Tower of Powerの50周年新盤
今からもう47年ほど前になるのか。ロックを聴き始めた頃、ブラス・ロックがお気に入りのひとつ。恐らく、中学でブラスバンドに入ってサックスを吹いていたことも影響していたんだと思う。バンド名を挙げると、Chicago、Chase、そして、Tower of Power、Average White Band かな。
ブラス・ロックは、まずフロント楽器である金管楽器のユニゾン&ハーモニーが魅力。そして、ブラス・ロックの命は疾走感と切れ味。そこに、R&Bな味わいが付いて、ファンクネス溢れ、ブラック・ミュージックの要素が漂い、アーバンな雰囲気が濃厚になる。ボーカルが入って、ソウルフルなイメージが良いアクセントになる。
Tower of Power『Soul Side of Town』(写真左)。R&B系のブラス・ロック・バンドである「タワー・オブ・パワー」の最新作。昨年6月のリリースになる。タワー・オブ・パワーは、1970年のデビューになるから、もう50年弱のキャリアになる。その50年弱のキャリアを総括した様な、タワー・オブ・パワーの「音の全要素」がこの新盤に詰まっている。
50周年を記念した新盤の為のレコーディング・セッションは2012年以降の6年間に計4回にわたって行われ、トータルで28曲が出来あがり、新作にはその中から14曲が収録されたとのこと。若い頃の「怒涛のブラス・ロック」では無い、パンチは効いていて疾走感もふんだんにあるが、どこか余裕を持った大人のブラス・ロックという雰囲気が実に「粋」である。
アルバム全編に渡って、溌剌なリズムと鮮やかなホーンの切れ味が溢れている。そこに、華やかなユニゾン&ハーモニーや伸びやかなボーカルが色づけとして加わって、実にファンキーであり、実にソウルフルなブラス・ロックに仕上がっている。リズムやフレーズも「今」の音であり、決して「懐メロ」では無い。懐古趣味など微塵も無いところが潔くて清々しい。
いや〜、現役感バリバリのタワー・オブ・パワー。2018年になって、タワー・オブ・パワーの新盤が聴けるとは思っていませんでした。昔の若かりし頃の「怒涛のブラス・ファンク」という力業を押し出すのでは無く、聴きやすさが前面に押し出た「大人のブラス・ロック」。今の耳にとても魅力的に響きます。往年のブラス・ロック者の方々にも一聴をお勧めします。
東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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