サイケなジャズ・ファンク盤です
マクダフが1969年から1971年にかけてブルーノートに残した4枚のアルバムのうち、最後の作品。ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク、そしてサイケデリック・ジャズな要素がほどよく融合した、実験的な演奏内容がユニーク。そして、更にユニークなのが、楽曲提供とアレンジを、ハードバップ時代の変わり種ジャズマンの一人、チューバ奏者のレイ・ドレイパーが担当している。
Brother Jack McDuff『Who Knows What Tomorrow's Gonna Bring』(写真左)。1970年12月1–3日、ブルーノートの4358番。ちなみにパーソネルは、Brother Jack McDuff (org), Randy Brecker, Olu Dara (tp), Dick Griffin, John Pierson (tb), Paul Griffin (p), Joe Beck (g), Tony Levin (el-b), Donald McDonald (ds), Mike Mainieri (perc), Ray Draper (perc, vo, tuba, arr)。
全編に渡って、ポップ色豊かな、ライトで明るいジャズ・ファンクが展開され、その中で、怪しげなサイケデリック・ジャズな要素が忍ばされていたり、オルガンの弾きっぷりは、ジャズというよりは、ロックな響きと乾いた音色が大半を占めていたり、一風変わったファンクネスを伴いながら、スペーシーなポップ・ロックな音世界がユニーク。
ジョー・ベックのエレギは、R&B志向+サイケデリック色なエレギで、ジャズ・ファンクというよりは、ファンク・ロック風の乾いたオフビートの粘らないファンクネスを前提としたエレギで、これはこれで、やっぱりユニーク。後にピーター・ガブリエル・バンドやキング・クリムゾン等で活動するトニー・レヴィンが、ジャズ・ファンクなベース・フレーズを弾きまくっているのもユニーク。
楽器の定位が浮遊するような不思議な音響ミックスがユニークで、従来のコッテコテなソウル・ジャズ(コテコテのオルガン+サックス+ギター)とは一線を画する。この浮遊感がサイケデリックな雰囲気に直結している。バックのサウンドには、サックスなどの木管楽器を一切排除し、トランペット、トロンボーン、チューバという金管楽器(ブラス)のみを配置して、アルバム全体に独特の「泥臭さ」と「重量感」を与えている。
なんか聴いていて、どこか「隅に置けない」好盤。従来のコッテコテなソウル・ジャズではない、サイケデリックな、ポップでロックで、どこか明るいジャズ・ファンクという雰囲気がとにかくユニーク。特にラストの「Wank's Thang」は、そんな雰囲気の代表的演奏だと感じていて、どこかディスコ調が漂う、マイルドでメロウなグルーヴが芳しい、マクダフのどこか哀愁あるオルガン・プレイが心地良い。
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