熱演バード、バップなドリュー
とにかく、リーダーのドリューのピアノ、そして、フロントの相棒のモブレーのテナーを完全に食ってしまった、熱く元気溌剌でバリバリ吹きまくるドナルド・バードのバップ・トランペットが一番印象に残る。そして、その合間合間で、さりげなくガンガン飛ばすドリューのバップ・ピアノも極上。二人とも、バラード演奏も的確にこなす。このアルバムはこの二人を聴くアルバムだろう。
Kenny Drew『This Is New』(写真左)。1957年3月28日、4月3日の録音。リヴァーサイドのRLP 12-236番。ちなみにパーソネルは、Kenny Drew (p), Donald Byrd (tp), Hank Mobley (ts :tracks 1–3),, Wilbur Ware (b), G.T. Hogan (ds)。ドナルド・バードのトランペットとハンク・モブレーのテナーサックスがフロント2管のクインテット編成。リーダーのドリューのピアノ、ウエアのベース、ホーガンのドラムで、リズム隊を形成する。
編成について正確に言うと、1957年3月28日の録音がモブレーが入ったクインテット編成。収録曲は1曲目から3曲目まで、「This Is New」「Carol」「It's You or No One」。他は、1957年4月3日の録音で、モブレーが抜けて、ドナルド・バードのトランペット1管のカルテット編成。4曲目から7曲目まで、「You're My Thrill」「Little T」「Paul's Pal」「Why Do I Love You?」。
まず、クインテット編成の演奏については、モブレーのテナー、元気がない。音が籠もって小さい、なので、ユニゾン&ハーモニーのバランスが悪い。逆に、ドナルド・バード、トランペット、普段の倍、元気溌剌。バリバリ吹きまくる。バラードも朗々とブリリアントに吹き上げる。元気の無いモブレーをカヴァーするかの様に、溌剌と吹きまくる、ドナルド・バードのトランペットが良い。
更に、モブレーが抜けて、ドナルド・バードのトランペットがフロント1管のワンホーン・カルテットになると、ドナルド・バードのトランペットの独壇場。アップテンポの曲だろうが、ゆったりしたバラード曲だろうが、お構いなし。とにかくバリバリ吹きまくる。いつもは、理知的に流麗に吹きまくるのだが、このアルバムでは、とにかくダイナミックに切れ味良く吹きまくる。こんなに吹きまくるドナルド・バードも珍しい。
もちろん、リーダーのドリューのピアノも好演。ファンクネスを纏った、黒いアーバンなバップ・ピアノで、グイグイとドナルド・バードのトランペットを支え鼓舞する。ベースのウィルバー・ウェアとドラムのG.T.ホーガンによる粘り強くも推進力のあるビートと相まって、極上のリズム・セクションを披露する。ドリューのピアノはアップテンポにも、バラードにも、的確に対応する。かなりのポテンシャルを備えた、渋いバップ・ピアノである。
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