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2026年1月 7日 (水曜日)

”My Funny Valentine” 再聴です

昨日、アコースティック・マイルスの最高峰『Four & More』をご紹介したが、もう一枚、『Four & More』と同じ、NYのフィルハーモニック・ホールでの同一日のライヴ音源がある。実は、『Four & More』と今回、ご紹介するライヴ盤の二枚を併せて、アコースティック・マイルスの最高峰としている。

Miles Davis『My Funny Valentine: Miles Davis in Concert』(写真左)。1964年2月12日のライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)。60年代伝説のクインテットの一歩手前。まだ、テナーがウェイン・ショーターでは無い。ここでのテナーは、ジョージ・コールマン。

『Four & More』が、モーダルなハードバップなマイルス【動】だとすれば、『My Funny Valentine』は、バラードやスローなブルース中心の、リリカル&耽美的なマイルス【静】。この2枚の同一日のライヴ音源は併せて聴いてこそ、アコースティック・マイルスにおける、マイルスのバップ・トランペットの最高のパフォーマンスを体験することが出来る。
 

My-funny-valentine-miles-davis-in-concer

 
クールでセンシティブで、限りなく自由度が高くモーダル、とにかく繊細で耽美的なマイルス・バンドのパフォーマンスである。特に、マイルスのトランペットの個性のひとつ、ミュート・トランペットで奏でるバラード・プレイは絶品。この静的な、リリカル&耽美的な表現こそが、他の一流トランペッターと一線を画する、マイルス・トランペットの面目躍如たるところ。

ハービー=ロン=トニーの60年代黄金のリズム・セクションも、マイルス・サウンドの意図を明確に理解していて、マイルスのトランペットを素晴らしいバッキングで盛り上げる。とりわけ、ハービーのモーダルなピアノが、このバラードやスローなブルース中心の演奏の中で映えに映える。ロン=トニーは、スローなリズム&ビートをイマージネーション豊かに供給する。

優しく緩やかなバラードやスローなブルース中心の収録曲の構成ではありながら、それでも、ちょっとハードボイルドでハードバップでモーダルな演奏は、アコースティック・マイルスの面目躍如。ここまで、クールでヒップなモーダルな演奏を成立されたら、もうアコースティックではやることがないのでは、とマイルスに感服してしまう。そんな素晴らしいライヴ盤である。
 
 

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