伴奏上手のケリーを聴き直す・2
伴奏上手なウィントン・ケリー。彼のピアノの個性である「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が、フロント管を効果的にサポートし引き立て、メイン・ボーカルに効果的に寄り添い引き立てる。それが、とても良く判るサイドマン盤がこれ。
Miles Davis『Someday My Prince Will Come』(写真左)。1961年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) Hank Mobley (ts) John Coltrane (ts) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 。マイルスが、その先進的な歩みをふと止めて、当時のジャズの演奏スタイルのど真ん中だった「ハード・バップ」メインで演奏したアルバムである。
マイルスのトランペット、モブレーのテナーの2管フロントに、ケリー=ポルチェン=コブのリズム・セクションがバックに付くクインテット編成。演奏のスタイルは「ハードバップ」がメイン。演奏内容は、バラード演奏をメインにミッド・テンポのリラックスしたクールな演奏がメイン。つまりは「ごまかしが利かない」演奏内容。そんな中で、ここでは、サイドマンで参加している、ウィントン・ケリーのピアノにだけ注目してみる。
「そこはかとなく、マイナーな影を宿しつつ、表向きには、ご機嫌にハッピー・スウィングするピアノ」が個性のウィントン・ケリーが、そのハッピー・スウィンガーぶりを適度に抑制しつつ、そこはかとなく翳りを宿しつつ、そこはかとなくファンキーなソロを奏でる。ハッピー・スイングの「ハッピー」部分を適度に抑制し「クール」に置き換え、そこはかとなく「ハッピー」、マイナーな影を宿しつつ、クールにスイングするケリーの伴奏ピアノには惚れ惚れ。
ミッド・テンポな演奏に端正で正確、そこはかとなくハッピーでファンキーで、クールにスイングする。このケリーの「スイング感」が、マイルスのミッド・テンポで吹奏されるトランペットにバッチリ合っている。しかも、マイルスのバックに回って弾き回すクールなスイング感溢れるケリーのピアノは、マイルスのクールなトランペットを引き立て、映えに映えさせる。特に、ミュートで耽美的にリリカルにクールに吹き上げるマイルスのバックでの、ケリーの伴奏は絶品。
「ケリーはマッチみたいな奴だ。奴がいなきゃプレイに火が付かない」とマイルスが語っているのは有名なエピソードですが、この盤の演奏を聴いていると、そのマイルスの言葉に至極納得。この盤での「一ランク上をいくハードバップ演奏」を支えているのは、ケリーの「クールにスイングするバッキング」に因るところが大きいと思います。もちろん、マイルスのトランペットが一番恰好良くて、クールでヒップなんですけどね。マイルスとケリーの相性は抜群です。
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