ティモンズの”動”と”静”の対比
リヴァーサイド・レコードのカタログを見ながら、このブログでの記事にした盤、していない盤の仕分けをしている。リヴァーサイド・レコードと言えば、1953年にオリン・キープニュースとビル・グラウアーによって、NY'に設立されたジャズ・レコード・レーベル。ブルーノート、プレスティッジに次ぐ、中堅ジャズ・レーベルとして、その名を馳せている。
Bobby Timmons『This Here Is Bobby Timmons』(写真左)。1960年1月13, 14日の録音。リヴァーサイドの”RLP 12-317”。ちなみにパーソネルは、Bobby Timmons (p), Sam Jones (b), Jimmy Cobb (ds)。ファンキー・ピアノの第一人者ボビー・ティモンズの初リーダーアルバムである。編成はシンプルなトリオ編成。ファンキー・ジャズの全盛期を牽引したティモンズの代表作であろう。2026年リマスターが出たみたいなので、聴き直しである。
冒頭からの2曲「This Here」「Moanin'」はどちらもティモンズの作曲。This Here」は、キャノンボール・アダレイ・クインテットで、「Moanin'」は、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズで大ヒット。まず、この冒頭の2曲でのティモンズのピアノが、極上のファンキー・ピアノ。ティモンズは、ジャズ・ピアニストの中で一番「こてこて」ファンキーなフレーズを紡ぎ出す名手だと思っているのだが、この2曲のファンキー・ピアノは極上。
タッチは明快、破綻無く端正、ファンクネスをしっかりと忍ばせたパウエル・ライクな、ビ・バップなピアノで弾き進めるスタンダード曲も良い。「Lush Life」や「My Funny Valentine」といったバラードやスタンダード・ナンバーを、明快でファンクネス漂う、独特のタッチで叙情的に表現しているところがとっても魅力的。テクニックは確か、そんな確かなテクニックの中で、パウエルとは似つかぬ「ファンキーさ」を忍ばせて、スタンダード曲を弾き進める。
渋い職人芸的ドラマーのコブと、安定感抜群の骨太ベーシスト、ジョーンズの、息の合った骨太でスウィンギーな、強力リズム隊が、ティモンズの黒っぽくブルージーなピアノをガッチリと支える。今回のリマスターで、ジョーンズの骨太ベースがソリッドでブンブン唸る様がしっかり捉えられ、コブのドラミングが切れ味良く躍動感溢れる音で捉えられており、ティモンズのファンキー・ピアノと相まって、極上のトリオ・サウンドにグレードアップされている。
そうそう、キャノンボール・アダレイ・クインテットで大ヒットしたDat Dere」もティモンズの作だった。しかしながら、自作曲のファンキーなノリだけでなく、「Lush Life」や「My Funny Valentine」といったバラードやスタンダード・ナンバーの弾き回しも見事なのには感心することしきり。この盤でのティモンズのピアノの「動」と「静」のコントラストが印象的。ピアノ・トリオの代表的名盤の一枚、ファンキー・ジャズでのピアノ・トリオ演奏の名盤である。
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