2025年5月19日 (月曜日)

バグスの ”with BigBand” 優秀盤

ディスコグラフィーを見直してみて、ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソン(愛称・バグス)は、自身のリーダー作において、マンネリを避ける為なのか、企画ものが結構ある。ウィズ・ブラスオケや、ウィズ・ビッグバンド、ボサノヴァ&サンバ集、などなど。今回のバグスの企画盤は「ウィズ・ビッグバンド」盤。

Milt Jackson Orchestra『Big Bags』(写真左)。1962年6月19–20日、7月5日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。錚々たるメンバーを招集した、特製のビッグバンドをバックにした、バグス・ウィズ・ビッグバンド盤である。

Milt Jackson (vib), Nat Adderley, Dave Burns, Bernie Glow, Ernie Royal, Doc Severinsen, Clark Terry, Snooky Young (tp), Jimmy Cleveland, Paul Faulise, Melba Liston, Tom McIntosh (tb), Willie Ruff (French horn), Earle Warren (as), George Dorsey (as, fl), James Moody, Jerome Richardson (as, fl, ts), Jimmy Heath (ts, fl), Arthur Clarke, Tate Houston (bs), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Connie Kay (ds), Tadd Dameron, Ernie Wilkins (arr, cond)。
 
一言で言うと、とても出来の良い「ウィズ・ビッグバンド」盤。バグスのヴァイブ、絶好調。優れたメンバーを集め、優れたアレンジを施したビッグバンド・サウンドをバックに、バグスのヴァイブが映えに映える。
 

Milt-jackson-orchestrabig-bags

 
バンドのアレンジをアーニー・ウィルキンス、タッド・ダメロンが担当。ウィルキンスの豪快かつ大胆なアレンジ。ダメロンの繊細かつ流麗なアレンジ。どちらのアレンジも優秀。

この2つの優秀なアレンジの対比も楽しく、この二つの優秀なアレンジをバックに弾きまくるバグスのヴァイブ。ヴァイブの硬質で暖かな響きが、ビッグバンド・サウンドの中にクッキリ浮かび上がる様な、そんなビッグバンドのアンサンブルが見事である。バグスのヴァイブのスイング感、ビッグバンドのスイング感とが、共鳴し合って、演奏全体が大らかにスイングする様がとても心地良い。

勢いと音の大きさを前面に押し出すのではない、大胆かつ繊細に硬軟自在・強弱自在に変化する、良好にアレンジされたビッグバンドが、バグスの「ヴァイブの神様」的な、目眩く流麗かつブルージーなブレーズを、しっかりとサポートし、しっかりと引き立てる。

とても良好な内容のバグスの「ウィズ・ビッグバンド」盤。これだけ内容優秀な「ウィズ・ビッグバンド」盤なのだが、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の「ウィズ・ビッグバンド」の特集記事などで、このバグスの『Big Bags』を紹介する記事を見たことが無い。これだけ内容のある「ウィズ・ビッグバンド」盤なのになあ。不思議なことである。
 
 

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2025年4月18日 (金曜日)

Argoレーベルのビッグバンド盤

こってこてファンクネス漂う、ソウル・ジャズ、ジャズロックを聴きたくなって選盤に迷ったら、アーゴ&カデットの諸作を選盤すれば良い。それほどまでに、アーゴ&カデットのアルバムの制作志向は「ファンキー・ソウル・ジャズロック」で統一されている。が、正統派な、純ジャズどまん中のアルバムもしっかりと出している。

Chubby Jackson『Chubby's Back』(写真左)。1957年3月31日の録音。Argoレーベルからのリリース。

ちなみにパーソネルは、Chubby Jackson’s Big Band = Chubby Jackson (b), Howard Davis, Sandy Mosse, Vito Price (reeds), Bill Calkins (bs), Bill Harris, Tommy Shepard (tb), Don Geraci, Don Jacoby, Joe Silria (tp), Cy Touff (b-tp), Remo Biondi (g), Marty Rubenstein (p), Don Lamond (ds)。

このビッグバンド・リーダーのチャビー・ジャクソンは、1918年10月、NY生まれのベーシスト。1930年代からルイ・アームストロング、ウディ・ハーマン、レイモンド・スコットらの下で、ベーシストとしてビッグバンドのベース・ラインを支え、スタジオ・ミュージシャンとしても活躍したベース職人である。実は僕はこのビッグバンド盤を聴くまで、数年前まで、チャビー・ジャクソンの名前を知らなかった。
 

Chubby-jacksonchubbys-back

 
このビッグバンド盤は、チャビーが39歳の時にレコーディングした、チャビーの初リーダー作。39歳の初リーダー作はちょっと遅めな感じがするが、チャビーはベーシストなのと、ビッグバンドに長年、所属していたこともあって、リーダー作の制作については、なかなかそのチャンスがなかったのだるう。

で、このビッグバンドのサウンドだが、洗練された素性の良いビッグバンド・サウンドで、テンポも良くスイング感抜群、リズム&ビートも溌剌としていて、アンサンブルは良好、ユニゾン&ハーモニーは心地良い。

ビッグバンドの様な教科書の様なサウンドである。ビッグバンドのパーソネルを見渡すと、知っている名前は、ほとんどいないのだが、それぞれの楽器の演奏のレベルは押し並べて高い。改めて調べてみたら、ハーマン楽団の旧知のメンバーを中心に名手を揃えている、とのこと。納得である。

モダン・ビッグ・バンドの醍醐味を満喫できる、好ビッグバンド盤だと思う。こんなに内容良好なビッグバンド盤が、アーゴ&カデット・レーベルからリリースされているとは。見つけた時は半信半疑だったのだが、実際に聴いてみて「目から鱗」。聴いて楽しいビッグバンド・サウンド。好盤です。
 
 

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2025年2月14日 (金曜日)

ベイシー楽団のダイナミズム

レコード・コレクターズ 2025年2月号の特集は「この曲のドラムを聴け! ジャズ/フュージョン編」。これは実に興味深い特集だ、と思う。ジャズ/フュージョンにおけるドラムの位置付けは、リズム&ビートのキープ役が主だが、実は、このドラムの立ち回りによって、ジャズ/フュージョンの演奏内容がガラッと変わる。

一昨日、Benny Goodman & His Orchestra、いわゆるビッグバンドにおけるドラムについて、史上初の「スター・ドラマー」、ジーン・クルーパのドラミングについて語ったのだが、確かに、ビッグバンドのダイナミズムを支えるリズム&ビートは「ドラム」に依るところが大きい。

Count Basie『Basie Plays Hefti』(写真左)。1958年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Count Basie (p) がリーダーの "Cont Basie Orchestra" 。今回、注目のドラマーは、Sonny Payne (ds)。カウント・ベイシー楽団の二代目ドラマー。僕はこのソニー・ペインというドラマーを「ベイシー楽団の爆弾男」と呼んで敬愛している。

冒頭「Has Anyone Here Seen Basie」を聴けば、1曲目から「ベイシー楽団の爆弾男」の面目躍如。ホーン・セクションが一斉に吠えるテーマ部では、ペインは「爆弾を落とすが如く」叩きまくり、フロント管がソロを取ると、思いっきりバスドラを「爆弾を落とすが如く」踏み込んで、フロント管を鼓舞しまくる。
 

Count-basiebasie-plays-hefti

 
2曲目「Cute」では、ミッドテンポのゆったりした演奏の中、ペインは絶妙のブラッシュ・ワークを披露する。ほんと、これが「絶妙」で、フロント管のユニゾン&ハーモニーのバックで、キッチリとリズム&ビートをキープし、ミッドテンポの優しい演奏に効果的なアクセントを散りばめる。

繊細できめ細やかな「紳士的な」ブラッシュ・ワーク。「爆弾を落とす」だけがペインのドラミングではないことが良く判る。この辺りが、「ペインは、間違いなく最高のビッグバンド・ドラマーだ」とされる所以だろう。

以降、全編に渡って、爆弾男と紳士的な男、二つの顔で、ベイシー楽団のダイナミズムを支え、ダイナミズムをベイシー楽団の個性の一つに仕立てあげる。ベイシー楽団のダイナミズムは、このペインのドラミングに依るところが大きい。

時々、ブレイクにトリッキーなフィルインを入れて客を笑わせるユーモア溢れるドラミングもペインの個性。「爆弾を落とすが如く」叩きまくり、繊細できめ細やかな「紳士的な」ブラッシュ・ワークを披露しつつ、ベイシー楽団のダイナミズムを音にする。そういう意味で、ペインも「スター・ドラマー」だと言える。ビッグバンドには「スター・ドラマー」が不可欠である。
 
 

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2025年2月12日 (水曜日)

『Sing, Sing, Sing』のドラム

レコード・コレクターズ 2025年2月号の特集は「この曲のドラムを聴け! ジャズ/フュージョン編」。これは実に興味深い特集だ、と思う。ジャズ/フュージョンにおけるドラムの位置付けは、リズム&ビートのキープ役が主だが、実は、このドラムの立ち回りによって、ジャズ/フュージョンの演奏内容がガラッと変わる。

演奏の「音」を決める重要要素の一つを担っているのが「ドラム」。そんなャズ/フュージョンにおける「ドラム」にスポットを当てて、楽曲評論をする。これは僕もやったことが無い。ということで、僕もやってみることにした。

Benny Goodman & His Orchestra『Sing, Sing, Sing』(写真左)。1987年のリリース。演奏自体は1930年代後半の演奏。ちなみにパーソネルは、Benny Goodman (cl) がリーダーの "Benny Goodman & His Orchestra"。今回、注目のドラマーは、Gene Krupa (ds)。ベニー・グッドマン楽団の「要のドラマー」であり、史上初の「スター・ドラマー」である。

「King of Swing」、スイングの多様、ベニー・グッドマンと彼のオーケストラのオムニバス盤である。演奏の基本は「スイング」。迫力あるダイナミズム溢れる、高速にスイングするビッグバンドは圧巻。ムード満点に印象的にバラード展開するビッグバンドは流麗。そんなビッグバンド演奏のリズム&ビートをガッチリ支えているのが、ジーン・クルーパ(写真右)のドラム。
 

Benny-goodman-his-orchestrasing-sing-sin

 
通常はどの曲でも、ジーン・クルーパは演奏の基本である「リズム&ビート」をしっかりと支え、ソロイストのパフォーマンスを鼓舞する正確無比で判り易いドラミング。バンド全体にしっかりと「リズム&ビート」を供給し、その叩きっぷりで、バンド全体に「躍動感」を与えている。

そして、お目当ての「Sing, Sing, Sing」である。この曲だけは、ドラムのジーン・クルーパは、バンド演奏のリズム&ビートを支える役割を超えて、ソロイストとして、躍動感溢れるドラムを叩きまくる。

史上初の「スター・ドラマー」というが、確かに、ジャズの歴史を振り返って、ソロイストとして、ドラムという楽器をたたきまくり、ドラムという楽器の音を強烈にアピールする、というパフォーマンスは、クルーパが初めてではないか。演奏途中のドラムソロも躍動的でビートが効いて相当に印象的。史上初の「スター・ドラマー」の面目躍如である。

この「Sing, Sing, Sing」のジーン・クルーパのドラミングを聴くだけで、ドラムは、ジャズ/フュージョン演奏の「音」を決める重要要素の一つを担っていることが良く判る。

元々のオリジナルの演奏はボーカルがメインの大人しめの小曲だったらしいが、それをこんなに躍動感溢れるインスト・ナンバーに変身させ、ビッグバンドの演奏に耐えるリズム&ビートを供給する。ジャズ/フュージョンにおけるドラムの位置付けは、意外と奥が深い。
 
 

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2025年1月18日 (土曜日)

フリーなジャズオケの第一人者

ジャズ・オーケストラの演奏は、概ね端正で整然としたアンサンブルがメインの正統派なものが大多数。フロント楽器のアドリブ以外の部分は、スコアが整えられていて、破綻の無い演奏が良しとされる。しかし、そんな端正で整然としたジャズオケで、フリー&スピリチュアル、アブストラクトなジャズをやるものは無いのか、と思い立った時、出会ったのが「Sun Ra and his Arkestra」である。

Sun Ra and his Arkestra『Space Is the Place』(写真左)。 October , 1972年10月19–20日の録音。ちなみにパーソネルは、Sun Ra and His Astro Intergalactic Infinity Arkestra。訳すと「サン・ラと彼の宇宙銀河の無限オーケストラ」。ジャズの多様性とSFと古代神話の融合を実現したジャズ・オーケストラの秀作。

土星から降臨し、音楽を燃料に大宇宙を旅する宇宙音楽王(笑)である「サン・ラ(Sun Ra)」。米国の前衛ジャズ・ミュージシャン。彼はジャズオケ「アーケストラ」を主宰する。そして、このジャズオケで、フリー&スピリチュアル、アブストラクトなジャズをやる。

この盤はジャズを本格的に聴き始めて2年目くらいで、大学近くの「秘密の喫茶店」で聴かせてもらった。ママさんに、それこそ「フリー&スピリチュアル、アブストラクトなジャズをやるものは無いんですかね〜」と訊いたら、じゃあ、とこの盤をかけてくれた。

冒頭「Space Is The Place」が痛快な面白さ。出だしから、鳴り響くサイレンの様な、サンラ操るスペース・オルガンが唸りをあげる。テナーが先頭を練り歩き、他の楽器が追従する。力感溢れる女性ボーカルが出てきて、コーラスも被る。開始1分くらいで、フリーに傾き、皆が「我が道を行く」(笑)。必要最低限のルールの中で、フリー&スピリチュアル、アブストラクトな演奏が展開される。
 

Sun-ra-and-hisarkestraspace-is-the-place

 
ジャズオケのフリー&スピリチュアル、アブストラクトな演奏なので、基本的に迫力満点。それでいて、演奏の底の部分はユルユルで浮遊感が漂う。男性ボーカルが「Space Is The Place」を繰り返す。アルト・サックスの野生的な咆哮。カオスな展開が高揚し、ハンドクラップが入り、サックスの本能赴くままの咆哮。そして、女性のアグレッシブな叫び。

サンラ操るスペース・オルガンが唸りをあげると、新たな「フリー&スピリチュアル、アブストラクト」な演奏の始まり。鳴り響くオルガン、男性のハミング、そして、いつもの「Space Is The Place」を繰り返し、ラストは、スペース・オルガンと「Space Is The Place」だけが残る音空間。サン・ラ・アーケストラの面目躍如な「フリー&スピリチュアル、アブストラクト」なジャズオケ演奏。

2曲目「Images」は打って変わって、スタンダードなジャズオケ。一糸乱れぬ端正で破綻のないジャズオケ展開。そんな中で遊び心満点の展開が見え隠れして、とても親しみのあるスタンダードなジャズオケ演奏に仕上がっている。この演奏を聴くと、サン・ラのジャズオケは決して「ゲテモノ」でないことが判る。かなりの力量とテクニックを兼ね備えたジャズオケである。侮ってはならない。

3曲目以降は、再び、癖のある、サン・ラらしい「フリー&スピリチュアル、アブストラクト」なジャズオケ演奏が展開される。とにかく内容的にユニーク過ぎるジャズオケ演奏が唯一無二、サン・ラの面目躍如である。

ジャズ者一般万民向けのジャズオケ演奏ではないが、ジャズオケに興味があるジャズ者の方々には一度は耳にして欲しいジャズオケ盤。従来の端正なジャズオケ演奏の対極にある、「フリー&スピリチュアル、アブストラクト」なジャズオケの演奏がこの盤に詰まっている。
 
 

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2025年1月17日 (金曜日)

ポップで明るい「Q」サウンド

クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)。当代随一のジャズ・アレンジャー&コンダクター。優れたプロデューサーでもあった。愛称は「Q」。惜しくも、昨年(2024年)の11月3日に、91歳で鬼籍に入ってしまった。悲しい。僕の大のお気に入りのアレンジャー&コンダクターだっただけにショックは大きい。

で、ある。小粋なジャズ盤を探索している時、この「Q」のアルバムに久しぶりに出会した。10年ぶりくらいだろうか。久々にこの盤を聴いてみた。

Quincy Jones And His Orchestra『Quincy Plays for Pussycats』(写真左)。1959年3月、1961年2月、1964年11月、1965年3, 8月の5回のセッションの寄せ集め。マーキュリー・レーベルからのリリース。

ちなみに、5回のセッションはいずれも「ジャズ・オーケストラ」での録音なので、パーソネルについては多岐に渡るので、詳細は割愛する。主だったメンバーをピックアップすると、

Quincy Jones (arr, cond), Benny Bailey, Clark Terry ....(tp), Kai Winding ... (tb), Roland Kirk, James Moody, Jerome Richardson ... (as, ts, fl), Phil Woods, Zoot Sims ... (as), Al Cohn ... (ts), Frank Wess ...(ts, fl), Sahib Shihab (bs,fl), Lalo Schifrin ... (p), Kenny Burrell, Jim Hall ... (g), Milt Hinton (b), Sam Woodyard (ds), Other unidentified musicians。

まあ、ジャズオケの演奏なので、参加メンバー個々のパフォーマンスはあまり重要では無いので、パーソネルの詳細は追求しないが、要所要所に、人気ジャズマンが起用されていて、「Q」の人脈の広さと信頼度の高さが良く判る。
 

Quincy-jones-and-his-orchestraquincy-pla

 
この盤、ジャズオケの演奏で統一されていて、アレンジについては、5回のセッションの寄せ集めでありながら、しっかりとした統一感がある。いわゆる「クインシー節」が濃厚に入った、クインシー・アレンジで統一されていて、どの曲から聴いても、このジャズオケのアレンジは「Q」とすぐ判る。

しかも、この盤でのジャズオケの演奏は、どれもが「ポップで明るい」。1960年代当時にヒットしたポップス・ナンバーのジャズ・カヴァーのオン・パレードで、キャッチーで聴き易い、馴染みのあるフレーズが続々と出てくるから、楽しいことこの上ない。

出だしは、ピアノの音色が流麗に流れるムーディーな雰囲気で始まり、しばらくして、お馴染みのフレーズが出てきてホッとする、どっぷり「Q」サウンドに浸ったローリング・ストーンズのヒット曲「(I Can't Get No) Satisfaction」のカヴァー。

ギターとオルガンが大活躍、ホーン・セクションのシャウト炸裂の「元気ハツラツ」な、ジャズ・ロックの大ヒット曲「The "In" Crowd」のカヴァー。そして、あのバート・バカラックの「What's New Pussycat」をバカラック節を、小粋なアレンジで「Q」サウンドの世界にどっぷり浸からせる。

どスタンダード曲「Mack The Knife」は、これぞ「Q」サウンドという感じの、爽快な「Q」アレンジが施されていて、ホンキートンク調の演奏で始まり、ゴージャスなアレンジで豪快にスイングし、途中、魅力的なテナー・ソロが炸裂。とにかく「Q」アレンジのカヴァーがとっても格好良い。

ポップで明るいジャズオケ・サウンドなので、1960年代当時にヒットしたポップス・ナンバーのジャズ・カヴァーがメインな分、ちょっと俗っぽく、イージーリスニングな感じがするが、「Q」のアレンジが優れているので、決して、イージーリスニング音楽には留まっていない。上質のイージーリスニング志向のジャズオケ盤として、優れた内容の秀作でしょう。ながら聴きにも最適です。
 
 

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2024年8月17日 (土曜日)

ケントン流のボサノバ・ジャズ

1962年以来、米国ジャズ界は暫くの間、ボサノバ・ブームに湧いた訳だが、とにかく、猫も杓子も、あらゆる一流ジャズマンはこぞって、ボサノバを取り込んだ「ボサノバ・ジャズ」に手を染めた。なんせ、あのマイルスだって、ギル・エヴァンスと組んで、ボサノバ・ジャズ志向のリーダー作『Quiet Nights』をリリースしているくらいだ(まあ、マイルスはこの盤を認めていないみたいだが・笑)。

猫も杓子もボサノバ・ジャズだが、内容のある、しっかりした「ボサノバ・ジャズ」もあれば、どう聴いてもイージーリスニングで、内容の乏しい「ボサノバ・ジャズ」もあって、玉石混交としている。ボサノバ・ジャズを聴く上では、その辺のところをしっかりと吟味する必要がある。

押し並べて言えることは、優れた「ボサノバ・ジャズ」は、その演奏に対する「アレンジ」が優れている。ボサノバのリズム&ビート、フレーズをしっかりと踏まえながら、演奏全体の志向は「ジャズ」。そういった、優れたアレンジを施されたものが、優れた「ボサノバ・ジャズ」盤として、後世に残っている。

Stan Kenton and His Orchestra『Artistry in Bossa Nova』(写真左)。1963年4月16日~17日、ハリウッドでの録音。ちなみにパーソネルは、Stan Kenton (p, arr, cond), と、スタン・ケントンのオーケストラ。当時、先鋭的なビッグバンド・サウンドを追求していた、スタン・ケントン楽団がボサノバに取り組んだ異色作。リーダーのスタン・ケントンがアレンジと指揮を担当している。

さすがはケントン。このボサノバ・ジャズ盤は、ボサノバ自体に迎合すること無く、ボサノバのリズム&ビート、フレーズをしっかりと踏まえながら、ケントンのジャズに、ケントン楽団のジャズに仕立て上げている。
 

Stan-kenton-and-his-orchestraartistry-in

 
まず、ケントンのアレンジが秀逸。ケントン楽団の個性をしっかり引き出しつつ、ボサノバの雰囲気を上手く取り込んで、ビッグバンド仕立ての「ボサノバ・ジャズ」の好例をこの盤で提示している。ボサノバのリズム&ビートをジャズにリコンパイルして、切れ味の良い、ジャジーなグルーヴの効いた、ジャズのリズム&ビートが良い。

そのケントン流のボサノバ・ジャズのリズム&ビートに乗って、様々なフレーズが展開される。どんな志向のフレーズが乗っかっても、その演奏は、ケントン流のジャジーな「ボサノバ・ジャズ」になる。そんなケントン流の「ボサノバ・ジャズ」を具現化するビッグバンドの演奏も整っていて、ブルージーで、とても良い雰囲気。

前奏のパーカッションがラテンな雰囲気を煽り、グルーヴィーかつダンサフル、かつジャジーに演奏される「Artistry in Rhythm」や、ブラジリアン・ジャズ・サンバな雰囲気が素敵で、ケントンの硬質なピアノがラテンチックに乱舞する「Brasilia」など、ケントン流のボサノバ・ジャズのリズム&ビートに乗って、ブラジリアン・ミュージックがジャジーに演奏される。

単純にケントン流のボサノバ・ジャズを楽しめる一枚。リズムはかろうじて「ボサノバ」だが、旋律や和声は全く違う。これはボサノバではない、という向きもあるが、それは当たり前。この盤は、ケントン流のジャジーな「ボサノバ・ジャズ」を楽しむべきアルバムで、この盤の音はあくまで「ジャズ」である。

真の「ボサノバ・ミュージック」を聴きたければ、本場のボサノバ盤を聴けば良い。ここでは、あくまで「ジャズ」、優れた内容の「ボサノバ・ジャズ」を愛でている。
 
 

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2024年8月 1日 (木曜日)

素敵なジョン・ルイス楽曲集です

伊ジャズの至宝、欧州ジャズ・ピアニストの第一人者、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がオーケストラと共演したアルバムがもう一つ。長年共演関係を続けてきた、ルカ・ブルガレッリ、マウロ・ベッジョとのトリオで、イタリアの室内管弦楽団、オルケストラ・フィラルモニカ・イタリアーナとのコラボレーションである。

Enrico Pieranunzi Trio & Orchestra『Blues & Bach - The Music of John Lewis』(写真)。2021年9月16, 17日、イタリアの「Cavalli Musica Auditorium In Castrezzato」での録音。改めて、パーソネルは、Enrico Pieranunzi (p), Luca Bulgarelli (b), Mauro Beggio (ds), Michele Corcella (arr, cond) and Orchestra Filarmonica Italiana。

ジャズとクラシックの融合を真摯に追求した、MJQのリーダーでもあった「ジョン・ルイス」のトリビュート盤。ジョン・ルイスの決定的アレンジと弾き回しで有名な、ヴァーノン・デュークの「Autumn in New York(ニューヨークの秋)」以外、残り7曲はジョン・ルイス作曲の優秀曲をチョイスしている。

冒頭のジョン・ルイスの名曲「Skating in Central Park」から始まる。聴いていて涙腺が緩むほどに僕はこの曲が大好きなんだが、まず、ピエラヌンツィ・トリオの演奏が秀逸。

ピエラヌンツィのリリカルで耽美的なバップ・ピアノによる、この曲の持つ美しい旋律の流れ。そこに印象的に絡むルカ・ブルガレッリのベース。リズム&ビートを効果的にサポートするマウロ・ベッジョのドラム。このトリオの演奏だけでも、十分に「聴かせる」。
 

Enrico-pieranunzi-trio-orchestrablues-ba

 
そこに、曲の持つ旋律、トリオのアドリブ・ブレーズを効果的に「映え」させるオーケストラの調べ。最初は、これ、トリオ演奏だけで十分やん、と感じるのだが、オーケストラのサポートが入ると、ジャズとクラシックの融合を真摯に追求したジョン・ルイスの「クラシック」志向の部分がくっきり浮かび上がってくる。オーケストラのサポートの存在に納得する。

2曲目の「Spanish Steps」以降、ピエラヌンツィ・トリオの優れた演奏と、それを効果的にサポートするオーケストラのバッキングが素晴らしいパフォーマンスが続く。

特に、3曲目「Vendome」や6曲目「Concorde」でのトリオとオーケストラによる対位法のアレンジや、5曲目「Django」のクラシック志向のアレンジなどは圧巻である。しかも、このクラシック志向の楽曲のジャジーな部分を引き出して、トリオ演奏で表現するピエラヌンツィ・トリオの見事な展開は聴き応え十分。

そして、4曲目「Autumn in New York」における、ジョン・ルイスの決定的アレンジのオーケストラによる再現は見事。そこにピエラヌンツィのリリカルで耽美的なバップ・ピアノが、「ニューヨークの秋」の美しい旋律をシンプルにリリカルに唄い上げる。

僕はジョン・ルイスの、クラシック志向が見え隠れする、ジャジーでブルージーな自作曲が大好きなんだが、このピエラヌンツィ・トリオとオーケストラは、そんなジョン・ルイスの楽曲に素敵なアレンジを施し、ジョン・ルイスの楽曲の持つ、クラシック志向の部分、ジャジーでブルージーな部分をそれぞれ、効果的に浮き立たせ、演奏映えさせている。

ジョン・ルイスのトリビュート盤として、申し分ない内容。ピアノ・トリオ+オーケストラの傑作盤です。
 
 

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2024年7月31日 (水曜日)

ピアノ + ペット + ビッグバンド

ここ2〜3年、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が元気である。自らのリーダー作から、共演作含めて、「毎月、何かしらのアルバムをリリースしている」印象の多作ぶりである。

1949年12月5日、ローマでの生まれなので、 現在、年齢 74歳。もうベテランの域を超えて、レジェンドの域に達した、伊ジャズの至宝、欧州ジャズ・ピアニストの代表格なのだが、とにかく「多作」。しかも、その内容はどれもが水準以上。というか、優れた内容のものばかりで、ピエラヌンツィの力量・ポテンシャルや恐るべし、である。

Enrico Pieranunzi『Chet Remembered』(写真左)。2022年9月5-8日、"Hörfunkstudio il, Hessischer Rundfunk, Frankfurt am Main" での録音。ちなみにパーソネルは、Enrico Pieranunzi (p), Bert Joris (tp), Frankfurt Radio Big Band。

伊ジャズ・ピアノの第一人者、エンリコ・ピエラヌンツィと、欧州最高峰とも形容されるベルギーの名トランぺッター、バート・ヨリスとの共演盤。2021年作品の『アフターグロウ』が二人の初共演盤だったので、今回のアルバムはヨリスとの再会セッションになる。

ピエラヌンツィは1979年にチェット・ベイカーと出会い、多くのコンサートやレコーディング・セッション実績を残している。今回のアルバムは、そんなウェストコースト・ジャズを代表するトランぺッター&ヴォーカリストの偉人チェット・ベイカーに対するトリビュート・プログラムを収録している。
 

Enrico-pieranunzichet-remembered

 
選曲は、ピエラヌンツィがチェットと共演した時期に、ピエラヌンツィが作曲した作品をメインに、今回、チェットのために新たに作曲した曲を含め、バート・ヨリスによる優れたビッグ・バンド・アレンジを基に録音されている。

このフランクフルト放送ビッグ・バンドの演奏がかなりの充実度の高さで、スイング感抜群、パンチ力十分に、ユニゾン&ハーモニー、チェイス、ソロ、高揚感溢れる豪快なパフォーマンスを展開する。一糸乱れぬ、呼吸がバッチリ合ったカラフルなホーン・アンサンブル、躍動感溢れソリッドでタイトなリズム・セクション。超一級のビッグバンド・サウンドが素晴らしい。

そんなビッグバンド・サウンドをバックに、ピエラヌンツィは気持ち良さそうに、躍動感溢れる、リリカルでバップなピアノを弾きまくる。ヨリスもエモーショナルでバイタル、切れ味の良いトランペットを吹きまくる。やはりヨリスのアレンジが優れているのだろう。ビッグ・バンド・サウンドをバックにしているが、ピエラヌンツィのピアノ、ヨリスのトランペットが、全面に出て映えに映える。

ピエラヌンツィのピアノ、ヨリスのトランペットの「良好なパフォーマンス」と、躍動感溢れる「ビッグバンドの醍醐味」と、上手くバランスをとった、良好な「ピアノ+トランペット」と超強力なビッグバンドとの傑作である。
 
 

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2024年7月29日 (月曜日)

ギルの「ジミヘンへのオマージュ」

久しぶりに、サイケデリックなジャズ・ロックとして、ジョン・マクラフリンの『Devotion』(1970年)を聴いて、確か、この盤って、マクラフリンによる「ジミ・ヘンドリックス(ジミヘン)へのオマージュ」を表明した企画盤だったことを思いました。

ジミヘンと言えば、マイルス・デイヴィスと一緒にプレイする可能性があったことは有名な話で、ただ、1970年9月18日に、ジミヘンが麻薬のオーヴァードーズが原因で急逝してしまったので、ジミヘンとマイルスの共演は実現しなかった。

そんなマイルスとジミヘンの間を取り持っていたのが、「音の魔術師」と形容されたジャズ・コンポーザー&アレンジャーのギル・エヴァンスだったらしい。間を取り持つくらいにジミヘンのサウンドに強い興味を持っていたギル・エヴァンス、ジミの楽曲のジャズ・オーケストラへのアレンジの構想も具現化しつつあって、いつか発表したいと目論んでいた節がある。

ギル・エヴァンスは、1974年、カーネギー・ホールにて、ギル・エヴァンス・オーケストラを率いて、ジミヘンの曲だけのコンサートを行い、その後直ぐに、ジミヘン曲がメインのスタジオ録音に臨んでいる。

『The Gil Evans Orchestra Plays the Music of Jimi Hendrix』(写真左)。1974年6月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Gil Evans (ac-p, el-p, arr, cond), Hannibal Marvin Peterson (tp, vo), Lew Soloff (tp, flh), Peter Gordon (French horn), Pete Levin (French horn, syn), Tom Malone (tb, fl, syn, arr), Howard Johnson (tuba, b-cl, el-b, arr), David Sanborn (sax, fl), Billy Harper (ts, fl), Trevor Koehler (sax, fl, arr), John Abercrombie, Ryo Kawasaki (el-g), Keith Loving (g), Don Pate, Michael Moore (b), Bruce Ditmas (ds), Warren Smith (vib, marimba, chimes, perc), Sue Evans (ds, congas, perc)。

錚々たるメンバーで固めたギル・エヴァンス・オーケストラである。ハンニバル・ピーターソン、ルー・ソロフのトランペット、デイヴィッド・サンボーン、ビリー・ハーパーのサックス、ジョン・アバークロンビーと川崎遼のエレギ、これだけでも、このオーケストラが、どれだけ先鋭的でいマージネーション豊かなサウンドを出すか、が想像できる。
 

The-gil-evans-orchestra-plays-the-music-  

 
そして、ジャズ・オケとして、ユニークな管楽器のフレンチ・ホルン、チューバが入って、ヴァイブも入って、通常のジャズ・オケとは異なる、幽玄で神秘的な響きを伴った、ギル・エヴァンス・オーケストラならではの音世界が広がっている。そんな個性的でユニークなギル・エヴァンス・オケの音で、ジミヘンの自作曲を演奏していく。オーケストラのアレンジ能力の高さが窺い知れる。

印象的なジミヘン曲「Angel」から入る。これが「痺れる」。楽曲の持つ美しくR&Bな旋律を上手にアレンジして、ジャズ・オケで聴かせる。「Foxy Lady」や「Voodoo Chile」のアレンジも優秀。ジミヘン曲のジャズ化が大成功を収めている。

逆に「Castle Made Of Sand」「Up From The Skies」「Little Wing」あたりは、原曲のイメージが判らなくなるくらいデフォルメされているが、ジミヘン曲のユニークなコード進行やフレーズの捻れをうまく、ジャズ・オケにアレンジしている。

アルバム全曲を聴き通して感じるのは、アレンジ担当が、ギル・エヴァンスだけではなくて、オケ・メンバーの3人くらいがアレンジを担当している。曲によって、与える印象やニュアンスが異なるのは、それが原因だろう。ただ、アレンジの基本路線はギル・エヴァンス親分のイメージを踏襲しているので、大きくイメージが逸脱することは無い。逆に、親分以外のアレンジは、判りやすくシンプルなアレンジが多く、聴きやすいという「副産物」も感じられるところが良い。

ジミヘン曲へのオマージュという点では、ジョン・アバークロンビーと川崎遼のエレギが「エグい」音で、ジミヘンのエレギに対するオマージュを捧げている。ジミヘンがエレ・ジャズの中で、ジャズのリズム&ビートに乗ったら、こういう音を出したのかなあ、と想像しながら聴くと、とても楽しい。

当時として、かなり先進的、先鋭的なアレンジと響きを持ったギル・エヴァンス・オーケストラの音は、なかなか一般ウケは難しく、セールスには繋がり難かったみたいだが、その内容は、現代の「今の耳」で聴いても、かなり優れている。ジミヘンの曲の採用については成功していて、この盤、ギル・エヴァンス・オーケストラの名盤の一枚と高く評価して良い。僕の大好きなギル・エヴァンス・オーケストラの名盤の一枚です。
 
 

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