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2026年7月28日 (火曜日)

再びバップ・マイルス ”Workin’”

僕の「マイルス盤のランキング」の続き。 マラソン・セッションの4枚のアルバムの中で、最悪のジャケット。道路工事の現場に煙草を吸いながら笑うマイルス。しかも、モノトーン、エメラルドグリーン一色。全く金をかけていない。というか気にしちゃいない。まあ、Prestigeレーベルなんで仕方が無い。ジャケットは当時は単なるレコードの入れ物との扱いだったらしいが、それにしても扱いが雑過ぎる(笑)。

Miles Davis『Workin'』(写真左)。1956年5月11日と10月26日の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。1950年代黄金のクインテット。派手さはないが、当時のマイルス・クインテットの凄さを伝える、ライブ感溢れる演奏の数々。

このアルバムには、アコースティック・マイルスで絶対に無視出来ない名演がある。冒頭の「It Never Entered My Mind」。右手シングルトーン+ブロックコードのガーランドのシンプルで儚く美しい前奏で「掴まれる」。

しみじみとした、素晴らしくシンプルで美しい前奏。聴く度に心がジーンとし、目頭が少し熱くなる。情感のこもった、ゆったりとした美しい響き。そして、そのガーランドの素晴らしい前奏。
 

Miles_davis_workin_2

 
そこに滑り込む様に入ってくるマイルスのミュートがテーマを奏でる。至福のひととき。素晴らしいバラード演奏。これがハードバップの真髄である。ビ・バップ時代に、こんな情感溢れる美しいバラード演奏は無い。この曲でのマイルスのミュート・トランペットが実に素晴らしい。これぞ「リリカルで耽美的」という表現がピッタリである。

しかも、である。ゴツゴツとしたフレーズで、野太い音量の大きいコルトレーンは参加していない。ただただシンプルに、ただただ朗々とマイルスは、マイルスだけで、情感溢れるバラードをミュート・トランペットで吹き上げていく。クールでヒップ、「女を口説くように」吹く、バラード・マイルスの真骨頂。

他の演奏も良い。他の演奏は楽しい。当時のマイルス・クインテットの「Theme」が2パターン入っている。「It Never Entered My Mind」〜「Four」〜「In Your Own Sweet Way」〜「Theme」。そして、「Trane's Blues」〜「Ahmad's Blues」〜「Half Nelson」〜「Theme」。演奏の展開が2つに分かれている。ライヴハウスでの短いセッションを聴くような収録曲の構成。プレスティッジにしては粋である。

ジャケット・デザインに騙されてはいけない。ジャケット・デザインに怯んではいけない。このアルバムは、アーティステックな高みに達した、至高のジャズである。
 
 

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コメント

曲のご感想については余地なく同意
ジャケットについては時代を顕示させてこれはこれでいいように思います

調べると
>プレスティッジ・レコードのオフィスはマンハッタン西50丁目446番地と447番地にあった。マイルスは447番地の前に立っている。後ろの建物はグラフィック・コミュニケーション芸術高校。
(当時としては非常に大規模でモダンな最新設備ビル)
(実際建物は推定56年に着工〜59年に完成。ワーキンの録音は記事の通り56年〜リリース59年(or60年1月))

ビートルズの横断歩道
・ロンドンの「アビイ・ロード・スタジオ」前
・撮影日:1969年8月8日
・2010年に英国の文化的・歴史的遺産に指定
・現在も世界中から多くのファンや観光客が訪れる名所となっている

マイルスの建築現場
・NYのグラフィック・コミュニケーション芸術高校前
・撮影時期:推定1956年
・世界中から多くのジャズファンが訪れる名所としたいくらい

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