キャノンボールとウィルソンと...
クリスマス・イヴまであと2日。といって、クリスマス・ジャズのアルバムばかりかけていると、そもそも、クリスマス・ソングって、数が限られているから、アルバム毎に重複する曲も結構出てきて、段々飽きてくる。なので、このクリスマス・シーズンには、クリスマス・ジャズ盤の合間合間に、ジャズ・ボーカル盤を効果的に挟んで、その「飽き」を回避している(笑)。
『Nancy Wilson / Cannonball Adderley』(写真左)。1961年7, 8月の録音。ちなみにパーソネルは、Nancy Wilson (vo, tracks: 1 to 7, CD 1993), Cannonball Adderley (as), Nat Adderley (cor), Joe Zawinul (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。
キャノンボールのバンドにウィルソンのボーカルがゲスト参加した「ボーカルもの」と、キャノンボールの「クインテット演奏」のハイブリッド構成。LP時代の曲の構成は「ボーカルもの」と「クインテット演奏」が互い互いに収録されていたのだが、CDになって「ボーカルもの」が7曲全部、前半に寄せられ、後半に「クインテット演奏」の収録になった。
これが解せない。LP時代の編成の方が、「ボーカルもの」と「クインテット演奏」を互い互いに楽しめたものを、CDの構成では、キャノンボールのバンドにウィルソンのボーカルがゲスト参加した「ボーカルもの」と、キャノンボールの「クインテット演奏」、それぞれのアルバムをカップリングした感じで、「ボーカルもの」と「クインテット演奏」それぞれにおける、キャノンボール・クインテットの演奏の妙が楽しみ難くなっている。
さて、ナンシー・ウィルソンの歌唱が素晴らしい。ナンシー・ウィルソンは、単なるジャズ歌手という枠に収まることなく、ジャズ、R&B、ポップスを自在に歌いこなす「ソング・スタイリスト」として知られた偉大な歌手である。「どんな曲も自分のものにする」という自負から自らを「ソング・スタイリスト」呼び、端正な唄いっぷりと囁く様な透明感溢れる歌声。大胆にて細心、とにかく聴き応え満点のボーカルである。
そんなウィルソンの迫力あるボーカルを、キャノンボールのクインテットがガッチリと受け止め、ガッチリとサポートし、ガッチリと鼓舞する。キャノンボールのクインテット演奏が迫力満点、ウィルソンの迫力満点のボーカルに負けること無く、さりとて、ウィルソンのボーカルを凌駕すること無く、とてもバランスの良い歌伴をしているところに、この頃のキャノンボール・クインテットの力量、懐の深さを感じる。
その、この頃のキャノンボール・クインテットの力量、懐の深さは、クインテット単体の演奏で十分に感じ取ることが出来る。迫力満点、ハイテクニックで歌心満点のキャノンボールのアルト・サックス、ばりばりバップなナットのトランペット、ファンクネスを撒き散らすザヴィヌルのピアノ、ブンブン唸るジョーンズのペース、端正で柔軟なヘイズのドラム。このキャノンボール・クインテットは無敵である。
キャノンボール・アダレイがナンシー・ウィルソンと出会った時、キャノンボールはウィルソンにキャリア・アップのためにニューヨークへ行くよう勧めている。そして、1959年、ウィルソンはニューヨークへ移り住み、メジャーな存在になっていく。そんな間柄のキャノンボールとウィルソンだからこそ成立した、この魅力的なクインテットとボーカルのコラボレーション。キャピトル・レコードのスマッシュ・ヒットであった。
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