バグスの ”with BigBand” 優秀盤
ディスコグラフィーを見直してみて、ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソン(愛称・バグス)は、自身のリーダー作において、マンネリを避ける為なのか、企画ものが結構ある。ウィズ・ブラスオケや、ウィズ・ビッグバンド、ボサノヴァ&サンバ集、などなど。今回のバグスの企画盤は「ウィズ・ビッグバンド」盤。
Milt Jackson Orchestra『Big Bags』(写真左)。1962年6月19–20日、7月5日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。錚々たるメンバーを招集した、特製のビッグバンドをバックにした、バグス・ウィズ・ビッグバンド盤である。
Milt Jackson (vib), Nat Adderley, Dave Burns, Bernie Glow, Ernie Royal, Doc Severinsen, Clark Terry, Snooky Young (tp), Jimmy Cleveland, Paul Faulise, Melba Liston, Tom McIntosh (tb), Willie Ruff (French horn), Earle Warren (as), George Dorsey (as, fl), James Moody, Jerome Richardson (as, fl, ts), Jimmy Heath (ts, fl), Arthur Clarke, Tate Houston (bs), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Connie Kay (ds), Tadd Dameron, Ernie Wilkins (arr, cond)。
一言で言うと、とても出来の良い「ウィズ・ビッグバンド」盤。バグスのヴァイブ、絶好調。優れたメンバーを集め、優れたアレンジを施したビッグバンド・サウンドをバックに、バグスのヴァイブが映えに映える。
バンドのアレンジをアーニー・ウィルキンス、タッド・ダメロンが担当。ウィルキンスの豪快かつ大胆なアレンジ。ダメロンの繊細かつ流麗なアレンジ。どちらのアレンジも優秀。
この2つの優秀なアレンジの対比も楽しく、この二つの優秀なアレンジをバックに弾きまくるバグスのヴァイブ。ヴァイブの硬質で暖かな響きが、ビッグバンド・サウンドの中にクッキリ浮かび上がる様な、そんなビッグバンドのアンサンブルが見事である。バグスのヴァイブのスイング感、ビッグバンドのスイング感とが、共鳴し合って、演奏全体が大らかにスイングする様がとても心地良い。
勢いと音の大きさを前面に押し出すのではない、大胆かつ繊細に硬軟自在・強弱自在に変化する、良好にアレンジされたビッグバンドが、バグスの「ヴァイブの神様」的な、目眩く流麗かつブルージーなブレーズを、しっかりとサポートし、しっかりと引き立てる。
とても良好な内容のバグスの「ウィズ・ビッグバンド」盤。これだけ内容優秀な「ウィズ・ビッグバンド」盤なのだが、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の「ウィズ・ビッグバンド」の特集記事などで、このバグスの『Big Bags』を紹介する記事を見たことが無い。これだけ内容のある「ウィズ・ビッグバンド」盤なのになあ。不思議なことである。
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