MPSオスカーの名刺代わり盤
ジャズ・ピアノは得意ジャンル。実際に若い頃、8年間、クラシック・ピアノを習ってたこともあって、ピアノのテクニックのこととか、歴史のこととか、人より判るところもあって、ジャズ・ピアノが一番、理解しやすい。そして、そのテクニックと歌心とスイング感について、一番バランスの取れたお気に入りのピアニストが、オスカー・ピーターソン。
Oscar Peterson『Action』(写真左)。1963年3月、1964年4月、西ドイツの「Hans Georg Brunner-Schwer Studio」での録音。MPSレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)。ピーターソンの「Exclusively for My Friends」シリーズの第一弾。「E.f.m.f. 1」と並記されることもある。
凄まじいばかりの、目眩くオスカー・ピーターソン弾きまくりの世界である。即興ピアノの神様、アート・テイタムばりの高テクニック、高速フレーズも難なくこなす流麗かつダイナミックな右手。回る右手に推進力を与える、切れ味良く、スイング感抜群の力感溢れる左手。そして、バラード演奏に顕著な、洒脱に溢れんばかりの歌心。ピーターソンのピアノの個性と特徴の全てがこのアルバムに詰まっている。
ピーターソンのピアノの特徴のひとつに「クラシックからの影響が僅少」であるということ。いわゆる「ザ・ジャズ・ピアノ」という雰囲気で、ジャズ・ピアノ、ここに極まれり、という感じの、絶対的なパフォーマンスがこの盤に詰まっている。ただ、あまりに真剣にパフォーマンスしているので、ジャズ者初心者の方々には、ちょっと重いかもしれない。
トリオ演奏なのだが、この「E.f.m.f.」第一弾は、ベースはレイ・ブラウン、ドラムはエド・シグペンのヴァーヴ時代からの継承になっている。しかし、ヴァーヴ時代よりもダイナミックでメリハリがついていて、ピーターソンとガッチリ組んだインタープレイの嵐が心地良い。冒頭、コールポーターの「At Long Last Love」から、ラストの「Like Someone In Love」まで、スタンダード曲をメインに、珠玉のトリオ演奏が繰り広げられる。
MPSレコードの「ピーターソン盤」については、「Exclusively for My Friends」シリーズの一部がリイシューされなかったり、廃盤になったりして、全容がそろわなかったのだが、やっと昨年、サブスク中心にMPSレコードの「ピーターソン盤」が出揃った。今まで、後手後手に回っていた、MPSレコードの「ピーターソン盤」を一気に記事にしていく。そんなチャンス到来である。
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