランド風など、ルーツ・ミュージック・テイストのロックあり、はたまた、ロッドお得意の思いっきり甘いバラード風の曲もあり、往年のロッドの集大成という雰囲気の内容が、ロッド者にとっては堪らない。

 
 

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2013年7月21日 (日曜日)

ロッドが歌うスタンダード第3弾

この人は幾つになっても歌が上手い。ロック界において、不世出のボーカリストである。そんなロッド・スチュワートが、ジャズ・スタンダード曲をカバッたアルバムのシリーズ「The Great American Songbook」。その三作目が、Rod Stewart『Stardust...The Great American Songbook: Vol. III』(写真左)。

この第3作目も、前の2作と同様、選曲が良い。絶対に外せない「ど・スタンダード曲」もあるが、知る人ぞ知る、隠れた名曲的なスタンダード曲もある。とにかく「渋い」。とにかく「クール」。

そして、この第3作目、ゲストが豪華。スティービー・ワンダー、エリック・クラプトン、ベット・ミドラー、ドリー・パートン、アルトゥーロ・サンドヴァール、デイヴ・グルーシン、デイヴ・コズら、ロックやポップス、フュージョン界の大物がズラリと名を連ねている。そして、それぞれの大物とのコラボが非常に良い成果を生み出しているのだから凄い。

フュージョン・ジャズ畑のキーボード奏者をフォーカスしてみると、3曲目「Blue Moon」ではJoe Sampleが、「S'Wonderful」と「I Can't Get Started」ではDave Grusinがピアノで参加しています。このフュージョン・ジャズ畑のキーボード奏者の伴奏ピアノが実に良い雰囲気で、ついつい聴き惚れてしまいます。

ジャズ以外のロック・ポップス畑のシンガーがジャズのスタンダードを歌うという企画は、リンダ・ロンシュタットやカーリー・サイモン、ボズ・スギャッグスなど、今となっては全く珍しく無い企画です。
 

Rod_stewart_great_american_songbook

 
しかし、ロッドの「The Great American Songbook」は全4作と本格的なもの。一枚だけ企画盤作って終わり、っていう単発ものでは無い、というところが素晴らしい。本気を感じる。

ロッドの甘く掠れた、それでいて芯のある独特の声質が、こんなにジャズ・スタンダード曲に合うとは思わなかった。味のある声、味のある歌唱。曲によって歌い方を変えるなんて事はしない。どの曲もロッドの歌唱であり、ロッドの声質である。良い意味での「金太郎飴」。でも、飽きが来ない。逆に「金太郎飴」的なところが心地良い。

「Embraceable You」や「Stardust」や「A Nightingale Sang In Berkeley Square 」など、スローなバラードをじっくり歌い上げるロッドが素晴らしい。確かにこの人は、ブルーズやロックのみに留まる器のボーカリストでは無い。年を重ねて、やっと異種格闘技的にジャズ・スタンダード曲をカバーする気になったんだろうな。

ロックの世界では、不思議と「オリジナル・ナンバー至上主義」的な雰囲気が昔からあって、スタンダード曲のカバーなんて商業主義に走った「終わったロック野郎」の仕業だと決めつける向きもあるが、僕はそうは思わない。

優れたボーカリストは、特定の音楽ジャンルやオリジナル曲に縛り付けるものではないだろう。もっと様々な音楽ジャンルやスタンダード曲のカバーに挑戦して、ボーカリストとしての新たな魅力を、もっともっと楽しませて続けて欲しいと思っている。

 
 

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2013年5月10日 (金曜日)

ソウルをカバるロッドは最高

ロッド・スチュワート(Rod Stewart)って、本当に上手いボーカリストだなあ、と心から感心する。

21世紀に入って始まった、ジャズ・スタンダードをカバーした『Great American Songbook』集、そして、ロックのクラシックをカバーした『グレイト・ロック・クラシックス』。ジャズ・スタンダードやロック・クラシックなど、有名曲をカバーした時、その歌いっぷりとオリジナル性とで、そのボーカリストの力量が判る。

ロッドの場合、全く申し分無い。ロッドがカバーするジャズ・スタンダードやロック・クラシックなど、有名曲のそれぞれが、まるで、ロッドの為に書かれた、ロッドのオリジナル曲の様な響きと雰囲気に早変わり。ロッドのボーカリストとしての実力を十分に推し量れるというもの。とにかく上手い。

そんなロッドが、R&B、ソウル・ミュージックのクラシックをカバーしたアルバムが『Soulbook』(写真左)。2009年にリリースされ、たちまち、米国のビルボードで最高位第4位の大ヒットとなった。

ロッドは、R&B、ソウル・ミュージックが大好きである。R&B、ソウル・ミュージックを歌うロッドが一番活き活きしている。そんなことを、ロッドのファンは知っている。

当然、リリースされれば買う。そして、聴き惚れる。「商売に魂を売った男」と、ロック・オリジナル至上主義の方々に揶揄されようが、批判されようが関係無い。R&B、ソウル・ミュージックをカバるロッドは最高なのを、ロッドのファンは知っている。

収録曲は以下の通り。R&B、ソウル・ミュージックの有名クラシック曲がズラリと並んで、壮観ですらある。
 

Rod_soulbook

 
1. It's The Same Old Song
2. My Cherie Amour Featuring Stevie Wonder
3. You Make Me Feel Brand New Duet with Mary J. Blige
4. (Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher
5. Tracks Of My Tears Featuring Smokey Robinson
6. Let It Be Me Duet with Jennifer Hudson
7. Rainy Night In Georgia
8. What Becomes Of The Broken Hearted
9. Love Train
10. You've Really Got A Hold On Me
11. Wonderful World
12. If You Don't Know Me By Now
13. Just My Imagination
 

R&B、ソウル・ミュージックの有名クラシック曲とは言っても、ちょっと捻った、ちょっと渋い選曲ではある。さすが、R&B、ソウル・ミュージック大好きロッドである。「Rainy Night In Georgia」や「Love Train」なんて、とっても渋いやないか。

といって、「It's The Same Old Song」や「You've Really Got A Hold On Me」など、R&B、ソウル・ミュージックの基本中の基本の曲もしっかりと押さえている。さすがR&B、ソウル・ミュージック大好きロッドである。

ロック・ボーカリストの大御所、ロッド・スチュワートの「大人の枯れた味わい」のファンクネスが心地良い。むっちゃ渋いR&B、ソウル・ミュージックのカバー盤です。従来からのロック者の方々のみならず、ポップス・ボーカル者の方々、ジャズ・ボーカル者の方々にもお勧めです。

そして、ジャケットのロッドも渋くて格好良い。60歳を過ぎても伊達男。さすがロッドである。

 
 

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2013年4月27日 (土曜日)

グレイト・ロック・クラシックス

いつの時代もロックの世界は「オリジナルが良し」とされる風潮がある。ましてやカバーなんてした時なんざあ、商業ロックに身を落とした志の低い奴と揶揄される。ポップスの世界ではカバーは容認されるんだが、ロックの世界では全く駄目。特に米国と日本で、その風潮が強いように感じる。

そうした、ロックの世界でのカバーであるが、なんとロッド・スチュワートが率先してカバーに走ったものだから大変。まずは、2002年より、ジャズのスタンダード・ナンバーをカバー。その後、様々なジャンルのスタンダード・ナンバーをカバーし、これまでにすべてのアルバムが全米TOP4入り。さらには全世界トータル・セールス2,000万枚という驚異的なセールスを記録。

まあ、ビジネスに魂を売ったとか、これは最早ロックでは無い、商業主義で安易に稼ぐヤツ、なんてことも言われたけれど、もともと、ロッド・スチュワートという人は、オリジナルな曲を作って歌う、というよりは、ロック界最高峰のシンガーという位置づけの人なんで、相応の年齢になって、様々なジャンルのスタンダード・ナンバーをカバーするというのは自然の成り行きなんだろうと思う。

そんなロッド・スチュワートのカバーアルバムの中で、さすが、ロック界最高峰のシンガーと再認識させてくれるカバー・アルバムが、『Still The Same...great Rock Classics of Our Time』(写真左)。邦題『グレイト・ロック・クラシックス』。2006年のリリース。
 

Great_rock_classics

 
結論から言うと良い内容です。なんせ選曲が渋い。1970年代前半を中心に、本当の意味で「グレイト・ロック・クラシックス」な曲を選んでいるところが渋い。

ロッドと言えば、ソロアルバム時代の個性、ソウルフル、ブルージーなロックをパワフルに歌い上げる、という印象が強くて、ロックのスタンダード・ナンバーのカバーでも、その線で行くか、と思いきや、これが「行かない」んですね(笑)。さすがロッドです。それだと、ソロ・アルバムと変わらんやん、と思う訳です。

意外と原曲の雰囲気そのままに、素直に歌い上げているなあ、という印象です。この素直さが魅力。原曲の雰囲気もしっかり伝えて、それぞれの曲の持つ「あの頃の想い出」を想起させつつ、ロッドの個性的で優れたボーカルでじっくり聴かせる。原曲を素直にカバーしている割に、かなり聴き応えがあります。さすが、ロック界最高峰のシンガーです。

個人的には、冒頭のCCRの「Have You Ever Seen The Rain(雨を見たかい)」、4曲目のボブ・シーガーの「Still The Same」、9曲目のイーグルスの「The Best Of My Love」、13曲目のヴァン・モリソンの「Crazy Love」のカバーに心ときめきます。

商業主義だとか、なんやかんや言われながらも、このアルバムは、2006年10月28日付で、全米(ビルボード誌)アルバムチャートで1位を獲得しています。まあ、なんやかんや言われながらも、ロッドのボーカリストとしての実力は、ロック界最高峰であり、彼の歌う曲は、やはりどれをとっても素晴らしいということでしょう。

 
 

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2012年3月17日 (土曜日)

ロッドの1970年代最後の一枚

1971年、自身3枚目のソロアルバム『Every Picture Tells A Story』で全英1位・全米1位となって以来、5枚連続、全米1位が取れないロッド・スチュワート。1977年、8枚目のソロアルバム『Foot Loose & Fancy Free』でも、全英3位・全米2位で、どうしても全米1位が取れない。

逆に、ロッド・スチュワートを中心としたグループの音はどんどん成熟していった。8作目の『Foot Loose & Fancy Free』の時点で、ロッド・スチュワートのグループは、ほぼ成熟の極みに達していた。確かに、この『Foot Loose & Fancy Free』を聴くと、もうやることがない位、多種多様なアプローチで、ロッドお得意のR&B、R&Rをやりまくり。

次作は、ほとんど惰性で取り組んだアルバムではないのだろうか。その次作とは、ロッド自身通算9枚目のソロアルバム、Rod Stewart『Blondes Have More Fun』(写真)。1978年のリリースである。当時の邦題は『スーパースターはブロンドがお好き』。恐らく、ジャケット写真を見たそのままの印象を邦題にしたのだろう。この邦題からして安易なアプローチで、このアルバムは売れないのでは・・・、と思ったんだが・・・。

なんと、このアルバムが、自身3枚目のソロアルバム『Every Picture Tells A Story』以来の全英1位・全米1位を達成してしまったのだから、米国のロックの世界、米国のポップスの世界は良く判らない(笑)。

1978年と言えば、メリハリ付け過ぎ気味のディスコ・ミュージックとソフト&メロウなAORミュージック全盛時代。かたや、英国ではパンクの嵐が吹き荒れ、1970年代ロックの代表的バンド、ミュージシャンはどんどん陶太されていった時代。そんな不透明な時代に、60年代後半から活躍してきた英国出身のボーカリスト、ロッド・スチュワートが全米1位を極めるのだから判らない。
 

Blondes_have_more_fun

 
確かに、冒頭1曲目の「Da Ya Think I'm Sexy?(邦題・アイム・セクシー)」は、当時のトレンドだったディスコ・サウンドにピッタリとはまり、日本でもディスコで街で店で、流れに流れていた曲である。当然、この「Da Ya Think I'm Sexy?」が米国でも受けに受けた。受けに受けて全米4週連続1位に輝く。恐らくは、この大ヒット曲が牽引してのアルバムのセールスであることは間違い無い。

アルバムの収録曲に耳を向けてみても、冒頭の「Da Ya Think I'm Sexy?」以外は、ディスコ・サウンドを踏襲している曲は無く、他の曲は、今までの路線通り、ロッドお得意のR&B、R&Rをやりまくり(笑)。2〜3曲、雰囲気の変わった、レゲエ調やニューウェーブ調の曲があるが、基本的にはいずれもロックンロール基調の曲ばかりである。

R&B、R&Rはロッドのお得意。当然、このアルバムでも、ロッドのボーカルは絶好調である。バックのバンドも音的に成熟の極みで、前作からの傾向であるが、最早やることが無いくらいの成熟度、完成度である。聴いていて「手慣れた」感がそこかしこに漂い、演奏的にも「化学反応」が起こる兆しは全くもって見えない位の「手慣れた」感である。

このアルバムについては、この「手慣れた」感が曲者で、冒頭の「Da Ya Think I'm Sexy?」以外、他の曲について、インパクトに若干欠ける。聴き終えた後、印象に残るという感じが希薄。ロッドのボーカルが絶好調なだけに惜しい内容のアルバムである。

余談になるが、本アルバムの無責任な(と僕は思っている)邦題である『スーパースターはブロンドがお好き』によって、このアルバム以降、日本において「ロッドは金髪好きのロック野郎」というイメージが定着してしまった。ロッドに対して失礼な仕業であったと思う。そんな、なんだか後味の悪いアルバムだった印象が想い出として残っている。  

 
 

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2012年2月25日 (土曜日)

ロッドのボーカル最高峰アルバム

土日は、70年代ロック・Jポップの日。今日は、ロッド・スチュワート。ロッドのアルバム聴き直しを久し振りに再開する。

今日のアルバムは、Rod Stewart『Foot Loose & Fancy Free』(写真)。邦題は『明日へのキックオフ』。リアルタイムで、このアルバムを聴いていた僕にとっては、この邦題の方がピンとくる。

このアルバムは、1977年の作品で、全英3位・全米2位にランクイン。惜しくも、全英全米共に一位を逃している。特に、ソロ3作目の『Every Picture Tells A Story』から始まり、『Never A Dull Moment』『Smiler』『Atlantic Crossing』『A Night on the Town』と5作連続で獲得してきた全英一位の座を逃している。

しかし、このソロ8枚目の『Foot Loose & Fancy Free』はロッドのボーカリストとしての最高傑作である。ソロ・デビューアルバム『An Old Raincoat Won't Ever Let You Down』から始まり、米国に渡る直前の『Smiler』辺りから積み上げてきた、ロッドの大好きなR&B、ロックンロール、ゴスペル、ファンク、そして、カントリー&ウエスタンなどを趣味良くブレンドした、米国ルーツ・ミュージックの要素を反映した音作りが完成の域に達している。

収録されているどの曲も非常に出来が良く、聴き応えがある。当然、ロッドのボーカルも絶好調。特に、冒頭の「Hot Legs」のむっちゃ格好良いロックンロール、続いて2曲目の「You're Insane」の渋くてパンチの効いたR&B。そして、絶品のバラード曲、3曲目の「You're In My Heart (The Final Acclaim)」。この冒頭の3曲だけでも、このアルバムの出来の良さが良く判る。
 
Foot_loose_fancy_free
 
加えて、優れたアレンジが、このアルバムの魅力を更に高めている。その優れたアレンジの一例が『You Keep Me Hangin' On』。このシュープリームスがオリジナルのコッテコテのR&B曲を、メリハリの効いた、ストレートで劇的な展開のロック曲に仕立て直している。ここまで優れたアレンジを施されると、このシュープリームスの名曲が、ロッドのオリジナル曲の様に響く。

そして、極めつきの名曲がラストを飾る「I Was Only Joking」。邦題は「ただのジョークさ」。この曲は歌詞良し、曲良し、アレンジ良し、演奏良し。全てが良い、奇跡の様な楽曲である。アコギのソロからストロークへ展開する印象的な前奏からして、もう「これは凄い曲に違いない」という気分にさせてくれる。そして、あのロッドの「しわがれ声」で訥々と歌い出すところなんぞはゾクゾクする。

曲の中間部分、リズムが弾け、テンポが上がって、エレギの伸びのあるソロが入ってくる所なんぞは「快感」である。聴く度に、今でもゾクッとする。なんといっても、エレギの伸びのある音が素晴らしく官能的で刺激的。この昼間部の長い間奏がハイライト。この演奏は素晴らしい。そして、静寂に立ち返り、訥々としたロッドのしわがれ声が、悲しい恋の終わりを呟くように歌い上げる。涙無くしては聴けない絶品である。

バンドとしての一体感も抜群。全編に渡って、カーマイン・アピスのドラミングがバンド全体の演奏を引き締めています。いわゆる「ロッド・スチュワート・バンド」の演奏が光ります。ちなみにパーソネルは、ビリー・ピーク(g)、ジム・クリーガン(g)、ゲイリー・グレインジャー(g)、フィリップ・チェン(b)、ジョン・ジャーヴィス(key)、カーマイン・アピス(ds) の6人。トリプル・リード・ギターの編成が際立ちます。

このソロ8枚目の『Foot Loose & Fancy Free』はロッドのボーカリストとしての最高傑作。ロッドのロック・ボーカリストとしての最高の姿がこのアルバムに記録されていると思います。ポップス・ファンの方々は一度、聴いてみて欲しい。70年代ロック者の方々には「マストアイテム」です。
 
 
 

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Fight_3

がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。
 

2011年11月 6日 (日曜日)

余裕のロッドが「今夜きめよう」

ロッドの聴き直しシリーズ。今日は大西洋を渡って米国に移り住んだロッドの、米国に拠点を移しての2枚目のアルバムになる。

そのタイトルは『A Night On The Town』(写真左)。1976年発表の通算7作目のソロ・アルバムになる。セールス的には、全英1位、全米2位を記録。米国制覇も目前である。

ちなみに、このアルバムからは3枚のシングルがカットされており、「Tonight's the Night(今夜きめよう)」は全英5位・全米8週連続1位、「The Killing of Georgie(キリング・オブ・ジョージー)」は全英2位・全米30位、「The First Cut Is the Deepest(さびしき丘)」は全英1位・全米21位を記録。「Tonight's the Night」以外は米国でふるわなかったが、英国でバカ受けなのが面白い。

このアルバムは、前作のかの名盤『Atlantic Crossing』と同様、トム・ダウトをプロデューサーに迎え、ジャケット・デザインもルノアールの絵画を模したなかなか凝ったデザインで、如何にも、前作のかの名盤『Atlantic Crossing』の続編という雰囲気を醸し出しているところが上手い。

LP時代の構成も前作のかの名盤『Atlantic Crossing』の方式を踏襲しており、LP時代のA面が「Slow Side」、B面が「Fast Side」と前作の逆ではあるが、それぞれの収録曲を上手く並べて、『Atlantic Crossing』と同様にアルバム全体に統一感を持たせているところは、さすがはトム・ダウトの手腕である。

しかし、このアルバムは、兎にも角にも、A面の1曲目、冒頭の「Tonight's the Night (Gonna Be Alright)」に尽きる。このむっちゃ「ケバケバな」ラブ・バラードに尽きる。
 
A_night_on_the_town
 
このバラードは秀逸。難しくなく、判り易く、ムード満点。米国で売れるにはこういう曲想とアレンジでなければね、ってな感じの、実に米国向きのバラード曲。歌詞の内容は、とにかくロッドであるからして、思いっきり「口説き」の世界なんだが、この歌詞の内容を上手くくみ取って、邦題を「今夜きめよう」としたのは秀逸。

とにかくこの「Tonight's the Night」が突出しているので、この1曲を聴いて、ちょっとした満腹感をかんじつつ、2曲目に移行することになる(笑)。しかし、これまた2曲目の「The First Cut Is the Deepest」が優れたバラードとくる。むっちゃキャッチャーなギターストロークの前奏を聴いただけで、ウルウルしてしまうくらいの、これまた判り易く優れたバラード曲がドカーンとくる。

このA面のSlow-Sideって、この冒頭の2曲の秀逸な大衆迎合型の判り易く優れたバラード2曲でお腹いっぱいになる(笑)。3曲目以降は「もう好きにしてくれや、ロッド」ってな感じになるんだが、その期待に応えて、ロッドはやりたい放題(笑)。ロッドがやりたい曲を手当たり次第、歌いまくっていくっていう感じで、なんだか、3曲目以降は、それぞれの曲の出来映えは良いんだが、アルバムの流れとしては、ちょっと「とっ散らかった」雰囲気が無きにしも非ず。

しかし、この「とっ散らかった」雰囲気を最後に渋くグッと締めるのが、ラストの「Trade Winds(貿易風)」。B面って、Fast-Sideなのに、ラストにこの渋いバラードを持ってきたプロデュースが憎いなあ。それまでの、R&B、R&R大会の「とっ散らかった」雰囲気をピタッと納めてしまう。このラストのバラード「Trade Winds」の存在も、このアルバムの重要なポイント。

とまあ、このアルバムは、ロッドのやりたい放題の「とっ散らかった」R&B、R&R大会も魅力的だが、やはり、このアルバムのポイントは3曲のバラードの存在だろう。逆に、ロッドのやりたい放題の「とっ散らかった」R&B、R&R大会があるが故に、この3曲のバラードの甘さが引き締まって聴こえる、言い換えれば、この超弩級のバラード3曲の甘さに流れずに、全体の雰囲気がロック・ボーカルのアルバムとして整っているんだなあ、と感心することしきり、である。
 
 
 

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2011年10月30日 (日曜日)

ロッド・スチュワートの最高傑作

重税の英国を逃れて、大西洋を渡ってNYに降り立ったロッド・スチュワート(Rod Stewart)。そのロッド・スチュワートの最高の名盤である。タイトル良し、ジャケット良し、コンセプト良し、演奏良し、ボーカル良し。基本的に非の打ち所の無いアルバムである。その名も『Atlantic Crossing』(写真左)。1975年のリリース。

冷静に聴くと、やっていることはR&Bとロックンロールと、英国時代と変わりは無い。しかし、トム・ダウトのプロデュースを得て、アルバム・コンセプトがしっかりと確立され、アルバムの曲の構成も面白い工夫が見える。

LP時代のA面を占める「Fast Side」、B面を占める「Slow Side」。速いテンポが中心のA面、ユッタリとしたテンポが中心のB面。この演奏のテンポを中心としてより分けられた、ロッドの珠玉のボーカル。これが実に効果的。ノリノリで聴くA面、じっくりと腰を落ち着けて聴くB面。この工夫を始めとするプロデュースの手腕がこのアルバムを名盤に押し上げた。

収録された曲も選りすぐりの名曲ばかり。駄曲、捨て曲の類は皆無。どの曲も素晴らしい出来。アレンジの良く、ロッドのボーカルも絶好調。祖国英国を離れて、米国に移り住んで一旗揚げようとするロッドの心意気が伝わってくる。

やっていることはR&Bとロックンロールと、英国時代と変わりは無いが、このアルバムで、より洗練された素晴らしい出来となっているのが「バラード曲」。ロッドのバラード唱法は、このアルバムで確立されたと言って良い。これは、プロデュースとバック・バンドの演奏能力の賜。ロッドは大西洋を渡って、優れたプロデュースに恵まれ、優れたバック・バンドに出会った。
 
Atlantic_crossing
 
特に、バック・バンドは特筆されて良い。ブッカーT.&ザMG’s、メンフィス・ホーンズ、マッスルショールズのミュージシャンたちなど、ロッドが長年憧れた、真に米国的な「リズム&ビート」そして「フレーズ&音色」。英国系のミュージシャンには、なかなか出せないアーシーなリズム&ビート、そして、米国ルーツ・ミュージック的な「フレーズ&音色」。

ラストの「セイリング」だけがクローズアップされる昨今だが、このアルバムの全曲を聴けば、このラストの「セイリング」は、ラストのクーリング・ダウンの仕掛けだということが良く判るだろう。このアルバムは、大ヒット曲「セイリング」の為に制作されたアルバムではない。ラストの「セイリング」は、その前に控える珠玉の名演を惹き立てる為に存在する。

セールス的にもまずまずの成功を収めた。アルバム『Atlantic Crossing』自体は、全英1位・全米9位。シングルについては「Sailing」(日本仕様ジャケットは写真右)が、全英4週連続1位・全米58位。「I Don't Want to Talk About It(もう話したくない)」が、全英4週連続1位・全米46位。ロッドの「アトランティック・クロッシング(大西洋を越えて米国へ)」は成功した。

良いアルバムです。ロッド・スチュワートのアルバムをまず一枚という向きには、この『Atlantic Crossing』がベストでしょう。とにかく、聴き易い内容で、かつ、ロッドの個性が十分に体験することが出来る。

アルバム・ジャケットのデザインは良いし、タイトルにも意味があって、とにかく、ロックのアルバムとして、かなりの内容を誇る名盤です。ロッド・スチュワートの最高傑作と言い切ってしまいましょう。

 
 

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