ジャック・マクダフの代表作です
今まで、あまり指摘されてこなかったが、ブルーノート・レーベルは、オルガン・ジャズの宝庫である。というのも、あのジャズ・オルガンの神様、ジミー・スミスをハウス・オルガニストとして囲っていた時代があって、それに加えて、その経験とノウハウを基に、以降、ポスト「ジミー・スミス」なオルガニストをこぞって、デビューさせた実績がそれを物語っている。
Brother Jack McDuff『Down Home Style』(写真左)。1969年6月10日の録音。ブルーノートの4322番。ちなみにパーソネルは、Brother Jack McDuff (org), Jay Arnold (ts), Charlie Freeman (g), Sammy Creason (ds), Unknown (el-b), Unidentified large band (tracks 2, 3 & 6)。フロント管がテナー1管、エレベ入りのクインテット編成。
躍動感溢れるエレ・ファンクとソウルフルなブルースで占められたオルガン・ジャズ。ブラザー・ジャック・マクダフのオルガンが大活躍、彼のオルガンの個性と特徴が良く判る好盤である。全体的には、聴き易さ優先のイージーリスニング志向で、躍動感溢れるエレ・ファンクとは言え、リズム&ビートは軽快、ソウルフルなブルースとは言え、雰囲気は洗練されていて都会的。ジャック・マクダフのオルガンも癖のないライトでアーバンなジャズ・オルガンを披露する。
冒頭の「The Vibrator」を聴けば、その雰囲気が良く判る。聴き易さ優先のイージーリスニング志向。それでいて、リズム&ビートは軽快なファンク・ビート、フレーズの醸し出す雰囲気は「洗練されていて都会的」。上質なエレ・ファンクである。そして、4曲目の「Theme from Electric Surfboard」などは上質なソウル・ジャズで、リズム&ビートは明らかにR&B志向、オフビートが強烈でない分、ソウルフルなジャズの要素が前面に押し出されて、ジャジーな雰囲気が増幅されている。
そして、全編に渡って、誰のプレイなのか判らないのだが、エレクトリック・ベースのパフォーマンスが半端ない。どの曲でも、単にビートの供給に留まらない、フロントにカウンターをかますフレーズ弾きや、エレ・ファンクのビートを増幅する強烈なオフビートのフレーズ弾きなど、このアルバムの演奏のファンク度とソウル度を何段階にも増幅している。このエレベ、いったい誰が弾いたんだろう。このエレベはただ者ではない。相当のエレベの名手だと僕は想像している。
オルガン・ジャズが得意なブルーノート・レーベルの面目躍如的なブラザー・ジャック・マクダフの好盤。録音も、オルガン・ジャズとして、ジミー・スミスのダイナミックかつ攻撃的な神的オルガンで鍛えられたであろう、素晴らしい録音手法で、マクダフのパフォーマンスを記録している。4300番台のオルガン・ジャズの名盤として良い内容である。
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