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2026年5月21日 (木曜日)

ECMでないと作れない音世界

ECMレーベルでないと作れない、リリース出来ない音世界。オープニングのタイトル曲「Patience」の抽象性は、ほとんど「現代音楽」の世界。無調でノン・ビートの世界。パフォーマンスは「即興演奏とフリーなインタープレイ」。欧州のニュー・ジャズ独特の、現代音楽との融合+「即興演奏とフリーなインタープレイ」の音がこの盤に蔓延している。

Tom Van Der Geld and Children at Play『Patience』(写真左)。May 1977年5月、Tonstudioでの録音。ECMの1113番。ちなみにパーソネルは、Tom van der Geld (vib, perc), Roger Jannotta(ss, bs, fl oboe, b-cl), Kent Carte (b), Bill Elgart (ds, perc)。ボストン出身のジャズヴィブラフォン奏者Tom Van Der Geldの初リーダー作。

即興演奏とフリーなイ現代音楽志向のインタープレイ。この個性的な音世界で、この盤の音世界は「ジャズ」の範疇に軸足を置いている。欧州ジャズの音であるが故、ファンクネスは皆無。しかし、どこかクラシックの理路整然とした構築美を忍ばせたフリーな演奏は聴き応え十分。激情のままに吹きまくる嘶きの様なフリー・ジャズよりも、よっほどスリリングである。
 

Tom-van-der-geld-and-children-at-playpat  

 
本作はピアノを排除した「ピアノレス・カルテット」の編成で録音されており、楽器の音と音の間の「隙間」が非常に美しく活かされている。クリスタルのように透明でクールな、美しいヴァイブの響きと、その「隙間」を活かした独特のアンサンブルも見事。

ベースのケント・カーターとドラムのビル・エルガートによるリズム隊は、単にリズムをキープするだけでなく、フロントの2人と対話するように抽象的かつスリリングなインタープレイを展開する。ノン・ビートを基本に、インタープレイのフリーなインプロビゼーションの中で紡ぎ出されるリズム・キープ。高度な即興演奏の展開。

トム・ヴァン・ダー・ゲルドが奏でる、透明感あふれる美しいヴァイブと、マルチリード奏者ロジャー・ジャノッタの多彩な管楽器の音の伸びを活かした、空間的な広がりとそれに伴う静寂が醸し出されている。まさに、ECMレーベル独特の音世界であり、欧州のニュー・ジャズの音世界である。
 
 

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