クリスマス・ジャズの定盤・4
クリスマス・イヴまで、あと3日。今年もあと10日。知らないうちに今年も「暮れ」である。一週間前から、我がバーチャル音楽喫茶『松和』における「クリスマス・ジャズの定盤」をご紹介している。ここ『松和』では、イージーリスニング志向の、ラウンジ・ジャズ志向のクリスマス曲集は避けて、基本、純ジャズ志向、クロスオーバー&フュージョン志向の優れた「クリスマス・ジャズの定盤」を選んでいるつもり。今日はその4枚目。
Oscar Peterson『An Oscar Peterson Christmas』(写真左)。1995年1, 5, 6, 7月の録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Dave Samuels (vib, trk: 3, 4, 7, 10, 12), Jack Schantz (flh, trk: 5, 6, 13), Lorne Lofsky (g), David Young (b), Jerry Fuller (ds), String orchestra conducted and arranged by Rick Wilkins。
ギター入りカルテットをメインに、要所要所、効果的にヴァイブとフリューゲルホーンが入る編成。そして、バックにストリングス・オーケストラが入るゴージャズな布陣。ただ、カルテットのメンバーはマイナーなメンバーばかり。リーダーのモダン・ジャズ・ピアノのレジェンド、ピーターソン以外は、あくまで、ピーターソンのピアノを前面に押し出し、映えさせる役割に徹している。
端正で雄弁でスイング感抜群のピーターソンのピアノが、有名クリスマス・ソングをひとつひとつ、秀逸なアレンジの下、印象的に唄い上げていく。ここでのピーターソンは、弾き過ぎない、オーバースイングせず、適度な心地良いスイング感で、それぞれのクリスマス・ソングをカヴァーしていく。それでも、ピーターソン節は健在で、実に聴き応えのある、ピアノがメインのクリスマス・ジャズの名演である。
とにかく、アレンジが優秀。バックの伴奏は、ピーターソンのピアノを引き立てる。ストリングスのアレンジも控えめで良し。原曲のイメージをしっかり残しつつ、アドリブ部はしっかりとジャジーなハードバップな展開をしていて、このクリスマス曲のカヴァーは、しっかり純ジャズの範疇でのパフォーマンスで、モダン・ジャズとしての聴き応え十分である。
ジャズ・スタンダード曲集、イージーリスニング志向のラウンジ・ジャズ盤を制作したり、聴き心地優先のアルバムを作ってきた割に、これが、ピーターソン唯一のクリスマス曲集というのは意外だが、安易なクリスマス曲集を作りたくは無かったんだろう。これも、ピーターソンの矜持の表れといえるか、と。その矜持ゆえ、この唯一のクリスマス曲集、好盤です。
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