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2026年1月13日 (火曜日)

伴奏上手のケリーを聴き直す・3

ウィントン・ケリーは「伴奏上手なピアニスト」という評価をよく目にするのだが、フロント管などの「楽器」のバックでの伴奏上手なケリーの「音の記録」は多々ある、しかし、ケリーの「伴奏上手」は、ボーカルのバックでこそ、最大限に発揮される、とされるのだが、このボーカルのバックに回った、伴奏上手のケリーの「音の記録」については、意外と数が少ない。

Dinah Washington『For Those in Love』(写真左)。1955年3月15–17日の録音。ちなみにパーソネルは、Dinah Washington (vo), Clark Terry (tp), Paul Quinichette (ts), Cecil Payne (bs), Jimmy Cleveland (tb), Wynton Kelly (p), Barry Galbraith (g), Keter Betts (b), Jimmy Cobb (ds)。ダイナ・ワシントンのボーカル盤。バックは、フロント4管、ギター、ピアノ・トリオのリズム・セクションのオクテット編成。

どの曲でも、ウィントン・ケリーのピアノが映える。ダイナの歌唱のバックでは、ダイナの歌唱を引き立てる、ダイナの歌唱に彩りを添えるようなフレーズを弾き回し、ソロになると、ケリーの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」を惜しげも無く披露する。
 

Dinah-washingtonfor-those-in-love

 
ケリーのハッピー・スウィングするピアノが、ダイナのボーカルのスウィング感と共鳴して、ダイナのボーカルを引き立て、スィング感を増幅する。ケリーの「そこはかとなく、マイナーな影を宿しながらの端正で流麗なピアノ」でのイントロは、ダイナの歌唱の雰囲気を的確にセットアップしている。

とりわけ、ダイナの歌唱のバックでは、ダイナの歌唱を引き立てる、ダイナの歌唱に彩りを添えるようなフレーズを弾き回しが見事で、これだけ「ハッピー・スウィングするピアノ」で、ダイナの歌唱に彩りを添えるような、寄り添うような弾き回しをするのだが、決して、ダイナの歌唱の邪魔になっていない、どころか、ダイナの歌唱に溶け込んで、ダイナの歌唱をハ映えに映えさせているところが、見事というか、これぞ「職人芸」である。

ボーカルのバックに回った、伴奏上手のケリーの「音の記録」については、意外と数が少ないのだが、まずは、このダイナ・ワシントンのバックでの、「伴奏上手」の面目躍如的パフォーマンスを聴くのが、まず「いの一番」だろう。特に、この『For Those in Love』でのケリーの「伴奏ピアノ」は絶品。リヴァーサイドから、本格的なリーダー作を出す3年も前のケリーのピアノなんだが、ケリーの個性と伴奏上手が確立していて見事である。
 
 

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