ジャズ・ファンク3部作の最終盤
この盤の雰囲気、リズム&ビートからして、純粋なジャズとは言い難い。しかし、エレクトリック楽器やファンクのリズムを導入しつつも、ジャズの即興演奏に重きをおいたアレンジは、クロスオーバー・ジャズとしてのジャズ・ファンクとして聴けば違和感は無い。「ダンサフル、ファンクネス満載、グルーヴ感満載」で、後のレア・グルーヴ御用達盤である。
Joe Farrell『Canned Funk』(写真左)。1974年11-12月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Farrell (ts, ss, bs, fl), Herb Bushler (b), Joe Beck (g), Jimmy Madison (ds), Ray Mantilla (conga, perc)。ジョー・ファレルのCTIレーベルでの最後のリーダー作。ジャケットのぶっ飛んだデザインも強烈なインパクト。ファレルの考えるジャズ・ファンクの完成形。
冒頭のタイトル曲「Canned Funk」から、ファレルの考えるジャズ・ファンク全開。ファレルのサックスは、メインストリーム・ジャズ志向の正当派な吹きっぷりなんだが、バックのリズム&ビーとがエグい。ファンク度満点。そして、ベックのエレギがこれまたエグい。ベックの弾き出すファンクネスは半端無い。そして、ファレルとベックのユニゾン&ハーモニーから滴り落ちるファンクネスがこれまたエグい。
また、この盤でのグルーヴ感は特別で、当時CTIレーベルに多かった「スタジオで上品に作り込まれたフュージョン」とは一線を画した、当時のファレルのレギュラー・バンドによるライヴさながらの一発録りが、生々しいグルーヴ感を醸し出している。ファレルの正統派サックスとフルートが映えに映える録音は見事なもの。
この盤でも、ジョー・ベックのエレギの存在が大きく、ファンキーなカッティングから、ロック調の激しい歪み系ソロまで縦横無尽に弾きまくっている。そして、ベースのハーブ・バシュラーも、エフェクターを駆使したエレクトリック・ベースで強烈なうねりを創り出している。ジミー・マディソンのドラム、レイ・マンティーリャのパーカッションの「太鼓隊」の叩き出すグルーヴも半端ない。
3曲目の「Suite Martinique」などは、プログレッシブ・ロックやラテンジャズにアプローチした複雑な構成で、クロスオーバー・ジャズとしての面目躍如的な演奏。1作目"Penny Arcade" 、2作目 "Upon This Rock" 、3作目 "Canned Funk" の「ファレルの考えるジャズ・ファンク」シリーズの最終作。クロスオーバー・ジャズ志向のジャズ・ファンク盤としての佳作である。
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