好盤・レイチェルZ『Sensual』
Rachel Z(レイチェルZ)。本名は「レイチェル・C・ニコラッソ」。アメリカはNYの生まれ。バークリー音楽大学、ニュー・イングランド音楽院を経て、プロデビュー。1980年代末に、マイク・マクニエリに認められて、人気フュージョンバンド、ステップス・アヘッドのメンバーとなって、認知度が飛躍的にアップした。
続いて1995年、ウェイン・ショーターの7年ぶりの新作となった「ハイ・ライフ」に全面参加。このアルバムの中でのレイチェルZは、キーボードとオーケストレーションを担当、高い評価を受けている。
Rachel Z『Sensual』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Rachel Z (p, electronica), Tony Levin, Matt Penman, Jonathan Toscano (b), Omar Hakim (ds), Mino Cinelu (perc)。レイチェルZの通算13枚目のリーダー作。
レイチェルZのピアノは、ピアノの幅、いわゆるスケールで聴かせるピアノ。演奏の幅の広さと奥行きと響きで聴かせる、実に味のあるピアノ。この盤では、そんな個性に、耽美的でリリカル、印象派的なピアノという個性が加わって、ピアノの表現の幅が更に広がっている。耽美的でリリカルなメロディーとハーモニー。ありそうで無い、意外と個性の強いピアノの響き。
アレンジも秀逸。全9曲中、共作も含むRachel Zのオリジナルが8曲。ジャズ、ロック、フォーク、ワールドミュージックの音要素を融合させた、コンテンポラリーな純ジャズ志向にがっちりアレンジ、ポスト・バップなパフォーマンスが前面に押し出てくる工夫を凝らしたアレンジは、聴いていて、とても楽しい。
ベーシスト3人が交代で対応しているが、ジョナサン・トスカーノのベースが、レイチェルZとの相性という点で、頭一つ抜きん出ている。そして、オマー・ハキムの、ダイナミックで多彩なドラミングスタイルによる、魅惑的なリズム&ビートが、演奏全体を引き締め、鼓舞し、レイチェルZのピアノに寄り添う。
三者が生み出すグルーヴは、仄かに「新しい」。現代のポスト・バップな雰囲気。レイチェルZなりのアレンジが生み出す、レイチェルZ独特のグルーヴ。
レイチェルZは、1962年12月28日生まれ。今年で63歳。ジャズ・ミュージシャンとしては、大ベテランの域に入りつつある。しかし、日本盤としてのアルバムリリースがほとんど無いこと、彼女を積極的に推すネットショップも無いことが影響して、日本での認知度は今も低いまま。どうしてかなあ。このアルバムの内容、なかなかのものだと思うのだが。とにかく好盤です。
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