これもロッド者への贈り物です
昨日のRod Stewart『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』に続いて、今日もロッド者への贈り物の話を。
ちょっと古い話になるが、2009年10月、ロッドの楽曲の未発表曲やアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなど、25年以上のキャリアの中から63曲を集めた、CD4枚組ボックス盤がリリースされた。そのタイトルは『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』(写真)。
ロックのアルバムというのは、収録された楽曲はどれもがベストテイクで固められている。つまり、正式なアルバムに収録されたテイクが最高のテイクで、そのテイクを凌駕するテイクがアウトテイクとして残っていることは、かなり希である。
最終ミックス前のベーシックなバージョンも、弦が入っていなかったり、エレギが入っていなかったり、コーラスが入っていなかったりで、正式なアルバム収録の最終バージョンを知っていると、なんだか、気の抜けたビールの様な、何か大切なものが足らない様な感じがどうにもいけない。
ラフスケッチ風のアーリー・バージョンは、その楽曲の完成までの過程を理解することが出来るが、その出来はかなりラフなもの。マニアには良いかも知れないが、通常のリスナーには不要なものだろう。
最近、CDの収録時間の長さを利用して、LP時代のアルバムの収録曲の後に、このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンを入れることが多くなった。これって、ジャズのCDと同じ感じなんだが、ジャズの場合とは意味が異なる。
ジャズは即興の音楽なので、別テイクでもその出来や内容は、アルバムに正式に採用されたバージョンと比べて遜色の無いものがほとんど。つまり、ジャズは同じレベルや内容で別テイクを幾つも演奏することが目的の「即興の音楽」だということ。ジャズには、このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンを収録することは、それなりに意味がある。
逆に、ロックは「エンタテインメントな音楽」である。聴いて楽しむ事が目的である。当然、アルバムに収録された楽曲はベストテイクでなければならず、ベストテイクより劣る同じ楽曲のアウトテイクや別バージョンを収録することには、あまり意味が無い。
よって、ロックの場合、アウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンは、そのミュージシャンのマニアのみが楽しむものであり、この『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』の様に、一気に集めて、ボックス盤でリリースするのが良いと思う。
そういう意味で、この『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』は、ロッドのマニア、いわゆる「ロッド者」にとって、素晴らしい贈り物だ。ロッド者にとって、未発表曲とアウトテイク、別バージョンの存在は、とにかく嬉しい。そして、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなども、ロッドの歌声を愛でるには問題無く、正式なアルバムに収録されたベストテイクとはちょっと違う、ちょっと足りところが、またマニア心をくすぐるというものだ。
このCD4枚組の『The Rod Stewart Sessions 1971-1998』というボックス盤は、ロッドのファン、いわゆる「ロッド者」として聴くには、とても楽しい内容になっている。逆に、ロッドに興味の無い人には必要の無いCD4枚組でしょうね。それで良いんです。
このアウトテイクや別バージョン、最終ミックス前バージョン、ラフスケッチ風のアーリー・バージョンなど、25年以上のキャリアの中から63曲を集めたCD4枚組ボックス盤は、昨日の『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』と同様、長年忠誠を誓ってきた「ロッド者」へのロッドからの贈り物なんですから。
大震災から3年1ヶ月。決して忘れない。まだ3年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。
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