この ”My Fair Lady” 良しです
マイ・フェア・レディの楽曲のジャズ化としては、先行して、シェリー・マンのコンテンポラリー盤(ピアノは、アンドレ・プレヴィン)があって、この盤については、僕がジャズを本格的に聴き始めた、今を去ること、約50年前、ジャズ初心者向けの推薦盤だった。確かに、プレヴィンのアレンジが良く効いていて、ジャズ者初心者だった僕も、直ぐに入手して、しばらくの間、ヘビロテ盤だった記憶がある。
Oscar Peterson『Plays My Fair Lady』(写真左)。1958年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Gene Gammage (ds)。オスカー・ピーターソンがライフワークにしていた、ミュージカル曲集の第1弾。オスカー・ピーターソンならではのアレンジでブロードウェイ・ミュージカルの楽曲を上手くジャズ化している。
しかし、このオスカー・ピーターソンのマイ・フェア・レディの楽曲のジャズ化盤があるのを知ったのは、それから20余年後。21世紀に入ってからである。インターネット経由で、有名ジャズマンのディスコグラフィー一覧が入手しやすくなって、ピーターソンのディスコグラフィーを入手した時に、この盤の存在を知った。しかし、中古LPは見当たらず、CDリイシューもされてなく、聴きたくても聴けない状態が続いた。
そして、いよいよCDリイシューされて、初めて聴いた訳だが、「あれ、シェリー・マン=プレヴィン盤より、内容が濃い」と思った。もともと、ジャズ・ピアノのヴァーチューゾのピーターソンである。ピーターソンのハイテクニックでドライブ感&スイング感抜群、歌心抜群のピアノを最大限に活かしたアレンジが素晴らしく、マイ・フェア・レディの楽曲を目眩くピーターソンのバリバリの弾きっぷりで、ハードバップ化していく。
ドライブ感&スイング感抜群なんで、ちょっと五月蠅く耳に付くかと思いきや、ピーターソンが弾き進めるフレーズが歌心抜群な分、全く気にならない、どころか、圧倒的なドライブ感&スイング感のお陰で、マイ・フェア・レディの楽曲の持つキュートさ、陽気さが全面に浮き出て、聴いていて、とても楽しく、そして、ピーターソンのピアノが映えに映えている。ジャズ・ピアノのトリオ盤としても、十分に優れた内容の演奏だと言える。
どうして、この盤、シェリー・マンのコンテンポラリー盤と同様、ジャズ初心者向けの推薦盤にならなかったのだろう。どうも、当時、我が国では、ピーターソンの人気はイマイチだったからなあ。でも、今の耳で聴いても、このピーターソンのマイ・フェア・レディ盤は優れている。シェリー・マンのコンテンポラリー盤と同等、若しくはそれ以上だろう。ちなみに、僕はどちらの盤も大好きだ。
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