復帰後8枚目、好調ジョーダン
NY時代、不遇だった哀愁のピアニスト、デューク・ジョーダン。1962年の『East and West of Jazz』以降、1960年代半ばにはニューヨークでタクシー運転手をしていた時期もあった。1973年の『Brooklyn Brothers』でカムバック。1973年北欧のスティープルチェイスに移籍し、『Flight to Denmark』で完全復活を果たし、この盤は、11年のブランクを経て復帰後、8枚目のリーダー・アルバムになる。
Duke Jordan『Misty Thursday』(写真左)。June 30, 1975年6月30日、NYCでの録音。 SteepleChaseレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Chuck Wayne (g), Sam Jones (b), Roy Haynes (ds)。ピアノ・トリオにギター入りのカルテット編成。
ギターにチャック・ウェインが参加している。チャック・ウェインは、1940年代に頭角を現し、ビバップ・スタイルで演奏した初期のジャズギタリストの一人。ちょっと録音バランスが悪くて、ギターの音が大きく録音されているが、ジョーダンのバップ・スタイルのピアノとの相性が良く、そんなに五月蠅いとは感じ無い。
ジョーダンのピアノは好調を維持している。ジョーダンのピアノは「オン・ビート」。頭拍子、頭打ちでのフレーズの弾き回しである。バックのリズム隊はオフ・ビート。フロントのピアノはオン・ビート。この状態で哀愁感溢れるフレーズをキメまくるので、嫌が応にも、ジョーダンのフレーズが印象に残る。フレーズがビートに埋もれず、前に出るのだ。
そのリズム隊、サム・ジョーンズのベース、ロイ・ヘインズのドラムが実に良い味を出している。このリズム隊のパフォーマンスが、ジョーダンのピアノを映えに映えさせている。実はこのリーダー作から、北欧の老舗レーベル、スティープル・チェイスの録音でありながら、ジョーダンはNY録音に切り替えている。そのせいで、リズム隊も総替え。NY在住のリズム隊で以降録音しているのだが、これが当たるのだから面白い。
スティープルチェイスでのジョーダンのリーダー作は外れが無い。ジョーダンのピアノも好調で、どのリーダー作を聴いても、出来にバラツキが無いのは立派。1980年代からのキース・ジャレットのスタンダーズがウケるのであれば、1970年代のスティープルチェイスのジョーダンも、もっとウケても良いと思うのだが。如何だろう。
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