CTIレーベルの第一弾アルバム
CTIレーベルのアルバム群が、本格的にリイシューされてからというもの、今まで聴いたことが無い盤も出てきて、それはそれは楽しい毎日。クロスオーバー&フュージョン・ジャズもしっかりと守備範囲に入っている、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、現在、CTIレーベルのカタログを基に、CTIレーベルのアルバムの記事のコンプリート化を進めている最中。
『Kathy McCord』(写真左)。邦題「キャシー・マッコード 〜虹のかけ橋」or「レインボー・ライド」。1969年11月18–20 & 24日、12月2日の録音。1970年のリリース。ちなみにパーソネルは、Kathy McCord (vo), Hubert Laws (fl), Paul Harris (p, org), John Hall (g), Harvey Brooks (b), Willis Kelly (ds), Ed Shaughnessy (ds, tabla), Don Sebesky (string and brass arr)。クリード・テイラーが1969年に設立し、クロスオーバー&フュージョン・ジャズで名声を確立するCTIレーベルの第一弾作品である。
米国のシンガー・ソング・ライター、キャシー・マッコードのデビュー盤である。といっても、彼女のリーダー作は2作のみ。女性シンガー・ソング・ライターのアルバムが、CTIレーベルを通じてリリースされたことはとても珍しい。この盤は、クロスオーバー・ジャズにおけるボーカル・アルバムの「珍盤」の一枚だろう。実際、僕はつい最近まで、カタログ上ではその存在は知っていたが、実際に聴いたことが無かった。
クリード・テイラーの「経歴に惑わされず音をじっくり聴いて欲しい」との意向で異色のバイオグラフィー無しでのデビューとなったらしい。アルバムの構成は、全10曲中、オリジナルが9曲、カヴァーが1曲。そのカヴァーが、レノン&マッカートニーの「I'm Leaving Home」。アルバム全体を通じて言えることは、この盤、地味ではあるが内容は濃い。CTIサウンドに彩られたジャズロックなバッキングを得て、キャシー・マッコードは魅力的なクールでウォームな歌声で自作曲を唄い上げていく。
冒頭の「Rainbow Ride」など、CTI色豊かなクロスオーバーな穏やかな伴奏をバックにキャシーが唄い上げ、バックバンドのアドリブ部に入ると、エモーショナルなジャズロックに変貌。ジョン・ホールが弾きまくるジャズロック的な展開にビックリ。硬派でダイナミックな展開に思わず聴き惚れてしまう。続くビートルズのカヴァー「I'm Leaving Home」では、アコギの伴奏をメインとしながら、ストリングスやコーラスが幻想的で哀愁感漂うバッキングが良い雰囲気。
キャシーの自作曲は、内省的でメランコリック。どれも良い出来なのだが、いかんせん「地味」。それでも、バックのイージーリスニング志向のクロスオーバー&ジャズロックな演奏がキリッと締まっていて、内容も良く、合わせ技で「聴き心地&聴き甲斐」のある楽曲にまとまっている。このアルバムが、CTIレーベル第一弾。これがCTIレーベルの音作りと言われれば納得。意外と良い内容のアルバムです。
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