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2026年3月25日 (水曜日)

この盤には”一本取られた感”満載

一言で言うと、上質のクロスオーバーなコンテンポラリー・ジャズ。CTI盤だからと、甘々のイージーリスニング志向のフュージョン。ジャズでしょ、と思うなかれ。スタンリー・タレンタインも甘々なフュージョンに身をやつしたか、と思うなかれ。聴いてみると判るが、上質のコンテンポラリー・ジャズが展開されているから爽快である。

Stanley Turrentine『Don't Mess with Mister T』(写真左)。1973年3月, 7月の録音。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), Bob James (ac-p, el-p, arr, cond), Harold Mabern (el-p), Richard Tee (org), Idris Muhammad, Billy Cobham (ds), Rubens Bassini (perc), Ron Carter (b), Eric Gale (g)。ここに、Randy Brecker (tp), John Frosk (flh), Alan Raph (b-tb), Pepper Adams (bs), Jerry Dodgion (as), Joe Farrell (ts)のブラスセクションとストリングスが入る。

まず、リーダーのスタンリー・タレンタインのテナー・サックスであるが、これが硬派でダンディズム溢れる、ファンキーでソウルフルな正統派テナーで、ばりばりに吹きまくっているから堪らない。ソフト&メロウなんて、どこにも無い。力感溢れるファンキーでソウルフルなテナーが各曲に響き渡り、その吹奏こそが、この盤を上質のクロスオーバーなコンテンポラリー・ジャズに仕立て上げている、大きな要素である。
 

Stanley-turrentinedont-mess-with-mister-  

 
ボブ・ジェームスのアレンジとアコースティック・ピアノが実に「効いている」。ジャジーにファンキーにコンテンポラリーにアレンジされたエレ・ジャズで、ロンのベースも、ムハンマド&コブハムのドラムもジャジーに効いていて、この盤の演奏の数々は、決して、イージーリスニング志向のフュージョン・ジャズなんかでは無い。しっかり、ジャズしている。

ティーのオルガンも良い感じ。エリック・ゲイルのギターも良い感じ。ファンキー&ブルージー、ソウルフルな雰囲気をこれでもかと増幅する。後の伝説のフュージョン・グループ「スタッフ」のメンバーの二人。R&Bなグルーヴ感が半端ない。そうそう、ボブ・ジェームスとハロルド・メイバーンのエレクトリック・ピアノも良い味を出している。

聴く前は、ブラス・セクションとストリングスの存在がちょっと不安だが、ソウルフルでブルージー。これはアレンジの勝利。この盤のブラス・セクションとストリングスのアレンジはとても良い。ボブ・ジェームスの面目躍如。

ずっと昔にこの盤は聴いたことがあったが、その演奏内容については「忘却の彼方」。今回、改めて聴き直して、ちょっとビックリ。なんと、とってもジャジーでファンキーでソウルフルな、上質のクロスオーバーなコンテンポラリー・ジャズが展開されている。1970年代の硬派なジャズ盤としても良い内容。CTI盤って、時々、こういうことがあるから隅に置けない。
 
 

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