”ベースで旋律を弾く” 難しさ
ベースで旋律(メロディ)を弾くには、高音域(主に7フレット以降)を活用し、ハンマリング、スライド、チョーキングといった装飾技術を用いて、滑らかに「歌う」ように表現するのがコツとのことだが、ジャズにおいて、この「ベースで旋律を弾く」に長けたベーシストは数少ない。
Ron Carter『A Song for You』(写真左)。1978年6月の録音。マイルストーン・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b, piccolo-b, arr), Leon Pendarvis (p, track 1), Kenny Barron (p, tracks 2–6), Jay Berliner (g), Jack DeJohnette (ds), Ralph MacDonald (perc)。
ジャズ・ベーシストのレジェンド、ロン・カーターのリーダー作。この盤では、ロンの「ベースで旋律を弾く」テクニックが前面に押し出された、ロンのベースに焦点を合わせたリーダー作。先に言っておくが、この盤の評価、賛否両論だと思う。僕は、ベースで旋律を弾くのは「アリ」だと思っている。特に、ベースの革命児、ジャコ・パストリアスが出現してからは、別に違和感が無い。
しかし、この盤は、ジャコの出現前、ハードバップ時代からのレジェンド・ベーシストの「ベースで旋律を弾く」チャレンジである。というか、チャレンジ手前で止まっているように思う。それを踏まえてのアルバムの内容のご紹介になる。まず、米国のジャズ・ベーシストは、おしなべて「ベースで旋律を弾く」のは苦手。ロンも例外では無い。
欧州系のベーシストは、クラシックのベース経験が少なからずあるんで、ピッチが合う、テンポが的確、と、ベースという「楽器」を弾く基本が出来ている。基本が出来ている上で「ベースで旋律を弾く」ので鑑賞に耐える。しかし、米国系のベーシストは、まず、ピッチが合っていないことが多く、テンポも遅れがちで雑になる。これが一番の問題点になる。
で、このロンのリーダー作であるが、当時のロンのベースの弱点である「ピッチが合っていない」が、まだ完全に改善されていない。少し、フラットしていて、このピッチが少し外れているのも「味」と、まとめているみたいだが、ちょっと聴いていて気持ちが悪い。テンポは辛うじてキープされているので、テクニック的には、ちょっと「惜しい」ロンの弾きっぷりである。
ただ、演奏自体のアレンジは良好。ベースが「旋律を弾く」ということを大前提としたアレンジは良い。特に、ベースで旋律を弾く、そのもののアレンジはとても良好で、さすがロン・カーターといったところ。タイトル曲のレオン・ラッセルの名曲、カーペンターズのカヴァーで有名な「A Song for You」などは実に良い感じでまとまっている。
ちょっと乱暴な希望なんだが、このロンのアレンジで、この盤のベースを、欧州系のベーシストでやって欲しいな、と。例えば、ペデルセンとか、ムラーツとか、でもどちらも逝去してしまっているので、彼らの後を継ぐ現役ベーシストでやって欲しいなあ、と。「ベースで旋律を弾く」の評価を大きく前進させる成果になる、と思っているんですが・・・。
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