再び”Round About Midnight”
ブログを再開しました。5日ぶりの記事のアップです。
レコード・コレクターズ・2026年7月号は「マイルス・デイヴィス・アルバム/名演ランキング」。今年、生誕100年を迎えるマイルス・デイヴィス。今回はその偉大な功績を偲び、1950年代の繊細でアコースティックな演奏から、ファンクやロックに接近したエレクトリック期、そして晩年に至るまでの長い活動期間に残されたアルバムと、それに含まれる名高い名演の数々をランキング。本誌の執筆陣に選んでもらい、それぞれの1〜50位を決定したとのこと。
マイルスは僕の大好きなジャズマンの一人。この記事については、振り返りとして、興味深く拝読した。ジャズのアルバムというものは、ジャズ歴によって聴き方、聴き味が変わっていく。恐らく、年齢と共に耳が肥えていくのだろう。それでは、ということで、しばらく、当ブログで、マイルスのアルバムを振り返って聴き直してみようと思った。当ブログは、ジャズ者初心者の方々でも、楽しんで読んでもらえるように、がコンセプトなので、マイルスのアルバム選びの基本方針として参考してもらえれば、と思う。
Miles Davis『'Round About Midnight』(写真左)。1955年10月26日、1956年9月10日の2セッションからの選曲。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), John Coltrane (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。マイルス・デイヴィスの「1950年代の黄金のクインテット」である。麻薬禍からカムバックしたマイルス。1955年夏、ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演。それがコロムビアのプロデューサー、ジョージ・アヴァキャンの目に留まり、コロムビアとの契約に至り、このアルバムの録音に繋がる。
このアルバムこそが、僕がマイルスの数あるアルバムの中で、一番最初に手にしたアルバムである。冒頭のタイトル曲「'Round About Midnight」をFMで聴いて感じ入ったのが理由。とにかくアレンジが恰好良い。この曲はセロニアス・モンクの作曲で、アレンジは旧知の仲の編曲家ギル・エヴァンスによるもの。このギルのアレンジが素晴らしく良い。そして、この演奏でのマイルスのトラペットが、オープンもミュートも絶品。マイルスのトランペットの個性が、この曲の演奏に溢れんばかり。
ギルのアレンジが、マイルスのトランペットを引き立てる。ギルのアレンジが、このアルバムのどの曲まで及んでいるのかは判らないが、このアルバムの各収録曲のアレンジはどれもが良い。アレンジが良いと楽器演奏の響きも良い。マイルスも気持ち良くトランペットを吹き鳴らしている。併せて、好調なのが、ガーランドのピアノ。シンプルで平易な、右手のシングルトーンとブロックコード。このシンプルなテクニックだけで、これだけ多彩なバッキングが出来るピアニストはそうそういない。
コルトレーンは音は大きいが、テクニック的にも歌心的にも不安定なところは多い。この盤でのコルトレーンは発展途上。ごつごつ骨太で大音量のテナーを吹き上げる。逆に「繊細さ」は微塵も無い。ポール・チェンバースのベースも、ドラムのフィリー・ジョーは好調を維持していて立派。ポルチェンのベース・ソロ(アルコ弾き)は、テクニック不足で、ちと飽きるが。このアルバムの成功要因は、このアルバムのアレンジによるところが大きい。しかし、名盤はいつ聴いても名盤だ、ということが、この盤を聴いてそれが良く判った。
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