1966年のマクリーンのライヴ盤
北欧の老舗ジャズ・レーベルである「スティープルチェイス・レコード」からのリリースなので、ホームグラウンドのコペンハーゲンの「カフェ・モンマルトル」のライヴ録音かとおもいきや、1966年、米国ボルチモアでのライヴ録音である。恐らく、ライヴ音源をスティープルチェイスが買い取って、録音から13年後の1979年にリリースしたものと思われる。
Jackie McLean『Dr. Jackle』(写真左)。1966年12月18日、米国ボルチモアのジャズ・ソシエティ「Left Bank」でのライヴ録音。SteepleChase Recordsから1979年のリリース。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), LaMont Johnson (p), Scotty Holt (b), Billy Higgins (ds)。進化するアルト・サックスの雄、ジャキー・マクリーンがフロント1管のワンホーン・カルテットである。
つまり、このライヴ盤では、1960年代半ば辺りの、進化するアルト・サックス奏者、ジャキー・マクリーンのパフォーマンスが聴ける貴重なライヴ音源ではある。1960年代半ば辺りのマクリーンと言えば、ブルーノートでのスタジオ録音『Consequence』(1965年12月3日録音)、『New and Old Gospel』(1967年3月24日録音)の間、確かに、マクリーンのディスコグラフィーからすると、1966年の録音がごっそり抜けている。そういう意味で、このスティープルチェイスのリリースは意味があったことになる。
ここでのマクリーンは、マクリーン流のモード・ジャズをガンガンに展開している。限りなくフリーに近いが、しっかりと秩序と統制がとれたモード。コルトレーンのようだ、という形容する人がいるが、これは違う。聴いていると、エリック・ドルフィーが浮かぶ。ドルフィーほど、飛んだり跳ねたりしない。マクリーンは流れる様な、人が吹かないフレーズを連発する。この人が吹かないフレーズを吹くところは、ドルフィーとよく似ている様に感じる。
バックのトリオはオーネットのバンド・メンバー。限りなくフリーに近いモーダルな展開にしっかり適応している様は見事。マクリーンのフレーズの個性をしっかり捉えて、マクリーンのフレーズ展開にしっかり追従するリズム&ビートはなかなかのもの。その適応力はレギュラー・バンドと言っても良い位である
マクリーンと言えば、初期はプレスティッジ、1959年からはブルーノートで、このプレスティッジ&ブルーノートーという印象が強いが、1970年代は、スティープルチェイスの時代。北欧コペンハーゲンの「モンマルトル」でのライヴ音源をはじめ、欧州ナイズされた「進化するマクリーン」が聴ける。このライヴ盤は、その前触れ的位置づけの米国録音のライブ音源である。ひたむきなマクリーンが恰好良い。
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