2026年1月 4日 (日曜日)

デューク・エリントンの極東組曲

新年明けましておめでとうございます。さて、今年最初のジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの記事は「デューク・エリントン」。エリントンは生涯を通じて「組曲」という形式で多くの傑作を世に送り出している。代表的な作品だけで20作以上の組曲があり、どれもが傑作である。ということで、そろそろ、このエリントンの「組曲」をおさらいする時期にきたかな、ということで、まずはこの一枚である。

Duke Ellington『Far East Suite』(写真左)。邦題は「極東組曲」。1966年12月19–21日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。いわゆる「デューク・エリントン楽団」である。

Duke Ellington (p), Mercer Ellington, Herbie Jones (tp, flh), William "Cat" Anderson, Cootie Williams (tp), Lawrence Brown, Buster Cooper (tb), Chuck Connors (b-tb), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Jimmy Hamilton (ts, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), John Lamb (b), Rufus Jones (ds)。

この「極東組曲」というタイトルと、収録曲「Ad Lib on Nippon」に惹かれて、まだジャズ者初心者3年生くらいの頃に、この盤を聴いている。商魂丸出しのオリエンタル・ムードは皆無、曲の対象にした国独特の音階やその国固有の楽器の音色を借りたりは一切していないので、まず、どこが「極東組曲」なのか、と訳が判らなくなったのを覚えている。

そもそも「Far East Suite(極東組曲)」というタイトルがおかしくて、極東の国を対象とした曲は、我が国が対象の「Ad Lib on Nippon」だけ。収録曲の対象国を見ていくと、タイトルは「近東組曲」とした方が座りが良い。そもそもこの組曲、1963年に行った世界ツアーに触発されたもので、ダマスカス、アンマン、ラマラ、カブールなどを訪問し、その国々の印象を曲のイメージに落とし込んだもの。だから、曲の対象にした国独特の音階やその国固有の楽器の音色を借りたりは一切していない。
 

Duke-ellingtonfar-east-suite

 
どの曲も、エリントン・ミュージックの粋を集めた、素晴らしい演奏ばかり。彼が「楽器」と考えている彼のオーケストうの能力や個性、ソロイストたちのもつ力量を最大限に活かし、エリントン・カラー、エリントン・サウンズで染め上げている。エリントンの組曲の中でも、トップクラスの内容を誇る。そして、この組曲の特徴は、それぞれの曲に、ソリスト、オーケストラの特定のメンバーのパフォーマンスがフィーチャーされている。

「Tourist Point of View」は、ゴンサルヴェスのテナー、
「Bluebird of Delhi (Mynah)」は、ハミルトンのクラリネット、
「Isfahan」は、ホッジスのアルト、
「Mount Harissa」は、ゴンサルヴェスのテナーとエリントンのピアノ、
「Blue Pepper」 は、 ホッジスのアルトとアンダーソンのトランペット、
「Agra」は、カーニーのバリサク、
「Amad」は、ブラウンのトロンボーン
「Ad Lib on Nippon」は、エリントンのピアノとハミルトンのクラリネット

日本を訪れた印象をまとめた曲「Ad Lib on Nippon」は、1964年来日時の日本の印象をエリントン・ミュージックに落とし込んだ名曲。4つのパートからなっており、11分を超える1つの組曲のような構成となっている。じっくり聴いていると、どうも、古き日本と現代の日本との交錯をエリントン・ミュージックで表現しているのかな、と解釈している。

ともあれ、僕はこの『Far East Suite(極東組曲)』で、エリントン・ミュージックの凄さを初めて理解した。今でも、エリントン・ミュージックの印象をリセットしたい時は、このアルバムを聴く。聴く度に、新しい発見があり、新しい驚きがある、僕にとって「化け物」みたいなアルバムである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年12月15日 (月曜日)

エリック・ミヤシロを認識する

エリック・ミヤシロは、1963年7月13日、米国のハワイ州生まれのトランペット(フリューゲルホルン)奏者。ミヤシロのトランペットの個性の一つ「ハイノート・ヒッター」としても知られる。また、ビッグバンドのEMバンドのリーダーでもある。2000年から2010年まで、リーダー作は5作。

Eric Miyashiro『Blue Horizon』(写真左)。2025年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、エリック・ミヤシロ (tp), 本田雅人 (as), 中川英二郎 (tb), 川村竜 (b), 山本真央樹, 川口千里 (ds), 中川就登 (p) 等。スペシャル・ゲストも数多く参加。エリック・ミヤシロの15年ぶり通算6作目となる作品。

エリック・ミヤシロの名は、ほとんど覚えがない。なんせ、聞けば15年ぶりのリーダー作。その前作「Skydance」についても、どうにも耳にした覚えが無い。バークリー音楽大学出身にて、ミヤシロのトランペットの素性は確かなもののはず。冒頭のタイトル曲「Blue Horizon」を聴いて、そのミヤシロのトランペットの素性は、やはり、確かなものと確信する。

基本はしっかりとしたビッグバンド・アレンジの演奏の数々。ホーン・セクションがエネルギッシュで迫力抜群、整然としたユニゾン&ハーモニー。規律が取れ、それぞれの参加メンバーの高い演奏レベルで、切れ味の良いパフォーマンス。
 

Eric-miyashiroblue-horizon

 
ほど良いテンションが、演奏全体を引き締め、爽快感を醸し出している。とにかく、迫力がある割に、聴き易いバンド・サウンド。冒頭「Blue Horizon」から、7曲目「Back Stage Pass」まで、全曲、エリック・ミヤシロの自作曲。ラストの「Spain」だけ、チック・コリアの名曲のカヴァー。

自作曲の曲&アレンジが良好なので、ビッグバンド志向のバンド・パフォーマンスが映えに映える。チックの「Spain」のカヴァーも、ホーン・セクションを前面に押し出したアレンジが良好で、ダイナミックな曲想にしっかりと応えている。

ホーン・セクションのダイナミズムとスピード感がメインの、ビッグバンド志向の音作りは、他にありそうで無いユニークな内容。演奏全体の印象は、コンテンポラリーな「フュージョン・ビッグバンド」な音作り。エリック・ヤシロ本人は「ジャズ・オーケストラ」という表現をしているらしい。

ホーン・セクションが主役の「フュージョン・ビッグバンド」な音世界は、聴いていて流麗、聴いていてダイナミック、適度に耳に刺激が心地良く、意外と「ながら聴き」に適した佳作である。気軽に聴いて良き「フュージョン・ビッグバンド」な音である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年11月 8日 (土曜日)

ベツレヘムの異色”ビッグバンド”

カタログを眺めていると、あれっ、と思うんだが、他のジャズ・レーベルに比べて、ボーカルものが多い。なんと、カタログ全体の4分の1がボ-カル盤。つまりは、ベツレヘム・レーベルは「ジャズ・ボーカルの宝庫」。しかし、ビッグバンド・サウンドにも手を出しているのにはビックリした。ベツレヘムのビッグサウンドとはどんなものなのか。興味津々である。

『Art Blakey Big Band』(写真左)。1957年12月、NYでの録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Ray Copeland, Bill Hardman, Idrees Sulieman, Donald Byrd (tp), Frank Rehak, Jimmy Cleveland, Melba Liston (tb), Bill Graham, Sahib Shihab (as), Al Cohn, John Coltrane (ts), Bill Slapin (bs), Walter Bishop, Jr. (p), Wendell Marshall (b)。

端正な、お手本の様なビッグバンド・サウンド。パーソネルを見渡すと、ビッグネームがズラリ。リーダーでドラムのアート・ブレイキー。そして、トランペットにドナルド・バード、トロンボーンのジミー・クリーブランド、アルト・サックスにサヒブ・シハブ、テナーには、アル・コーンとジョン・コルトレーン、ピアノに、ウォルター・ビショップ・ジュニア、ベースにウエンデル・マーシャル。
 

Art-blakey-big-band

 
ビッグバンド・サウンドとして、この盤の面白いところは、「Tippin」と「Pristine」では、アート・ブレイキー率いるクインテット( Art Blakey (ds), feature a quintet of Donald Byrd (tp),, John Coltrane (ts), Walter Bishop Jr.(p), Wendell Marshall (b)) のパフォーマンスがフィーチャーされるアレンジで演奏されていること。これ、聴いていて意外と面白い。

急造のビッグバンドなので、パーマネントなビッグバンドの様な、突出した個性や特色があるという訳では無いが、ビッグネームのソロ・パフォーマンスについては、それぞれの個性をしっかり出して吹きまくるので、それはそれで楽しめる。ブレイキーのドラミングだって、メッセンジャーズでの「ナイアガラ・ロール」よろしく、ブレイキー独特の個性で叩きまくる。これが、また良い。

これだけ、ビッグネームが集まってのビッグバンド演奏である。もちろん、パーマネントなビッグバンドでは無い。このレコーディングの為に集められた急造ビッグバンドである。まとまらなくて当たり前なのだが、これがまあ、端正で迫力満点、テクニック極上のビッグバンド・サウンドに仕上がっているのだから、大したものである。プロデューサーのリー・クラフトと、リーダーのアート・ブレイキーの大手柄だろう。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年10月31日 (金曜日)

BNのイージーリスニング盤です

硬派な老舗ジャズ・レーベルのブルーノート。4200番台も後半になると、大衆受けする「売れる」盤だけを狙った、イージーリスニング志向のジャズ盤を制作する様になる。とにかく「聴き心地」優先、ジャズのアーティスティックな面を封印し、ポップ度を高める為に、ジャジーなリズム&ビートを活用し、ストリングスをオーバーダビングする。ほとんど、イージーリスニングなアルバムも制作していた。

Stanley Turrentine『Always Something There』(写真左)。1968年10月の録音。ブルーノートの4298番。ちなみにパーソネルは以下の通り。フレンチ・ホルン入り小ビッグバンド編成。ここに、ストリングスをオーバーダビングしている。ただし、波ー祖ネルを見渡すと、ジェローム・リチャードソン、サド&ハンク・ジョーンズ、ケニー・バレル、ハービー・ハンコック、メル・ルイス、ミッキー・ローカーなど、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加している。

Stanley Turrentine (ts), Burt Collins (flh), Jimmy Cleveland (tb), Jerry Dodgion (as, fl, cl), Jerome Richardson (ts, fl cl), Thad Jones (tp, arr), Kenny Burrell (g), Barry Galbraith (g, tracks 2, 10), Hank Jones (p, tracks 2, 3, 5-8, 10), Herbie Hancock (p, tracks 1, 4, 9), Bob Cranshaw (b), Mel Lewis (ds, tracks 1, 2, 4, 9 & 10), Mickey Roker (ds, tracks 3, 5-8), Dick Berg, Jim Buffington, Brooks Tillotson (French horn)。
 

Stanley-turrentinealways-something-there

 
しかし、冒頭の「(There's) Always Something There to Remind Me」から、あ〜遂に、ブルーノート・レーベルも、ここまで俗っぽくなってしまったか、と苦笑いする。軽快なブラスのユニゾン&ハーモニー、小洒落たポップなビッグバンド・サウンド、途中、ストリングスがオーバーダビングされて、もう、これは、ジャズなリズム&ビートをベースにした「イージーリスニング音楽」。

演奏自体は、当時のメインストリーム系の一流ジャズマンが多く参加しているんで、カッチリとまとまっているし、楽器の響きも良い。でも、いかんせんアレンジがポップで俗っぽい。アレンジは誰か、と確認したら、サド・ジョーンズ。意外。サドもこんな俗っぽいポップでライトなビッグバンド・アレンジをするんだ、と変に感心する。

レノン&マッカートニーの「Hey Jude」「The Fool on the Hill」、ドアーズの「Light My Fire」など、ロックのヒット曲のカヴァーが入っていたり、フィフス・ディメンションの「Stoned Soul Picnic」が入っていたり、とにかく、一般大衆の訴求する、大衆受け狙いのイージーリスニング盤である。ただし、オーバーダビングされたストリングス以外のジャズマンの演奏はしっかりしているので、聴き心地は良い。ながら聴きのジャズ盤としては良い内容かもしれない。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年10月10日 (金曜日)

クロスオーバーなビッグバンド

ジャケットの左上の小さな文字を見ると「Tosiyuki MIyama & New Hard Plays Chikara Ueda」とある。つまり、このアルバムは、日本を代表するビッグバンドである宮間利之&ニューハードが、作・編曲に 上田力氏を迎え、フュージョン・サウンドに挑戦した作品なのだ。僕としては、ジャズを本格的に聴き始めた頃の、懐かしいアルバムの1枚である。

宮間利之とニュー・ハード・オーケストラ『Big Stuff』(写真左)。1980年の作品。Electric Birdレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、ビッグバンドである「宮間利之とニューハード」に、清水靖晃(ts), 直居隆雄 (g), 山木秀夫 (ds), 神村英男 (cor), 納見義徳 (per) 等が参加。

ビッグバンド・サウンドのフュージョン化、などと、当時は評価されたが、今の耳で聴くと、クロスオーバー・ジャズ志向のコンテンポラリーなビッグバンド・サウンドだろうと思う。8ビートがメイン、電気楽器を前面に押し出した、エレ・ジャズ志向だが、ポップなロック風のグルーヴも見え隠れして、これ「クロスオーバー・ビッグバンドでしょ」と、聴いていて直感的に感じた。
 
冒頭「Samboogie」から、格好良く切れ味の良いギター・カッティングがカッ飛ぶ。熱気溢れるラテンなパーカッションが盛り上げるグルーヴ感の中、ニューハードのビッグバンド・サウンドが炸裂する。清水のテナーソロも躍動感溢れ、ダンディズム溢れる音色で魅了する。この冒頭の1曲だけで、この盤の雰囲気が決定付けられる。
 

Big-stuff

 
続くタイトル曲「Big Stuff」は、エレクトリックなビッグバンド・ブルース。小粋で映えるブレイクを重ねながら、ブルージーなベースラインが練り歩く。3曲目の「Sunset Vally」は、これぞ、ソフト&メロウな「フュージョン・ビッグバンド」な音世界。ダイナミックでパンチの効いたクロスオーバー・ビッグバンドなサウンドが魅力の「Mystery Cat」。

正統派ビッグバンドな響きの中、電気楽器が効果的に絡む「Walking Stone」。エレクトリックなビッグバンド・サウンドが効果的に響く、秀逸なサンバ・フュージョンな「Mas Quero Dancar (But Dancing)」。そして、魅力的な重厚ファンキー・ベースに、カッティング・ギターが絡む、バックにビッグバンド・サウンドが格好良く漂う「So Fine」。

ニューハードが放つ分厚く圧巻のビッグバンド・サウンドと、洗練されたクロスオーバー&フュージョン・サウンドの融合がバッチリ「はまった」、独特の、唯一無二の「クロスオーバー&フュージョン・ビッグバンド」の目眩く音世界。

DJ/クラブカルチャー・シーンで高く再評価されているアルバムの1枚で、当時の日本のクロスオーバー&フュージョン・ジャズのレベルの高さが窺い知れる好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年9月26日 (金曜日)

これぞピアソンのビッグバンド

当時のブルーノートでは全く珍しいビッグバンド盤である。ちなみにCDリイシュー時、全15曲になったが、10曲目から15曲目はボートラ。LPオリジナルは、前半の1曲目から9曲目までの全9曲。よって、この記事では、LPオリジナルの9曲に限って話を進めたい。

Duke Pearson『Introducing Duke Pearson's Big Band』(写真左)。1967年12月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Pearson (p, arr), Randy Brecker, Burt Collins, Joe Shepley, Marvin Stamm (tp), Benny Powell, Julian Priester (tb), Kenny Rupp (b-tb), Jerry Dodgion (as, fl, piccolo), Al Gibbons (as, fl, b-cl), Lew Tabackin, Frank Foster (ts), Pepper Adams (bs, cl), Bob Cranshaw (b), Mickey Roker (ds)。

さて、ブルーノートでは珍しいビッグバンド盤である。しかも、リバティ・レコードに買収されて、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンが去った後、このビッグバンド盤のプロデュースはデューク・ピアソン本人。リーダーとアレンジを担当していたピアソンが、セルフ・プロデュースまで担当したビッグバンド盤。

大手リバティからのリリースである。コストのかかるビッグバンド録音、いきおい、売れる内容になっているんだろうな、とCDプレイヤーのスタートボタンを押す。冒頭、ピアソン作の「Ground Hog」は、ポップでジャズロック気味な大衆受けするビッグバンド・サウンド。やっぱりなあ、やっぱり、ピアソンも人の子、大衆に迎合するアレンジで行くのか、と納得しそうになる。
 

Duke-pearsonintroducing-duke-pearsons-bi

 
しかし、2曲目「New Girl」から様相が変わってくる。ピアソンの音作りの個性がバッチリ出たアンサンブルで、ドライブ感が気持ち良いビッグバンド演奏が出てくる。ルー・タバキンのテナーも若々しくて良い感じだし、ミッキー・ローカーのドラミングが印象的。大衆迎合型のビッグバンドとは一線を画している。

曲が進むにつれ、硬派でハードで完璧メインストリームなビッグバンド・ジャズがバンバン出てくる。しかも、ビッグバンド・ジャズとして、こんな曲を選ぶか、と思うような、渋い選曲が出てくる。チック・コリア作の「Straight Up and Down」、ジョー・サンプル作の「New Time Shuffle」、レニー・ウェルチの歌唱で有名な「A Taste of Honey」など、こんな渋い曲をビッグバンドにアレンジするなんて、アレンジャーのピアソンに感服する。

パーソネルを見渡すと、これまた、当時の才能あるジャズマンが大集結。トランペット奏者ランディ・ブレッカー、バート・コリンズ、マーヴィン・スタム、ドラマーのミッキー・ローカー、サックス奏者フランク・フォスター、ルー・タバッキン、ペッパー・アダムス、トロンボ奏者ガーネット・ブラウンとジュリアン・プリースター。さすがブルーノート。目の付け所が違う。

後半に行くに従って、硬派な度合い、ハードな度合い、メンストリームな度合いが、どんどん高まっていく。ここまでくれば、聴いて楽しい、のレベルでは最早無い。しっかりと対峙して、ピアソンのリーダーシップ、ピアソンのアレンジ、ピアソンの個性をジックリ楽しみたい。ビッグバンドの好盤の1枚である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年9月11日 (木曜日)

ロックのビッグバンド・カヴァー

生前、クインシー・ジョーンズが絶賛する。「彼女の力強く官能的なボーカルは魅惑的で、魂を癒してくれる。才能と美しさは並外れている。彼女が歌うものは何でも、彼女は自分のものにしていて、一音一音に意味がある。一度聴けばわかる…彼女は本物だ」。この彼女とは、ミシシッピ州生まれで、ビルボードチャートで2度首位を獲得したボーカリスト、デボラ・シルヴァー(Deborah Silver)である。

Deborah Silver & Count Basie Orchestra『Basie Rocks!』(写真左)。2025年の作品。ちなみにパーソネルは、Deborah Silver (vo : main), Count Basie Orchestra。

そんなデボラ・シルヴァーが、ジャズ・ビッグバンドの老舗、カウント・ベイシー・オーケストラと組んで、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、スティング、エルトン・ジョン、ポリスといったロック界の巨匠たちの演奏を、自然なセンスと正統派ビッグバンド・アレンジで再解釈した、魅力的な企画盤。ローリング・ストーンズの名ドラマー、スティーヴ・ジョーダンがこの盤をプロデュースしている。

以下がトラックリスト。エルトン・ジョンの1973年のヒット曲「Benny & The Jets」のピアノ・シンコペーションはコール&レスポンスの様に響き、ビル・フリゼールのギター・ソロが魅力的な、スティーヴ・ミラー・バンドの定番曲「Fly Like An Eagle」。

カート・エリングの歌唱が素晴らしい、ソフト・セルの「Tainted Love」。トロンボーン・ショーティをフィーチャーした、スリー・ドッグ・ナイトのヒット曲「Joy to the World」。ボブ・シーガーの「Old Time Rock and Roll」は不思議とビッグバンド・サウンドに合う。
 

Deborah-silver-count-basie-orchestrabasi
 

1.「Paint it back」 feat. Arturo Sandoval and Pedrito Martinez
2.「Benny & The Jets」
3.「Baby I love your Way」 feat. Peter Frampton
4.「Tainted Love」
feat. Kurt Elling (duet) w/ Steve Jordan (ds), John Clayton (b)
5.「Band On The Run」
6.「A Hard Days Night」 featuring: Monte Croft
7.「Joy To The World」 feat. Trombone Shorty (duet)
8.「Fly Like An Eagle」 feat. Bill Frisell
9.「Every Breath You Take」 feat. George Coleman
10.「Old Time Rock & Roll」
feat. Wycliffe Gordon and Herlin Riley (duet)
11.「Life’s Been Good」
feat. Scotty Barnhart of The Count Basie Orchestra

まず、デボラ・シルヴァーの歌唱が素晴らしい。現代の正統派ジャズ・ボーカル。ポップスでもロックでも無い。紛れも無い「ジャズ・ボーカル」といった雰囲気のシルヴァーの歌唱が全編に渡って、素晴らしい存在感を放っている。

そして、ビッグバンド・アレンジが素晴らしい。ロック&ポップス曲のジャズ・カヴァーは、曲の持つ印象的なフレーズを忠実に再現するあまり、ジャズのサウンドに乗ったイージー・リスニング・ミュージックになってしまう傾向が強いのだが、この盤は違う。

正統なビッグバンド・アレンジに乗った、あくまで、ジャズに力点を置いた、ロック&ポップス曲のカヴァーになっているところが素晴らしい。しかも、そんな演奏を担当するのが、ジャズ・ビッグバンドの老舗、カウント・ベイシー・オーケストラ。あくまで、ジャズ・アレンジされたロック&ポップス曲が、とにかく聴いていて楽しい。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年9月 5日 (金曜日)

エリントン楽団の異色盤です。

ベツレヘムのデューク・エリントン作品の人気盤である。この盤では、エリントン楽団としては珍しい、デュークのオリジナル曲だけでなく、ジャズ・スタンダード曲を演奏している。ジャズ・スタンダード曲をエリントン楽団が演奏すると「こうなる」が明快に理解出来る貴重盤でもある。

『Duke Ellington Presents..』(写真左)。1956年2月の録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは以下の通り。元メンバーが再集結、往年のエリントン・サウンドの再演という様なパーソネルである。

Duke Ellington (p), Cat Anderson, Willie Cook, Ray Nance, Clark Terry (tp), Quentin Jackson, Britt Woodman (tb), John Sanders (valve-tb), Jimmy Hamilton (cl, ts), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), Jimmy Woode (b), Sam Woodyard (ds), Ray Nance (vin, vo), Jimmy Grissom (vo)。

1曲目「Summertime」(George Gershwin, Ira Gershwin, Dubose Heyward)
2曲目「Laura」 (Johnny Mercer, David Raksin)
3曲目「I Can't Get Started」 (Vernon Duke, Ira Gershwin)
4曲目「My Funny Valentine」 (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
(この間はデューク曲が続く)
9曲目「Deep Purple」 (Peter DeRose, Mitchell Parish)
10曲目「Indian Summer」 (Al Dubin, Victor Herbert) 
 

Duke-ellington-presents

 
ジャズ・スタンダード曲が、エリントン・アレンジに染まっていく、濃密で幻想的なエリントン・サウンドで演奏されるジャズ・スタンダード曲は、アーバンでブルージーでジャジー。エリントン楽団ならではの、スタンダード曲の解釈が、この盤の最大の聴きものである。

聴いていると気がつくが、個性のあるメンバー達をフューチャーした音作りも、この盤のユニークなところ。キャット・アンダーソンのトランペットが見事な「Summertime」、ポール・ゴンザルベスのテナー・サックスが印象的な「Laura」「Cotton Tail」。

ハリー・カーネーのバリトンが熱い「Frustration」、ジョニー・ホッジスのアルト・サックスに惚れ惚れする「Day Dream」。ジミー・ハミルトンのクラリネットが楽しい「Deep Purple」。ラッセル・プロコープのアルト・サックス・ソロが美しい「Indian Summer」。エリントン楽団の面目躍如。

ネットを眺めてたら、このアルバムを「エリントニアンのショーケース」とする記事があって、なるほど、っと納得。個性のあるメンバー達をフューチャーするところは確かに「エリントニアンのショーケース」。そして、エリントン・バンドっぽくないところが魅力の「エリントン楽団が考えるジャズ・スタンダード集」。この盤、エリントン楽団の異色盤。意外と面白い内容です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年5月19日 (月曜日)

バグスの ”with BigBand” 優秀盤

ディスコグラフィーを見直してみて、ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソン(愛称・バグス)は、自身のリーダー作において、マンネリを避ける為なのか、企画ものが結構ある。ウィズ・ブラスオケや、ウィズ・ビッグバンド、ボサノヴァ&サンバ集、などなど。今回のバグスの企画盤は「ウィズ・ビッグバンド」盤。

Milt Jackson Orchestra『Big Bags』(写真左)。1962年6月19–20日、7月5日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。錚々たるメンバーを招集した、特製のビッグバンドをバックにした、バグス・ウィズ・ビッグバンド盤である。

Milt Jackson (vib), Nat Adderley, Dave Burns, Bernie Glow, Ernie Royal, Doc Severinsen, Clark Terry, Snooky Young (tp), Jimmy Cleveland, Paul Faulise, Melba Liston, Tom McIntosh (tb), Willie Ruff (French horn), Earle Warren (as), George Dorsey (as, fl), James Moody, Jerome Richardson (as, fl, ts), Jimmy Heath (ts, fl), Arthur Clarke, Tate Houston (bs), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Connie Kay (ds), Tadd Dameron, Ernie Wilkins (arr, cond)。
 
一言で言うと、とても出来の良い「ウィズ・ビッグバンド」盤。バグスのヴァイブ、絶好調。優れたメンバーを集め、優れたアレンジを施したビッグバンド・サウンドをバックに、バグスのヴァイブが映えに映える。
 

Milt-jackson-orchestrabig-bags

 
バンドのアレンジをアーニー・ウィルキンス、タッド・ダメロンが担当。ウィルキンスの豪快かつ大胆なアレンジ。ダメロンの繊細かつ流麗なアレンジ。どちらのアレンジも優秀。

この2つの優秀なアレンジの対比も楽しく、この二つの優秀なアレンジをバックに弾きまくるバグスのヴァイブ。ヴァイブの硬質で暖かな響きが、ビッグバンド・サウンドの中にクッキリ浮かび上がる様な、そんなビッグバンドのアンサンブルが見事である。バグスのヴァイブのスイング感、ビッグバンドのスイング感とが、共鳴し合って、演奏全体が大らかにスイングする様がとても心地良い。

勢いと音の大きさを前面に押し出すのではない、大胆かつ繊細に硬軟自在・強弱自在に変化する、良好にアレンジされたビッグバンドが、バグスの「ヴァイブの神様」的な、目眩く流麗かつブルージーなブレーズを、しっかりとサポートし、しっかりと引き立てる。

とても良好な内容のバグスの「ウィズ・ビッグバンド」盤。これだけ内容優秀な「ウィズ・ビッグバンド」盤なのだが、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の「ウィズ・ビッグバンド」の特集記事などで、このバグスの『Big Bags』を紹介する記事を見たことが無い。これだけ内容のある「ウィズ・ビッグバンド」盤なのになあ。不思議なことである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年4月18日 (金曜日)

Argoレーベルのビッグバンド盤

こってこてファンクネス漂う、ソウル・ジャズ、ジャズロックを聴きたくなって選盤に迷ったら、アーゴ&カデットの諸作を選盤すれば良い。それほどまでに、アーゴ&カデットのアルバムの制作志向は「ファンキー・ソウル・ジャズロック」で統一されている。が、正統派な、純ジャズどまん中のアルバムもしっかりと出している。

Chubby Jackson『Chubby's Back』(写真左)。1957年3月31日の録音。Argoレーベルからのリリース。

ちなみにパーソネルは、Chubby Jackson’s Big Band = Chubby Jackson (b), Howard Davis, Sandy Mosse, Vito Price (reeds), Bill Calkins (bs), Bill Harris, Tommy Shepard (tb), Don Geraci, Don Jacoby, Joe Silria (tp), Cy Touff (b-tp), Remo Biondi (g), Marty Rubenstein (p), Don Lamond (ds)。

このビッグバンド・リーダーのチャビー・ジャクソンは、1918年10月、NY生まれのベーシスト。1930年代からルイ・アームストロング、ウディ・ハーマン、レイモンド・スコットらの下で、ベーシストとしてビッグバンドのベース・ラインを支え、スタジオ・ミュージシャンとしても活躍したベース職人である。実は僕はこのビッグバンド盤を聴くまで、数年前まで、チャビー・ジャクソンの名前を知らなかった。
 

Chubby-jacksonchubbys-back

 
このビッグバンド盤は、チャビーが39歳の時にレコーディングした、チャビーの初リーダー作。39歳の初リーダー作はちょっと遅めな感じがするが、チャビーはベーシストなのと、ビッグバンドに長年、所属していたこともあって、リーダー作の制作については、なかなかそのチャンスがなかったのだるう。

で、このビッグバンドのサウンドだが、洗練された素性の良いビッグバンド・サウンドで、テンポも良くスイング感抜群、リズム&ビートも溌剌としていて、アンサンブルは良好、ユニゾン&ハーモニーは心地良い。

ビッグバンドの様な教科書の様なサウンドである。ビッグバンドのパーソネルを見渡すと、知っている名前は、ほとんどいないのだが、それぞれの楽器の演奏のレベルは押し並べて高い。改めて調べてみたら、ハーマン楽団の旧知のメンバーを中心に名手を揃えている、とのこと。納得である。

モダン・ビッグ・バンドの醍醐味を満喫できる、好ビッグバンド盤だと思う。こんなに内容良好なビッグバンド盤が、アーゴ&カデット・レーベルからリリースされているとは。見つけた時は半信半疑だったのだが、実際に聴いてみて「目から鱗」。聴いて楽しいビッグバンド・サウンド。好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から14年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

_Blue Noteの100枚 _ECMのアルバム45選 _この曲のドラムを聴け! _こんなアルバムあったんや _ながら聴きのジャズも良い _クリスマスにピッタリの盤 _ジャケ買い「海外女性編」 _ジャズ・ギターの名演 洋楽編 _ジャズ喫茶で流したい _トランペットの隠れ名盤 _ビートルズのカヴァー集 _ピアノ・トリオの代表的名盤 _フェンダー・ローズを愛でる _フュージョン・ジャズの優秀盤 _僕なりの超名盤研究 _和ジャズの優れもの _和フュージョンの優秀盤 _夜の静寂にクールなジャズ A&Mレーベル AOR Argo & Cadetレーベル Atlanticレーベル Bethlehemレーベル Blue Note 4000番台 Blue Note 4100番台 Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル DD・ブリッジウォーター ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・ゴールドバーグ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス イリノイ・ジャケー インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オズ・ノイ オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン コンテンポラリーな純ジャズ ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ サン・ラ・アーケストラ ザ・バンド シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジミー・ヒース ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ ジーン・アモンズ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・スティット ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャーリー・ヘイデン チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テッド・カーソン テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ドン・チェリー ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハワード・マギー ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグバンド・ジャズは楽し ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・アップチャーチ フィル・ウッズ フォープレイ フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ヘレン・メリル ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイク’・スターン マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マルグリュー・ミラー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラリー・ヤング ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レス・マッキャン レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロベン・フォード ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 大村憲司 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 音楽喫茶『松和』の昼下がり 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー