« 伴奏上手のケリーを聴き直す・2 | トップページ | 伴奏上手のケリーを聴き直す・3 »

2026年1月12日 (月曜日)

バップ・ピアニストの本領発揮

トミー・フラナガンは、数々の歴史的名盤の中で、結構な数、サイドマンとして参加しているので「名盤請負人」なんていう不思議な評価をされたりしている。その「名盤請負人」という評価のその真の理由を誰も深掘りしないのは不思議だった。フラガナンはプロ中のプロ、職人中の職人、どんなセッションでも、どんな曲でも、正解のピアノ・パフォーマンスを叩き出す、引き出しの多さを誇ったバップ・ピアニストであった。

Tommy Flanagan『The Magnificent Tommy Flanagan』(写真左)。1981年6月2–3日の録音。ちなみにパーソネルは、Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Al Foster (ds)。収録曲が全てスタンダード曲+ミュージシャンズ・チューンで占められた、フラガナンのバップ・ピアノがメインのトリオ演奏が収められた好盤である。

オリジナルのLPバージョンは全8曲。フラナガンのバップ・ピアノ全開。とにかく、バップなピアノを弾きまくる。ピアノ・トリオはピアノが主役。フラガナンはここぞとばかりに、端正で小粋なフレーズをバリバリ弾きまくる。このエネルギッシュでダンディズム溢れるバップ・ピアノこそが、フラガナンの真骨頂。ど迫力のアドリブ・フレーズの連発。
 

Tommy-flanaganthe-magnificent-tommy-flan

 
しかし、フラナガンは、スダンダード曲の魅力的な旋律を歌わせるのが上手い。主旋律のメロディーラインを右手でしっかり押さえつつ、その旋律を浮き上がらせる様な、左手のコンピングが絶妙で、そのアレンジの妙とテクニックがフラガナンは秀でている。「伴奏上手のフラナガン」というのは、こういうところから来ているのだろう。

バックでリズム&ビートを支える、ベースのムラーツとドラムのフォスターも素晴らしいパフォーマンスを繰り広げる。ピッチがしっかりあって、鋼の様にソリッドな弦のブンブン胴なりするベース音が素晴らしい。ドラムのフォスターのドラミングは、完璧なバップ・ドラミング。ポリリズミックに叩きまくる様は、バップ・ドラミングの完成形を聴くようである。

「いぶし銀な職人ピアニスト」や「名盤請負ピアニスト」なんていう訳の判らない形容をされたり、「伴奏上手なサイドマン・ピアニスト」と決めつけられたり、フラガナンのピアノの本質を外した、雰囲気優先の評価がされてきたフラガナンだが、この盤のパフォーマンスを聴いて判るように、フラガナンは筋金入りの「バップ・ピアニスト」。それも、モードとかファンキーに走らない、正真正銘ハードバップど真ん中のバップ・ピアニストである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

« 伴奏上手のケリーを聴き直す・2 | トップページ | 伴奏上手のケリーを聴き直す・3 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 伴奏上手のケリーを聴き直す・2 | トップページ | 伴奏上手のケリーを聴き直す・3 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー