ピアノ・トリオの代表的名盤 117
ジョアン・ブラッキーン(Joanne Brackeen)。米国出身。「ジャズ・ピアノのピカソ」と呼ばれ、ビー・バップからラテン、アバンギャルドなど、あらゆるジャンルに適応した、バリエーション豊かなピアノが個性。一風、チック・コリアの通じるところがあると僕は睨んでいる。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「唯一の女性メンバー」としても有名。
Joanne Brackeen『Snooze』(写真左)。1975年の作品。ちなみにパーソネルは、Joanne Brackeen (p), Cecil McBee (b), Billy Hart (ds)。米国の女性ジャズ・ピアニスト、ジョアン・ブラッキーンの初リーダー作。セシル・マクビーノベース、ビリー・ハートのドラムと組んだ、ピアノ・トリオでのパフォーマンス。
冒頭のマイルス=ショーターの大名曲「Nefertiti」から度肝を抜かれる。もともと、この「Nefertiti」は、アドリブ部の無い、テーマのみを様々なニュアンスを演奏仕分けていく、違った意味での「フリー」な演奏なんだが、その大問題作に、アドリブ部を大胆につけ、モーダルで自由度の高い、自由自在、硬軟自在、変幻自在なトリオ・インタープレイを繰り広げる。この1曲のパフォーマンスだけでもこのアルバムは「買い」だ。
続く、これまたマイルスの「Circles」では、今度は耽美的にリリカルに、ジョアン独特のモード奏法で弾き上げていく。タッチは明確、左手の低音は心地良く腹の底に響き、右手の速いフレーズは正確。その弾きっぷりはまるでピアノで唄うが如く、である。そこに、マクビーのベースが柔軟にしなやかに絡み、ハードのドラムが、トリオ演奏の要所要所でリズム&ビートをしっかりと引き締め、ジョアンとマクビーの自由度溢れるアドリブ・パフォーマンスをガッチリ支える。
3曲目のジョアンの自作曲「C-Sri」は、一転、高速モードな、疾走感溢れる演奏。ジョアンの右手は正確無比にアドリブ・フレーズを叩き出し、マクビーは高速ウォーキング・ベースで、ジョアンの疾走に追従する。そして、ハードの変幻自在でポリリズミックなドラミングが、ジョアンとマクビーのパフォーマンスを煽りに煽る。そして、ここでのマクビーとハートのアドリブ・ソロは絶品。当然、ジョアンのピアノのアドリブは「翔ぶ」が如くである。
冒頭の3曲だけでも、このジョアンの初リーダー作でのトリオ演奏は秀逸であることが判る。このトリオ・パフォーマンス、2025年の現代でも、なかなか聴くことの出来ないレベルの高いもの。メインストリーム系の純ジャズ・トリオのパフォーマンスとして、この盤は名盤の類だろう。知名度は低いが、この盤はピアノ・トリオ者には必須アイテム。謹んで、「ピアノ・トリオの代表的名盤」の1枚とさせていただきたい。
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